レイトン教授×逆転裁判 暗闇の時計塔 逆転旅行 [3]
作者: たこやきDJ   URL: http://gyakutensaibansaikoudesu.rakurakuhp.net   2011年01月22日(土) 12時38分45秒公開   ID:MR.JAqBDX.k
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……食堂の……ボーイさん?チャコフさんのことですか。それと、いきなりですが、少し証拠品の変更をします。

(証拠品・事件直前の出来事のまとめ)
「事件直前、食堂車でタチミサーカスによるショーが行われていた。
 ショーの最中、ウエイトレスがカステラを客やタチミサーカスのメンバーに配った。
 悲鳴は2回聞こえて、食堂車に居た人間は2回目の悲鳴が聞こえる前に眠った。
 1回目の悲鳴は、食堂車より前の車両には聞こえなかった。」

どこが変わったか、分かります?

「…ありがとうございます。もう行っていただいて結構です。」

先生は、少し笑いました。あの表情は、事件の核心をだいぶ分かっている顔です。

「そうか、じゃあな。」

そう言って、なつみさんは廊下へ出て行きました。

「…ルーク、行こうか。」

先生はそう言って、僕を見ました。

「え…どこにですか?」

もちろん尋ね返しました。僕には分かりません。

「…ヤコウダケ予算管理人に会いにだよ。」

…なるほど、ここらで…一気に謎を解決しておこうという寸法ですか。

「でも…どこに居るの?」

美雲さんが指をあごに当て、考えています。……かわいい、です。

「とりあえず、リラックスルームに行ってみよう。誰か居るかもしれない。」

そう言って、先生は扉を開け、廊下に出て行きました。それを慌てて、僕たちはついて行きました。

7月26日午後4時40分 リラックスルーム

僕たちは、またここへと戻ってきました。理由は一つ、ヤコウダケ予算管理人に会うためです。

「コリコリコリ……ゲホンッ!!」

居ました。ヤコウダケ予算管理人です。キノコを食べていたようですが、僕たちの顔に気付くと、思いっきり吹き出しました。……汚いです。

「どどどどどどどどど、どうしたんですか?」

ヤコウダケ予算管理人は、喋りながら壁際まで高速で後ずさりしました。ちょっと、嫌われていますね。僕たち。

「ちょっと………お話がありまして。」

先生はそこまで言うと、ニヤリと笑いました。ちょっと怖いです。

「……なんですか?」

ヤコウダケ予算管理人は、余裕を取り戻したようで、落ち着いた様子でこちらに向かってきました。

「……クイーンエメラルドのことについて、教えてください。」

ジャーンガラガラガラガラガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン

……でました、サイコロ錠…サイコ・ロックです。しかも、錠の数は五つ。

「……この列車を黒字にした。それだけです。」

ヤコウダケ予算管理人は、髪を手でいじっています。バッグからは、今にもキノコが飛び出してきそうです。

「…売らずにお金を手に入れた、その方法を教えてください。」

ヤコウダケ予算管理人は、バッグから……エノキを取り出しました。そして、夢中でかじり出しました。

「そそそそそ、それは、企業秘密です。」

ヤコウダケ予算管理人は、かなり焦っています。

「ヤコウダケ管理人。もう分かっているんですよ。理由なんて。」

そこまで言うと、ヤコウダケ予算管理人は、エノキを食べる手を止めました。

「それは…これですね。」

       くらえ!!

  (証拠品・クイーンエメラルド)

「ヤコウダケ予算管理人……この宝石には、触れると集中力増加の効果があるそうですね。」

そこまで言うと、ヤコウダケ予算管理人は、エノキをまた食べ始めました。

「そうですけど……」

ヤコウダケ予算管理人は、もう冷や汗でおかしなことになっています。

「触れただけで…お金がもらえたとか。」

先生が言うと、ヤコウダケ予算管理人は、覚悟を決めていたかのように。

パリィンパリィンパリィンパリィン

と、一気に四つも錠を割りました。そして、結んであった髪をほどき、その長く赤みがかかった黒髪を、腰にまでやりました。

「…やるねぇ、ただの教授が、そこまでやるとは…」

…急に、口調が変わりました。これが…豹変、という事なのでしょうか。穏やかだった瞳は、一気に鋭くなりました。

「褒め言葉として、受け取っておきます。」

先生も負けずと、ヤコウダケ予算管理人を睨みつけています。ヤコウダケ予算管理人は、残っていたキノコを口に放り込みました。

「そこまで知っているならば…このことも、知っているはず…ですよ。」

今度は口調が元に戻りました。鋭かった目は、また穏やかになっています。

「この宝石を狙っている人……もちろん知っていますよね。」

ヤコウダケ予算管理人は、全てを悟っているようです。

「はい。噂ですけどね。それは…この人物でしょう。」

       くらえ!!

(人物ファイル・クリオネ・プランクトン)

「ズヴァリ…この人物ですよね。」

先生がとりだしたのは、やっぱりプランクトン運転手の写真でした。

「……やっぱり、かなりお見通しのようですね。」

       パリィィン

一つ錠が割れました。

「……もう、全て知っているのですね、やはり。」

そう言うと、マリアンティア夫人の周りの黒い壁は、無くなりました。

「その通りです。クイーンエメラルドには集中力増加の効果があります。これをスポーツ選手などに1週間貸すだけで、億単位のお金が入ってくるんです。」

億単位…すごすぎです。

「そんなすごい宝石を、売ったらどうなると思います?」

僕は想像してみました。そして一つの妄想が生まれました。札束がたくさんある絵を。

「物凄いお金になりますね。」

先生が言いました。

「はい、それでは、私はそろそろ行きたいと思います。」

ヤコウダケ予算管理人は部屋を出て行こうとしました。しかし。

       待った!!

先生が引きとめました。

「待ってください。あなたがウエイトレスの格好をした理由を教えてください。」

先生は言いました。そうでした。ヤコウダケ予算管理人がウエイトレスの姿をしていたことを思い出しました。

「…………」

ヤコウダケ予算管理人は何も言わず部屋から出て行きました。

「出て行っちゃいましたね……」

美雲さんは、出入り口を見ながら言いました。

「ルーク……怪しいと思わないかい?」

先生が話しかけてきてくれました。

「はい。何かを隠している気がします。」

僕は答えました。どうも、あういうタイプの人は、何かを隠しています。

「ルーク、食堂に、みんなを集めてくれないか?」

先生がきりだしました。これは…事件を解いた時の顔ですね。

「分かりました。行きましょう!!美雲さん!!」

僕は三雲さんも誘って、みんなを集めに行きました。

7月26日午後5時 食堂車

ぼくと美雲さんの力で、食堂車のほとんどの乗客が集まりました。その中には、マックスさん。トミーさん。ミリカさん。ベンさん。なつみさん。小池さん。羽祖紺さん。チェルミー警部など。見覚えのある顔もたくさん居ました。

「どうしたのかなー?みんなをこんな所に呼び出してー。」

小池さんは、明らかに不機嫌です。足をパタパタさせています。

「そうや、ワイは今スクープを探しているんや!!」

なつみさんもイライラしています。さっき助けてもらった恩を何だと思っているんですか?

「まぁまぁ、二人とも、落ち着いてください。」

そこに羽祖紺さんが入ってきました。ですけど、そんな言葉に二人は落ち着くはずがありません。二人は羽祖紺さんに詰め寄りました。羽祖紺さん…かわいそうです。

「どうしたんだいハニー、急に呼び出して?」

マックスさんはトランプに傷があるか確認しています。掃除の途中だったのでしょうか?

「さぁ、何なんだろうね?」

ミリカさんは、ステッキを磨いています。やっぱり掃除の途中だったのでしょうか?

「………」

ベンさんは、無言でリロ君のほこりを落としていました。掃除の途中ですね。確実に。

「…………」

トミーさんは、僕が視線を向けると、急に掃除するものがないか探し始めました。無理しなくていいですよ。

「レイトン、急にどうしたんだ?」

チェルミー警部も居ます。けど、事態が全く飲み込めていないようです。というか、飲み込む方が無理ですね。

「チェルミー警部…分かったのです。宝石強奪事件と、強盗殺人未遂事件の、真犯人が!!」

やっぱり……あまり驚くことではありません。

「なに!!それは本当か!!」

チェルミー警部は驚いています。

「はい、そもそも、チェルミー警部は不思議だと思いませんか?運転手が近くに居るのに、全く気付かれずに宝石を盗めるなんて。おかしいと思いませんか?」

「レイトン……まさか……」

まさか…先生……犯人は…

「犯人は、この中に居ます、宝石を盗もうとした犯人……」

先生はそこまで言うと、指をある人物に突きつけました。

「それはあなただ!!」

でました!!レイトン先生の決めゼリフ!!指をまっすぐにつきつけ、その指はプランクトンさんに向けられています。

「な、なんで俺が……」

プランクトンさんは、明らかに動揺しています。

「レイトン、これはどういう事なんだ!!」

チェルミー警部も動揺しています。正直、全て分かっているみたいなコメントをしていた僕も、よく分かりません。

「そうだ!!そもそも、俺には宝石を盗む動機なんて無い!!」

プランクトンさんは、激しく怒っています。まぁ、激怒のことですけど。

「ほぅ…では、そのことを証言してください。」

先生のやる気は十分みたいです。それにしても……アロマさん。どこに行ったんでしょうか……

「ああ、いいだろうよ。」

       証言開始

     プランクトンの証言

「だいたい、俺が犯人である意味がわからない。」
「いきなり俺が犯人だとか言われてもなぁ…」
「もっと、順序よく話してもらわないと困る。」
「それにだ、俺には宝石を盗む動機がない。」

「…以上。」

なるほど…動機がない、ときましたか。

「うーん……昔もよくあったね。こういうこと」

美雲さん…昔はいったい何をしていたんですか…?

「羽祖紺君、ドラマが始まるまであと何分!!」

「え、え〜と。10分です」

「あ〜、も〜、急がないと……」

どうやら、小池さんは、20分後に始まるドラマに間に合いそうにないのでイライラしているようです。
緊張感持ちましょうよ。

「先生、どうします?」

僕は先生を見て言いました。シルクハットがかっこいいです。

「……ルーク、この証言の要点は?」

いきなり尋ねられて、僕は戸惑いました。

「えーと…動機の有る無いですかね。」

僕は思いついたことを言いました。

「その通り、要するに、次の尋問ではっきりさせればいいのが、動機だ」

「なるほど、要点を押さえるべし、と」

僕はメモをしました。
このメモ帳には、先生の言った深ーい名言がたくさん残されています。

「それでは、尋問させていただきます」

さぁ……戦いの始まりですよ。

       尋問開始

「だいたい、俺が犯人である意味がわからない。」

       待った!!

「まぁ、待っていてくださいよ。私は先に犯人を言ってその理由を説明するタイプですから。」

まぁ、確かに先生はいつもそうですけど。

「ルーク君、ホントなの?」

美雲さんがこっそり聞いてきました。

「…まぁ、いつもですね」

僕がそう答えると、美雲さんは驚いた様子で、「御剣さんとは違う…」と言っていました。

「……だいたい」


「いきなり俺が犯人だとか言われてもなぁ…」

       待った!!

「確かにいい気持はしないと思います。しかし、あなたは疑われる理由がある事を忘れないでください」

ううう…先生のまれに言う一言一言って、ケッコウ心に突き刺さるんですよね……

「ルーク君…レイトンさん。いつもこんなセリフを言うの?」

また三雲さんがこっそり聞いてきました。

「いや、めったに言いません。」

僕がそう答えると、美雲さんはほっとした様子で、「よかった…」と言っていました。

「…それに。」


「もっと、順序よく話してもらわないと困る。」

       待った!!

「………………」

先生は急に黙り込んでしまいました。どうしたのでしょうか?

「なんでもありません、次の証言をよろしくお願いします。」

先生…まさか、聞くことが思いつかなかったとか……

「ルーク君。レイトンさんにもこんなことあるの?」

またまた三雲さんがこっそり聞いてきました。

「……極稀にあります。」

僕がそう答えると、美雲さんは表情を変えず、「誰でもあるんだ…」と言っていました。


「それにだ、俺には宝石を盗む動機がない。」

       異議あり!!

  (証拠品・クイーンエメラルド)

きましたよ……「異議あり!!」が。

「……プランクトン運転手、知っていますか?あなたのうわさを。」

先生は、冷たい眼差しでプランクトンさんを見ています。ちょっと怖いです。

「うわさ?知らないね。」

プランクトンさんは、首を横に振りました。

「そうですか。それでは教えてあげましょう。」

先生はそこまで言うと、クイーンエメラルドについて書かれたのメモを取り出しました。

⇒To Be Continued...

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