時空を超えた逆転 1 成歩堂編‐捕らわれの検事‐ | |
作者:
太郎
2008年10月22日(水) 14時16分24秒公開
ID:JsAhK5blwlg
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「…キサマは何者だ?」 「私?私についてはあなたもご存知だと思いますよ。」 「ぬ…。(マッタクしらない)」 「取りあえず、私は成歩堂クンと王泥喜クンにそれなりのウラミがある…とだけ言っておきましょうか。」 「!!成歩堂にウラミ…?(知り合いなのか?!)」 「まぁ、御剣検事殿。すべての答えは、この事件の終結と供に現れるはずです…。私の完璧なロジックによってね…!しばらくこの部屋で大人しくしていて下さい。…見張りもつけておきましょう。」 そう言うと、仮面男は部屋を出た。数分して、代わりの見張り役の男が入ってきた。御剣は大人しく仮面男のコトバについて考え出した。 同日 某時刻 地方裁判所・地下駐車場 誘拐現場− 現場は捜査官達で埋め尽くされていた。それもそうだろう。検事局きっての天才検事がユーカイされたのだから。 「防犯カメラは、御剣検事が地下の駐車場に現れるまでは動いてたッス。それ以降は何者かによって、ハッキングされ、データーがCとDブロックだけ消されたッス。」 「御剣が駐車場に現れるまでしかカメラは動いてなかったって事ですか…。」 成歩堂は、何気なく御剣の車のトランクを眺めながら言った。 「!?これは…」 成歩堂は食いつくようにトランクを見た。そこには鍵かなんかで文字が彫ってある。 「…453…9…ま-45-39!カーナンバーだ!イトノコさんっ!御剣の車にカーナンバー!」 「?!なんスとぉ〜!!検事のクルマにカーナンバー?!ってクルマにカーナンバーは当たり前ッス。」 「あっ、そーじゃなくて、あいつさらわれる前にトランクに手掛かりを残してる。イトノコさん、カーナンバー“ま45-39”を調べてもらえますか?」 「さすが御剣検事ッス!了解ッス!上にバレたらやばいんであとでこっそり取りに来るッス。」 「ハイ!ありがとうございます!」 「じゃぁ、自分はいっちょ調べてくるッス!うぉぉぉっ!御剣検事殿〜!すぐに助けるッス〜!…」 イトノコは気合いを入れてカーナンバーを調べに行った。 成歩堂は捜査を続けた。トランクの下に目を写すとそこに何か光るものが落ちてた。 「なんだこれ…」 丁寧にハンカチで拾った。 「!これはアイツのクルマのキー…!しかも先端に何か付着している…!このクルマの外装メッキだろう。それに指紋も気になる…。さっきイトノコさんに調べてもらえばよかったな…」 「呼んだッスか?」 「ぎゃっ!!イ、イトノコさん!何で?」 「忘れ物したんス!カバン!」 「(さすがだ…)」 「その鍵の指紋も調べるッスか?」 「あぁ!ハイ!お願いします!」 イトノコに鍵を預けた。 「確かに預かったッス!取りあえず自分は行くッス!また後でッス!うぉぉぉっ!御剣検事殿〜!すぐに助けるッス〜!…」 「…取りあえず、オドロキ君が犯人じゃない証拠が1番重要だしな…」 成歩堂は再び捜査を開始する。 「彼が最初からあの一味と一緒にいなかったという証拠があれば…ん?」 成歩堂は御剣が拉致された現場から駐車場Cブロック寄りに15m程離れたところに縦にのびてる白線に目をやった。しかも真新しい白で最近塗り直されたと思われる。白線にはっきり足形が残ってる。 「誰モノか調べた方がいいな…!」 「ちょっとアンタ、一般人は立ち入り禁止だョ!」 聞き覚えのあるこの声だった。成歩堂は勢いよく後を振り返った。 「(やっぱり…)オバチャン…なんでここに…?」 「オバチャンと言えば警備員。警備員と言えばオバチャンだョ。今は裁判所の地下駐車場の警備をやってるのサ!」 「…!!ってコトは今朝の事件の目撃者って…」 「そぉサ!オバチャンの目の前で…オバチャンのミッちゃんが…連れてかれちまったんだョ〜!ぅぅ…」 オバチャンはこの上なく泣きまくった。それもそのハズ。オバチャンは御剣の大ファンだからだ 「今頃かわいそうに、きっとどこか暗いトコに監禁されて…『オバチャン、助けてくれ』って泣いているョ…あぁ、ミッちゃんっ無事でいておくれ〜!」 「オバチャン…(それはないと思う。)」 「…でアンタは何しにきてるんだい?まさか大切なトモダチがユーカイされたってのに、呑気にミッちゃんをさらったあの容疑者をベンゴするなんてコトはないだろうねエ…」 オバチャンは成歩堂を睨みつけた。 「…(オバチャンが目撃者なら、ゼッタイにオドロキ君が犯人だと言ってゆずんないよな…。)」 「…どーなんだい?」 成歩堂は観念したようにオバチャンの質問に答えた。 「オバチャン、タイホされた青年は犯人じゃありません!彼はハメられたのです!!犯人は他にいるんですよ!」 「アンタっ!!ハッたおすョっ!ミッちゃんをさらったのはあのツノの男なんだョ!!オバチャンはちゃ〜んと見てたんだからネ!」 オバチャンは、スルドイ眼力で成歩堂をにらみつけた。 「(オバチャンはこの上なくキレてる…危険だ…!)じゃ、じゃぁオバチャンは最初から…その赤いスーツの青年が御剣を拉致する現場を見たんですか?!」 「見たョ。」 「…!(う゛っ)」 「あのネ、アンタ、オバチャンが嘘ついてるとでもいいたいのかい?!オバチャンはネ、はっきり見たんだよ!あの赤いボウヤがミッちゃんに銃を突き付けてる所をねっ!」 「(…オバチャンはオドロキ君が犯人達からちょうど銃をつかまされたところを見たんだ…!!)…オバチャン、犯人の顔は見ましたか?」 「見てないヨ。それがどーしたっていうんだい?!」 オバチャンの青筋がピクピクしてる…。 「(つまり、オドロキ君の顔を見ていないってコトは後からの目撃になる…!)…オバチャン、目撃したコトを教えてもらえますか?」 「いやだヨ。」 「…はぁ。」 「オバチャンはねぇ、アンタのトモダチのミッちゃんを…オバチャンのミッちゃんを見捨てたアンタを許さないヨ!!」 「(まずい!予想以上のキレ方だ!)見捨ててなんかいませんよっ!御剣は大切なトモダチですっ!だからこそ…」 成歩堂が最後まで言う前にオバチャンの怒りがバクハツした。 「アンタはサイテーだヨ!ミッちゃんは今頃どこか暗い冷たいローヤかなんかに閉じ込められて、オバチャンの助けを待ってるんだヨ!それなのにアンタは犯人のベンゴだなんて、金のためかい?!オバチャンは見たんだヨ!赤いボウヤがミッちゃんに銃を突き付けるのを!オバチャンのチーターのよーなオバチャンの鋭い目でっ!*$%∞○…!!」 成歩堂はオバチャンの情報をなんとしてでも欲しかった。 「〜っっ!(もう誰もこの宇宙人を止められないぞ…。いや、ここでネバるんだ!)オ、オバチャン…!」 成歩堂は少し詰まったが、立て直して力強く言った。 「フーッ、フーッ…ハァッ…ハァッ…」 「がっ!!」 かなり危険な状態だった。 「なんでもないです…ゴメンナサイ…!」 成歩堂は弱々しく答えて、とりあえずオバチャンからヒナンした。 「このままじゃ…情報が少なすぎる…!何か手掛かりは…」 とりあえず、成歩堂はオドロキが7年前の世界からこっちの世界にタイムスリップしてきた現場を調べることにした。 「(タイムスリップをまともに主張したら、恐らく明日は負けるな…。)」 成歩堂は現場付近に立ってる、真新しい排水管に目を付けた。恐らく、白線と一緒に改装したものだろう。 「(…そういえばオドロキ君は、ここに“落下した”っていってたな。立ち上がるときにこの排水官に触れたかもしれない。ほとんど新品状態だから、彼の指紋が検出されたら、証明できるかもしれない!)」 成歩堂はさっそく、指紋検出を始めた。アルミ粉で検出された指紋を法廷記録に挟んだ。成歩堂はさらに、排水管の真下にある排水溝に何かが挟まってるコトに気付いた。拾ってみるとボールペンだ。しかも折れてテープで何重にも巻かれている。かなり古いものだ。所どころ錆びている。成歩堂はそのボールペンに書かれている文字を見て固まった。 「(成歩堂…法律事務所?!ボクの事務所のボールペンじゃないか!しかも、これは綾里法律事務所が成歩堂法律事務所に代わったときに看板業者からいただいた1つしかない記念品…!どーゆー事だ?!)」 「すみません…警察の方ですか?!」 背後から若い男の声がした。 「あっいや…違います!ぼくは弁護士です。」 成歩堂が振り返ると、そこにはスーツをきた20代後半〜30代前半くらいの気の弱そうな男が立っていた。なんか凄くモジモジしてる。 「あっ、スミマセン!弁護士さんでしたか…。実は警察の人にこれが落ちてたので、届けようと思って…」 そういうと男は成歩堂に写真のような物を3枚ほど見せてきた。 「…!!こ、これは…?!」 なんと3枚とも、御剣のプロマイドだったのだ(しかも隠し撮り風味)。 「(恐らくあの宇宙人の落とし物だろう…。取引の材料になるかもしれない!!)心あたりがあるんで、ぼく預かっておきますよ!」 「あっ、スミマセン…!お願いします。…この写真に写ってる人って…今日、誘拐された検事さんですよね…。」 「!!(まだ公表されてないのに!)なぜ知ってるんですか?!」 「実は私、この検事さんが車の中に押し込められるのを見てしまったんです…!」 「な、なんですって?!あなたは一体…」 「あっ申し遅れました。私は脇役邦夫(ワキヤ クニオ)と申します!仕事は…ファーストフード店の店員です。」 「弁護士の成歩堂です。よろしくお願いします。さっそくですが脇役さん、あなたは何故現場に?」 「本当にタマタマだったんですよ…。私が今日注文を受けたお客さんにサラダの入れ忘れがありまして…。そのお客さんがこの裁判所に傍聴にいらしてたので、私は届けにココにきたんです。」 「なるほど。それで何を見たか教えていただけますか?」 「はい。私は12時20分前にここの裁判所に車で来ました。裁判なんて、見たことも興味もなかったので、入口がどこにあるか探していたんです…。」 「(“見たことも興味もない”…か)わかりました。それで?」 「数分さ迷ってたら、男の人が聞こえたんです。“キサマ、何するんだ、離せっ!”みたいな感じで…。」 「(御剣だ…。)」 「それで声の方に行ってみると、男の人が一人、数人の男達に銃を突き付けられてたんです。そしてリーダー格っぽい角の生えた全身赤いスーツの男が後ろからイキオイよく銃で検事さんの背中を押すと、彼は車の中に押し込まれたんです!」 「そうなんですか…。そこには警備員のおばさんっていましたか?」 「いたと思いますよ。」 「なるほど。わかりました。脇役さんはこれからどうするんですか?」 「私は今から警察に呼ばれてるんですよ。目撃者なので。こうゆうのはじめてたがらキンチョーしちゃって。と、トイレにいこーと…。」 「あっそうなんですか!スミマセン!失礼しました!」 成歩堂は脇役に軽く会釈しるとそそくさとトイレをあとにした。そして集めた法廷記録をパラパラめくりながら事件の証拠品を見つめ直した。 *法廷記録* ●成歩堂法律事務所のボールペン (折れてテープで補正されてる。) ●白線についた足跡 ●排水官についた指紋 ●御剣の車のキー (イトノコに預けてる) ●御剣のクルマのトランクに刻まれたカーナンバー (イトノコが調査中) ●御剣のプロマイド オバチャンの宝と思われる 「大体の輪郭をつかめたな…。」 成歩堂はそう呟くと、御剣のプロマイドを取り出した。 「(…御剣、待ってろ!必ず助けてやる…!)」 成歩堂は決意を新たにすると、オバチャンのいる誘拐現場に戻った。 「オバチャン!!」 「…。フーッフーッ…。」 「っ…!!(こ、こぇ〜っ!)」 オバチャンは成歩堂を見るやいなや、表情を般若のように変えた。 「オバチャン、これオバチャンの落とし物ですよね?!」 成歩堂はオバチャンに御剣のプロマイドを突き付けた。 「……。フーッ…フーッ…ハァッ…ハァッ…なんでアンタが持ってるんだョ。かえしなっ!オバチャンのだョ!それ!」 オバチャンは凄いイキオイで成歩堂に迫って来たが成歩堂はサラッとそれをかわした。 「オバチャン。これはこの駐車場のある所に落ちていた。返してあげてもいいですよ。…情報をくれたらね…!」 「…腹立つ子だョ。」 オバチャンはワナワナと怒りで震えていたが、成歩堂は何とか逃げずにその場にはいつくばった。 「…イイョ。アンタにはガッカリさせられたケド。」 「ありがとう、オバチャン!必ず明日の法廷で、被告人の無罪を証明しますよ。」 「勝手にしな。出来るならね。」 「オバチャンは明日はやっぱり検察側の証人に…?」 「もちろんだョ。ミッちゃんを助ける正義の証人としてネ!」 「…なるほど。分かりました。じゃぁ教えていただけますか?事件のコト。」 「フン。イイヨ。今朝オバチャンはミッちゃんが裁判所に入る前…だいたい9時前から警備室に入ったョ。モニター番だからネ。」 ⇒To Be Continued... |
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