逆転裁判小説集 逆転のホームラン 後編 | |
作者:
東条
2010年02月22日(月) 17時18分27秒公開
ID:Uk/VlOgR0.A
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どうすればいいんだ。 診断書は動かざる証拠だ、偽ることができるのは現場状況。 「裁判長、弁護側は糸鋸刑事を証人として召喚したいと思います」 「何故、刑事を召喚するのですか」 こっからは、もう自棄だ! 現場状況をよく知っているのは刑事しかいないし。 「診断書、現場状況この中で偽れるのは現場状況だけです、現場状況をよく知っているのは刑事だけですし」 御剣は特に検察側に異存はないと言い。 証人の召喚を許可してくれた。 現場状況にトリックがあるはずだ、アリバイトリックの答えが。 「自分は糸鋸 圭介っス、殺人課の刑事をしてるッス」 「とにかく、証言に移ってもらおう、証人証言を」 いよいよ、始まる気づくんだ矛盾に。 「事件は単純っス、現場には死体の横にバットがあったっス! これには、被告人の指紋がついており、被告人のものっス 足跡がはっきり残っていたっス、間違いなく足跡は被告の物っス 死体の濡れ具合から、犯行時刻は9時10分〜9時20分、雨9時30までふってたから当然ッス その時間、被告人にアリバイはないッス、よって犯人は被告人以外考えられないっス」 この証言には矛盾が存在するはずだ。 とんでもない、思い違いが。 けど、全く分からない。 「自分の首を自分で絞めた様だな、成歩堂!」 分からない、どうしても分からない。 完璧ではないはずなのに。 こう言う時は、僕の基本の発想を逆転してみるんだ。 現場の状況に嘘があると考えるのではなく! 現場の状況の示している事柄が、ほかの現場状況と矛盾していないかを探すんだ。 「なるほど君!頑張って私も一生懸命考えているから」 「裁判長、結局この証人は時間の無駄だったようだ」 そうか、確かにあの状況この状況矛盾しているぞ。 そうか、間違いないアリバイトリックのからくりが分かったぞ。 「では、判決を言い渡します、有z__」 「異議あり!!」 秋山さんとの約束守れそうだ。 あの、約束は。 「いい加減にしろ、現場状況に矛盾があったと言うつもりか、どうせ最後の悪あがきだろう」 「いいえ、この証言には矛盾がある!これこそ動かすことはできない矛盾が」 傍聴席がざわざわし始めた。 どうせ、最後のわるあがきだよだとかだ。 よし、矛盾を叩きつけてやる。 「確かに、最もらしく聞こえるこの証言しかし、大きな矛盾が存在する! 証拠はこれです」 「現場写真ではないか」 僕の一指し指に力がこもる。 やはり、快感だ。 これだから弁護士はやめられないな。 「足跡がはっきり残っています、イトノコ刑事も言ってましたよね、そしてイトノコ刑事は死体が濡れていると言った、この事から殺人時に雨が降っていたと考えられますね! しかし、これは矛盾しているのです! 雨が降っているのであれば、足跡がはっきり残るはずがないんです! しかも、9時30分まで降っていたのですから、はっきりくっきり残るはずがないのです! つまり、殺人時に雨は降ってなかった 犯行時刻は、9時10分〜20分ではなかった」 「なっ!何!!」 御剣も驚いているみたいだな、そろそろ核心を言ってやろう。 アリバイトリックの核心を! 「つまり!8時30分〜9時30分、9時10分〜9時20分を除くホームランホテルの人間にはアリバイがない!鶴田氏が子供を見れた可能性があるんだよ、御剣!」 御剣も真実を言った事によって、白目を剥き出しにして机に手を叩きつけた。 これから、この事件の真相を語ってやろう。 勿論、思いつきで。 つづく 逆転のホームラン 法廷U〜2 「事件は、被害者の部屋で起こりました!証拠はあります、2つもあります!このダイイングメッセージと血痕がそう語っています」 「ダイニングメッセージと血痕が見つかったですと〜〜!」 ダイニングって!夕食の時間でも示してあるのか。 すると、やはり御剣が、勿論反論も予想通り。 「異議あり!それなら警察の捜査で見つかっているはずだ、ダイイングメッセージは見逃したとしても、血痕を見逃すなどありえぬ!」 「異議あり!残念ながら事件が起こる前!矢張 政志と言うろくでもない僕の友人が赤ワインかと思い、掃除をしてしまったのですから」 「矢張、ヤッパリ貴様かぁぁぁぁぁぁ!!!」 やはり、事件に謎を作っていたな。 御剣も驚いて、唇をブルブル震わせている。 よし、さらに話を進めよう。 「証拠はまだあります、現場には何かが擦れた跡がありました!あれは、死体を引きづった跡だったんですよ、犯人は一生懸命その事実を隠そうとした、しかし皮肉なことに擦れた跡が残ってしまった! 問題は犯人が何故部屋で殺害した事を隠蔽しようとしたか、それは秋山さんならグラウンドに携帯とかで被害者呼び出せる、大人ですから当然です。 しかし、子供ならどうでしょうか、子供が電話でグラウンドへと呼び出すことができない! だから、被害者の部屋にわざわざ出向くしかなかった! それが、ばれれば秋山さんが犯人と言う事に疑問を持つ人間がでてくるかもしれない、だから、隠蔽したのです! そして、秋山さんが犯人となるように現場を偽造工作をした!」 後は、御剣が異議を申しだててくるだけだ。 僕の推理の矛盾をつきつけてくれよ。 御剣。 「異議あり!成歩堂、子供に被害者の部屋からグラウンドまで死体を運ぶ力があると思うか! 子供にそんな力仕事不可能だ」 作戦どおりだ。 これで、真犯人を特定できる。 「異議あり!御剣検事、一人だけ可能な人物がいますこの人物です!」 「誰ですか、このどことなく怪しい人物は」 「青山 周平、椎名君の証言では子供たち3人で運ぶ事でやっとの物を軽々と運んでいくそうです! つまり、死体ぐらい容易に持っていけたでしょう!」 ついに、告発のときだ。 すると、御剣が異議を申しだてた。 「成歩堂!この人物と角田氏は無関係だ動機など存在するわけがない!」 「異議あり!動機はこの5年前の事故です、ここに書いてある事件を読めば内容は理解できます!問題はイニシャルです!k・a氏(あきやま かつむ)、h・k氏(かくだ ひであき)今回の事件の被告人と被害者です! 被害者と青山を調べれば、縁がある人物だと分かるはずですし、この事故に関わっていたと秋山氏自身が認めています!弁護側は青山 周平を告発します!」 いよいよ、証言台に立たせてやれるぞ。 青山 周平を。 すると、御剣が異議を唱えた。 吃驚して御剣を見るとさっきまで白目剥き出しの御剣が立ち直っていた。 相変わらず余裕そうだ。 「成歩堂!まだまだ甘いな、検察側は青山 周平の召還に反対する! 分からないか、青山を犯人とする根拠は現在わかっている情報では一つしかない ただ、力持ちという事実だけ! 動機は確かにその通りかもしれない、しかし!それだけの根拠で5年前の事故の捜査や、青山の証言を強要するのは、おかしいのではないのだろうか!!」 「なななななななな!なんですってぇぇ!!」 白目を剥き出しにして僕も驚く。 不味い、追い詰めたつもりがいつの間にかこちらがやられている。 どうすれば、良いんだ、分からないほかに根拠なんてあるのか。 「成歩堂、おまえの武器は何時も法廷記録にある、法廷記録の叫びを聞いてみろ! 被害者が叫んでいるあの証拠品があるではないか」 被害者が叫んでいる、あの証拠品。 ダイイングメッセージか! それに、御剣に助けてもらっちまったし、すかっと解決したいところだけど。 なんだよ、このメッセージいくら頭を捻っても個人名にならないぞ。 「なるほど君、このままじゃ証人として青山君を召還できないよ!約束したんでしょ秋山さんと!」 そうだ、約束したんだ、秋山さんとでもでも。 分からないよ、どうしてだろう全くわからない。 もう少しだったのに。 (思い出すの・・・・・・・・) 誰、マヨイちゃん? (今までの、被害者の情報を思い出して、発想を逆転させて見ましょう) この声は千尋さん。 綾里 千尋僕の永遠の師匠だ。 彼女はマヨイちゃんの姉でもあり、ある事件に巻き込まれ死んでしまった。 被告人を信じる事、彼女に教えてもらった事は一生忘れない。 僕の中にまだ千尋さんは、生きているその期待に答えるためにも発想を逆転させるんだ。 国語が得意なエース、野球のコーチ。 ダイイングメッセージはその人の得意なことや職業から作られることもあるはずだ。 これらのメッセージを逆転!逆転!まさか、あのダイイングメッセージは。 「やはり、時間の無駄のようだな、では裁判長判決を!」 「異議あり!!」 傍聴席も今まで以上にざわざわしている。 これから、逆転だ。 「最後の悪あがきか、最後のチャンスを与えよう!」 「分かりました、ダイイングメッセージの内容をお伝えします、11対13この意味をこれから解き明かします!」 さらに、傍聴席がざわざわしてきた。 ここまできたらもう引けない。 一気に突っ走るのみ。 「被害者の情報を秋山さんから聞きました、国語が得意なエースだったそうですね。 ここで、注目すべきはエースではなく国語です! 国語で数字を使うもの、それは漢字の画数です 青山の画数は11、周平の画数は13! 11対13はこう言う意味だったんですよ!! 僕は、さらに一つ根拠を示しました! 証言台に青山を召還しても宜しいですよね。」 「良いだろう、証言台に青山氏を召還するここで10分の休廷w__「待った!」 どこから、ともなく待ったという声が聞こえた。 証人席から聞こえたので見てみると。 相変わらずの前髪で目を隠していかにも不気味な青山 周平がいた。 彼は、初めて前髪を弄り初めて目を見せた。 その目は純粋な子供の目だった。 「もう、十分です!成歩堂さん」 「僕が、角田英明を殺したんです、弁護士さんの言うとおり杉田は僕の旧姓! 杉田 修一は僕の父です!」 傍聴席もいきなりの告白にざわざわしかし。 昨日とは違い、静粛にと言うとぱっと騒ぎが止まった。 青山は動機を話し始めた。 「僕は、許せなかった、確かに事故でした・・・・・・・ 調べてみれば、角田も秋山も反省している様子もないし それどころか、角田はあいつはボールに当たったのは父の不注意全部父が悪いと笑いながら言ったんです 許せなかった、だから角田を殺し秋山に罪を着せた!! 勿論、復讐したって心は晴れない、そんな事は分かっていました・・・・・ でも、でも許せなかったんです・・・・・・・・・・」 誰も、何も言わなかった。 傍聴席の中には涙を一生懸命こらえている人もいた。 ただ、この哀れな若い真犯人を僕はただ見つめているだけだった。 「・・・・・・・被告人秋山 勝に判決を言い渡します 無 罪 !」 「本日はこれにて閉廷いたします」 同日 某時刻 地方裁判所 被告人第4控え室 秋山さんは僕に話にきた。 「成歩堂さん、昨日のあの言葉を僕はずっと考えていました、青山君の言葉を聞くまで。 僕は、本当に救われたみたいです、この事件からも5年前の事件からも 本当に有難うございます」 初めての笑顔をみせてくれた。 これが、本当の秋山さんなのかもしれない。 「秋山さん!やっぱり無罪だったんですね! 僕分かってました!信じてました!」 椎名君が涙目になりながら言う。 それに、秋山さんは優しく笑う。 秋山さんの笑顔が再び戻ってよかった。 「椎名君、僕は野球のコーチを辞めようと思っているよ! 僕の本当の夢アクション俳優の夢を叶えるために、僕はコーチを辞めるつもりでいるんだ! 悲しいけど、何時か何処かで会おうね! それと、成歩堂さん、この帽子捨ててもらえませんか」 帽子、そういえば返し忘れていたな。 って捨てろ、何故だろう。 「その帽子の裏に書いてあるんです僕の罪の証です。 [僕はある一人の男を死なせてしまった、これからそれを反省し一生その罪を被っていく事を誓います] そう書いてあるでしょう、確かにこの事は忘れてはいけない! でも、後悔していても何も始まらない! もう罪を被り反省する人生は辞めようと思うんです! だからこそ、小学生から夢を見ていたアクション俳優になろうと思うんです!」 秋山さん、新しい夢を見つけて新しい一歩を踏み出そうとしている。 僕も踏み出そう、明日への一歩を。 後、この帽子はまだ使わなければいけなさそうだ。 捨てるのはそれからにしないとな。 同日 18時 23分 留置場 「何か用ですか、この一生の殺人者青山に」 彼は一つ勘違いしていることがある。 教えてあげないといけないな。 彼は、強い人だ。 すべての現実を受け入れられはずだ。 「今日は君に教えたい事と聞きたい事があるんだ、まず初めにどうしてまるっきり物的証拠もない時に自白をしたんだい?正直僕には決定的証拠はなかったのに」 すると、青山はくすっと笑い。 再び、僕の方を見た。 ⇒To Be Continued... |
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