逆転のホワイトホース(第2話)
                          サイコ・ロック。                 心に秘密を抱えている人物に対して現れるもの。       成歩堂だけは、そのサイコ・ロックを勾玉の不思議な力によって見ることが出来る。              つまりそれは、人の心の奥深くへと入っていけるということ。                                                              第2章・心理錠(サイコ・ロック)    5月5日 午前11時27分 被告人第4控え室  成歩堂は依頼人を前にしてしばらく何を言おうか考えたが、やがてため息をつきながら言う。  「どうして今まで話してくれなかったんですか、被害者と争っていたこと?」  「・・・・・・。」  何も喋らない。真宵が言った。  「豊さん。今まで隠していたことについては怒らないから、本当のことを私たちには喋ってください。」  「・・・・・・。」  それでも喋らない。真宵が成歩堂の頭をおもいっきり叩いた。  「ほら、なるほど君もなんか言いなよ!」  「うっ、痛いなぁ・・真宵ちゃん。」  成歩堂は頭を押さえながらそう反論すると、顔を豊のほうに改めて向ける。  「松さん、僕も怒っているわけではありませんからどうか本当のことを話してください。」  長い長い沈黙。やがて松豊は口を開く。  「自分は無実なんです。・・・・それしか言えません。」    ・・ズンッ!  松がそう言った瞬間、成歩堂の頭に軽い衝撃が走る。そして次の瞬間。  ガラガラガラガラガラガラガラガラ・・・・ガシャン!ガシャン!ガシャン!  周りの世界が瞬時にして漆黒の闇へと変わる。そしていくつもの重い鎖が、松の周りに張り巡らされている。 その鎖に混じって3つ、漆黒の闇の中で照りつづける太陽のような赤い南京錠があった。  この闇に光を当てるためには、この3つの錠を解除しなければならない。  「仕方がない。やるしかないな・・。」  成歩堂は再びため息をつくと、ポケットから不思議な光を放っている勾玉を取り出した。  (全てがわかった今なら、解除できるかもしれない。)  成歩堂はその勾玉を松に突きつけると、心理錠(サイコ・ロック)の解除を行う。  「松さん。この事件の全てを明らかにするためには、あなたの言葉が必要なんです。」  「・・・・だったら、自分は無実だと言っているじゃないですか。それで十分です。」  先ほどの審理であれほど議論されたのに、まだシラをきるつもりらしい。  「松さん。あなたは被害者と争っている。そのことを証言してくれないと困ります。」  成歩堂は困った様子で言う。だが松は反論する。  「自分が梅さんと争った証拠があるんですか!!?」  (やれやれ・・またあの証拠を見せなくちゃならないのか?)  仕方なく成歩堂は、先ほどの審理で提出された証拠品を突きつける。  「これは解剖記録です。体中に多数のアザがあったようです。普通に絞殺されただけならこんなあざは残らない。」  さらに現場写真と被害者の服も突きつけた。  「さらに被害者は泥だらけ、明らかに口論をした跡です。」  「ですが!普通に汚れただけかもしれないじゃないですか!?口論した絶対的な証拠なんて・・」  結構ねばっている。成歩堂は最後に、刀技や糸鋸が言っていた言葉をそのまま返すことにした。  「周辺人物の聞き込みの結果。それを聞いている人もいるから間違いはありません。そうでなければ検察はあなたを起訴しない。」  「うっ・・!!」                           パリーン!!  1つ目の錠が砕け散った。だが、これだけ言ってもまだ2つ残っている。これ以上何を秘密にしているのだろうか?  「べ、弁護士さん?」  「何ですか?松さん?(これ以上何を言う気だ?)」  松は俯きながら呟く。  「争ったと言ってますけど。それにはちゃんと、動機が必要なはずです。」  「・・?動機ですか?」  成歩堂は首をかしげる。  「そうです。口論して争ったなら、それなりの理由があるはずです。」  理由。そう主張してくる松だが、それも簡単なことだ。  「理由ですか、簡単なものだと思いますけどね。(それもすでに明らかじゃないか。)」  成歩堂は今朝、真宵から貰った今日のスポーツ紙の朝刊を突きつけた。  「ブラックホースは100連勝がかかっていた。それが何故か負けてしまった。 絶対に勝つはずの馬が負けた。それだけのことです。」  成歩堂は自信をもって言う。だが、錠は壊れない。  「だからなんですか?負けは誰にでもありますよ。それがたまたま100戦目にあっただけだ。」  どうやらもう少しのようだ。成歩堂はさらに追求する。  「そうですかね?あの日のレースはあなたにとってありえない事だらけだったと思いますけど。」  「!!」  顔色が少し変わる松。それを見た成歩堂は畳み掛ける。  「何しろ、あのホワイトホースに負けたのですからね!!」                              パリーン!!  2つ目の錠が消えた。だが・・  (何故だ?ここまで言ってもなお、あと1つ残るって言うのか!?)  成歩堂は愕然とした。これ以上何があるというのだろうか?残った錠は松の胸付近にある。 まるでその最後の錠が、松の心を閉ざしている1番の元凶に見える。  「まぁ、確かにホワイトホースに負けたことはおかしいでしょう。だから何ですか?」  「何って・・?」  松は震える声で言う。  「自分は騎手です。馬を信頼して愛している。仲間だから。」  成歩堂はそれを黙って見ている。  「信頼しているから分かるんです。あいつはその日、たまたま調子が悪かったのだと。 だから負けてしまったのですよ。自分はそれに納得している。」  だがそれは嘘に近いかもしれない。信頼とレースの結果。どちらが嘘なのか? あるいは両方とも嘘なのか分からないが、これで事実を言っていたら錠が割れることだけは確かだったからだ。  「松さん・・」  「それにですよ、弁護士さん・・」  成歩堂の言葉を遮って松が叫んだ。  「それらの証拠が何なんですか?」  「!?」  どうやら、これについてもまだ松は否定をしそうだ。そして実際にその後・・彼は否定する。大声で。  「だからって争った証拠にはなるもんか!」  「ですが!現場周辺の関係者たちが、現場から去るあなたも見ているじゃないですか?」  そう、それは紛れもない事実。  「だけど!争った証拠はない!」  「しかし!争った声は聞こえている!」  「争ってない!大きな声で話していただけだ!」  (そんな馬鹿な!?)  何故だろうか?これほど最後の錠にてこずるのも初めてだろう。成歩堂は一体何を、最後の錠が守っているのかを考える。  (争った証拠・動機はある。だが、それでも争ったことを認めない。)  考えられる可能性は1つだ。  (争ったことを白状すれば、その内容を話さなくてはならない。それを拒んでいると考えれば・・)  そうなれば、おのずと何を隠したがっているのかが読めてくる。  (争った内容が、松さんにとって触れられたくない部分なんだ!!)  問題は何故触れられたくないのかだ。  「松さん。あなたはその争った内容を話すことを恐れているのでは?」  「!!な、何を根拠に・・。」  平静を装っているようだが、動揺しているのは確かだ。  「争った証拠と動機はあります。つまり、それでもあなたがそれを隠そうとするのには、それなりの理由がある。」  そのまま松の顔から目を離さずに続ける。  「そう、争いに至るまでの過程で何かがあった。あなたが触れられたくない何かが。」  「うっ・・!!」  周りにある鎖が一瞬ぼやけた。錠と鎖が確実に消滅しようとしている。だが、それを辛うじて最後の錠が防いでいるようだ。  「触れられたくない何か?僕には分かりません。でも、あなたにとっては触れられたくない内容だったのは確かだ。」  「あ・・あなたに自分の何が分かるというんですか!?」  必死だ。松のほうもここが正念場らしい。だが、ここで全てをはっきりさせなければ話は進まない。  (先ほどの会話で、何となく松さんが隠しているある事実が分かったような気がするな。)  成歩堂は1つの予想をした。レースにおいてもこの世界においても、ある程度の予想は必要なものだ。  「松さん。あなたは先ほど、“馬を信頼して愛している”と言いましたね。」  「言いましたが、それが何か?」  その言葉、嘘ではないかもしれない。だが、嘘でなくてもあの日は違った可能性がある。  「仲間だから信頼している。そしてあの日は調子が悪かっただけ・・でもあなたは、納得できなかった。」  「!!!!?」  最後の錠に若干のヒビが入った。どうやらビンゴのようだ。  「馬を仲間と信頼していたあなたが、実はあの日・・とんでもないことをしてしまった。」  周りの鎖が少しずつ徐々にとだが、崩壊を始める。  「あのレース終了後の、あなたと被害者が争った理由。それはホワイトホースに負けたからだけではなかった!」  「じゃあ何だって言うんだ!?」  松は成歩堂の胸倉を掴む。だが、その強気な姿勢とは裏腹に、錠と鎖は今にでも崩壊して消えてしまいそうだ。  「簡単なことです。あの日あなたは、ブラックホースを許せなくなり、ブラックホースに八つ当たりしたんだ!!」  「なっ!?」  松が成歩堂を掴んでいた腕を離した。  「そして・・それを止めようとした被害者・梅裕さんと口論になり、争いに発展したんだ!!」  そう、彼がこの争いの事を隠していた本当の理由。  「あなたは、恐れていたんだ・・この話で自分が・・」  成歩堂は最後に、ゆっくりとこう言った。  「馬を信頼していたあなたが、馬に八つ当たりをしてしまったという事実を・・ 馬を信頼せずにその行為で裏切ってしまったことに罪を感じ、また・・それを話したくなかったから証言を拒んだのです。」  「うっ・・うわあああああああああああっっ!!!!!!!」                             パリーン!!  ヒビが入ってい最後の錠に、大きな亀裂が走ったと同時に、それは砕けた。  周りの幾十にも重なりあった鎖は、ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ・・と音を立て崩れた。 その瞬間、周りを包み込んでいた闇は消え、元の世界に戻る。   解除成功だ。  それから何分経っただろうか?  「・・・・・・許してくれますか?」  やっと松は口を開いた。  「もちろんですよ、私たちは何があっても豊さんのこと信じてますから!ねっ、なるほど君!」  また真宵が頭を叩く、しかもさっきより3倍の強さで、  「いてっ!真宵ちゃん、いい加減に頭はよしてくれないかなぁ。消火器でもう十分なんだよ、そこは。」  成歩堂にあの頃の嫌な思い出が蘇ってくる。  「ははは、ゴメンゴメン。」  「もう、笑っちゃって。本当にそう思ってんだか・・」  その嫌な思い出を取っ払いながら、成歩堂はあらためて聞く。  「松さん、事件のときのこと、今度は僕たちにちゃんと話してくれますか?」  「ハイ・・・・・。お話します。」  全てがサイコ・ロックの解除で明らかになった今、松はやっとそれを話す気になったらしい。  「わかりました。では事件のときのことを話して下さい。くれぐれも、嘘はつかないでくださいよ。」  「わかりました。事実だけをお話します。」  こうして、松豊は事件当時のことを成歩堂たちに話した。    5月3日 午後1時15分ごろ 當競馬場・きゅう舎  自分は100連勝を逃したショックで、ふらふらと歩きながらブラックホースのいるきゅう舎に行きました。 そしたら、そこには梅さんがいたんです。    「松さん、大丈夫かい?なんか今すぐにでも倒れそうだよ?」    自分は無視しました。  もともとブラックホースとホワイトホースはきゅう舎では隣同士です。 デビュー戦でも一緒だったし、性格も似ていて双子のような2頭でした。  ただ違ったのは、ブラックホースは体が全身黒で、ホワイトホースは体が全身白ということと、 ブラックホースは連戦連勝で優勝、ホワイトホースは連戦連敗で最下位ということの2つでした。    「ホワイトホース、今日はどうしたんだい?いつもなら最下位なのに、今日は優勝までしちゃって、別人みたいだぞ。 はは、でも人じゃないか。お前は。」    梅さんはホワイトホースに頭をなでながらこう言っていました。とてもうれしそうな顔をしていました。 それは、最下位のときも一緒なんですが、  「松さん、今日は残念でしたね。ブラックホース。でもまたチャンスは来ますよ。この世界はまだ長いし・・・・。」  「そうかな・・・・。」  「もちろんですよ、今日の結果がこうなったのは偶然でしょうし・・・・。」  自分の頭の中は、レースが終わった後の光景がまたでてきていました・・・・。  大ブーイング受け、空き缶などいろんなものを投げつけられたあの風景が・・・・。  「こんな屈辱を受けたのは初めてだ・・・・、こんなときに限ってミスをしやがって、このバカ馬が!」    自分がブラックホースに八つ当たりをして殴ろうとした時です。  「やめるんだ!松さん!ブラックホースのせいにしてはいけない!」  「やめてくれ、放すんだ!!梅さんには今の自分の気持ちが理解できるもんか!」  「理解はできない!!でも、ブラックホースのせいにしてはいけないんだ!!」  「なぜだ!!なぜ止める!!」  もみ合っているうちに、自分たち二人は床に転げ落ちました。  「梅さん!!自分をなぜ止めるんだ!?」  「あなたがそのまま現実を見ようとしないからです!!」  「!!なんだって?」  その時です。自分は決してしてはいけないことをしてしまいました。    「偉そうなことを言いやがって・・、そうだ、ホワイトホースなんかがいなければ、ひょっとしたら勝ててたかもしれない!!」    自分は次に、ホワイトホースにその報われない怒りをぶつけようとしました。その時です。    「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」    自分は梅さんに顔を殴られ倒れました。そして起き上がった自分は、梅さんに反撃をしました。  「なにすんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」  気がついたら梅さんは倒れていました。自分に殴られて・・、  「そうだ、あんたがいなければ・・あんたがいなければいっそのこと勝てたかもしれない!! あんたがいなければホワイトホースはあんな優勝するまで成長しなかったんだ!!」  そして争いになりました。自分があの時、何を思って梅さんに攻撃をしたのか?今でもはっきりとしません。 ひょっとしたら、梅さんに対する殺意を胸の底に抱いていたのかもしれません。そして自分は気がついたら、 梅さんをきゅう舎の壁に突き飛ばしていました。  「梅さん?・・・・梅さん!?・・・・嘘だろ、まさか死んだのか?」  梅さんは頭を壁に強打してからピクリとも動きませんでした。  自分はそのまま梅さんが死んだと思い、頭の中が真っ白になって、騎手の控え室まで走って逃げ出しました。 途中で人にぶつかったけど、その人を心配する余裕は自分にはありませんでした。  そのまま無視して控え室に飛び込んで鍵をかけ、閉じこもりました。外では第2レースが始まっていて部屋には誰もいませんでした。  そして、鍵が開けられたときには、警察が入ってきていて、自分は逮捕されていました。  5月5日 午前11時38分 被告人第4控え室  「そうですか・・、ありがとうございました。これですっきりとした気持ちであなたが弁護できます。」  とは言ったものの、正直いってあまりすっきりとした気持ちにはなれなかった成歩堂。  「なるほど君、大丈夫かな?こんな事実聞いて、聞かなかったほうがかえってよかったかも。」  真宵もそれは同じようだ。だが、成歩堂はそれでも信じていた。  「真宵ちゃん。大丈夫だよ。絶対に松さんは梅さんを殺してはいない。」  その言葉を聞いた真宵は、再び何を思ったのか?こう言った。  「・・・・そう・・・・だよね、信じていいんだよね。豊さんの無罪。」  「ああ、もちろんさ。」  とにかく、松が殺害まではしていないという事実が分かった。これで安心して弁護はできるだろう。  「あの・・、これを言うのが怖かったんです。」  松はゆっくりと理由を話した。  「これを言ったら信じてくれなくなるんじゃないかって、馬を信頼していた自分が、こんな行動に出ること自体・・」  「心配は要りません。」  成歩堂は松の言葉を遮りそう断言した。そして・・  「あなたは僕が無実だということを信じて、最後まで戦いますから。」  「弁護士さん・・・・。」  松は涙が出そうになっていた。今までのことを後悔する気持ちだろうか?  「さぁ、こうなると後は時間がないな・・松さん、一つ質問してもいいですか?」  「なんですか?成歩堂さん。」  初めて依頼人が名前を呼んでくれた。それに喜ぶ成歩堂は、胸を抑えながら言った。  「僕たちは、第1発見者の馬野高次郎さんを真犯人だと考えています。しかし、そうなると問題があるんです。」  その問題、これは・・情報が少ない成歩堂たちにとっては大きな問題だ。  「動機についてです。何か、馬野さんが梅さんを殺害するような動機はありませんか?」  動機。これがポイントとなってくるだろう。  「動機ですか・・・・、わかりませんが馬野さんについてなら、一つだけ気になることがあります。」  松が何か、馬野高次朗についての情報を知っているようだ。  「気になること?それは何ですか?言ってください、時間がもうありません!!」  成歩堂は松に顔を近づけながらそう言った。松はそこから1歩後ずさりをすると、その気になることを言う。  「わかりました。馬野さんですが、友人の借金の保証人になっているという噂があります。」  「借金の保証人?」  金絡み・・この言葉を聞いて、成歩堂はあの毒殺事件を思い出した。あれもいい思い出ではなかったはずだ。成歩堂にとっては・・。  「そうです。借金の保証人です。期限ももうすぐだったそうですし。しかし、気になるのはそこではありません。その次です。」  「その次?」  どうも松は、借金以外の何かを知っているらしい。しかし、それは事件を更なる謎へと導いてゆくものとなる。  「そうです。実はですね。その借金の返済ができなかった場合は、担保の一部として、 競走馬を支払うことになっているそうなんです。」  「競走馬を?」  「そうなんです。しかも、その競走馬が・・。」  そう言ったところで松は口を閉ざした。とても言いづらそうだ。成歩堂と真宵はそれを見て、まさか・・と思った。 そして、真宵が恐る恐る尋ねる。  「豊さん。ひょっとしてその馬・・ブラックホースとホワイトホースですか?」  豊はゆっくりと頷いた。  「何ですって!?」  成歩堂は驚きを隠せない。  「あくまで噂ですが、どうも事実のようなんです。競馬場関係者の間でも噂になっています。」  「これは一体・・どういう意味なんだ?」  どうもこの借金が何か事件に関わっていそうだが、何か今ひとつピンとこない。とここで真宵がそのピンとこない部分に気づく。  「でも、それが梅さん殺害の動機とは直接つながるのかなぁ?」  そう、それが分からないのだ。真宵はさらにそれが、梅裕殺害にどう関わるのか?特に動機面で考えてみる。  「豊さん。馬野さんは梅さんから借金をしてたんですか?」  真宵の考える可能性はこれしかなかった。だが、松豊はこれだけは断言した。  「いや、そうではないみたいですよ。梅さんは人に金を貸すこともないですしね。」  となれば、一体どういうことなのだろうか?  「弁護人!そろそろ審理を再開します。直ちに法廷内に戻ってください。」  そのとき突然係官がこう言った。タイムオーバーだ。しかし、やれるだけのことはやった。 あとは、馬野高次郎と刀技がどう来るかだ。  成歩堂は真宵と法廷内へと急ぎ足で戻っていく。                                                         つづく

あとがき

よく考えてみるとこの話。競馬という意味で逆転ダービーと似ているな。と感じた麒麟です。 さて、第2章はサイコ・ロック。実は自分がサイコ・ロックを書くのは初めてです。まぁ、やれるだけのことはやりました。 前回と大きく違った点。それは担当検事の変更ともう1つ。サイコ・ロックでした。 これのために意外と証拠品も変更になったりしています。 さて、この話を初めて思いついた頃、ある馬が注目されていました。 ホワイトホースの設定を見て気づいた人もいるかもしれませんね。 そう、ハルウララです。あの馬を見てこの話は生まれました。そして、被告・被害者の名前。 思いっきり紛らわしいですね。スイマセン。 これはもうあの方の名前が由来です。 以上。第2章投稿完了の麒麟でした。

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