レイトン教授×逆転裁判 暗闇の時計塔 逆転旅行 [3]
作者: たこやきDJ   URL: http://gyakutensaibansaikoudesu.rakurakuhp.net   2011年01月22日(土) 12時38分45秒公開   ID:MR.JAqBDX.k
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「あれれー?良い子のみんなは大人の話に首を突っ込んではいけないよー。」

ムムム…僕を子供扱いしないでください!!いや、待てよ、いつもの僕ならここで思考が終わりますけど…何か知られてはまずいことでも話していたのでしょうか?僕はそう推理します。

「ムッカー!!美雲ちゃんを子供扱いするなんて1000年早いよ!!」

…そのセリフ、どこかで聞いたことがあります。いや、誰だって一度は聞いたことがあるはずです。

「小池さん。年頃の人間を子供扱いするのは、失礼ですよ。」

僕たちの気持を一気に見抜いて、しかも言いたいことを代わりに行ってくれるなんて…さすが先生です!!

「……ごめんねー。」

…謝ってもらっているのに、なぜかムカつきます。美雲さんやアロマさんも同じ感じでしょう。

「先生、探したんですよ。帰りがあまりにも遅いから…」

「すまない。つい話しこんでしまって…」

一体…何を話したんでしょう?僕たちには言えないことでしょうか?

「それでは、部屋に戻るとしようか。」

先生はそういうと、自室のほうへと戻って行きました。

「じゃ、私たちも部屋に戻ろうかー。話も終わったことだしねー。」

そう言って、小池さんは先生に続いて自分の部屋へと戻って行きました。

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ社長〜!!」

羽祖紺さんは、小池さんに置いて行かれそうになり、大急ぎで小池さんに続いて部屋へ戻って行きました。そして、部屋に居るのは僕たち、まだ成人になりきれてない人だけが残りました。

「ええと…一体何を話していたのでしょうか…」

アロマさんはさっきの話の内容がかなり気になっているようです。僕たちだって少しはあれです。他の人の話が気になります。

「ううん…謎ですね。」

僕は腕を組み、多分、難しい表情をしながら言いました。いや、これは本当に謎ですね。

「ムムム…これはうまく聞き出すしかないね。」

美雲さんは頭を悩ませながら、何か腹黒いことを考えています。

「え、でもどうやって…」

普段は真面目なアロマさんも、どうやら三雲さんの意見に賛成のようです。

「ううん…ま、うまく話し合わせて、なんとか聞きだせばダイジョーブでしょ。」

こうやってそうやってああやってどうやって、先生から話を聞き出すという、何とも腹黒い計画を着々とリフレッシュルームで進められ、うまくまとまりました。後々考えてみると、僕たちかなりヤバいことを考えていたんですね…

「ルーク!!何をしているんだ!!」

「あ、はいはい、今行きます!!」

僕たちは先生に呼ばれたので、とりあえず自室に戻ることにしました。今回の計画…果たしてうまくいくのでしょうか?こればかりは、実際に行ってみるまで分かりません。

7月26日午後2時35分 自室

「ふぅ、少し疲れましたね。」

僕は素直に感想を述べると、ソファーに腰をおろしました。先生に三雲さんと行動することを言うと、喜んで受け入れてくれました。やっぱ先生は器が大きいです。

「おや、ルーク、君はこんなことで倒れるような子だったかい?」

先生にだめだしされました。だって…

「ですけど先生、今日はいつもの2倍、いや、20倍疲れます。だって乗車したモレントリー急行で殺人未遂事件が起こって、言い表せないほど個性的な人がいっぱいいるし、かなり疲れました。」

僕はありのままの感想を先生に述べました。特にあの日本人のなつみさんとかいう人、僕も先生もアロマさんもかなり驚きましたよ。ま、美雲さんは知っていたみたいですけど。

「ふふ、確かにそうだね。」

先生は、シルクハットを少し回転させながら言いました。いや、でも、回転と云う表現はおかしいでしょうか?ここは動かしたというほうが…

「まぁ、先生ったら。」

アロマさんが口に手を当て、少しだけ笑いました。…これが、作戦開始の合図です。

「先生…さっき小池さんと、いったい何を話していたんですか?」

まず、僕がさりげなく先生の話を聞きます。

「あ、私も気になります。」

ここで、すかさずアロマさんが滑り込みます。

「私も私もー。」

ここで三雲さんが、とどめに先生に近付きよります。肘を長椅子の背もたれに置き、何とも色っぽいポーズをしました。

「という訳で、先生、小池さんと何を話していたか。教えてください。」

先生に話させる隙もなく、僕とアロマさんも先生に近づきました。

「…ルーク、…悪いが、君達の作戦は、全て聞こえてしまったよ。」

!!…なっ、なんですってぇぇぇぇぇぇぇ!!じゃ、今までの苦労はいったい…

「いや、悪かったね。廊下に…君達の話声が聞こえたんだ。…作戦内容も、全てね。」

…虚しい。その3文字で数べて表わされます。

「悪いけど、小池さんと話したことは、まだいえないんだ。…ルーク達にも、この事件の真相が見えてきたら教えてあげよう。」

先生は意味深な言葉を残し、シルクハットを深くかぶってしまいました。

「先生…」

アロマさんは、近くに椅子にドッと座りました。すると、アロマさんの服のポケットから、何かがついている布ナプキンが落ちました。

「あれ、なんですかそれ?」

美雲さんがそれをひょいと拾い上げました。

「あ、それは、悲鳴が聞こえた後、私も展望デッキへ行こうとした時、食堂車で拾ったものです。先生に見せようとしていたのを忘れていました。」

アロマさんは少し照れながら言いました。確か…あの布ナプキンは、食堂車のお皿の下に敷いてあったものです。

「美雲君。それを貸してくれないだろうか。」

「やだ〜、美雲君なんて〜、御剣検事みたいじゃん。」

御剣検事…この怪しい少女、美雲さんと出会って、急にその名前を聞く回数が植えてきた気がします。

「…美雲君。それを貸してくれないだろうか。」

あれ、最初のあの沈黙はいったい…

「え、あ、はい、どうぞ。」

美雲さんは先生に布ナプキンを渡しました。

「ふむ…ルーク、この赤黒いしみ。一体何だと思う。」

「え、えーと、赤ワインではないでしょうか?」

僕は先生のいきなりの質問に、心理描写を描く間もなく質問に答えてしまいました。

「ルーク、確かに色だけでは赤ワインに見えないこともないかもしれない。だが、仮にこの赤黒いしみが赤ワインなら、もっと香ばしい香りがするはずだ。」

…よくよく考えたら、こんな赤黒い色の赤ワイン。見たことも聞いたこともありません。

「も、もしかして…血…だったりするのかな?」

美雲さんは布ナプキンをよく観察し、恐る恐る答えました。

「恐らく、その可能性は高いだろう。」

先生はきっぱりと言いました。ううう、血ですか。生々しいですね…

「ううう、生々しい…いくら経験豊富な美雲ちゃんだって!!いざ血を見ると嫌な気分になっちゃうよ!!」

ななな、なんですか!!経験豊富って!!いったい今まで何やらかしてきたんですか!!

「ムッカー!!何もやらかしていないよ!!」

す、すごいです。人の心が読めるうえに、それに突っ込める度胸と勇気があるなんて…

「でも…この血は一体誰のなのでしょう?」

アロマさんが異様なまでに赤黒いしみ、要するに血を、少し目をそらせつつ見ながら言いました。

「うむ…それだけが…謎だね。」

先生も黙り込んでしましました。先生は科学捜査官ではありませんからね。分かるはずがありません。

ドカッ

僕たちの部屋に少し静寂な空気が流れた後、戸を乱暴に開ける音がしました。僕たちは一斉に扉を見ました。すると、そこに立っていたのは…

「レイトン!!居るか!!」

そこに立っていたのは、相変わらずぶっきらぼうな警部。チェルミー警部でした。横にはバートンさんも立っています。

「チェルミー警部でしたか。どうかなさいましたか?」

「どうしたもこうしたもない。モレントリー急行で起こった強盗目的の殺人未遂事件。被害者のマリアンティア夫人が犯人を見たことは知っているな。」

「ええ。一応知っていますけど…」

「しかしだ!!マリアンティア夫人は殴られたショックで少し記憶を失っている。時間をかければ思い出すだろうが、まだ殴った犯人の姿は思い出せていない!!それにあの妙なしゃべり方では全然話が聞き取れない!!」

ふーん…いくらぶっきらぼうで細かいことは気にしなさそうなチェルミー警部でも、やっぱあの話し方は気になりますか。

「ふむ…しかし、それと私の部屋に来た理由と何か関係あるのですか?」

「ああ、そこでだ、マリアンティア夫人が記憶を思い出すまでの間、私の推理をレイトンに聞いてもらいたいのだ。」

…それって、先生で暇つぶしを使用ってことですか!?信じられません!!魑魅魍魎です!!魑魅魍魎の意味は分かりませんが…

「…よろしいでしょう。私でよければ、お相手になりますよ。」

せ、先生…まさか挑戦…暇つぶしを受けてたつなんて…すごいです。

「そうか。変なところはびしばし突っ込んでも構わない。ま、そんなところはないだろうがな。」

でたー!!チェルミー警部特有の嫌みたっぷりな完璧布告。いつ聞いても嫌みたっぷりです。

「…ルーク、君は何を持っている。」

「え、いきなりなんですか?」

ほんといきなりでした。心理描写を描く暇がないほど…ん?この描写、もう使いましたっけ?

「そのポケットのふくらみ、何かあるんじゃないかな?」

す、すごいです…先生はサイキッカーかエスパーか霊媒師か魔術師か占い師ですか?

「あ、これですか。展望デッキで拾ったものです。渡しておきますね。」

僕は先生に宝石を手渡しました。…アレ?なんですかこの急展開は。手抜きにもほどがありますよ。

「…ありがとう。では、チェルミー警部、推理を聞かせてください。」

いよいよ始まります。先生とチェルミー警部の戦いが…ま、戦いと言うよりは口論と呼ぶほうがふさわしいですけど。

       証言開始

     チェルミーの推理

「では、私の推理を聞いてもらおうか。覚悟して聞くがいい。」
「被害者のマリアンティア夫人は宝石商の夫を持つ大金持ちだ。」
「そのことから、被害者は金品強奪の目的で殴られたと思われる。」
「その証拠に、マリアンティア夫人のバッグには、全く宝石や金品が残っていなかった。」

「以上が、私の推理だ!!」

以上が私の推理だ!!…って!!僕の推理と全然変わっていないじゃないですか!!

「うわぁ…御剣さんみたい。」

美雲さんもチェルミー警部の推理を聞いて、自分なりの感想を述べました。御剣って名前…そろそろ聞き飽きました。

「どうだ!!私の推理に穴はないだろう。」

うわぁ、相変わらず嫌みなほど自信たっぷりです。乱暴なところとこの性格さえ治れば結構、好かれると思うんですけどね…

「先生…悔しいです。」

アロマさんも悔しそうな表情をしています。やっぱあんな嫌みたっぷりに言われたら悔しいです。

「…チェルミー警部、その推理、少し穴があります。」

えええ!!たとえチェルミー警部でも、一応!!警部ですよ警部!!ヒラじゃなくて警部です!!仮にも警部に勝負を挑むなんて…

「な、なんだと!!レイトン!!貴様、私の推理にケチをつける気か!!」

うわぁ…相当怒っています。確かに、自分の推理をいきなりけなされたらいい気分はしませんね。

「いえ、そういうわけではなく、ただ少しおかしい部分があると言っただけで…」

先生。それ結構失礼ですよ。僕的には。

「では、その部分を指摘してもらおうじゃないか!!」

うわぁ…物凄く怒っています。ここまで怒ると、逆に大人気が全くない気がします。

「いいでしょう。では、チェルミー警部の推理をもう一度聞かせてください。」

先生も乗り気ですね。これって、教授VS警部!!世紀末の推理対決!!伝説が今蘇る…的な感じの奴ですか?

「いいだろう。何度だって言ってやろうじゃないか!!」

うわぁ…チェルミー警部も乗り気です。教授VS警部の推理対決が今始まろうとしています!!…少し大げさでしたか。

       追究開始

「では、私の推理を聞いてもらおうか。覚悟して聞くがいい。」

       待った!!

ななな、なんですか!!今の!!

「チェルミー警部、何もそこまで言い直さなくても…」

何だったのでしょうか…今の「待った!!」は…ま、決めゼリフ的なものとでも考えておきますか。

「うるさい!!貴様が全部、言い直せと言ったのだろう!!」

うわ、相当キレています。

「分かりました。では、次を…」


「被害者のマリアンティア夫人は宝石商の夫を持つ大金持ちだ。」

       待った!!

「どのくらいの大富豪だったのですか?」

「そうだな…貴様の年収の10000倍くらいの財産を持っている…とでも言っておくか。」

先生の職業は大学の教師だから…その10000倍と言うと…う、うわぁぁぁぁ!!桁はずれな額になります!!

「なるほど…では、次の推理を。」


「そのことから、被害者は金品強奪の目的で殴られたと思われる。」

⇒To Be Continued...

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