| 時空を超えた逆転 1 成歩堂編‐捕らわれの検事‐ | |
| 作者：
太郎
2008年10月22日(水) 14時16分24秒公開
ID：JsAhK5blwlg
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成歩堂はしばらく黙りこんだが、スグに顔をあげた。 「…わかりました。とりあえず…その容疑者にあってみます。」 「ありがたいッス…！」 「とりあえず、行きましょう。留置所へ…（一体…どんなヤツなんだろう…）」 同日 某時刻 留置所- 「…。遅いですねぇ。」 成歩堂は腕時計を眺めながら言った。 「犯行を否認しまくりッスからね〜。」 「へぇ…そうなんですか。（ゲンコウハンのクセに腹たつな。）どんなヤツなんですか？その容疑者は。」 「実は…若い弁護士なんスよ。」 「べ、弁護士！？」 成歩堂は思わず、叫んだ。 「アンタとは正反対の赤いスーツを着た、弁護士ッス！」 「そ、そーなんですか…（これはまた、イガイな展開になってきたぞ…！）」 その時だった。アクリル板越しから怒鳴り声聞こえた。 『異議あり!』 「うるさいっ！早く、検事の居場所をはけッ！」 「だから、オレじゃない！ハメられたんですっ！」 「じゃぁ、なんで銃を持ってたんだ？！」 「持たされたんですっ！」 「何度も聞いたよ。まぁ、キミは少し頭オカシーから、精神鑑定が入って、減刑されるんじゃない？年を間違えてるし。」 「オレをナメないで下さいっ！！」 「まっ、取りあえず、弁護士サンがきてるから、話しを聞いてもらうんだな。センセー。」 ガチャッ！ オドロキは取調室からほうり出された。 「ちょっっ！異議ありっ！…えっ！？！」 成歩堂を見るやいなや、オドロキは固まった。 「な、な、成歩堂さん？！（ウソ、だろ？！）」 「…？アンタ、知り合いッスか？」 イトノコ刑事が成歩堂に聞いた。 「いや…初対面だと思います…。」 「（なんで、成歩堂さんが…。しかもさっきより若返ってる…！どーゆー事だっ？！）」 オドロキはもう一度看守に尋ねた。 「今って…2026年ですよね？？」 「はぁ？2019年だよ。大丈夫かい？ボウヤ？」 看守は笑いながら答えた。オドロキは動揺を隠せない。 「（さっき、取調室で刑事に言われた時はオレをバカにしてるんだと思ったんだが…。信じたくないけど、タイムスリップしたのか？！…っ！もしかしてさっきのクーカンか…！？）」 一人で考え込んでるオドロキに、成歩堂が言った。 「取りあえず、話しを聞きたいから座らないか？」 「あっ…ハイっ！」 オドロキは我に帰り、イスに座った。成歩堂はオドロキの弁護士バッチを見つめて言った。 「ぼくは成歩堂龍一、弁護士だ。まずキミの事を聞かせてくれないか？」 「は、ハイ！オレ、大丈夫ですっ！」 「なるほど…大丈夫クンっていうのか…」 「あっ違います。王泥喜です。スミマセン。（成歩堂さんにまた同じ間違えをしてしまった…）」 「そっか。オドロキ君。キミは弁護士なんだね？」 「あっ、ハイ。（今の成歩堂さんより優しいな…）」 「ソッチョクに聞くけど…キミは御剣検事の誘拐にタズサわってるんだよね？」 成歩堂は、そう言いながら誰にも見えないように、勾玉を取り出した。 「オレ、イノチにかえても、誘拐事件にタズサワっていません！！！無実です！」 ………… 「（サ、サイコ・ロックがでてこないぞ！？どーゆーコトだ？！）」 「アンタ！いい加減、認めたらどーッスか！？」 「でも、オレ、やってない！！(オレをタイホした刑事じゃん！）」 」 「ウソつくなッス！！！」 「イトノコさん！落ち着いて！！！」 成歩堂は、怒り狂うイトノコを抑えた。 「今は彼のハナシを聞きましょう！」 「…ッス。」 イトノコはフキゲンそうにうなずいた。 「…。あっその…実は…言いにくいコトがあるんですけど…。いいですか？」 「…どうぞ。」 「あっハイ。…一応聞きたいんですけど、成歩堂さんさっきオレと一緒にいませんでしたっけ…？」 いきなりのキバツな質問に成歩堂は驚きを隠せない。 「えっ。ぼく達今日が初対面だと思うんだけど…。」 「（…やっぱりオレはタイムスリップしたんだ！ど、どーしよ…）」 オドロキはショゲた。 「あの…オドロキ君？」 「あっハイ。あの実は…信じてもらえないかもしれないんですけど、オレ、7年後の世界からきたみたいなんです…。」 成歩堂とイトノコは、無表情のまま固まった。 「今なんて言ったッスか！？なななねんごってアンタ…。」 「“な”が1つ多いです。イトノコさん！（しかし、7年後なんて急にいわれてもっ…！！）」 「きっと、コイツは、精神鑑定を狙ってるんスよ！！騙されてはいけないッス！！」 「…やっぱ信じてもらえないですよね…。」 オドロキはシュンとした。成歩堂は今度はアカラサマに、勾玉を静かに取り出して、オドロキに突き付けた。 「（！？ウソ、だろ…。…サイコ・ロックは…ない！）」 「…成歩堂さん、オレのサイコ・ロックは出てきてないですよね？」 「えっ！！？（ぼく以外でサイコ・ロックの存在を知ってるのは、真宵ちゃんに春美ちゃん。そして御剣だけなハズなのに…。なぜこの初対面の男がサイコ・ロックの存在をしってるんだ…？！しかも嘘をついてない！！）」 「なんスか？最高Rockって？」 イトノコはヘラヘラと聞いてきたが、成歩堂はシカトした。 「キミはサイコ・ロックをナゼ、知ってるんだ？あの、その7年後の世界で、ぼくと知り合いとか…？」 「あ、あぁ…そうです。オレ、成歩堂さんと何度かシゴトを…」 オドロキは成歩堂が7年後、弁護士バッチを剥奪されている事だけは言いたくなかった。未来を変えてしまいそうでこわかったからだ。 「そうなんだ…。いや、信じられないけど、キミの言う事はウソじゃないみたいだね。」 「え。じゃぁ、この青年はミライジンってコトッスか！？アンタ、本気で信じるんッスか？！」 「…彼はウソついてない。多分そーゆーコトだと思う。」 「信じられねッス…。」 イトノコ刑事は穴があくほどオドロキを見つめた。 「それに…ぼくが、御剣を誘拐したか？と聞いた時、キミからサイコ・ロックはでてこなかったんだ！」 「だから、なんスか？最高Rockって？」 成歩堂はまたしても、軽く流した。 「じゃ、じゃぁ成歩堂さん、オレを、信じてくれるんですか？！」 「そうだね。信じるよ。（オオトロの時もサイコ・ロックは出なかった。だけど、彼は…なんだか信じられる気がするんだ…！！）」 「ちょっ、アンタ！本気ッスか？！」 「ハイ。彼は、無実だと思いますよ？きっと、誤認逮捕です！…またしても。」 「むぎゅう…アンタが言うと、説得力あるッス…。」 イトノコは黙ってしまった。 「…とりあえず問題は明日の裁判だ。オドロキ君、最後にもう1回だけ聞くよ。キミは本当に御剣の誘拐に関与してないんだね？」 「もちろんです。イノチにかえても！！」 「（やっぱり、サイコ・ロックは出て来ない…。信頼できるな…）分かりました。キミの弁護を引き受けたいんだけどいいかな？」 「はいっ！お願いしますっ！（まさか、オレの初の依頼人に弁護されるコトになるとは…。）」 オドロキはその場で依頼状を書き、成歩堂に渡した。 「（左利き…か）確かに受け取ったよ。じゃぁ、とりあえず事件に巻き込まれた経緯を教えてくれる？」 「あ、ハイ！オレ、今朝、審議があったんです。そして審議が終わった後、控室にいたらイキナリ電話で見知らぬ男からロビーに呼び出されたんです。」 「…呼び出された？」 「ハイ。なんか今日の裁判の証拠品を渡したいからとかで…」 「ふうん…。それで？」 「んでロビーに行ったら誰もいなくて、帰ろうと思ったら変な空間が現れてびっくりしてそれに触れたら吸い込まれて、裁判所の地下駐車場のトイレ前に落下したんです。ケツを痛めました。」 「…吸い込まれた？」 「ハイ。最初はゲンカクだと思ったんですよ。でも信じられないことに現実だったみたいです。」 「災難ッスねー。」 「で、オレはゲンカクを見たんだってコトにして、エレベーターのトコに行こうとしてたんですよ。いつものCブロックのカドを曲がったら、数人の男達が両手をあげてる男に銃を突き付けていて、バンに押し込もーとしてたんです。」 「…その両手を上げてた男が御剣だった…ってワケか。その時キミは彼が御剣検事だって事には気付いてた？」 「いや、全然気付いてなかったです。オレ、写真でしか検事のこと見た事なかったですし。とにかく、誰かがユーカイされそうになってると思ったから駆け付けたんです！」 「突っ込んだんだ？」 「ハイ。そしたら男がオレに銃の引き金の部分を突き付けてきて、思わずイキオイで握ってしまったんです。そしたら警察がきて…。男達は抵抗する御剣さんをバンに押し込められて、そのまま連れて行ったんです。そして、オレはゴヨウになりました。」 「…なるほど。イトノコ刑事、なぜ警察はすぐに駆けつけたんですか？」 「まず、イキナリ、防犯カメラの映像が切れたッス。その直後目撃者からツーホーがあって駆けつけたッス。そしたら、この赤い人が御剣検事に銃を突き付けていたように見えたのと、目撃者の証言によって逮捕したッス。」 「その目撃者は…明日の証人ですよね？おそらく…。」 「まっ、そうなるッス。」 「しかし犯人の目的が未だに読めない…。さっき電話があったとき、やつらの要求はキミの弁護だった。」 「えぇえっ？！オレの？！」 「ナゾッス。」 「しかもオドロキ君をナカマと言っていた。その後に御剣が電話に出たんだけど…」 「御剣検事は無事だったッスか？！」 「すごく冷静でした。今は精神的にもあいつは安定してるから大丈夫です。そしてあいつはキミが無実だって事をぼくに伝えようとした。すぐ切らたけどね。」 「ほっ。よかったッス…！」 「取りあえず、オドロキ君。ぼくは調査に行くよ。また来るから。」 「ハイっ！大丈夫です！ありがとうございます！」 「行きましょうイトノコさん！じゃんじゃん情報タレ流してくださいっっ！」 「しょうがないッスね…ここまできたなら、自分アンタを信じるッス！！情報タレ流すッス！！」 「（…いいのか…？）」 同日 某時刻 アジト− 黒塗りのバンが小さな雑居ビルの地下駐車場に止まった。男達はバンから、後ろ手で縛られ、目隠しと口にガムテープを貼られた御剣を引きずり出した。 「ほら、検事さん、しっかり歩くんだ。」 御剣は冷静に男達の指示に従った。階段を昇り、ある部屋に乱暴に入れられ、座らされた。そこで、目隠しとガムテープが外された。 「…手荒なマネして、すみませんでした。御剣検事殿。」 顔を上げると仮面をかぶった男が話しかけていた。仮面男はボイスチェンジャーを使ってる様子だ。 「…何のマネだキサマ。」 御剣は鋭く仮面男を睨みつけた。 「…機嫌が悪いようですね…。残念ながら。」 「当たり前だっ！このような目にあわされて喜ぶバカがどこにいるっ？！それに、キサマの目的はなんだ？答えろっ！」 「…。少々態度がでかいようですね、検事殿。今置かれてる御自分の立場を理解していただきたいですね。」 仮面男はゆっくり、丁寧に言った。 「…むぐぐっ（怒）…。」 御剣は怒りで言葉も出なかった。すると仮面男がまた柔らかく、優しく言った。 「すべては私の完璧なロジック…。すべてが一本の道になってるのです。いずれあなたにも分かるでしょう。私の目的が…ね。」 「ロジックだと…？」 「そう。まぁ今にわかりますよ。御剣検事殿。あっそうそう。お前達、部屋を空けてくれないか？このスペシャル・ゲストと二人でお喋りをしたいんで…」 そう仮面男が言うと、他の者達は部屋を出た。 「（…スペシャル・ゲストのワリには手荒い扱いだが…）」 「さて、検事殿。今日も勝訴したようで…。お疲れ様です。」 「…。」 御剣は依然仮面男を睨みつけてる。 「ところで検事殿、あなたを裁判所の駐車場に私の部下達が迎えに上がったとき、赤いスーツを着た青年に会いましたかな？」 「…キサマらはその彼に罪を着せたようだな。彼は私を助けようと来てくれたのだ。それなのに…」 「まぁ、落ち着いて下さい。検事殿。彼も私のロジックに登場する重要な登場人物…。はるばる時を超えてやってきてもらいましたよ。」 「…？どうゆう意味だ。」 「彼は未来人なんですよ。検事殿。今から7年後の世界からきた…ね。」 「（リアルな数だな…7って…）フッ、私そうゆうのは信じないタチだ。」 「フフ…霊媒を目の当たりにしたあなただ。もうそれ以上のものはないでしょう…。」 「…ム！！（ナゼそれを！？）」 「彼の名は王泥喜法介。22歳の新米弁護士。ある石のチカラでここにタイムスリップした…とだけ言っておきましょうか。」 「弁護士だと…？」 「明日の法廷はおそらく、成歩堂龍一が彼の弁護人として立つ。弁護士が弁護士を弁護する。おもしろいでしょう？」 「…。（確かに。）」 仮面男は窓の方へ歩きながら言った。 「まぁ、検事殿。一応言っておきますが、くれぐれも大人しくここにいてください。逃げ出そうとしたらそれなりの返しがきますからね。」 ⇒To Be Continued... |
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