レイトン教授×逆転裁判 暗闇の時計塔 逆転旅行 [2]
作者: たこやきDJ   URL: http://gyakutensaibansaikoudesu.rakurakuhp.net   2010年07月31日(土) 13時46分31秒公開   ID:kccVdmsyCdk
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ここで物語は現在に戻る。

「ふん。やっと思い出したか。」

…おそらくあの事件の共犯者、この二人だろう。

「改めて自己紹介をしておきましょう。私の名前は有程度溺屡、そこの二人は赤坂逆須(あかさか さかす)と叉蛇那賀聖夜(さたなか のえる)です。」

…この二人の名前、そんな名前だったのか…フリーズは有程度溺屡、ボルケイノは赤坂逆須、スパークは叉蛇那賀聖夜か…

「な、成歩堂様!!わたくし、どうしたらいいのでしょうか?」

プロのCAであるいちるさんが話しかけてきた。僕に分かるはずがないだろう…

「…うぐ。」

僕がそんなことを考えていると、客席のほうから声がした。

「み、御剣様!!」

そう、御剣がやっと起きてくれた。これで少しはどうにかなるかな…け、決して他力本願なわけじゃないぞ!!

「い、いちる君か、どうもこの機内食に睡眠薬でも入っていたのだろうか?それに少しからだが痺れて…ム?」

御剣が何か言おうとした瞬間、御剣とハイジャック犯の目があった。

「き、貴様は…」

「おや、あなたは私たちのことを御存じなのですか。」

有程度溺屡は少し余裕面で言った。

「ああ、…成歩堂、話しておいたほうがいいだろうか、私が扱った事件のことを。」

急に御剣が真顔になって話しかけてきた。…こういうときはたいてい話を聞いておいたほうがいい。

「…ああ、頼むよ。」

「あれは4か月前のことだった。…君はコードピア大使館で起こった事件をを知っているだろうか?」

確か…新聞にも大きく取り上げられていたな。ババルとアレバストに分かれていたのが合体したとか…

「そして、私はその事件に出会うまでに、3つの事件と遭遇した。…連続で。」

御剣は少し眉間にしわを寄せながら言った。

「最初の事件は飛行機内で起こった。殺害されたのは、アクビー・ヒックス。ある密輸組織を調べていた捜査官だ。」

飛行機という単語を御剣が言った瞬間、御剣は少し震えた。…気絶なんかしなかったよな。

「そして、真犯人は同じ飛行機に乗っていたキャビンアテンダントだった。…密輸組織のメンバーでもあったがな。」

…僕は驚いた。CAが殺人を犯すなんて…

「ちなみに、いちる君と出会ったのもその時だ。」

御剣が話していることを、糸鋸刑事は熱心に聞いていた。いちるさんも、…ハイジャック犯達も。

「次の事件は、私が帰国したときに一番最初に出会った事件だ。私の恩人でもある天野河城一郎からの依頼で、バンドーランドに身代金を持っていくことになった。」

バンドーランド…最近、急激に成長している遊園地だ。

「しかし、そこで殺人事件が起こった。私はその事件を解決させた。だが、私の恩人である天野河城一郎が密輸組織に金を送っていることが分かった。」

御剣は眉間にしわを寄せながらつらそうに言った。そりゃあ恩人が悪の組織の味方だったらショックだよな。

「次は私の執務室で起こった事件だ。…省略して言うと真犯人も大きく密輸組織にかかわっていた。」

…なぜ省略した!!

「…そして、最後にコードピア大使館で起こった殺人事件だ。被害者はマニィ・コーチン、ババルの大使だった。そして…真犯人はアレバストの大使、カーネイジ・オンレッドだった。さらに、密輸組織のリーダーでもあった。そして…その時密輸組織は壊滅した。はずだった…」

御剣は少し下を向きながら言った。

「しかし…2か月前に少し興味本位で組織のことを調べてみた。すると、まだババルインクが出回っていることが分かった。」

ババルインク…偽札作りにぴったりなインクだったよな…

「そこで、私は組織のことを2ヵ月間も調べた。しかし…」

…どうやらたいした情報は手に入らなかったらしいな。

「なのに…組織のメンバーが目の前に居る。…これはチャンスかもしれぬ。」

「ふん!!どうせこの飛行機は海の中に突っ込むんだ!!チャンスもくそもあるかよ!!」

空気を読んでたスパーク…聖夜もついに口を開いた。…ん?」

「こ、海の中に突っ込むッスとぉォぉォぉォぉォ!!」

「そ、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

糸鋸刑事といちるさんはほぼ同時に叫んだ。…そうか、このハイジャックの目的は飛行機を墜落させることだったのか…

[深まる謎・ハイジャックした目的(解明)]
「ハイジャックをした目的、それは飛行機ごと海に突っ込むためだった。理由は不明。」

…これで一つ謎が解明されたな。

「じょ、冗談じゃねえぜ!!まだヒメコにも会っていねえのにこんなところで死ねるかよぉぉぉぉぉぉぉ!!」

矢張もかなり興奮している。そりゃあもうちょっとで墜落するかもしれない飛行機の中で冷静に居られるはずないよな。僕と御剣を除いて。

「…ムニャ…」

そんな空気の中、誰かがまた起きた。

「…な、なんなの!!体が痺れて動けない!!」

なんと狩魔検事が起きてくれた。だが…様子がおかしい。

「め、冥!!どうしたのだ!!」

御剣もかなりおろおろしている。こんなおろおろしている御剣、地震の時ぐらいにしか見たことないぞ…

「か、体が痺れて…」

「おや、しびれ薬がこの女の方には効いたみたいですね。このしびれ薬、効く人と効かない人がいますからね…」

なるほど、だから糸鋸刑事はしびれ薬が効いていなかったし、御剣は少し痺れているだけだし、狩魔検事は痺れて全く動けなくなったわけだ。

「く、怜侍!!どうなってるの!!状況を教えて!!」

狩魔検事は必死に叫んだ。その様子を見ていた御剣は急いで今の状況を伝えた。

「な、なんですって。私が追い求めていた敵が目の前に居るの!!」

狩魔検事も追い求めていたんだ…

「くそ!!この手が動けば、鞭を振れるのに!!」

狩魔検事は悔しそうな顔で動かない手を鞭に伸ばそうとした。

「ん?なんだこれ?」

赤坂逆須は鞭をみて言った。

「そ、それに触らないで!!」

狩魔検事は必死に動かない手を動かそうとしながら抵抗した。

「おっと、こんな武器、とてもあなたたちには持たせていられないね。」

そう言うと赤坂はヒョイと鞭を取り上げた。

「おっと、変なことをしないで。この銃が火をふきますよ。」

狩魔検事も御剣も、悔しそうに赤坂を睨みつけていた。

「そんなに睨みつけたってどうしようもありませんよ。」

赤坂は思いっきり皮肉をこめて言った。

「どうすればいいッスか…」

「…飛行機…墜落…死…絶望…呪…」

糸鋸刑事は頭を抱えていた。いちるさんは放心状態になり何やら不吉な言葉をつぶやき続けていた。…いちるさんファンの人には悪いかな…

「せめて…せめて鞭さえ使えれば…こんな奴らなぎ倒すことぐらいできるのに…」

狩魔検事は動かない体を必死に鞭に伸ばそうとした。御剣はどうしたものか考え込んでいる。

「後25分…後25分もあればこの飛行機は海に墜落するぜ…」

叉蛇那賀は銃を持つ手をわなわなと震わせながら言った。…ん、25分…?

「…叉蛇那賀聖夜さん。」

「その名前で呼ぶな!!」

叉蛇那賀…スパークはこちらをキッと睨みつけながら言った。

「…なぜ…そんなに25分にこだわるんですか?別に海に墜落させるならいつでもいいはずなのに…」

「!!…そ、それは…ボルケイノ!!」

「ぼ、僕ですか!!…フリーズ!!」

…なぜ急に俺から僕に変わったんだろう…いわゆる気分によるキャラチェンジって奴か?

「わ、私ですか?…………」

ジャーンガラガラガラガラガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン

「(サ、サイコ・ロック?)」

ほぼ三人同時にサイコ・ロックは現れた。しかも南京錠の数は7つ。御剣もかなり驚いている。

「ど、どういうことなのだ、成歩堂。」

御剣が僕にささやきかけてきた。

「ぼ、僕にもわからないよ。ただ…誰にも言えない、重大な秘密をこの3人は持っていることは確かだね。」

僕も小声でささやき返した。サイコ・ロックか…今はどう頑張っても解けそうにないな。…そういえば、有程度溺屡って高層恐怖症だったはずだよな…なぜ飛行機に乗れてるんだ?…今はそんなこと気にして言える場合じゃないか。

「何こそこそ話しているのですか?」

有程度溺屡がこちらを睨みつけながら言った。僕たちはひとまず元の場所に戻った。今更だが僕たちは少し離れた所に座っている。右列の前から3列目の席に僕、その隣に真宵ちゃんが座っている。その後ろには糸鋸刑事と春美ちゃん。その2つ後ろには狩魔検事と御剣が座っている。矢張が座っていたのは左列の後ろから5番目の席、その4つ後ろの席にハイジャック犯たちが座っていた。

「……自分は…自分は…」

糸鋸刑事は何かつぶやいた。そして…

「自分は…刑事ッスぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

糸鋸刑事はそう叫ぶと、なんとハイジャック犯達がいる方向に突っ込んでいった。

「な、なんだなんだ!!」

赤坂逆須は突進してくる糸鋸刑事を見て驚いた様子スパークのほうを向いた。

「ボルケイノ!!その銃で速く撃ってしまえ!!俺のショットガンには弾がもうないんだ!!」

ズキュゥゥン

叉蛇那賀聖夜は赤坂逆須のそういうと赤坂逆須はハンドガンを撃ちはなった。

「グハッァァァァァッス!!」

銃弾は糸鋸刑事の肩をかすった。

「だ、大丈夫か!!糸鋸刑事!!」

御剣と僕は急いで糸鋸刑事のほうへ駆け寄った。幸い銃弾は服をかすっただけで血は出てなかった。不幸中の幸いとかいうやつだろうか…

「糸鋸刑事!!なぜあんな無茶なことをしたのだ!!」

御剣は怒りながら言った。

「す、すまねえッス…あの鞭を取り返せばどうにかなると思ったッス…」

糸鋸刑事は床に倒れた状態で言った。

「糸鋸刑事…」

僕は糸鋸刑事を少し見習った。いつも僕たち弁護士にただ情報を垂れ流してくれるだけの刑事かと思っていたが、いくら糸鋸刑事でも警官のはしくれだ。市民の安全を守る、これが警察の仕事だからな…

「…糸鋸刑事、来月の給与査定、楽しみにしていることだな。」

「…それっていい意味ッスか?悪い意味ッスか?」

糸鋸刑事は少し青ざめた表情で言った。

「…さぁ、どうだろうな?」

御剣は不敵な笑みを浮かべながら言った。

「おい、成歩堂よォぉォ…」

矢張が唐突に話しかけてきた。

「な、なんだよ。」

「御剣を呼んでくれよぉ、俺、いい考えがあるんだよぉォぉ。」

…こういう時の矢張のいい考えは大体いい考えではない。…どうせ何もしなかったらあと25分で死ぬんだ。ここはちゃんと考えを聞いておいたほうがいいな。

「御剣、ちょっと来てくれないか?」

「ム、なんだ。」

僕たちはこそこそと相談し始めた。

「な、そんな無茶な作戦。私は認めぬ。確かにハイジャック犯たちの銃に入ってる弾丸は最大ではないかもしれないがな…」

「だけどよー、このまま何もしなかったらどっちにしろ死んじまうんだぜ。ここは一か八かでやっちまおうぜ!!」

「ぼくも矢張の意見に賛成だ。こういうときはもう一か八かで矢張の作戦でいくしかないよ。」

僕たちは床に倒れこんでしまった糸鋸刑事のためにも作戦をまとめた。そして…

「いけ!!突撃だぜ!!」

その掛け声を合図に僕たちはハイジャック犯たちに突撃した。

「ちょ、突撃してきやがった。」

ズキュゥゥン

ボルケイノはハンドガンをぶちまけた。

「グハッ!!」

銃弾は御剣の頭をかすった。

「く、くそ!!もう弾切れだ!!フリーズ!!そのコルトパイソンであいつら撃ってくれ!!」

「…あなたバカですか?こんな不思議な模様の飛行機の中でコルトパイソンなんてぶちまけたら飛行機は穴だらけになってしまいますよ。」

「なんでそんな使えない銃持ってきたんだ!!」

二人のコントに構わず銃弾を受けていない僕と矢張は鞭を持っている赤坂逆須に突っ込んだ。

「つっ!!」

僕たちに体当たりされた赤坂逆須は声をあげて鞭を落とした。

「よっしゃぁ!!鞭取ったぜぇぇ!!」

矢張は鞭を取ってくれた。

「で、でかしたぞ矢張、それを…早く冥へ…」

御剣は声にならないような声で矢張に言った。

「だ、だけどよー、冥ちゃんは今しびれ薬で…」

バチッ

飛行機に平手打ちが決まった音がした。そして矢張の頬には真っ赤な手の跡ができていた。

「だれが痺れているですって?」

なんと狩魔検事が起き上がっていた。しびれ薬の効力が切れたらしい。

「そこの絵描き!!早く鞭をよこしなさい!!」

「おk、冥ちゃん!!新しい鞭だぜ!!」

そう言うと矢張は狩魔検事に鞭を投げ与えた。…おkってなんだよ…それにそのセリフ、どこが有名なアニメで聞いたことがあるような…

「投げて渡すな!!」

ビシィィイ

「ギャフン!!」

矢張は鞭を思いっきり打ちつけられた。そして狩魔検事はハイジャック犯たちに鞭を構えた。

「ちょwww、どうするんだよこの状況。」

「なんですか、wwwって、日本人としてちゃんとした日本語を…」

「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!!」

そんなこと言っている間に狩魔検事の鞭がハイジャック犯たちにクリティカルヒットした。

⇒To Be Continued...

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