逆転のクーデター
作者: 鍋氏   2009年10月11日(日) 22時15分26秒公開   ID:SraEIqNgCGs
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「ええと、じゃあマスク作るから機械にセットしてクダサイ。」
爆刃が作った機械でマスクを作る。どこかの映画のパクリだろ!って言う人もいると思うがそれもそのはずだ。爆刃が機械や爆弾を作り始めたのは、そういう映画の影響だからだ。
「マスクできましたね。後は葛城サン、よろしくお願いします。」
「分かった。」
葛城は満面の笑みを浮かべつつ滝川を連れていった。それを見ていた爆刃と舞は
「全く」「恐ろしいわね。」
と言った。
    同日 デンジャラスランド
「おい、帆酒。テメェこれはやりすぎだろ!」
帆酒はこの声には聞き覚えがあった。同僚の海老名だ。
「おう、海老名一足遅かったな。今回は俺の勝ちだ。手柄はもらったからな。この、甘エビ。」
「何だと!この酒船。」
「やんのかコノヤロ。」
「バカヤロコノヤロ。ってそんなことよりこいつらは一体だれとだれなんだよ。帆酒。」
「俺が知るか、馬鹿!」
「何だと!」
そんな感じで一課でも毎日やってるような喧嘩をしていると後ろから
「あの!」
その声の主は春美ちゃんだった。
「この人たち、私見たことあります。写真ですけど。」
「何?誰だこいつら?」
そう海老名が言うと春美ちゃんは
「まず一番右は岩村久。強盗、強姦などで前科4犯。真中が武村和弘。傷害、窃盗などで前科3犯。いちばん左が西弘岳。殺人教唆で前科1犯です。」
「そんな根拠もないこと、信じられるか!ていうか一般人は引っ込んでろ!」
そう言うと春美ちゃんはポケットから検事バッチを取り出して
「あの私、これでも東京地検の検事なんですけど・・・」
「け、検事殿でしたか。これは大変申し訳ないことを・・・」
そう言いながら海老名の目がびくびくしていた。それを見ていた俺は思わず
「プハッ。」
と吹き出してしまった
「なんだよこの泥酔やろう!」
「うるせぇよ。この脳味噌蟹味噌野郎!」
「何だとこの地酒野郎!」
「んだと!?」
「なんだよ!?」
「くだらないですよ、先輩。」
そう言ったのは後輩の今北だ。しかしキャリアで階級は俺らよりも二つ上の警部補。正直逆らえない。
「海老名さんは綾里検事の言ったことが真実かどうか調べてください。帆酒さんはけが人等がいないか調べてください。」
「「ハイ!」」
そう言ったあと俺はこいつとハモったことが無償に嫌になりその場を後にした。しかし去り際に言った一言がまた海老名と
「「やっぱりキャリアは嫌いだ!」」
とハモってしまった。
    同日  警視庁鑑識課
「オイ、これって指紋じゃないか?」
大山信輝を撃ち殺した拳銃を調べていた時、同僚の田辺に言われ鑑識員の磐田は気づいた。
「確かにそうだな。」
そういういと
「一課に連絡しとくか?」
「そうするか。」
磐田が電話をかけようと思ったらタッチの差で電話が
「プルルルルル」
と、鳴りだした。
「はい、こちら鑑識課。あ、糸鋸警部。そちらに伝えておきたいことが。凶器から指紋が出ました。拭き残しがあったようです。」
「それは良かった。こっちもベストタイミングッス。」
「ッス?」
「すまん所轄時代の口癖が出てしまった。大山法務大臣の親しい人物の指紋を取った。そっちで凶器の指紋と照合してくれ。」
「分かりました。」
そう言い電話を切った。
「さて照合しますか。」
「ですね。」
そう言うと二人は鑑識作業に取り掛かった。
そして数時間後。
「おお、一致した。」
「本当か!で、誰だ。」
「それはな、て、オイ!まじかよ!」
「何だ、なんだ!?」
「一致したの高畑官房長官だよ。」
「本当か!?」
「本当だ!」
「取り合えず警部に連絡を!」
そういわれ磐田が受話器を取りどこぞの鑑識員の真似をした。
「驚愕の事実を発見しました。」と。
  同日  警視庁捜査一課・三係
「ななな、なんだって!と」、とにかく部長に連絡だ!」
「なにかあったのだ?糸鋸警部。」
「大変ッス!御剣検事!大山法務大臣を殺した人物、官房長官の可能性が出たッス!」
「な、本当か糸鋸警部!」
そういうとイトノコ警部の顔が怖くなり。
「本当みたいッス。とりあえず自分は刑事部長にこのことを伝えて来るっス!」
そう言い糸鋸警部は行ってしまった。
     同日 捜査二課
その頃捜査二課に帰った罪門は二課で捜査した邪法教がらみの事件のデータを片っ端から集めていた。ある程度集まったので罪門は一回法ヶ掟に連絡することにした。それで法ヶ掟からもらった電話番号に電話した。
「法ヶ検事か?」
「ああ、罪門刑事、どうしましたか?」
「実は捜査二課で扱った邪法教がらみの事件の捜査資料を集めた。あんたのメールアドレスを教えてくれ。大至急そっちに送る。」
「分かった。今教える。」
そう言い彼は俺にメールアドレスを送った。
そうしてると部下の滝本が
「罪門さ〜ん。例の官房長官の収賄、怪しい企業リストアップしときましたよ〜」
そう、異常に軽いノリで言ってきた。
たっく、俺は今忙し、これ、どっかで見たことあるぞ。そうだ!邪法教の事件の奴だ。
「オイ、滝本これとこれ見てみろ!全部が全部一致してる。」
「ほんとうですね。っていうことは!」
「「邪法教と官房長官はつながってる!」」
捜査二課に滝本と俺の声が響いた。
   同日 邪法教本部・技術開発室
「コンピューターウイルスは出来たか?」
教祖が聞いてきた。
「完璧です。これをばらまかれたパソコンはお構いなしにデータが消えプログラムが吹っ飛びます。」
「これを武力制圧と一緒にぶち込めば」
「この国は終わりですね。」
そう言い二人は笑い狂った。
   同日 寝台特急・はやぶさ
「伯父さん、俺、こんな電車乗るの初めてだよ!」
そうだろうな、この電車は古い寝台特急をどっかの金持ちが買い取って最新式に改造したのを走らせてるらしいからな。そう思ってるといきなり”バン”と言う銃声が響いた。
そう思うと
「この列車は我々ダークルールが乗っ取った。死にたくなければ我々の指示に従え!」
そう高らかに乗っ取り犯のリーダーが宣言し、社内が恐怖と混乱に満ち溢れた時、鴨沢はただただ”めんどくせぇ”と言う気持ちに満ち溢れていた。
   同日 警視庁捜査一課・三係
「イトノコ刑事いったい何をやっているんだ!」
御剣がそう叫んだ時だった。いきなりドアから捜査一課の別の刑事が入ってきた。
「御剣怜持、それに成歩堂龍一、お前らを大山法務大臣殺害の容疑で逮捕する。さぁ、観念するんだ。」
そう言う刑事の後ろでイトノコ刑事がうな垂れていた。
      同日 取調室
「お前らが殺ったんだろ!さっさと吐いちまえよ。楽になるぞ。あぁ、何で黙ってやがる。もういい序裁におくれ、そこで追い詰めてやる。」
取り調べが始まってから4時間半とうとう担当刑事も観念したらしく。先のような言葉を口にした。実はこれは御剣が提案したことだった。二人で黙れば序盤法廷まで長引かせられる。そうした方が勝率が上がるということだった。だがこの計画にはひとつ大きな誤算があった。今まではどっちかが動けなかったときは片方が外にいて情報集め兼弁護士をしていた。だが、今は両方とも動きが取れない、しかも今は成歩堂の部下と妻はそれぞれ別の裁判があった。
「成歩堂、君の法科大学院じだいの同期に世間体は気にしなくてさらに少しでいいから腕のいい弁護士はいないのか!」
「そんなこと言ったって・・・」そう言った瞬間成歩堂の頭の中にある男の顔が浮かんできた。しかしあいつでいいのだろうか?
そう成歩堂は思ったが、御剣は僕の弁護を経験してる。なら大丈夫だ。そう悟り成歩堂は
御剣にこう言った
「一人いるよ。ただ腕は僕と同じで心臓に悪いだろうけど。」
 1月28日 地方裁判所・第三被告人控室
「誰がこんな事態を想像したでしょうか!大山法務大臣殺害の容疑で現役の東京地検の検事正が捕まったのです。さらになんとこの法廷、特別措置として報道カメラの・・・」
「テレビまで来るのか、今日の法廷。」
そう僕が言うと
「こんな注目されてるのか、今日の法廷は」
と御剣
「ああ、そうみたいだね御剣」
そんなこんな言ってると後ろから
「お二人とも準備はいいですか?」
今回の担当弁護士・忘名草一(わすれな そういち)が話しかけてきた。
「ああ、なんとか大丈夫みたいだ。」
「私も、だが今回の担当検事はかなりの大物なのだろう?」
「ハイ、検事は流星太郎(ながれ せいたろう)。今の最高検察庁の次席検事ですね。」
「「最高検察庁の次席検事!?」」
「ハイ、何やら今回の事件にただなる興味を抱いてるようで自ら希望して出てきたようです。」
「「先が思いやられる。」」
僕と御剣は声を合した。
  同日 地方裁判所・民事控室
「ま、真宵さ、さんだ、大丈夫なんでしょうか・・・」
こんかいの依頼人である幹也美木久さんだ。
「大丈夫ですよ。あたしに任せてください。」
とはいっても相手は大物の宗教団体、一筋縄にいかないことは真宵には分かっていた。多分かなり苦戦する。でも真宵には自信があった、なぜなら真宵の師匠は伝説の民事弁護士と呼ばれた木戸倉栄一だったからだ。
木戸倉は真宵と出会う1か月前に肺癌が見つかり余命1年と言われていた。木戸倉はならば残りの命の全てを使って自分をも超える最高レベルの弁護士を育て上げようとしたのだ。
そう考えていた木戸倉の目に留まったのが、当時木戸倉の事務所に司法修習生としていた真宵であった。木戸倉は真宵に自分の弁護士人生で培ったテクニックをすべて真宵に授けた。そして真宵が初勝訴した翌日にこの世を去ったのだった。
木戸倉は真宵が今闘っているような宗教が大嫌いだった。そんな木戸倉の技を受け継いだ真宵にもその志は受け継がれた。
「ほんとうにだいじょうぶなんですか?」
「大丈夫です。私はこう言う宗教なんかが許せないんです。絶対に勝って見せますよ!」
真宵はそう強く被害者に言うと同時に自分の胸に”絶対に勝ってみせる”と誓った。
    同日 ミナト本部
綾里春美は焦っていた。何故だかわからないが急にミナトの長官である法ヶ掟に呼び出されたからだ。遊園地の件で事情聴取をされた後だったから、ちょっと疲れていたが舞さんと猫さん(本名は猫華舞璃だが長いので猫さん)がわざわざ私のいる警察署まで来て連絡してくれたのだ。電話でよかったのにと言ったら「長官が極秘事項で外に漏れると危険だからお前ら直接伝えて来いって言うから。」
と言った返事が返ってきた。ただ実際は腹心の部下である十刑衆の一人をその上司が呼ぶのになぜ”極秘事項”なんて言葉が使われたのか分からなかったが、ねこさんが言ったもう一つの言葉ですぐに分かった。猫さんが言うには長官は今回に事件で自ら邪法教に”潜入捜査”するらしい、でその間の長官代理を、本当なら鴨さんにやってほしかったらしいのだがその鴨さんが邪法教の人たち(?)が起こしたトレインジャックに巻き込まれてしまったため私に代理をさせるからその打ち合わせがしたいということらしかった。
  同日 ミナト本部・長官室前・廊下
「あの、春美です。長官代理の件で来たんですけど。」
「ああ、そのことね。声帯認証パネルのところでテストして。まぁ、本人だと思うけど。」
そう言われたので生体認証パネルのところに行きテストをした。ミナトの中でも唯一長官室に入るには声帯認証パネルからの認証が必要で、しかもそこに登録されている声帯は十刑衆と長官自らのものしか登録されていないため、入れる人物は限定される。それほど長官こと法ヶ副検事正はセキュリティに厳しいのだ。
    同日 ミナト本部・長官室
「あ、春美さんか、ここに腰掛けてくださいよ。」
そういい法ヶ長官は椅子を差し出した。
「ええっと。君とは僕の長官代理の件だよね?まぁこれと言って指示することもないしね?質問ある?」
「え〜と、邪法教の件に関しては・・・」
「あ、あれは僕が現場から指揮を出すから。
ま、僕が潜入するんだからそんな心配はないと思うけど。質問は以上?」
「え、はい。」
「じゃあ、僕が不在の間よろしくね。」
そう言い長官は部屋の隅にあったスーツケースを持って部屋を出て行った。
同日 地方裁判所 第4法廷
「ただいまより、大山信輝法務大臣殺害事件の公判を始めます。弁護側、検察側、双方とも準備は大丈夫ですか?」
そう裁判長(いつも僕やオドロキ君の事件を担当している兄弟とは違い、若い感じの裁判長)が言うと検察側の流検事は落ち着いた様子で
「問題なし、だ」
と言ったのに対し成歩堂たちの弁護士である忘名弁護士は
「だだだ、大丈夫だと思います、多分。」
と言う状態で、滅茶苦茶緊張していた。それもそのはずだ、これだけの量のテレビカメラに囲まれ緊張しないという方がおかしい。
「では、検察側、事件の概要の説明をお願いします。」

⇒To Be Continued...

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