レイトン教授×逆転裁判 暗闇の時計塔 逆転旅行 [2]
作者: たこやきDJ   URL: http://gyakutensaibansaikoudesu.rakurakuhp.net   2010年07月31日(土) 13時46分31秒公開   ID:kccVdmsyCdk
【PAGE 4/17】 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17]



「開廷時間です。弁護人は出廷してください。」

「はい。」

「いっちょ行こうか!!ナルホド君!!」

真宵ちゃんは気合満々だ。僕も頑張らなきゃな。

5月25日午前9時35分 第2法廷

『ざわざわざわざわざわ…』

今日も傍聴人たちが騒ぎだす。

       カンッ!!

「これより、音戯アリスの審理を始めます。」

そしていつもの裁判長。

「弁護側。準備完了しています。」

僕は何時もの調子で返事をした。

「検事側。準備完了しているであります。」

亜内検事。僕の登場により髪が薄くなってしまった悲惨な検事。威圧感が御剣の100分の1。狩魔検事の10000分の1。ゴドー検事の100分の1ぐらいしかない人。

「裁判長。今回の事件。実に単純なものです。」

亜内検事が自信満々に言った。

「ほ〜、そうですか。それにしてもこんな女の子が殺人なんて…」

「裁判長。人は見かけによらないものです。私たちだって3年前体験したではないですか。」

ちぃちゃんのことか…

「…私やっていません…」

「へ?被告人。声が小さくて聞こえにくいですね。これだから最近の若い子は…」

亜内検事が頭をぺしぺしたたきながら言ってはいけないことを言った。…真宵ちゃんも耳をふさいでいる。僕も急がないと…

「私はやっていないんです!!」

「ぎゃはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。ひ、被告人は検事席に来てはいけません!!」

アリスさんは被告人席から検事席に行き亜内検事の耳元で叫んだ。…あ、ショックで髪が少し抜け落ちたぞ。

「被告人!!次そんな事をしたらどうなるか分かりますよね。」

裁判長が多少怒りながら言った。

「…すみません…」

「え?なんと言いましたか。」

裁判長…

「す・み・ま・せ・ん!!」

「うほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。ひ、被告人は裁判長席には来てはいけませんぞ!!早く席に戻りなさい。」

裁判長がかなり怒りながら言うとアリスさんは被告人席に戻って行った。

「裁判長も亜内検事も大変だねー。」

「全くだよ。これ以上僕たちを巻きこまないでほしいな。」

僕たちの耳は多少おかしくなっていた。耳鳴りが止まらない。

「では、亜内検事。冒頭弁論を。」

「はい。事件は5月23日。駅前の駐車場で起こりました。被害者、平平平平(ひらだいらへいぺい)は駐車場に止めてあった車に乗り込もうとしたところを凶器のツルハシで殴られました。そして通報があった駐車場に駆け付けると、近くに血だらけの凶器を持っていた音戯アリスさんを緊急逮捕しました。」

相変わらず絶体絶命だな。僕。

「これが凶器のツルハシと解剖記録です。」

「受理します。」

(証拠品・凶器のツルハシ)
「被害者を殺した凶器。先端部分(とがっているところ)に血がこびりついている。」

(証拠品・被害者の解剖記録)
「死亡推定時刻・午前12時50分
 死因・前頭部を鈍器で殴り撲殺
 殴られた約3分後に死亡」

「ほう…しかし、なぜ凶器がツルハシなんでしょうか?」

「さすが裁判長。目の付けどころがお高い。」

亜内検事はいい感じにゴマをすっている。

「実は事件の起こった日、近くで水道管工事をやっていました。凶器はそこから持ち出されたと思われます。」

「なるほど…」

「これが工事についての記録です。」

「受理します。」

(証拠品・工事の記録)
「工事時間・11時から3時半
 工事内容・水道管の修復
 修復内容・破裂した水道管の修復。破裂した水道管から半径100メートル以内は10時から3時半まで断水。
 破裂原因・不明」

「しかし亜内検事。なぜ工事現場に居た人たちは事件に気づかなかったのでしょうか。」

裁判長が亜内検事に訪ねた。

「は、事件が起こった時間はちょうど休憩の時間でした。それぞれ自動販売機で飲み物を買ったり煙草を買ったりしていたのでしょう。」

「ふむふむ、それでどうしましたか。」

「そして休憩時間が終わり、工事現場に戻ると死体を見つけたわけです。そして通報がありました。」

亜内検事と裁判長。何やら2人だけの世界に居るようだ…

「なるほど…これはもう決定的といってよろしいでしょうか…」

       待った!!

「弁護側は被告人、音戯アリスの完全無罪を証明して見せます!!」

僕は木槌を振りおろしてしまいそうな裁判長を大急ぎで止めた。

「裁判長。とりあえず証人を呼びましょう。話はそれからです。」

亜内検事も裁判長を止めた。どうやら今回の事件。かなり自信があるようだな。

「コホン。それでは気を取り直して、亜内検事。最初の証人をよろしくお願いします。」

「かしこまりました。ふっふっふ、成歩堂君。私に胸を借りるつもりで来なさい。」

亜内検事がまた自信満々に言ってきた。そう言って今まで何回負けたことやら…

「では、担当刑事の糸鋸刑事を。」

「やったー。ナルホド君。糸鋸刑事だって。きっと矛盾ありまくりだよ!!」

真宵ちゃん…失礼だよ。まぁ僕も同感だけど。



「自分!!今回の殺人事件を担当した糸鋸圭介ッス!!」

相変わらず糸鋸刑事。気合入っているなぁ…

「では糸鋸刑事。証言をよろしくお願いします。」

亜内検事も気合十分。二人とも、その気合が今まで何回空回りしたことやら…

       証言開始

   音戯アリスを逮捕した理由

「事件は5月23日。午前12時50分に起こったッス。」
「被害者の平平平平は車に乗り込もうとしたところを凶器で殴られたッス。」
「その後工事現場に居た人から通報を受けたッス。」
「そこで現場に駆け付けたところ凶器を持った被告人を見つけたッス。」
「それに、被告人にはちゃんとした動機があったッス。」
「また、決定的な証拠もあったッス。」
「以上のことから、被告人を逮捕したッス。」


糸鋸刑事にしては矛盾がなさすぎる。…どうしよう。

「ナルホド君…糸鋸刑事。この前より進化していない?」

真宵ちゃん…ここは進化というか…パワーアップのほうがいいんじゃない?」

「裁判長。これはもう決定的といっていいでしょう。早く判決を!!」

「そうですね。では判決を言い渡します。」

…こんなやり取りが今まで何回会ったことやら…そして僕はすかさず。

       待った!!

「弁護人には尋問の権利があります!!判決を下すのはまだ早いです。」

とりあえず言っておいた。…だけど今回の証言、矛盾が見つからない…

「ほっほっほ、分かっておりますよ。成歩堂君。君は少し冗談というものを知っておいたほうがいいですよ。」

「ええ、そんな!!冗談だったんですか?」

亜内検事…本気で悔しがっている。

       異議あり!!

「裁判長!!法廷で冗談を言っていいと思っているんですか!!それでも裁判長ですか!!」

僕は少し裁判長を叱ってみた。…なんか気持ちいい。

「は、はい。申し訳ありませんでした!!って、成歩堂君。何をやらせるのですか!!」

裁判長はまるで小学校の先生に叱られた子供のように謝った。…小学校の先生という職業もいいかもしれない。

「裁判長。とりあえず尋問をしたいんですけど…」

「……どうぞ。」

裁判長。僕に叱られたせいで機嫌が悪くなってしまったようだ…あんたは小学6年生か!!

「ナルホド君!!いっちょ行こうか!!」

       尋問開始

「事件は5月23日。午前12時50分に起こったッス。」

       待った!!

「間違いないんですね!!」

「あたりまえッス!!」

「…」

「…」

「ナルホド君…聞きたかったことそれだけ?」

…久しぶりにやってしまった。まるで尋問に失敗してしまったような気分だ。

「ごめん…」

とりあえず謝っておいた。

「…続けるッスよ。」


「被害者の平平平平は車に乗り込もうとしたところを凶器で殴られたッス。」

       待った!!

「車に乗り込もうとしたところを殴られたんですよね。」

「そうッス。まさしく車に乗り込もうとしたところを殴られたッス!!」

糸鋸刑事。いつもながら「ゆさぶる」に弱いな。

       異議あり!!

「な、なんッスか!!」

「…なんで分かったんですか。被害者が殺されたところ、誰も見ていないんですよね。」

「…」

糸鋸刑事は黙りこくってしまった。

「糸鋸刑事。これはどういうことですか!!」

裁判長も気づいてくれたようだ。

「…実は…一人だけ見ていた人がいたッス。」

「なんですと…」

裁判長が驚くのも無理はない。いきなり見ていた人がいたなんて言われると誰だって驚く。

「弁護側はその目撃者を証人として求めます。」

「ま、待ってほしいッス!!せめて、決定的な証拠と動機だけでも聞いてほしいッス!!」

糸鋸刑事…今日はやけに張り切っているな。

「…まぁいいでしょう。では糸鋸刑事。重要な証拠とはなんですか?」

「そこからはあんたの仕事ッス。揺さぶって聞いてほしいッス。」

…どうも揺さぶり癖がついてしまったようだな。

「では成歩堂君。揺さぶってあげてください。どうせこの証人はもうすぐ燃え尽きるんですから…」

裁判長…

「燃え尽きないッス!!自分は燃え尽きないッスっよ!!次の証言行くッスよ!!」

「成歩堂君。私は早く裁判を終わらせたいんです。なので余計な揺さぶりはしないでくださいよ。」

揺さぶり規制か…トミーさんや芝苦蔵虎ノ助をおもいだすなぁ…


「その後工事現場に居た人から通報を受けたッス。」

「そこで現場に駆け付けたところ凶器を持った被告人を見つけたッス。」

「それに、被告人にはちゃんとした動機があったッス。」

       待った!!

「きたッスね!!この「待った!!」が。」

糸鋸刑事は少し興奮しながら言った。

「では、動機は何だったのか教えてください。」

「はいッス。被告人の音戯アリスは被害者の平平平平と付き合っていたことがあったッス。」

「ほうほう、それでどうしたのですか。」

裁判長…恋愛話になると急に興奮してきたぞ…エロおやじ。

「そこで、被害者の平平平平はしつこく被告人の音戯アリスに復縁を求めていたッス。そこで、被告人の音戯アリスは被害者の平平平平を殺したッス。」

「なるほど…実に興味深い話でしたな。」

「(裁判長…)」

真宵ちゃんは何か言いたさそうに裁判長がいる裁判長席の方向を向いていた。

「次、行くッスよ。」


「また、決定的な証拠もあったッス。」

       待った!!

「決定的な証拠とは一体何だったんですか?」

「指紋ッス。」

「ほう、指紋…ですか。」

指紋。それは弁護士にとってはかなり不利なもの。また有利なものにもなる。…僕の名言B。

「そうッス。凶器のツルハシには被告人。音戯アリスの指紋が付いていたッス。」

「なんですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!それはもう決定的ではないですか。」

「どうするのナルホド君。ものすごくピンチだよ…」

真宵ちゃんはだいぶ動揺している。普段、糸鋸刑事がこんなすごい証拠品持っていないからな…証拠品。置き換えておこう。

(証拠品・凶器のツルハシ)
「被害者を殺した凶器。先端部分(とがっているところ)に血がこびりついている。被告人。音戯アリスの指紋が付いていた。」

「これくらいじゃ驚いてはいけないッス。こっちには新たな証人を召喚する準備ができているッス。」

「糸鋸君。その辺でもういいですよ。後は私に任せてください。」

お、スーパー亜内タイムが始まるのだろうか。

「こちらには新たな証人を召喚する準備ができています。成歩堂君。今の証言にはもう問題はありませんよね?」

「ど、どうするの。ナルホド君。このままじゃあこっちの立場がどんどん悪くなっちゃうよ!!」

真宵ちゃんの言うとおりだ。次の証人を召喚される前に何か矛盾を見つけないと…矛盾…矛盾…そうだ!!

       待った!!

「ちょっと待ってください。こちらには矛盾を指摘する準備はできています。」

「そ、そんなバカな。裁判長!!もうこちらの準備は整っているのです。矛盾など今は些細なことです。」

亜内検事も必死に食い下がる。

「ム〜、しかし証言にはどんな矛盾も残すわけにはいきません。成歩堂君。一体どの証言に矛盾があったのですか。」

「矛盾ですか…それはもちろん…この証言です!!」

       くらえ!!

「被害者の平平平平は車に乗り込もうとしたところを凶器で殴られて殺されたッス。」


「この証言がどうかしたのですか?」

裁判長…あなたが裁判長になれたのは奇跡だろな…

「自分の証言に何かおかしな所でもあったスか?」

糸鋸刑事は気付いていないのだろうか…この証言と凶器の矛盾を…

「糸鋸刑事。あなたは被害者は凶器で殴られて殺した…と言いましたよね。」

僕は軽く矛盾の説明をすることにした。

「そうッスけど。」

…かかったな。

「残念ですが、その証言。この証拠品と矛盾してしまいます。」

「ほう、どの証拠品と矛盾しているのですか?」

「矛盾している証拠品。それは…」

       くらえ!!

    (証拠品・凶器のツルハシ)

「もちろん、この凶器のツルハシです。」

⇒To Be Continued...

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集