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▼バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海 ・2003年12月5日発売 7,140円(税込)ゲームキューブ用8cm光ディスク
■Amazonでも現在販売中!
・推定売上本数 108,615本(エンターブレイン調べ)
開発元/モノリスソフト&トライクレッシェンド 発売元/ナムコ
プロデューサー/野村匡・野口伸二 ディレクター/本根康之・初芝弘也
シナリオ/加藤正人 音楽/桜庭統 キャラクターデザイン/日暮央
主なキャラクターボイス(声優)/カラス…鳥海浩輔 シェラ/たかはし智秋 |
●レビュー
ナムコとモノリスソフト・トライクレッシェンドが共同開発で製作したゲームキューブ向け大作RPG、それが「バテン・カイトス」です。
残念ながら商業的には「成功」とは言えない結果に終わってしまいましたが、このまま消えていってしまうのは口惜しい、そんな作品に仕上がっているのです。
私がこの作品を最初に知った時に驚いたのが、やはりカード(このゲームでは「マグナス」といいます)を使用した戦闘システムです。
そしてまず思ったのが「とっつきにくそう」「面倒くさそう」などといったネガティブなイメージばかりでした。私はカードゲームというものをほとんど
したことがありません。ですのでそのルールもほとんど分りません。「なんかすごい複雑そうだなぁ…。」単純に当時流行していたカードゲームとRPGを融合させただけだろう、という安直な考えしか持たなかった
私は、発売後しばらくはスルーをしていました。
しばしの時間が経った後、やるゲームがなくなったことと、価格が大分安くなっていたこともあり、「ちょっとやってみるか」くらいの軽い気持ちで購入しました。この時はまだ、これほどハマるとは想像もしてませんでした。
そして実際にプレイ。話が進むごとに私はこのシステムの虜になっていきました。第一印象の「複雑そう」というイメージは全くの間違いであったことに気づかされたのです。
私はカードと聞いて、じっくり思考するタイプの戦闘なのだと勝手に考えていたのですが、実際は瞬時の判断力が重要なシステムになっています。あらかじめ準備していたデッキに組みこめれているマグナスがランダムな順番で出てきます。
それを攻撃時に攻撃用のマグナスを次々と選んでいき、ダメージを与えていくのです。最初の方は適当に攻撃マグナスを出していれば勝てるバランスなので安心です。しかし決められた順番で出したり、敵の弱点属性が付加されているマグナスを出せば、さらに大ダメージを与えられるなど
最初の間口は広いながらも、なかなか奥の深いシステムになっているのです。
さらに面白いと思ったのは、逆に敵の攻撃時にもマグナスを出せること。こちらの防御マグナスによって敵から受けるダメージを軽減できるのです。そのため、敵味方どちらが行動しているかに関係なく、常に緊張感のあるバトルを楽しむことが出来ます。一つの戦闘にかかる時間は長めですが、そんなことを忘れるくらい
楽しめる戦闘システムになっていると思います。その分クリアに必要な戦闘回数は他のRPGに比べて抑えられてますし。
…と、ここまで戦闘システムのことばかり語ってきましたが、その他の部分の完成度もなかなかのものです。グラフィックは当時としては最高水準ですし、音楽も聴き応えのある曲ばかりです。マップ上でのキャラクターの速度がやや遅いかなとも思いますが、マップ自体がだだっ広いわけではないので、それほど気になりません。
そして、RPGの肝の一つであるシナリオも個人的にはかなり面白かったです。特に中盤以降、通常のRPGではあり得ない意外な展開があって大変驚きました。ここではネタバレになってしまうので言えないのですが、ポイントは主人公はカラス(プレイヤーが操作するキャラクター)ではないということです。そのカラスにとりついている
異世界の精霊(つまり、あなた自身)が主人公なのです。わざわざこういう設定にしたのはなんか意味あるの?と最初は思っていましたが、最後までやってみたら納得。このような設定にしたからこそ出来るストーリーに仕上がっていました。やや強引だったり不可解な箇所があるにせよ、このギミックには賞賛を贈りたいです。
メインストーリー以外のサブイベントが特殊なマグナスの収集ばかりなこと、2周目へのデータ引継ぎが出来ないなど、やり込みという点では少々不満が残る内容でしたが、本編の完成度からすれば些細なこと。アクの強い戦闘システムやキャラクターデザインなどに馴染むことができれば、必ず満足できる作品になっていると思います。
是非今からでもやってみて下さい。
(レビュアー/今師@げーむじんスタッフ)
ゼノサーガのモノリスがゲームキューブで放つ大作RPGですな。しかしまぁ、なんで元スクウェア社員というのは、こうもCGムービーにこだわるんでしょうかね。このゲームのオープニングムービーも、半端じゃないくらいお金がかかってそうで、他人事ながらナムコのフトコロ具合が心配になってきてしまいます。それとも、任天堂からいくばくかのお小遣いが出てるんでしょうかね?
まぁ、それはそれとして。ゲームの紹介をしていきましょう。このゲームは、ディスク2枚組です。まぁそれは良いんですが、外箱まで2組にする理由がまるで見当たらないんですけど。あまり無駄な資源ゴミは出さないようにしましょうね。
ただまぁ、このゲームが資源ゴミになることは、どうやら避けられそうです。ゲームとしてはすごく良くできてますから。フィールド画面ではキャラクターが小さくなって、どこに誰がいるのか分からなくなったりすることはあるんですが、まぁ許容範囲でしょう。特筆すべきは、やはり戦闘システムだと思います。
「マグナスバトルシステム」。マグナスというのは、俗に言うカードのことで、このゲームはカードを使って戦闘を行います。あらかじめ戦闘で使用するための“デッキ”を組んでおき、そこから抜いた手札の中から攻撃をしたり、防御をしたりするのです。しかも、各カードには「精霊数」と呼ばれる数字が設定してあり、この数字の組み合わせによってダメージ数が変わってくるため、同じカードでもいろいろ考えてデッキに組み込まなければならないなど、割と奥深いです。
一方、敵からの攻撃から身を守るときの行動は、俊敏かつ正確な判断力が試され、相手の攻撃が始まるまでの間に素早く防御カードを選択しなければならず、かなりやり応え充分です。戦闘も快速かつテンポよく進み、プレイのストレスを感じさせない作りは賞賛に値します。
・・・・なんて説明しても、よく分からないでしょうね。このゲームのイメージをそのまま活字にすると、「ポーカー感覚で戦闘を楽しむファイナルファンタジー」というとこですか。こう言えば、少しはプレイしてみたくなったでしょうか?ボク自身は正直、なぜ戦闘システムにカードを取り入れたのか、よく分からなかったのですが、プレイしてみて納得です。このゲームのシステムは、カードバトルを基盤としているからこそ面白いんですね。ただ、手札の種類によってはなにも行動が起こせないという状況もあるので、せめて、カードを空欄にしなくても行動がパスできたり、自分の意思で残りの手札をシャッフル出来るようにしてもらえれば、もっと良かったと思います。
ストーリーは個人の好みによるのでしょうが、ボク自身は、主人公のどこかスカした性格が割と好きですね。グラフィックもかなり力が入ってますし、ゲームキューブを代表するRPGと言ってしまってもいいんじゃないでしょうか?IIもボクは間違いなく買いますね。
(レビュアー/KAY.Sak@げーむじんスタッフ)
オススメ度…★★★★★
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