双子の逆転
作者: 田委   2010年03月31日(水) 14時55分32秒公開   ID:mxrKH0pol5k
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「暇だ――!」
俺の名前は【おどろき ほうすけ】。これでも弁護士だ。少しは有名になってきたけど・・・。
「おっどろきさぁーん!!」
あ、来たよ・・・。
今、大声をあげて入ってきた子は【みぬき】ちゃん。《とりあえず》俺の助手だ。
「ねえっ!依頼、来ませんか?」
「来るわけないだろ。イヤミかよ!」

その時


『プルルルル・・・、プルルル・・・。』

き・・・、


「来たああああっ!」

思わず二人して声を出してしまった。すばやく俺の携帯を取って開いた。
「うっわあああ、服も赤ければ携帯も赤いんですねー。」
みぬきちゃんの発言には[ピクッ!]と来たけれど、そんなの無視して電話を聞いた。

「もしもし、なるほ・・・」

『成歩堂かああっ!お前っ、携帯の電源きってただろぉ!この野郎っっ!!』
確かに女性の声だったが、ひどく《毒舌》だった。
『ん・・・?お前、風邪ひいたか?声、おかしいぞ。
・・・っ!べっ別にな、お前なんか心配してねーぞ。仕方ないから気にしてやってんだぞ!勘違いすんなよっ!』

ん・・・?これは、《ツンデレ》っ!?

「あ、あのー・・・、俺、おどろきほうすけですけど?」
すると女の人はものすごく驚いた。(というか動揺した。)

『なっ!?そ、それなら話が早い。おい!お前に《弁護を依頼》してやる!』

「まさか、依頼?」

『そう言ってんだろ!この鈍感!』

俺とみぬきちゃんは顔を見合わせにっこり笑った。
「で、誰のですか?」
『ああ、《私の姉貴》のだ。』

俺は依頼が来たことに嬉しくて小さくガッツポーズをした。
「今すぐ行きます!」
そうして電話をきろうとすると・・・。
『あの・・・、な、《成歩堂も連れてきて》
くれ。』
「?  はあ・・。」
と訳の解らない命令をされて電話を切られた。

よっし!いっちょやるか。

まずは、発声練習から・・・。


『異 義 あ り !』


第1話  面会室にて


「おそいんだよっ!この、ノロマっ!!」

たしかに少し遅くなったのは見とめるけれどここまで叱られる意味がわからない・・・。

「それが、《ツンデレ》ですよ。」
みぬきちゃんにたしなめられてしまった・・・。
「――、ていうか「ツンデレ」ってどういう意味なんだ?」
「えーー!知らないんですか?あのですねー例えば・・・、
「このお菓子、あんたに作ったんじゃないのよっ!」
みたいな感じで基本は《ツンツンしているけど》好きな相手には
「ちょっと!せっかく作ったんだから残さないでよね!」
という感じで甘えるっていうか、《デレデレする》んですよ!」
みぬきちゃんに「ツンデレ」というものを習ってしまった・・・。(ていうか、説明の意味がわからん!)

「おい!何こそこそ話してんだ!ていうか成歩堂は!」
「あ、パパなら仕事があって来れないって・・・。」
そのとたんツンデレ少女は《目を丸くした。》
「ぱ、パパぁ!?」
「あ、いえいえいえっ!ただ養子として預かってもらっているだけですからっ!」
「え・・?あっ、そうなのか・・・。」
ツンデレ少女は「ふうっ」とため息をついた。
「それよりお姉さんは?」
するとツンデレ少女は「はっ!」とした様子で面会室のガラスを指さした。
「あれー?誰ですかぁ、あなた達。・・・、あ!回覧版ですかぁ?」
(こんなところまで回覧版を届にいくかっ!)
心の中で突っ込みながらなんとか冷静を持ち話し始めた。
「俺は弁護士のオドロキホウスケです。貴方の弁護をしに来ました。」
しかし、ツンデレ少女のお姉さんはボケーっとしていて黙ったまま。
「弁当売りですか?じゃあ、《から揚げ弁当》を・・・。」
(ま、まさか・・・、《天然》)
この人たち、キャラが整いすぎているっ!
「姉貴。この人達は《弁当売り》じゃなくて《弁護士》!弁しか合ってないじゃない!」
「あっ!そーかぁ。私、捕まったんだぁー。じゃあ、始めましてー。私、
【萌え・テンネ】(もえ てんね)
妹の名前は
【萌え・ツンデ】(もえ つんで)
双子でーす。」
双子の割には似てないし、性格も違うな。まあ、いいや。
「ところで事件のお話を聞きたいんですが・・・」
「あ、はい!あれは昨日の夜、被害者の
【小野・慎】 (おの まこと)
さんがベランダから落ちたんですよぉ。でぇ、慎さんの家に遺書らしきものが見つかって、その文章には
『もえ てんね、お前が俺を精神的に弱めた・・・。許さない!』
って書かれてたので、私が捕まったんですぅ。」
「ありがとうございました。ところで何故、被害者の名前をしっていたんですか?」
すると、今度はツンデが前に出てきた。
「それは私が説明する。《後で》!」
(え?何でだ?今、説明してもいいのに。)
「オドロキさん。この事件・・・。」
「ああ。単純そうじゃないみたいだな。」
そして、俺達は面会室を仕方なく出ていくことにした。


第2話
人間関係の秘密

俺達は行く当てもなくブラブラと歩き回っていた。気がつくとそこは事務所の前だった。
ガチャ
「お帰り。」
!?
何故かドアを開けると居るはずの無い成歩堂さんがソファーの上に座っていた。
「なななっ!何故ここにっ!」
「いやー、仕事が思ったより早く片付いてね。」
軽く「ははは」と笑う成歩堂さんに俺はため息をついた。
「そ、そういえば・・・、成歩堂さんとツンデさんの関係ってまさか!」
すると成歩堂さんは頭をかきながら言った。
「そうか、気づいたのかぁ。僕とあの双子は親せきなんだよ。」
へ?そ、そうなんだ・・・。俺、てっきり・・・。
「それよりパパ!そのツンデさんがテンネさんと被害者の慎さんとの関係を《話したがらない》んですよ。」
「へぇー。それなら《何かを隠している》んだよ。」
「そんなことぐらいわかりますよ!現に《二人の関係を隠している》んですから!」
しかし成歩堂さんは首をふった。
「ちがうよ。そのことじゃない。《二人の関係を隠すことになったその理由を隠している》んだよ。そうじゃなかったら・・・、《もう一つの最悪の事態》が考えられる。」
成歩堂さんは顔をしかめた。
「ツンデが犯人かもう一つは・・・、《テンネが犯人》だ。」
「!!!!!」
信じられなかった。でも、テンネさんと話していた時は腕輪は《違う心に反応した》ような・・・。
「まあ、事件現場には僕もついていくよ。証拠が集まってきたらある物を渡しておくよ。」
(成歩堂さん・・・、だからその何かをほのめかす癖、直してくれないかなぁ。)
そんなことを思いながら事件現場に来た。そこにはやはりいつもの《かりんとう刑事》がいた。
「きたわね!だめよっ。許可がないと通せないからね。無理にでも通ろうとしたらやっと完成した
《ハイドロキシアセハセアニリドホスホモノエステラーゼ溶液》
をおみまいするわよ。」
この元気な刑事さんの名前は
【宝月 茜】 (ほうづき あかね)
自称・科学捜査官。さっきのナントカ溶液もどうやら薬品らしい。(ていうか完成したんだ。)
「わかったら・・・とっと・・・と・・帰りなさ・・い?」
あれ?動きが止まって顔がタコみたいに真っ赤だ。
「こんにちは。茜ちゃん、なんとかして入れないかな?」
「はははっ、はい!どーぞ。」
(成歩堂さん・・・、いいなぁ。って、差別だぁ!)
「あら、あんたも入るの?ならかってに入りな。」
どういう風の吹き回しかすんなり先にいれてくれた。しばらく先に進むと死体が置きっぱなしになっていた。さすがに俺もみぬきちゃんもあまりの姿に目をそらした。《首の骨が折れている》ようだ。しかし、本当に恐ろしい。こんな死体を興味深く見ている成歩堂さんはすごいよ・・・。
「おかしい。」
死体を見ていた成歩堂さんはつぶやいた。
「え?なにがですか?」
「良く見てみなよ。」
(あまり見たくないのに・・・。)
そう思いながらも渋々死体に目を向けた。やはり《首が折れているようにしか見えない》。
「《それがおかしい》んだよ。いい?32階から落ちて《首だけしか折れてない》というのはおかしんだよ。《打撲のあとも無い》し・・・。まあ、血は滲んでるけれど。」
「確かに!」
そうだ!おかしいはずだ。運よく首だけ折れても(ありえないけど)打撲も無しというのはおかしすぎる。
「ややこしいよー。じゃあ、どうやったんですか?」
「それを今から調べるんだよ!」
みぬきちゃんにそう言い聞かせ被害者の部屋にいった。
「うーん、争った形跡も無い。ますます解らない!」
するとそこにあの刑事さんが来た。



「ふいちゃったんじゃない?・・・形跡を。」



訳の解らないことを茜さんは言った。

「そっかーー!《ルミノール試薬》!!」
「偉いっ!よくきづいたね。さあ、科学の出番よ。」
危ない・・・、茜さんの目が輝いてきた。
「これはふき取られた血痕を見るための薬品よ!このメガネをかければ・・・。」
そう言い、俺とみぬきちゃんと成歩堂さんの分のメガネを出した。
(ていうか何個持ってるんだ!?)
俺達はメガネをかけてルミノール試薬を使ってみた・・・が・・・・。
「無いよぉーーっ!!」
そう、なにも反応しないのだ。床、たんすなどの裏、天井。どこも反応しない。
「待って」
突然、成歩堂さんが声をあげた。
「そこ、たんすの上の黒いケース。」
急いでたんすの上に登った。たしかに多少青白く角がひかってる。俺は黒いケースにルミノール試薬をふきつけた。そうすると黒いケースの底に血がべっとりと付いているのが解った。
「生々しいです。成歩堂さんー。」
弱音を吐いたような声を出した。だって、本当に生々しいから。
「オドロキ君、その黒いケースを下におろして。」
「はい!って重ッ!!」

どさっ・・・。

「なにやってんのよ。あんた・・・。」
「いや、すごく重いから・・・。」
中にきっといろんな物を詰め込んでいるんだろうな・・・。
「・・・石・・・。」
「えっ!?」
成歩堂さんはかってに中を開けていた。その中には《石がぎっしりと詰まっていた》。
「ということは、コレ・・・犯人が用意したんだろうね。」
あらたに新事実が発見された。テンネさんが慎さんを精神的に傷つけて自殺させたわけじゃなかったんだ!犯人はほかにいる。
「でも、もうちょっと調べてみましょうよ。」
「ああ・・・。」
俺は軽くうなずいてテーブルに目を落とした。
「あれ?この紙・・・。」
「ああ、それは被害者の書いた紙よ。鑑定の結果《なんとか被害者の筆跡と判明した》わ。」「うぐ!・・・あれ?なんとか判明したってどういうことですか?」
すると茜さんは首をかしげた。
「よく解らないけど、《字がヨレヨレ》でよく解らなかったみたい・・・。でも、鑑定結果は《本人のものとしか考えられない》らしいわよ。」
茜さんの言葉を聞いて俺は少し落ち込んだ。そして、手紙をもう一度読み直してみた。
『可萌・え・テンネ
お前は俺のことを馬鹿にした。許せない!俺が自殺するのも時間の問題だ・・・。その時はこの紙を世間に公表してから死んでやる。覚悟しろよ・・・、俺を会社からリストラさせたお前を呪ってやる。
小野・慎』

「おかしいねぇ・・・。」
いつのまにか成歩堂さんが手紙をみていた。
「始めの名前・・・、《何かを書いた後消して書き直した》ようですね。」
すると成歩堂さんは「うーん・・・」と言った。
「それもそうだけどね、内容なんだよ。テンネは《会社にまったく関わりがない》。つまり、《違う人にこの手紙を送った可能性が高い》んだよね。」
と一言、軽々言った。
「あ、目撃者の部屋行って見る?」
茜さんが上の方を指した。
「この上ですか?」
「そう、ここは32階でしょ。《46階》なんだけど。」
(遠っ!)
そんなことを思ったけれどやはり目撃者の情報はほしい。ということで《エレベーター》を使おうと思ったけれどなんと・・・。
《工事中》
でっかくエレベーター前に看板が置いてあった。
「くっそー!」
俺は仕方なく階段をみぬきちゃんとかけあがっていった。
「茜ちゃん、ちょっと僕についてきてくれる?頼みごとがあるんだけれど…。」
「は、はいいいっ!」
俺達は息を「ゼーゼー」吐いていた。これからは運動しとこ。すると茜さんと成歩堂さんが涼しい顔をしてきた。
「エレベーター、壊れてなかったよ。ただ《看板を取り忘れていただけ》みたい。」
「オードーローキーさーん?」
俺はみぬきちゃんに凄い目つきで睨まれた。それもそうだ。無理矢理階段を駆け上がらせたのだから。
「そ、それより…、なんでわかったんですか?壊れていないって。」
「ん?ああ…。犯人の移動手段があれしか考えられないって。だって、考えてもごらんよ。あんな《重いケースを持って》短時間で階段を使っていくなんて《不可能じゃないか》。」
た、確かに…。
「もしかしたら、慎さんとテンネって付き合っていたのかも。それを見た元・恋人は嫉妬して殺人を計画した・・・、かもね。」
成歩堂さんは簡単に事件の真相らしきものを言った。俺はその推理があっているように思えた。

第3話
真犯人と捏造

「あ、あの…、成歩堂さん…。俺、その推理の元・恋人とツンデさんって付き合っていると思うんですよ。」

⇒To Be Continued...

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