逆転の旋律〜終わらないDL6号事件〜(第8話)
  ――花火が綺麗ね、あなた 「花火のようにすぐ散ってしまう物をなぜ皆は好むのだ?」  ――だって、散る前はとても綺麗じゃない」 「下らないな。美しさをなぜカンペキに保とうともせずに散ってしまうのか理解に苦しむ」  ――どんな物でもずっと同じ物なんてありませんよ  ――花は枯れるし、物は錆び付くし、人だって老い衰える無常な運命なんですよ  そう、いつでも同じ物なんて無い。  人はそれをわかっているようでわかっていない。  いつでもあると思った物を失ってしまった時に、人は初めてその大切さを知る。  ――ねえ、もし私が他の男の所へ行ってしまったら、あなたは・・・・      *** この会話が全ての引き金となった *** 「何だと!それはどういう意味だ!?」  本気で怒ってくれた。  私が他の男の所に行くのを嫌がっている。  最初はそう感じた。  芹緒奏詞に呼ばれていたけれど、やっぱり行くのはやめよう。  私はずっとこの人に付いていく。  一瞬でもそう考えた。なのに・・・ 「まるで、我輩のカンペキがなってないみたいな言い方ではないか!」  ――え? 「人だって老い衰えるだと?我輩を愚弄する気か。我輩は死ぬまでカンペキなのだ!」  ――わ、私・・・そんなつもりで言ったんじゃ・・・ 「カンペキを理解できない貴様といると嫌な気分になる。もう帰れ」   ・・・【気が付いた時には、私は叫んでいた】 「もう良いッ!何よ、カンペキカンペキって!!  そんなに私よりも仕事が大事だって言うんなら、望み通り出て行ってやるわ!!」     ・・・【気が付いた時には、私は待っていた】  情の無い男と別れて、花火小屋で新しい男を待っている。  あの人のあんな台詞を聞いた後だから、罪悪感なんて無かった。 「狩魔沙月さんですね」  声のした方を振り返った。  そこに待ち人の姿はなかった。  あったのは、見知らぬ女の姿だけ。  ――あなたは・・・誰? 「私は七音美歌。私から奏詞を奪ったその罪、今ここで裁かせてもらうわ!」  “バァン!”     ・・・【気が付いた時には、私は倒れていた】 「大丈夫かッ!! 美歌ァッ!!」  川の向こう岸で彼の叫んでる声がした。  でも、彼が呼んでいたのは私の名前じゃなかった・・・ 「いいか? これからそのバイオリンケースに拳銃を入れて川に流すんだ。  それを自分がこちら側から受け止める。美歌の罪は全て自分が被ってやる」  そこから先はよく覚えていない。  私の周りを取り巻く炎の音にかき消されてしまったから。  でも、なんとなく理解はした。  彼は私なんかより、殺人犯である婚約者の方を救った。  結局、彼もあの人のように、私を見てはくれなかった・・・  私は誰からも愛されなかった・・・  全ての愛は私にとって幻にすぎなかった・・・     ・・・【気が付いた時には、私は歌っていた】  周り全てが幻になってしまった私に相応しい、哀しき幻想曲(ファンタジア)を・・・           【第8楽章】:Fantasia 『さっきは取り乱してしまって申し訳ない。さあ、要求をのんでもらおうじゃないか』  落ち着きを取り戻したのか、冷静に話し始める誘拐犯、いや狩魔沙月。  僕らは嫌でも緊張してしまう。この通信が途絶えてしまった時点で、狩魔検事の無事は危うくなる。 「要求の前に1つ聞きたいことがあるんだ」 『何だ?』 「僕らは、狩魔検事を監禁したと思われる場所へと踏み込みました。そして、そこでいくつかの証拠品を見つけました」 『それがどうした?』 「それについて説明してもらいたいんです。あなたが本当の誘拐犯だったら、全部証言できることですよね?」 『そんなことを証言してどうするんですか?』  本当のことを言うわけにはいかない。“電話越しに花火の音が聞こえてくるまでの時間稼ぎだ”なんて・・・ 「あなたが今回の殺人事件の真犯人である可能性を提示するだけです」  何とか僕はそう誤魔化した。この気持ちだって嘘ではない。 『可能性も何も私が悪野裁紀を殺したんです。いまさら、証言なんて必要ない。さあ、七音美歌を引き渡せ』  狩魔検事は真犯人の顔を見たから誘拐された。やっぱり、誘拐犯は真犯人という仮説は正しかったんだ。  でも、ここで終わっちゃダメなんだ。ここで終われば、救出作戦が全て水の泡・・・ 「だったら、なおさら証言しなくちゃいけない。根拠もなしにあなたを犯人にするわけにはいきません!」  相手の顔は見えないけれど、僕は人差し指を携帯電話向けて突きつけた。 『やれやれ・・・法廷とは色々と面倒な物なんですね』  電話から溜め息のようなものが漏れる。 『それで、何を証言すれば良いんですか?』 「監禁場所に残っていた物についてです。まず、血の付いた《包帯》がありました。これは何ですか?」  彼女は少し考え込んでから、ゆっくりと答え始める。 『私は七音美歌に殺されかけ、そして花火小屋で燃やされた。今もまだ、顔や体に大火傷を負っている。 だから、定期的に包帯を変えて、火傷の治療をしているのよ』 「ということは、あなたが狩魔沙月だということを認めるんですね?」 『ええ、もう隠しきれないもの・・・』  さっきまでかたくなに否定していたのに、突然あっさりと認めてしまった。  ひょっとして、娘の狩魔検事の顔を眺めていたら、そういう気持ちが生まれたのだろうか? 「それじゃあ、次。監禁場所に残っていたこの《ピストル》は何なんですか?」 『被害者を撃った本当の凶器ですよ。私はそれで、悪野裁紀を殺したんです』 「でも、この法廷には、芹緒或人の指紋の付いた《拳銃》も見つかってるんですよ?」 『そんなの、被告に罪を着せるための偽の凶器に決まってるじゃないですか』  だけど、指紋を付けたのはあくまでも或人くん自身である。わざわざ凶器を2つ用意する意味なんてあったのかな・・・? 「最後は、《サンダル》です。これは、人質である狩魔冥が履いていたものと思われますが・・・」 『きっと、別の監禁場所に運んでいる途中で落としてしまったんでしょう。現に、今の人質は片方サンダルが脱げていますし』 「ちなみに、どちらの足が脱げてますか?」 『右足ですね』 (当たってる・・・)  イトノコ刑事から証拠品を持ってきてもらったは良いけど、犯人は誘拐も殺人も認めてしまった。  今さらこんな証拠品を審議したところで、何かが変わるわけでもない。 『これで言うことはいいました。今度は私の要求する番ですよ。七音美歌をこちらに』  彼女の勝ち誇ったような顔が目に浮かぶ。  警察の打ち上げる花火の音はまだ聞こえない。もっと会話を引き延ばさなきゃいけないんだ。  でも、もう審議する証拠品は何もない。いっそ、さっきの証拠品の何かにケチを付けてみようかな・・・ 「待ってください!まだ、今の証拠品の中に気になる点が残っています」  そう言いながらも、僕はイチャモンの言葉を考えている。我ながら悲しい光景だ。 『どの証拠品ですか?』  そして僕は1つの証拠品を掲げた。この中には、まだ審議されていない点が残ってる。 「この《ピストル》ですよ。本当にこれが真の凶器なんですか?」 『当たり前じゃないですか。私がそう言っているんですよ』 「でも、証拠がありません。これから、現場から発見されている凶器の弾丸と、この《ピストル》の線条痕を照合してみます」 『その必要はないわ』  強い口調で彼女は言った。ひょっとして、これはただのイチャモンじゃなくなるかもしれない。 「でも、それ以外にあなたが真犯人だということを証明する方法はないんですよ!」 『ッ!!』  言葉すら出てこないようだ。そして、絞り出すように答えが返ってきた。 『いいわ・・・そこまで言うなら、調べてみなさいよ』  でもそれも、ただの強がりのようにしか見えなかった。  ――そして、十数分が経過した 「検査結果が出ました。ピストルの線条痕と弾丸の線条痕は一致しませんでした」 「な、何ですと!?」  係官の言葉に対し、裁判長を始めまわりがざわつき始める。 「どうやら、また説明し直さなきゃいけないようですね、沙月さん」  ふてぶてしく笑った僕の顔にも、一筋の冷や汗が流れる。  もし彼女の言うようにピストルが真の凶器で、線条痕が一致していたら、時間稼ぎは出来なかったのだから。 「さあ、これは一体どういうことなんですか?」 『そ、それは・・・・・』       ―――――バァーン!!    少し伸びのある独特の破裂音。それを最初に感じ取ったのは、被告人席の彼だった。 「花火の音が微かだけど聞こえた。電話の地点から北西の方角に5kmといったところかな」  僕らには全く聞こえなかった。  ただ一人気付いた彼は、僕の携帯で急いで御剣に連絡を取った。 『そ、そうだ。思い出したわ。あのピストルは凶器としては使わなかったのよ』  焦っていたせいなのか、それとも遠かったせいなのか、花火の音には全く気付かず彼女は口を開く。 「どういう意味ですか?」 『そのまんまの意味よ。あれはただ予備として持っていたピストルだったから、一回も使ってないわ』  一回も使わなかった?いや、そんなはずはない・・・ 「それは有り得ません。この《ピストル》は一回使われた形跡があるんですよ。弾丸が1つ減っていますからね」 『グッ!!そ、それは・・・その・・・』  彼女はまたしても嘘を重ねた。どうやらこのピストルは、かなり事件で重要な意味を持ってるみたいだ。 『そ、そうよ。予備として持ってたんだけど、一回暴発しちゃったのよ』 「暴発?」 『運ぶ途中でうっかり引き金を引いちゃったのよ。それで、足に弾が当たっちゃって。 包帯の血もきっと、その治療に使った時に付いたのね』  なるほど。あの血は彼女のものだったのか。確かにそれなら説明は付く。  でも、何度も言うように、ここで全部認めたら時間は稼げないんだ。 「包帯で足の傷も手当てした。そういうことですね?」 『ええ、そうよ』 「それじゃ、また確かめさせてもらいますよ」 『え、どうやって?』  彼女はちょっと焦った口調に変わる。予想はしてたけど、やっぱり彼女は調べられることを恐れている。 「簡単なことです。包帯の血とMPA事件の時に現場から見つかった血痕、その2つのDNAを比べれば良いんですよ」 『何でそこまでして調べるんですか!』 「あなたはさっき嘘をついた。つまり、これも嘘かもしれないという可能性が残っているからですよ」  僕の言葉に押されたのか、彼女は再び言葉を返せなかった。  ――そして、十数分が経過した 「検査結果が出ました。包帯の血とMPA事件の血痕のDNAは一致しませんでした」  もはやこれは理不尽なイチャモンと呼べるようなものじゃない。完全なるムジュンだ。  彼女はまだ、このピストルのことに関して何かを隠しているんだ。 「真の凶器でもなければ、予備の凶器でもない。一体このピストルは何なんですか?」 『し、知らないわ!!』  完全に証言を拒否してしまった。後は僕たちで考えるしかないのか。 「少なくとも、銃は2度使われた。このピストルと現場に落ちていた拳銃の」  そこで僕は思い出した。昨日の法廷を。 「鈴鳴くんは言っていた。“銃声を2度聞いた”とね。僕らは単なる勘違いだと言ったけど、 ひょっとしたらこれは真実なのかもしれない」 「どういうことだ?」  僕の考えに黒原が噛みついてくる。 「つまり、本当に銃声は2度聞こえたのさ。ピストルと拳銃の2回ね」 「だが、犯人が2つの銃を持っていたのなら、2回の銃声をわざわざ違う銃で発砲する必要はないはずだ」 「だったらこう考えればいい。このピストルは、誰か別の人が持っていたんだ。犯人とは違う誰かがね」 「犯人とは違う誰かがピストルを持っていたとどうして言い切れるんだ!」 「このピストルは線条痕検査の結果、本当の凶器では有り得ないことがわかった。 だから、ピストルは犯人とは別の人が持っていたということなのさ」  黒原と話しているうちに、段々考えがまとまってきた。  そして、見え始めた。この事件に潜む真実を・・・ 「犯人とは別の誰か。ピストルを持っていたその人物も、僕には大体見当が付いています」 「面白ぇ。答えてもらおうじゃないか!」  取り巻いている電流が、今にも僕を襲ってきそうだ。それにも屈せず、僕は答えた。 「現場にいた犯人以外の人物。それはモチロン、被害者である悪野裁紀しかいません」 「被害者がピストルを持っていただと?フザけるのも大概にしな」  大きく弾ける電流のショート音が、黒原の怒りを表している。それに負けないように、僕も机を大きく叩く。 「そう考えればつじつまが合うんです。鈴鳴くんは最初、犯行時間の10時より早い9時半の段階で銃声を聞いていた。 それが、このピストルの銃声だったのです」 「だから、何で被害者が発砲するんだよ!?」 「モチロン、自分の身を守るためです。犯人に拳銃を向けられた被害者は、抵抗するために護身用のピストルを発砲させた。 その光景を、鈴鳴くんは目撃したのです」 「あ!じゃあ、まさか・・・誰かが足を撃たれたというあの言葉は・・・」  僕の言葉を聞いて、裁判長は鈴鳴くんの証言を思い出す。 「そう、足を撃たれたのは被害者なんかじゃない。抵抗した被害者にピストルで撃たれた、犯人の方だったんですよ!」 「う、嘘だ!!そんなことが!!」  黒原は必死で反論するが、カンペキな理論も思いつかないほどダメージを受けていた。 「そして、犯行時刻の10時頃。よろめいた足で立ち上がった犯人は、自分の拳銃で被害者を殺害した。 それが、鈴鳴くんが現場に駆けつける時に聞いた、2度目の銃声だったのです!」   僕の放った言葉は法廷中を震撼させた。だが、驚きはこれだけでは終わらない。 「だけど、ここで1つムジュンが生じるんです」 「ムジュンですと?」 「先程、話題となった《包帯》の件です。足を撃たれた犯人は、当然治療をしたはずです。おそらく、その包帯で」 「それはそうでしょうな。狩魔沙月さんも、怪我をしたまま歩くわけにはいきませんし」 「でも、思い出してください。真犯人であるはずの狩魔沙月の血と、包帯の血は一致しなかったんですよ」 「あっ!!!」  裁判長もそれを思い出して驚いている。そう、ここから導き出される結論は1つ。 「包帯で治療した、つまり被害者に撃たれた真犯人は、狩魔沙月とは別に存在していたんですよ!」  そして、その人物は一人しかいない。  狩魔沙月がわざわざ悪野裁判官の持っていた拳銃の存在を隠すほど、かばわなければいけない人物。それは・・・ 「狩魔沙月さん、そろそろ本当のことを話してください。あなたは悪野裁紀を殺してはいない。 真犯人である《芹緒奏詞》をかばうために、あなたは嘘をついたんだ」 『ち、違う。悪野裁紀を殺したのは私よ!!大体、彼はもう死んでいるはずよ』  彼女は必死になって抵抗する。でも、それも無駄だ。  芹緒奏詞が生きているという証拠がある以上は・・・ 「なら沙月さん。あなたは説明できますか?現場に芹緒奏詞の持ち物である《顎当て》が落ちていたことを!」 『も、もうやめてッ!!』  彼女は力を振り絞って最後の叫びをあげた。  その声は、怒りの中に悲しみが混じっているような気がした。 『何なんですか、一体・・・。証拠がない証拠がないって言いながら、私が犯人であることを認めないなんて』 「それは―――」 『大体、七音美歌を引き渡すという要求はどうなったのよ!!もしかして、引き渡したくないからって、 はぐらかそうとしているんじゃないんでしょうね!?』    ―――――バァーン!  彼女の叫び声の裏側から、僕たちでもやっと聞こえる程度の花火の音が聞こえてきた。 「電話の地点から東に2km弱だ。段々近づいてきている」  芹緒或人くんは冷静に判断を下す。でも、間に合わない。 『奏詞が生きているなんて言って、都合の悪いことを誤魔化している。そうよね。そうなんでしょ!?』  彼女はこちらの思惑に気づき始めている。これ以上、時間稼ぎをするのはかえって危険だ。      もう限界か・・・?  ――もう限界だよ・・・沙月さん  僕らは思わず、その声のする方へ振り返った。法廷の扉の前に、一人の男が立っていた。そして、その姿に驚いた。 「く、黒原が二人!?」  目の前にいたのは黒原そっくりの男だった。強いて言えば、少し相手の方が黒原より老けていると言ったところだろうか。 「あ、アニキ・・・」  そして、その男の正体にいち早く気付いたのは、被告人の芹緒或人だった。 「え!?じゃあ、まさか・・・この人が・・・」  僕らの反応を見て、男はこちらの方ヘ歩みよった。 「自分の名前は芹緒奏詞。MPA事件の裁判で有罪となり、そして今回、悪野裁紀を殺害した真犯人です」  殺人犯という割に、その表情はやけに穏やかだった。うっすら笑みまで浮かべている。  芹緒検事としての穏和な性格の意味がわかったような気がする。 『で、出てきちゃダメじゃない!!せっかく私が・・・』 「もうかばわなくて良い。自分のやった罪は自分で償う。ただ、それだけなんだ」 『で、でも・・・』  狩魔沙月は必死になって芹緒奏詞をなだめようとする。が、彼の耳に彼女の言葉は届かないようだ。 「悪野裁紀を殺したのは狩魔沙月じゃない。自分なんです」 「全てを認めるんですね、芹緒奏詞さん」  僕の言葉に彼は静かに頷いた。やけにあっさりとした幕引きではあったが、これで全ての謎は解けた。  事件はこれで終わった。そう思った―― 「異議あり!」  ――さっきまでやけに大人しかった黒原の異議を聞くまでは。 「どうも虫酸が走るんだよ。気持ち悪いぐらいに俺に似やがって。ナメてんのか!!」 「でも、先に生まれたのは自分の方ですよ」 「てめェの屁理屈なんかどうだって良いんだよ!!」  ステッキスタンガンを今度は床に突き刺す。  どちらかといえば、屁理屈をこねているのは黒原の方だと思うけど・・・ 「問題なのはそこじゃねえ。本当に気にくわねえのは、こいつが犯人だと名乗りでて証言していること自体だ」 「どういうことだ?」 「なら聞くが、お前は本当にこいつが真犯人だと信じてるのか、成歩堂?」 「モチロンそうだと思ってる。それなら全てのつじつまが・・・」  黒原は音が聞こえるぐらい深く溜め息をついた。そして、怒りを内の方へとしまい、冷静に話し始めた。 「いいか?よく思いだしてみろ。どうしてMPA事件の真犯人である七音美歌は捕まらなかったんだ?」 「そ、それは・・・・・・・・・・・・ッ!!?」  思い出した。そして、わかってしまった。黒原が一体何を言いたいのか。 「わかったようだな。芹緒奏詞が七音美歌をかばって、自分が罪をかぶったからだということを。今回も同じかもしれねえんだよ!!」 「でも、誰をかばうって言うんだ。狩魔沙月は審議の結果、犯人の可能性はないんだぞ」 「誰も狩魔沙月が犯人だなんて言っていない。もっと身近に、根本的な犯人がいるじゃねえか」  そういって黒原は、ステッキスタンガンで一人の人物を指し示した。  それは・・・被告人・芹緒或人だった。 「18年前に婚約者をかばった男が、今度は実の弟の犯行を包み隠そうとする。なかなか美しいシナリオじゃないか」  黒原は今日一番の嘲笑を僕に見せつけた。  狩魔沙月登場の時点で、芹緒或人の無罪は決定したようなものだったのに、それを一瞬のうちに覆してしまった。 僕は改めて、黒原の恐ろしさを知った。 「ち、違う!!今回は誰もかばっていない。自分が犯人なんです!!」 「そういって、18年前も七音美歌を逃がしたんだろ?御剣信や狩魔豪は騙せても、俺は騙されねえぜ!」  芹緒奏詞の自供も、黒原の心には届かない。  そう、今までの彼は優しい方だった。本当の黒原は、こういうヤツなんだ・・・  でも、黒原の言い分も確かに一理ある。無理を道理に変えるアイツの性格は、こんな時が最も厄介だ。 「僕は彼の言葉を信じます。彼の自供は、法廷では尊重されるべきではないのか、黒原?」 「確かにそれが普通だ。だが、こいつには前科がある。疑ってかかるのがスジってモンなんだよ!!」  やっぱりこいつには、証拠で黙らせるしかない。  “芹緒奏詞が真犯人であるという証拠”。発想は常に逆転させるんだ。  “真犯人ならではの証拠を芹緒奏詞が持っている”、そう考えるんだ。ならば、答えは1つしかない!! 「くらえ!」  僕は黒原に突きつけた。そう、監禁場所から発見されたあの《包帯》を。 「さっき僕は証明しました。真犯人は被害者の抵抗を受けて、足に弾丸をくらっていると。 芹緒奏詞さん、あなたも足を怪我しているんじゃないですか?」 「そうです。よくわかりましたね、弁護士さん」  そういって彼はしゃがみ込んで、ズボンの裾をあげる。そこから見えたのは、 現場から発見されたのと同じ包帯で巻かれた右足であった。 「だ、だが、犯人ぶっている可能性があるはずだ!!わざと自分の足を拳銃で撃ったのかもしれないだろ」    ―――――バァーン!!  携帯電話から聞こえた、とても大きな破裂音。それを花火と判断した瞬間、 「そこだ!! そのポイントから東に100mの地点。そこに狩魔沙月はいる!!」  或人くんの叫びが聞こえた。  そして、しばらく間があって携帯から聞こえてきたのは、 『うオオォォォッッッ!! 突入ッス! 逮捕ッス! 有罪ッスゥゥゥ!!!』  イトノコ刑事の猛烈な唸り声だった。その後ろでは、抵抗でもしているのか争う音が聞こえる。 『私だ、御剣だ。たった今、狩魔沙月は確保した。別の部屋からメイも見つかった。彼女は・・・無事だ』  狩魔沙月から取り上げたのか、携帯電話から御剣の声が聞こえる。 その報告に、僕は安心して思わず床にへたり込んでしまいそうになる。  でも、そんなわけにもいかない。僕はふてぶてしく黒原の前で笑って見せた。 「ありがとう、黒原。君のお陰で狩魔検事は助かった」 「それにしては、随分と嫌味な笑い方をするじゃないか」 「狩魔検事は犯人を目撃したから誘拐された。つまり、狩魔検事に聞けばすぐにわかるでしょうね。 本当の犯人が一体誰だったのか、ね」 「ああああああアアアアアアアアァァァァァッッッッッ!!!!!」  黒原の雄叫びのような轟きは、法廷内を大きく揺らした。 「ち、チクショーーーーーッッ!!俺は・・・・俺は・・・・何であの時、救出に手を貸した? それがなければ・・・・俺は・・・・・」  黒原は再び負けたのがそんなに悔しいのか、机に突っ伏して何度も拳を打ち付ける。  ちょっぴり可哀想に思いながらも、僕は笑った。嫌味な笑いじゃなく、純粋な笑いで。  ・・・だって、黒原の力で狩魔検事が助かったことには、本当に感謝してるから。 「全てが終わったのですな。これで」 「そうですね」  MPA事件、悪野裁紀殺害事件、狩魔冥誘拐事件・・・これで本当に全てに決着は付いた。 「それでは、芹緒或人に判決を下したいと思います」              ―― 無罪 ――  その2文字が、僕らの今までの闘いの結末に祝福してくれていたかのように思えた。 「それでは、芹緒奏詞は早急に・・・」 「逮捕の必要はありませんよ、裁判長」 「え?」  芹緒奏詞の意外な一言に、裁判長は思わず聞き返してしまう。  当の本人は、さっきと同じようにニコッと笑って答えた。 「自分は捕まりません。だって、ここで死ぬんですから・・・」 「な、何ですって!!」  法廷が再びざわついたところに、芹緒奏詞は小さな茶色いビンを取りだした。 「これ、何だかわかりますか?」 「まさか・・・・それは・・・・・」 「毒薬です。狩魔豪が美歌に飲ませた時の毒薬です」  あのビンの中身が、美歌さんの声を奪った・・・。そう考えると、僕の中で恐怖が生まれた。 「美歌は一命を取り留めたけど、声を失ってしまった。もしそれが、狩魔豪の下した裁きだというのなら、 自分もここで同じものを飲んで死を選びます」 「ちょ、ちょっと!早まった真似は・・・」 「自分は本気です。近寄らないでください!!」 彼が毒薬の小ビンを突き出すと、僕らの動きは止まった。 「美歌はあの裁判の時、これを飲んで倒れて運ばれた。そして、狩魔豪の控え室で見つけてしまったんだ。 この小ビンを。美夏の声を奪ったこの毒薬を」  彼から笑顔は消えていた。そして、止める間もなく彼はビンの中身を飲み干してしまった。 「これで・・・・・自分は罪を償える」  彼はそう言い残した。でも、数分経っても特に変わった様子はなかった。 「・・・・・・・・・・・?」  法廷のみんな一同、おそらくそんな台詞が頭に浮かんだと思う。一番驚いているのは、芹緒本人だ。 「な・・・なんで・・・・・どうして死なないんだ!?」    ・・・あなたに自殺は無理ですよ  聞き覚えのある声。いつの間にか僕の隣には、白衣の少女が立っていた。 「あ、茜ちゃん!?どうして君がここに!?」 「何言ってるんですか。成歩堂さんが言ったんじゃないですか。この《小ビン》の中身を調べてくれって」 「あ・・・」  すっかり忘れてた。事件は全て終わったものだと思ってたし。 「中身を調べた後で、ちょっと事件資料をあさってみたんです。 すると、このビンの中身は、狩魔豪検事がMPA事件の不正で使ったものと同じということが判明したんです。 きっとこのビンの中身を、小ビンにいったん移して持ち歩いたんですね」  そして、その1つを七音美歌、もう1つを芹緒奏詞がそれぞれ見つけて持っていたワケか。 「それで、茜ちゃん。その中身は一体・・・」 「このビンに入っていたのは“ホルモン障害蛋白同化ステロイド剤”です」 「ほ、ほるもん・・・・たんぱく・・・・・何だって?」 「ホルモン障害蛋白同化ステロイド剤」  まるで早口言葉のような名称を、いともあっさりと話す茜ちゃん。  彼女は焦る僕を見てちょっと困り顔になったが、分かりやすく説明してくれた。 「簡単に言うと、男性ホルモン剤ですね。ビンの中に入っていたのは」 「男性ホルモン剤?」 「男性化作用のあるホルモン剤です。それを女性が飲んだら、男性のように裏声が出なくなったり、 酷い時には声そのものが出なくなり、最悪の場合死に至ります」  彼女は淡々と恐ろしいことを口にする。七音美歌さんは、そうやって声を奪われてしまったのか。 「それじゃ・・・・・彼が死なないのは・・・・」 「男性化作用のあるホルモン剤を男性が飲んでも、全く問題はありません。 だから、あなたは死ぬことが出来ないんです、芹緒さん」 「そ・・・・・・・そんな・・・・・・・・・・・・ッ!!?」  芹緒さんが落胆の色を隠せなかったが、突然顔を真っ青にして床にひれ伏してしまった。  そして、そのまま気絶してしまった。 「ど、どうしたんだ!?茜ちゃん、芹緒さんはさっき死ねないって・・・」  茜ちゃんは彼に近寄って、体を色々と触ってサラッと答えた。 「死んでませんよ。18年前の薬を飲んだんだから、あたってもしょうがないですね」  あ、なるほど・・・。ちょっと間抜けな彼の失神に、みんな苦笑気味だ。彼も悲惨だな・・・ 「それに、元々ホルモン障害蛋白同化ステロイド剤は筋肉増強剤だから、 直接飲むんじゃなくて皮下注射するのが正しい使い方なんですよ」  茜ちゃんはニッコリ笑って、そう解説してくれた。  その笑顔で僕は確信した。今度こそ本当に、全てが終わったんだってことに・・・ 『奏詞・・・』  法廷の前で待っていたパトカー。芹緒奏詞はゆっくりと吸い込まれるように乗り込んでゆく。  それをただ見守ることしかできない美歌さん。  そのスケッチブックに書かれた文字も、何だか悲しげだった。言葉が出ないことの辛さが、少しわかるような気がした。 「美歌。君に1つだけ言っておかなければいけないことがあるんだ」  古い薬を服用したためか、芹緒奏詞の顔は少し青ざめていた。  そんな彼に呼ばれた美歌さんは、彼の次の言葉が読めずに首をかしげる。 「好きの反対の言葉。そういえばわかるかな・・・」  彼はちょっと口ごもったように言った。その顔を見て、美歌さんの顔も曇った。  殺人を犯してしまった上に、昔の浮気相手である狩魔沙月と共犯だった。 更に「嫌い」なんて別れを切り出されたら、彼女も相当辛いものがあるかもしれない。  彼女は何も言おうとはしない。喋れないというのもあるけれど、口にすることが怖いのかもしれない。  そんな彼女を察した芹緒奏詞は、パトカーの窓から身を乗り出して彼女を引き寄せると、そっと唇を交わした。 「馬鹿だな。スキの反対はキスに決まってるだろ」  さすが本家とも言うべき芹緒奏詞。甘い言葉に加えてそういうことをする行動力も備わってるようだ。  僕や真宵ちゃんは恥ずかしくなって、その瞬間思わず顔を背けてしまった。  そんな僕らのことなどお構いなしに彼は笑っていた。これから捕まるというのに、呑気なのか楽観的なのか・・・ 「自分は必ず帰ってくる。どんな形で会おうと、自分は真っ先に美歌に会いに行く」  美歌さんや或人くんや沙月さんが、なぜ彼をかばおうとしたのか。 彼の屈託のない笑顔を見ていると、なんとなくわかるような気がしてきた。  そして、パトカーの窓は彼と彼女を遮るよう閉まっていき、殺人犯・芹緒奏詞は連行されていった。  七音美歌さんはただそれを見送ることしかできなかった。 『私はあなたのこと待ち続けているから・・・』  そのスケッチブックを両手に抱えたまま、彼女はずっと彼だけを見ていた。  その目には、一筋の涙がこぼれ落ちていた。  それは、声を失って無感情になってしまった彼女の、唯一の叫びだったのかもしれない。 「ありがとう、黒原。お前のお陰で、真相を見つけることが出来たよ」  法廷の中でただ一人立っていた黒原。そのうなだれた姿を見るに見かねて、僕は思わず声をかけた。 「そんなのは慰めにもなりゃしない。全部俺にとっては皮肉の言葉だ・・・」 「でも、君にも狩魔検事を助けたいって思いは少なからずあったんじゃないのかな」 「やめろ。人助けなんて言葉、聞くだけで反吐が出るぜ」 「そういうところは変わってないな、黒原・・・」  彼はそっぽを向いてしまった。  本当は黒原は優しい人間なのに、どうしても感情に流されて悪に目覚めてしまう。  彼もまたみんなと同じように純粋。いや、僕ら以上に純粋なために、ちょっとしたきっかけでその気持ちは悪へと変わる。 「・・・これからどうするんだ、黒原」  黒原が記憶を取り戻して初めの方にいった言葉。  彼は検事としてやり直すことも出来る。ただ、法の見方によってはやり直しがきかない。どちらを取るかは、黒原次第なのだ・・・ 「さあな。俺にはわからない。ただ、二度もお前に負けてしまっては、カンペキな検事も形無しだぜ」 「君は負けたワケじゃない。真実がそうさせただけだ」 「今さら何を言うんだ。その真実をねじ曲げて勝ち取るのが、俺のやり方なのを忘れたのか?」  黒原の眼に不気味なほどの逆光が蘇る。それはまるで悪魔の眼・・・。 「カンペキな人間なんて存在しない」 「俺にその言葉が通用すると思うか?俺は今まで、血を吐くほどの黒い人生を歩んできたんだぜ」 「僕はそう信じている。本当の黒原は、もっと心のある人間なんだ」 「バカバカしい。黒原一族に流れているこの黒い血。俺もこの血が流れている以上、親父や狩魔豪の道に逆らえない。 そういったのはお前のはずだぜ、成歩堂」  そう、あの時には確かにそう思った。  でも、今は違う。本当の彼を見た瞬間から、僕はこの考えを打ち消したんだ。 「黒原を見た時は、正直怖いと思った。何も恐れるものはないヤツなんだと思ってた」 「当たり前だ。それが俺なんだ」 「でも、それは違ったんだ。お前も人並みに悩み、苦しみ、挫折している。 お前の携帯の着信メロディーは、その苦難を表していた。違うか?」  僕の言葉に意表をつかれたのか、黒原は完全に言葉を失った。  そして、言葉の代わりに取りだしたのは携帯電話だった。 「18年前、俺が親父を殺してから、初めて耳に響いた曲。それが今の着信音だ。 まさか、それがモーツァルトのレクイエムだったとは思いもしなかったぜ」  つまり、この着信メロディーが黒原を黒く染め上げた。心に響く哀愁の旋律が、彼の純粋な気持ちを侵すように入り込んだワケか。 「着信メロディーは死刑判決を受ける前に削除したってのに、今になってこの仕打ちか。正直言って、もうワケがわからねえよ」  過去の悪夢を思い出さないために、黒原は着信メロディーを消した。でもそれは、“消えた”のではなく、ただ“薄らいだ”だけ。  悪夢の根源は、黒原の心の奥にひっそりと眠っているんだ。そして、それを再び呼び起こしたのが、美歌さんのバイオリン。 「そういえば黒原・・・お前、どうやって死刑から免れたんだ?いくら何でも、死刑台から逃亡したワケじゃないだろ?」 「あの薄汚ェロープなんか思い出したくもねえ。あのせいで俺は頭痛のまま釈放されちまうし、記憶喪失を良いことに 別人にさせられるし、挙げ句の果てにはあんなむずがゆい台詞まで言わせやがって、あのクソコンダクターの野郎!!」  簡単に要約すると、絞首刑の最中に古くなったロープが切れたようだな。 一応、それでも法的には死刑執行したと見なされるから釈放される。  だけど、ロープが切れて地面に落ちたとき、頭を打ち付けて記憶を失ったというわけか。 「それにしても・・・運がよかったな。ロープが切れるなんて」 「全然良くねぇよ!!絞首刑から逃れる代わりに、悪夢に縛られるハメになっちまったんだぞ!!」 「やっぱり、今でもお父さんを殺したことを・・・」  ここから先は言えない。たとえ事故とはいえ、彼はその心に“罪”と言う重荷を抱えてしまったのだから。 「言ったはずだ。親父のことは好きじゃねえって。それに、半年前にも殺人をやらかした俺だぜ。 今さら罪をどうこういう問題じゃねえ」  黒原は僕に横顔を向けた。そして、溜め息を1つつくと、吐き捨てるように答えた。 「俺はただ黒く強くカンペキに生きる。それがあるから、過去の苦しみも罪の重さもどうってことねえんだ」  そう言っている黒原の唇は震えていた。やっぱり今でも、過去の悪夢に怯えているんだ。 「お前といると気持ちが変になっちまいそうだ。俺は行くぜ」 「また・・・・会えるかな」  黒原はぴたっと止まって、冷や汗を流す。 「ば、馬鹿野郎!!そんな気持ち悪ぃこと言うなよ。俺はいつでも孤独に彷徨っているんだ」  そういって顔をうつむかせると、少し小走りになって去っていった。  そして、その姿が消える直前、黒原は一瞬振り返って捨てるように言葉を吐いていった。 「次に会えるのはきっと、そんな遠い話じゃないと思うぜ」  僕はその言葉に、何だか喜びを覚えた。  僕らの18年にもわたる闘いは、これで幕を閉じた。少なくとも、僕はそう感じた。 「ついに真犯人が捕まったな」 「たしか、芹緒奏詞だったっけ?」  裁判所から出てくる若者たちの会話を何気なく耳にし、嗤(わら)っている男が一人。  男はそのまま若者たちとすれ違い、闇の方へと姿を溶かしつつある。  そして、誰の影も見当たらなくなったのを確認すると、男は高らかに嗤った。 「芹緒奏詞は犯人として捕まった。彼が罪を全て被る。全ては私のシナリオ通りだ・・・」  男はいったん嗤うことを止め、低い声で呟いた。  ・・・MPA事件、DL6号事件、そして今回の事件  ・・・背後に私の影があったことなど、もはや誰も知る者はいない 男が着ていたコートを翻すと、完全に闇の中へと消え去ってしまった。自分の勝利を、その背中に掲げて・・・

あとがき

元々、前作で全て出し切ったつもりだから、今回はパンチが弱いと思っていたけど、 書き終えてみると、予想を遙かに超えて、自分で満足できる仕上がりになりました。 「書いてて良かった」今の自分の気持ちを一言で表すとこんな感じです。 まあ、前作とどう比較するかは、読者様次第ですけれど・・・ 当初のプロットでは、芹緒奏詞が真犯人という結末で終了していました。 でも、第5話あたりから、或人が兄をかばう姿を書きながら情が移ってしまい、 「このまま犯人は可哀想すぎる」 そんな気持ちから、最後の数行を書き加え、シナリオ再追加となりました。 残すは2つのエピローグのみ。 “光のエピローグ”と“闇のエピローグ”と作者は陰で題しております(特に意味はありません) 最後の数行の真相は、その闇のエピローグに収録されております。 いったん、この作品を読んできてくれた方々にお礼を言います。 本当にありがとうございました。

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