逆転の旋律〜終わらないDL6号事件〜(第3話)
――2001年 12月28日  全てはここから始まり、それはまだ現在進行形で続いている。  一度は未解決に終わるかに見えた悪夢のような事件。  人はそれを“DL6号事件”と呼んだ。    彼らは知らなすぎた。  DL6号事件の序曲となったもう1つの事件があることを。  それは言うまでもなく、DL6号事件の主犯者・狩魔豪の動機となった一件。  狩魔豪が御剣信の不正摘発によってプライドを傷つけられたあの事件。  その事件は関わった者すべての心を無惨にも斬りつけていったことを。  彼らは知らなすぎた・・・  『ファイル名:天野川検察官夫人爆発炎上事件    法廷日時:2001年 12月28日     裁判官:悪野 裁紀     検察官:狩魔 豪     弁護人:御剣 信        』  事件は復讐によって生み出される。  復讐が復讐を呼び、血塗られた悲劇は繰り返される。  だからこそ、鎮魂歌は流れる。  全ての者たちの復讐をここで終わらせるために。  『  被告人:芹緒 奏詞     証言者:鈴鳴 聴真           七音 美歌         』    DL6号事件は全ての人の心を翻弄させる。  操られてしまった人は闇へと迷走し、復讐劇の中へと吸い込まれていく。  それはまるで、調和の合わない狂想曲(カプリッチオ)のように・・・               【第3楽章】:Capriccio 「それでは法廷を再開します」  事件は裁判長の木槌を合図に動き始めた。 「芹緒検事、準備の方は整っているのですかな?」 「勿論です。早速入廷してもらいましょうか。翼をもがれた美しきロンリーエンジェルに」  芹緒検事は恥ずかしげもなく、甘い響きを持つその台詞を口にする。  その言葉に導かれて入った証人に、観客は一斉に言葉を失った。無理もない。 現れた女性は、芹緒検事が甘く囁く気持ちも分かるほどの綺麗な女性だったのだから。  彼曰く、翼をもがれた・・・、恥ずかしくてこれ以上は言えないけど、とにかくそれは、この証人をさす言葉。  誘拐犯は彼女の引き渡しを要求している。彼女を殺害するために。 「それでは証人、名前と職業を」  証人は何を思ったのか、突然マジックペンとスケッチブックを取り出して字を書き始め、それを証言台の上に立てた。 『七音美歌 職業はバイオリニスト』  その容姿に似つかわしい丁寧な字の羅列が、スケッチブックに書き込まれていた。 「芹緒検事、一体これは・・・」  この状況が全く飲み込めず、裁判長は驚いている。 「だからさっき言ったんです。彼女にはあるべき翼のない飛べない天使なんだと」 「もっと分かりやすくお願いします」 「つまり、彼女は声を出すことが出来ない、いわゆる声帯障害を抱えている人なんですよ」 「せ、声帯障害ですか・・・」  衝撃的な言葉に裁判長は言葉を失ってしまう。なるほど、だから会話はスケッチブックで行うのか。 「手話でも良かったのですが、他の人には分からないでしょう。それに、彼女の小さな手に 残酷な殺人事件を語らせるのはあまりに無慈悲。だから、このような手段をとらせて頂きます」 「結構ですぞ。なかなか芹緒検事も女性思いでいらっしゃいますな」 「当然のことをしたまでですよ」  芹緒検事は律儀に礼を交わす。  でも、彼女の小さな手に殺人事件の全容を書かせることは無慈悲じゃないのか、という点には誰も気付かないのだろうか。 「彼女は現場であった米賀町の方にいて、しかも現場のすぐ近くで事件を目撃している。 そこで何を見たのか、それを証言してもらいましょうか」  彼女はその言葉に頷くと、慣れた手つきでマジックを走らせて、そのスケッチブックを証言台に立てかける。 『現場を通りかかると銃声が聞こえました。その音で駆けつけた時、現場から逃げる人影を見たんです。 でも、暗くてその人が誰なのかは分かりませんでした』  この証言を見たとき、芹緒検事は顔を少し歪めた。 「やれやれ、君は天使の顔をした小悪魔だ。私と話をしていたときには確かに言っていたじゃないですか。 “被告人・芹緒或人の姿を見た”とね」  心なしか声も震えている彼に対し、美歌さんは表情1つ変えずにまた言葉を書き込んだ。 『すみません。やっぱり勘違いだったみたいです。私は何も見ていません』  法廷は沈黙の世界へと陥る。この出来事は誰しもが予想できなかった展開であろう。  そして、その世界を一瞬で変えてしまう怒鳴り声が被告人席から響いた。 「オレを犯人にさせまいと証言を拒否する。それで18年前の罪を償ったつもりでいるのか!気にくわねえんだよ。 まるで、オレが犯人であることが前提みたいでよ」 『違う。私はそんなつもりで言ったんじゃ・・・』 「大体最初からおかしかったのさ。悪野裁紀、鈴鳴聴真、そして七音美歌。 なんで18年前の事件の関係者がこの法廷にゴロゴロ集まってるんだ!?」  その大声を浴びせられた当の美歌さんは、ただ黙ったまま証言台の下に姿を隠して何かを取り出していた。 「また証人となってハメる気なのか?18年前のアニキと同じように。アニキがアンタのために何をしたのか、まだわからな―――」      ♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜♪♪〜♪〜  彼の声を遮って流れてきた力強い調べ。  音源の方を向いてみると、さっきまでとは打って変わった覇気のある表情でバイオリンを演奏する美歌さんの姿があった。 「こ、この曲は・・・」  裁判長が驚くのも無理はない。音楽無知な僕でさえも知ってるほどの有名曲だ。この曲は・・・ 「ベートーヴェンの『交響曲第5番』。それは運命の扉を叩く音を奏でているように聞こえるために、 人々はその曲をこう呼んだ『運命』ってな」  さすが一端の指揮者なだけはある。或人くんは冷静にその曲の解説をし、両手を被告人席に叩きつけた。 「俺たちがこの法廷で出会ったことが運命だとでも言いたいのか!?ふざけるな!!」  バイオリンを奏でる手を止め、ただ呆然と立ち尽くす証人。もはやここは1つの修羅場と化している。  その険悪なムードを一瞬にしてなだめたのは、またしても裁判長の木槌だった。 「静粛に!静粛に! 被告人、今度口を出したら法廷侮辱罪と見なして強制退出させますぞ」 「・・・スミマセン。また熱くなっちまったみたいです」  さすが裁判長。一瞬のうちに或人くんの熱を冷まさせてしまった。 「さて、それでは証言を続けましょう。証人、本当に被告の顔は見ていないのですかな?」 『はい。何も見えませんでした。現場にも近づいていません』 「ふむぅ、困りましたな。これでは、裁判が進みませんぞ」  完全に裁判は止まってしまう。でも、どうも引っかかる。  本当に美歌さんは何も見ていないのだろうか? 「ところで美歌さん。どうしてあなたは、被告を見たと勘違いしたんですか?」 『わかりません。でも、私は被告人は見ていないと思います』 「どうしてそう言い切れるんですか?現場には彼のイニシャル入りの顎当ても落ちてました。 つまり、現場で彼とすれ違っていた可能性も否定は出来ないはずです」 『「Alto.S」と書かれた顎当てが落ちてただけで、被告がいたとは断定できないんじゃないですか?』  激しい攻防戦が続く。言葉を書くことで返答も落ち着いている分、証人が有利なのか?  いや。彼女は今、とんでもないことを口走っ・・・いや書き走ってしまったんだ。 「異議あり!」  先程までの熱戦に割り込むかのように発せられた異議。これで流れは変わるはずだ。 「証人、先程こう言いましたよね。“Alto.S の顎当てが落ちていても”って。 何故分かったんですか?顎当てに刻まれていた文字が」 『弁護士さんが「被告のイニシャルつき顎当て」って言っていたから、そう思ったんです』 「でも、彼のイニシャルは特殊なんですよ。通常ならローマ字で“Aruto”と書くところを “Alto”と表記している。どうしてそれをあなたが知っているんですか?」  美歌さんは次の言葉を書こうとはしない。 「答えられないのなら言いましょう。あなたは現場に近づいてないなんて言ったけど、 本当は現場に落ちていた顎当てをその目で見たんです」 「異議あり!」  異議と共に何かが僕の顔に突き刺さる。引き抜いてみると、それはまるで鮮血のように真っ赤なバラだった。 「悪い魔法使いは退治した。これ以上証人の鱗をかきむしるような真似はやめな」 「ま、魔法使い?・・・ウロコ?」 「君は人魚姫から美声を奪った上に、更に彼女を海より深く沈めようとする悪魔。 そんな悪の結晶は、薔薇の魔力によって吸い込まれてしまえばいい」  あいつを思い出すような不敵な笑みを浮かべて、おとぎ話のような台詞を語ってくる。 「ちなみに、赤い薔薇の花言葉は“情熱”だが、そのの品種は『ヨーク・ランカストローズ』。その花言葉は・・・“戦争”だ」  一瞬、彼の手で覆い隠された顔から、悪寒を覚えるほどの冷たい目つきが現れた。 「被告と初対面のはずの証人が、綴りを知っているのはおかしいと? でも、君も見ただろ。 先程の2人のやりとりを。あれは明らかに初対面なんかじゃない」 「だけど、この女とはそんな関係じゃ・・・・ッ!!」  或人くんの反論を、再び芹緒検事の放ったバラが黙らせた。それはまるで人骨のように真っ白なバラだった。 「“純潔”の白薔薇も、茎を折ってしまえば“死を望む”に変わる。君はただその時が来るのを黙って待てばいいのさ」  黒原とは違ったそれ以上を語らぬ恐怖。その力は絶対にして絶大。 「さて、弁護人。何か反論することはありますか?」  まるで反論する隙が見当たらない。  威圧だけでプレッシャーを与えているが、主張もそれなりに筋は通っている。 「規則的なダンスをいつまでも踊っているほど、王子様も暇じゃないんだ。パーティはこれでお開きだ。裁判長は判決の準備を」 「は、はい」  裁判長は彼の言葉に押されて木槌を握りしめる。 「ま、待ってください。まだ反論が・・・」 「また見苦しいシンデレラに逆戻りかい?君の中のシンデレラは、自分の心を捕らえられなかった。敗因はただそれだけなのさ」  いつの間にかお話は人魚姫からシンデレラへ変わる。なぜか、彼の標的も証人から僕に・・・    〜〜〜♪〜♪♪〜〜♪〜♪♪〜〜♪〜    そう、それはまるでシンデレラを迎えに来た12時の鐘のように。  シンデレラと王子様のパーティを中断させた、忌まわしきあの旋律。  このメロディーに聞き覚えがある僕は、急いでポケットに手を突っ込んだ。 「もしもし」 『おかしいですね。証人に要求を伝えてほしいと言ったはずなのですが』  休憩室で聞いたときと同じくぐもった声。ついに誘拐犯が現れた。 「今は裁判中ですよ。また後で・・・」 『そうはいきませんよ。こちらにも都合というものがあります。証人に電話を替わってください』 「それはできません。第一、七音美歌さんは持病で声を失っています。会話なんて出来ませんよ」 『声が出ないだと?そんなはずはない』 「こらっ、弁護人!電話なら法廷が終わってからにしてもらいたいものですな」  裁判長が木槌を握りしめたっまま怒鳴ってくる。 『このままじゃラチがあきませんね。スピーカーホンにしてもらいましょうか』  犯人の意図も読めず、僕は言われるがままにスピーカーホンのボタンを押した。 『七音美歌ッ!聞こえているんだろ?まさか、私のことを忘れたワケじゃないだろ?』  ぶれた機械音が法廷中に響き渡る。モチロン、その声を向けられている証人にも・・・ 『この殺人犯!何とか言ったらどうなんだ』  美歌さんは青白い顔を更に蒼白にして言葉を失っている。 「べ、弁護人。一体これはどういうことなのですか」  慌ててスピーカーを止めようとするが、誘拐犯の怒りは止まらない。  それに、時すでに遅し。誘拐犯と証人の放つ火の粉を浴びた裁判長が、今度は僕に向かってくる。 「い、いや、これはですね・・・」  ど、どうすれば良いんだ。法廷がこんなにメチャクチャになっちゃ、誘拐どころじゃないぞ。      同日 某時刻 ???? ????????  うっすら覚めた目の先に映るものは、閉じたときとさほど変わりのない暗闇。  徐々に目も慣れてきて、窓からは光も差し込んでくる。  ようやく意識も取り戻してきて、私はようやく全ての状況を把握して飛び起きた。  だけど、動くことが出来ない。私の手足はロープで完全に固定されていて、口にはガムテープまで貼られてある。    もう、言い訳のしようがない。私は捕まってしまったのだ。  ここは何処だろう・・・  たしか、レイジとの電話を終えて、銃声が聞こえて、死体を見つけて・・・  記憶の糸を順々に辿っていき、ようやく私は1つの結論を導き出した。  私を殴りつけて閉じこめたのは、私の目撃した死体になっていた人を殺害した犯人かもしれない、と。  手足は拘束されているけど、ふらつきながらも立つことは出来る。  光の差す小窓から脱出することは不可能。  扉には外から鍵がかけられている。 「・・・この殺人犯!何とか言ったらどうなんだ」  その扉の向こうからうっすら機械で変えたような声が聞こえる。  私をここに閉じこめた犯人の声。だろうか?  いつまでもバカみたいに閉じこめられるわけにはいかない。  なんとか、助かる方法を見つけないと。  そんなとき、私の目に飛び込んできたのは大きなピアノだった。  埃もかぶっていて、かなり古びている。  後ろ手の状態で不自由な両手を駆使して、何とかピアノの鍵盤の蓋を開く。      〜♪  ・・・音はしっかりと出る。  これを使えば、成歩堂龍一たちに私の居場所を伝えることが出来るかもしれない。  いや、出来るかもしれないじゃない。  私は狩魔冥よ。これぐらいの危機は自分で乗り越えなきゃいけない。    “狩魔はカンペキを持って良しとする”んだから――― 「弁護人のせいですぞ。何とかしてください」  周囲の傍聴人も、この状況に慌てふためいている。もはや、僕一人の力でどうこうなる問題じゃない。 『周りが騒がしくなってきたようですね。仕方ないですね。また後でかけ直―――』    〜♪♪♪♪ 〜♪♪♪♪♪ 〜♪♪♪♪  電話越しに流れてきたのは、まるで曲になっていない、言うなれば音のつぎはぎ。  これは・・・ピアノの音? 『な、なんだこの音は。まさか!あの娘が目を覚まして・・・  プツリ』  電話はそこで切れた。いや、正確には犯人の方から切ったのだろう。  なかなか鳴り止まない騒ぎに、木槌の音が入る。 「とにかく、こんな騒ぎになった以上裁判を続けることは不可能です。弁護側・検察側ともに捜査にまわり、 もっと決定的な証拠を見つけてくるように」  どうやら、今ここでの被告の判決は免れたみたいだ。誘拐犯に感謝だな。 「仕方がない。落としていったガラスの靴にピッタリ収まる決定的な真実、次こそ言葉も出ないほどに立証して見せましょう」 「次の裁判は明日です。それと、弁護人は後で私からお話があるので残るように。それではこれにて閉廷」  僕をしっかりと睨み付けたまま、裁判長は最後の木槌を振った。      同日 午後1時23分 地方裁判所 第3控え室  当然の事ながら、あの後僕は裁判長にこっぴどく叱られてしまった。  法廷内で電話してた上に、無意味に法廷内をパニックに陥れてしまったのだから当然なんだけど。 「今度あんな真似をしたら弁護士を変えてもらいますぞ」  そう言われても、誘拐事件が終わるまでは、また“あんな真似”をしないという保証はないんだけどな。  かと言って、ここで弁護士を下ろされるわけにはいかない。  証人とのコンタクトも要るし、芹緒検事の正体だって知りたいし、何より・・・ 「大丈夫か・・・。開廷前よりも顔の緑色が濃くなってるぜ」  この被告人の判決を危うくしてしまったのは僕だ。その責任は自分でケリをつけないと。 「ゴメンね。もう少しで有罪になりそうで・・・」 「気にすることはないさ。それより、さっきの電話。そろそろ説明してくれても良いんじゃねえの?」  さすがに、こんな状況にしてしまった以上、隠すわけにも行かないよな。  サイコ・ロックと同様に、僕はありのままに誘拐事件のことをザッと話した。  それを聞いた或人くんの答えは意外なものだった。 「誘拐されたのが狩魔冥ってのは本当なのか?」 「そ、そうだけど・・・」 「やれやれ、“運命”ってのは何処までも逃れられないらしいな」  彼はそんなことを独り言のように呟いた。  ピアノの鍵盤から手を離す。  とっさに思いついた割に、それなりのメッセージを残すことが出来た。  後は、あれがちゃんと伝わっていればみんなはきっとここに辿り着くはず。  あの暗号を解くには音階が分かっていることが絶対不可欠。  成歩堂龍一やレイジには酷な暗号だったかもしれない。  だけど、私には絶対的な確信があった。  それは根拠と言うよりはほとんど勘に近いものなのだけど、でもわかる。    ・・・あの法廷には超絶対音感の備わった芹緒或人がいるはずだ、と。  あの死体の正体を思い出したんだから。  そう、パパの不正が摘発されたあの事件で、彼は裁判長を務めていた。  その裁判には芹緒或人もいた。  あの時のことは絶対に忘れはしない。  だって、あの事件の被害者は・・・本当の犯人は・・・ 「貴様、今さっき一体何をした!」  そう言うが早いか、私は再び後頭部を殴られてしまう。そしてそのまま意識を失った。 「それで、彼女は!? 狩魔冥はまだ見つからないのか?」 「捜索に当たってる御剣からは何の連絡もない。手がかりはゼロだと思う」  或人くんは“クソッ”と吐き捨てて、自分の爪を噛む。 「そういえばさ。さっきの犯人の電話の時、ピアノの音が聞こえたよね」  真宵ちゃんの言葉で僕はハッとする。そうだ、もしかしたらあれは、狩魔検事が僕らに宛てたメッセージなのかもしれない。 「或人くん、さっきのピアノの音は君も聞いたよね?どんな音だったか分かる?」 「絶対音感をなめるなよ。今この場で楽譜にすることも出来る」 「それじゃ、忘れないうちに書いてくれないかな」  僕は慌ててメモ用紙とペンを差し出すと、彼はその上にサラサラと迷うことなく書いていった。 「大体こんな感じだ」  『ドラソミ ファラドミレ シミソラ』 「空白の部分は、四分休符に当たる。つまり、音と音との間に少し間隔があった部分だ。これで良いか?」 「うん、ありがとう、或人くん」  しかし、この音階に一体何の意味があると言うんだろう。  犯人はこれを暗号だと気付いてか否か、電話を切って彼女のもとに向かったはず。  早くこの暗号を解かないと、狩魔検事の身に危険が迫るのは確かだ。  考えれば考えるほど、僕はどんどん深みにはまっていく気がした。                 続く

あとがき

ちなみに、最後の方に出てきた暗号。 音楽無知な自分が必死に練りだした物なので、 かなり無理がある上に、間違いの可能性もあります。 その辺はご了承下さい。

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