逆転裁判小説集 隠された逆転 前編
作者: 東条   2010年02月22日(月) 17時16分59秒公開   ID:Uk/VlOgR0.A
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      隠された逆転
              プロローグ

私はあいつに全てを奪われた。

職業、帰る所、恋人。

何もかも奪われた。

あいつには似合わない、善人面の仮面を被って今ものうのうと生きている。

復讐、その文字しか私にはなかった。

グサッ!

奴の胸にナイフが突き刺さる。

あいつは驚きと共にあの世にいってしまった。

後悔は感じなかった、私の憎悪は後悔を感じさせないぐらいになっていたのだから。


つづく


 法廷記録

人物ファイル

秋山 勝  (23) 野球場事件で知り合った、現在次期トノサマンシリーズの主役になるらしい。

オバチャン (??) 本名大場 カオル、御剣のファンで警備員。

証拠品リスト

弁護士バッジ 僕の身分を証明するバッジ。

勾玉     これで、嘘を暴ける。

御剣のキーホルダー 御剣のキーホルダー、前の法廷で忘れていった。


隠された逆転
             探偵1

11月2日 午前8時20分 英都撮影所・門

「わぁ〜久しぶりだね!英都撮影所!」

僕は成歩堂 龍一、弁護士だ。
そこで、懐かしがっているのは綾里 真宵、僕の助手。
マヨイちゃんはこの撮影所で作られているトノサマンの大ファンなんだ。

「ここが、トノサマン事件の現場なのですね!真宵様!」

そして、もう一人が綾里 春美、トノサマン事件は僕が新米の頃解決した一つの.......

「コラ!勝手に入るんじゃないヨ!ってアンタ弁護士の坊や達じゃないのさ!
 考えてみれば、あんたのせいでオバチャン酷い目にあいっぱなしだヨ!
 撮影所の警備員から外れて、ホテルの警備員になったと思ったら
 今度はKB警備とか言う所で警備する事になってまた若い坊やの失敗によって連帯責任とかいって首になって、そん時旅行いってたってのにサ!
 ミッちゃんのボディガードになろうとしたらその様なあれは困ると言われるし!
 オバチャン切ないヨ!!」

物凄い長いマシンガントークはともかく。
どうしてここにいるのか聞いてみた。

「あんたのおかげで、撮影所首になってその後の警備員が急病で倒れたのヨ!
 だから、前警備員をやっていたオバチャンに頼んできたのサ!警備を
 まぁ、結局新しい警備員が着たらまた首ばっさり切られるんだろうネ........」

事情は分かったけどこのままじゃ追い出されちまうぞ。
撮影で遅くなってるって言うのは分かるけど早く着てくれないかな。

「遅くなってごめんなさい!成歩堂弁護士さん!」

この声はやっと来てくれたかい。

「秋山さん!遅いですよ〜!」

真宵ちゃんは文句を言っている
すると、秋山さんは不思議に思って。

「そこの、女の子は?」

「あっ!そう言えば紹介してませんでしたね、真宵ちゃんの従姉妹の春美ちゃんです」

何故、撮影所に来たかと言えば1日前。
秋山さんからの電話により、前の弁護のお礼に撮影所を見学させてあげると言ってきたのだ。
あの事件から、約一ヶ月でここに入りしかも次期トノサマンの主役に選ばれたらしい。
やっぱり、物凄い才能があったんだろうな。

同日 8時32分 英都撮影所・第1スタジオ前

話は盛り上がった。
前の事件の事、次期主役の事。
トノサマンの事は教えてくれなかったので少しマヨイちゃんが不機嫌になっている。
春美ちゃんはトイレに行ってくると言ってトイレに行った。
なので、その場で待つ事になった。
すると、一人の人が秋山さんに話し掛けてきた。

「秋山さん!お連れの方は誰ですか?」

「この人達は、成歩堂さん、真宵さん昔僕を助けてくれた人ですよ」

「そうですか、スタッフの大宮 藍子です」

その人は仮面をつけている。
去った後に聞くとスタッフさんは凍傷を負って仮面をつけているそうだ。
今日の昼食はこのスタッフさんとも食べるらしい。
春美ちゃんも10分ぐらいで帰ってきたので、第1スタジオに向かった。

同日 8時47分 英都撮影所・第1スタジオ

中に入ると、今有名ならしいドラマ「隠された闇」の撮影を行っていた。

「あ!あの人知ってるよ!西木場 一平、今本当に有名だもんね!」

西木場 一平、真宵ちゃんは勿論僕でも知っているスターだ。
ワイルドさが女性に人気ならしいな。

「マヨイ様!あの人ニュースで見た事がありますよ!流沢 真衣さんですよね!」

流沢 真衣、けっこう有名な女優ならしい。

「後、一人舞台に出ている方は誰ですか、秋山さん」

「この人は、江ノ川 次郎 一応このドラマの副主演ですよ」

ふ〜ん。
頼りなさそうだな、僕も言えないけど。


同日 12時00分 スタッフエリア

色々な所を見学した後は昼食を頂くことにした。

「どうでしたか!今の英都は?」

「とっても楽しかったですよ、秋山さん」

すると、真宵ちゃんは後は有名人のサインが貰いたいなと言い出した。

「だったら、このサイン色紙あげますよ!」

スタッフさんが真宵ちゃんにサイン色紙を手渡した。
すると、僕はひとつの事実に驚いた。

「ここのステーキって前まで骨つきステーキでしたよね!」

今日は何故か骨が入ってなかったのだ。
昔の新米の頃の事件でこの事が事件解決のヒントになりえた事件があったからな。
秋山さんに聞くとどうやら今日から骨付きが骨なしに変わると言う事を知らなかったようだ。
そして、昼食を食べ終えた僕らはマヨイちゃんのサイン集めに付き合った。

同日 15時23分 成歩堂法律事務所

「サインあんまり集まらなかったね」

集まったのは、秋山さんのサインと、江ノ川さんのサインだけだった。
そして、僕達が何気なくニュースをつけてみるととんでもないニュースが流れ出した。

『ニュースをお伝えします、今日12時頃英都撮影所で殺人事件が起きました。
 殺害されたのは、西木場 一平(30)。
 容疑者は警察に逮捕されました、容疑者の情報は現在不明です。
 あっ、続報が入りました.......』

さっき行ってきた場所で殺人事件だって〜。
その時は僕も心臓が引っくり返るかと思ってしまった。
とりあえず、マヨイちゃんにせがまれ留置場に行く事になった。
理由は、秋山さんが逮捕されたかも知れないからだ。
でも、その可能性はおそらくないと言ったがマヨイちゃんは聞きもしなかった。

同日 某時刻 留置場

「成歩堂様ですね、流沢と申します」

彼女は有名すぎて、自分達の名前に傷がつく事を恐れ中々弁護士がつかなかったそうだ。
まだ、弁護するなんて決まったわけではないけど、一応話を聞いてみることにした。

「事件は12時頃コテージで起きたようです、死体発見は2時ぐらいでした、被害者は...」

「被害者は?」

すると、少し黙り込んでしまった。
ちょっと変だな。

「西木場 一平さんです、ナイフで心臓を刺されていたみたいです」

と言う事は被害者は刺殺されたと考えるのが普通だな。
僕は、勾玉の力を使い彼女に最後の質問をぶつける事にした。
サイコロックがある限り僕に嘘をつく事はできないからな。

「真面目に答えてください、最後の質問です、西木場 一平さんを殺害しましたか?」

「いいえ、私はやっておりません」

サイコロックが現れない、と言う事は嘘をついていないって事だよな。
そうなると、彼女に罪を擦り付け様としている真犯人がいるって事だ。
僕は彼女の弁護を引き受けることにした。



つづく


隠された逆転
              探偵2

同日 16時23分 英都撮影所・門

門は野次馬で溢れている。

『マイちゃんが犯人だなんて!どう言う事だ!』

『入れろ!真犯人を炙り出してやる!!』

「コラ!あんたたち!入るんじゃないヨ!
 関係者以外立ち入り禁止って書いてあるじゃないのサ!
 最近の子は本当に人の話を聞かないネ!
 出てけったら!さもないと光線銃くらわすよ!」

(カタカタカタカタ.........)

とんでもない事になっているみたいだ。
これで、捜査なんてできるのだろうか。
う〜!大ピンチだ。

「なるほどくん、これはピンチじゃなくてチャンスだよ!
 今はとんでもなく混雑してるからその隙にコテージに行こうよ!」

確かに、二人ぐらい入ってもばれないかもな。
できるだ気配を消してがんばってコテージに行こうとしたけど.....

「コラ!何こそこそ行こうとしてるのサ!
 オバチャン何でもお見通しだからネ!
 どうせ、流沢を助けようなんてフラチな事をかんがえてるんだろうけどさ!
 犯人は流沢しかいないのサ!
 さっきも言ったけど何でもお見通しだからね!オバチャンは」

「どうして決め付けられるんですか!」

「あいつしかいないからサ!
 イッペイちゃんを殺したのは!
 イブクロちゃん、イサオちゃんせっかく新しいイッペイちゃんを見つけたっていうのに!
 どうして、オバチャンの好きな俳優ばっかり死んで行くんだろうね!
 どうせ、オバチャンの行くところ血の海だヨ!」

このままじゃ、今度こそ追い出されちまうよ......
どうしよう、何かオバチャンの気をひくものを!
あれを使うか!

「くらえ!」


「これは、法廷で御剣が忘れていった、御剣のキーホルダー.....」

「おくれよ!オバチャンに!」

ほぼ、強引にキーホルダーを奪われた。
すると、オバチャンは真面目になって。

「オバチャンは人に借りを作らないタイプだからサ!
 入っていいよ、英都に!野次馬はオバチャンが追い払うからサ!」

とりあえず、オバチャンは切り抜けた。
ようやく、捜査ができるぞ。

同日 16時36分 第1スタジオ前

殺人現場のコテージまで後もう少しだ。
すると、一人のサングラスをかけたちりちりしたモジャモジャ頭の男が話し掛けてきた。

「君達、見ない顔だNE〜何物だYO〜」

「ぼ、僕達は弁護士です、明日のここの事件の法廷で弁護士を務めることになっています」

かなり、テンションの高い人だな。

「MEは、DJ西原本名は西原 大寿だYO〜、明日の証人だYO〜」

この人が明日の証人だって〜
一体、何を目撃したんだYO〜。

「何を目撃したんですか?」

「楽しみは明日にとっておくもんだYO〜!MEの熱いビートに乗せてより熱い証言を披露するから楽しみにしておくんだYo〜」

行っちまったぞ。
まぁ、いいや、コテージに行こう。

同日 某時刻 コテージ(第2スタジオ)

「あんたたち、やはり流沢さんの弁護をするんっスか」

そこには、捜査にあたっていたイトノコ刑事がいた。
そして、何とか被害者の解剖記録を貰った。

「後、担当検事は誰なんですか?」

「ああ、担当検事は.....ぎゃああああああああああああああッス!!!!!!!!」

身を裂くような衝撃とともに、イトノコ刑事は倒れた。

「久しぶりね、成歩堂 龍一!」

「君は........狩魔検事!」

ビシッ!今度は僕に衝撃がはしる。

「思い出すのが遅い!」

彼女はアメリカに行っていたはずなので、どうしてここに来たかと聞くと。
日本の検事局から依頼が来たからだそうだ。
相変わらず鞭で僕やイトノコ刑事を叩く所は変わっていないが前よりは成長している感じだった。

「今回の事件は私が担当するわ。
 検察側は証拠、証言共に完璧だわ、貴方は何か掴んだの」

「勿論、掴めてるよ」

勿論、ハッタリだ。

「相変わらず、ハッタリだけは一人前ね!
 明日の法廷楽しみにしてるわ!」

けど、やっぱり見抜かれたみたいだ。
仕方ないコテージからそろそろ退散するか。

同日 20時23分 コテージ前

結局ろくな手がかりが見つからないまま時間だけが過ぎていった。

「なるほど君、あの方は確か第1スタジオとサインで」

春美ちゃんの指を指した方向を見ると
頼りなさそうな俳優の江ノ川さんがいた。
サインもたしか貰ったよな。
僕は何となく声をかけてみた。

「あっ......貴方たちは、確かサインを書いた人達ですよね......」

「僕達は事件について調査しているんです、何か情報はありませんか?」

「ぼ..僕目撃しましたよ。でも、あの女検事さんが法廷まで喋るなと」

口止めされているわけか。
仕方ないこれ以上いてもしょうがないな、留置場に戻ろう。

同日 21時00分 留置場

面会時間ぎりぎりか......
僕はとりあえず事件の事と英都の事を話した。
すると、真宵ちゃんが。

「衣装綺麗ですよね」

「ええ、今日一日白いドレスを着ていました、本当は次の撮影にも使うはずだったので」

意外と重要なことかもな、法廷記録に書き込んでおこう。
こんなんで、明日の法廷に望めるのか。
でも、頑張るしかないな。


つづく

法廷記録

人物ファイル

秋山 勝  (23) 野球場事件で知り合った、現在次期トノサマンシリーズの主役になるらしい。

オバチャン (??) 本名大場 カオル、御剣のファンで警備員。

スタッフ  (28) 本名大宮 藍子、撮影所のスタッフ。

西木場 一平(30) 人気男優、この事件の被害者。

流沢 真衣 (26) 人気女優、この事件に被告人で西木場からセクハラを受けていた。

DJ西原   (42) スタッフ、音楽と照明係、本名西原 大寿、検察側の証人。

⇒To Be Continued...

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