レイトン教授×逆転裁判 暗闇の時計塔 逆転旅行 [1]
作者: たこやきDJ   URL: http://gyakutensaibansaikoudesu.rakurakuhp.net   2010年06月27日(日) 20時18分59秒公開   ID:608sdV6F5Hw
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「…貴様、何が言いたい。」

はっきり言って何が言いたいか私にはわかっていた。証拠不足だろう。

「まず仮に私が犯人ならだというならば動機は何か、何でナイフの指紋を拭いたか、そして決定的な証拠。この3つがない限り私は犯行を認めません。」

「(やはりそう来たか…)」

「じゃあ御剣検事、捜査許可を貰ってきて捜査すれば…」

       異議あり!!

「そう簡単にはいかないのだよ。真宵君。」

「何でですか?御剣検事。」

「このまま春美君の完全無実が証明されない限り春美君はここから動けないのだ。それに…」

「それになんですか?」

「情報のつながり…ロジックをおいかければわかるものだよ…」

ロジック2
[フライトの時間]
「後30分で私たちの乗る飛行機は出てしまう。」

ロジック3
[捜査許可の問題]
「捜査許可を取るには最低30分はかかる。」

[まとめる ロジック2・ロジック3]

「真宵君、捜査許可を貰うのに最低30分はかかる。しかも後30分もすれば私たちの乗る飛行機は出てしまう。このことから分かることは何か、君にはわかるかね?」

「…時間がない…」

「その通り、時間がないのだ。30分前に捜査許可を貰いに行った人物、誰か居ないだろうか…」

「…居ませんね…」

「…いや一人だけいる。あの男が。」

「…イトノコ刑事…」

「その通り、そろそろイトノコ刑事が来てもいい頃だ。」

はっきり言ってこれはハッタリだ。いくら糸鋸刑事が30分前に捜査許可を取りに行ったからって、あの男がそんな都合にいいことに捜査許可を取りにいってくれるなんて…

バタッ

「御剣検事殿〜、捜査許可、貰ってきたッスよ〜!!」

そういうと糸鋸刑事は慌てながら猛ダッシュでこちらへやってきた。

「お手柄だぞ!!糸鋸刑事、来月の給与査定、楽しみにしているといい。」

私は少し動揺しながら言った。真宵君を安心させるためのハッタリがまさか本当になるとは思ってもいなかった…

「…それって誉めているッスか?」

「(褒めているに決まっているだろう!!)」

「よくやったわ、髭!!」

ビシッバシッビシッバシッ

「ギャアァァァァァァァァァァァッス!!」

「(冥、褒めるのならばたたく必要はないだろう…)」

「この通り、捜査許可はあるわ。調査してもいいわよね。」

「…勝手にしなさい。」

「怜侍!!捜査よ!!」

「ああ、糸鋸刑事!!」

「はいッス!!」

       捜査開始

「怜侍、私は別行動を取らしてもらうわ。」

そういうと冥はどこかへ行ってしまった。

「糸鋸刑事、さっそく調査をする必要がある。」

「じゃあ何から調べるッスか?」

「まずは死体からだろ。操作の基本はそれからだ。」

「はいッス!!」

シュタッ

死体はうつ伏せに倒れていて両手には何も握っていない。頭からつま先までそこまで不自然なところはない。………いや一つだけおかしなところがある。

「糸鋸刑事、少しこの死体、おかしくないか。」

「え、どこがッスか?」

「この死体、あの証拠品と矛盾しているのだよ。」

「どの証拠品ッスか?」

「この死体と矛盾してしまう証拠品。それは…。」

       くらえ!!

    (証拠品・被害者の情報)

「この証拠品には被害者の胸は刺されている…と書かれているな。」

「そうッスけど。」

「なぜそんなことがわかったのだろうか。」

「へ?どういう事ッスか。」

「(この男は本当に刑事なのか…)糸鋸刑事、貴様には死体の胸にある刺し傷を死体を動かさずに見れるか?」

「無理に決まってるッス。…あ!!」

「その通り、死体は動かされた形跡がない。だから死体の胸にある刺し傷が見れるはずがないのだ!!」

「しかし御剣検事、それが何を表わすッスか?」

「(この男は…)この死体の胸にある刺し傷が見れるのは被害者の胸を刺した後から被害者が倒れるまでというものすごく短い時間なのだ。この短い時間の中で唯一胸の刺し傷を見れるのは犯人しかいない!!要するに彼女は被害者の胸の刺し傷のことを知っている。だから犯人の可能性が高いだろう。」

「…御剣検事、すごいッス…」

「(やっと分かってもらえたか…)」

「御剣検事?」

「は、いかんいかん、(少し感動していた。)被害者の情報、置き換えておくとするか。」

(証拠品・被害者の情報)
「名前・山元隆(やまもとたかし)
 性別・男  歳・28歳
 死体状況・胸をナイフで刺されている
 うつ伏せに倒れている
 何も持っていない
 完璧弘子が教えてくれた。」

「しかし御剣検事、このことが分かってもまだ分からないことがあるッス。」

糸鋸刑事が訪ねてきた。

「ああ、うまく使えばこれは決定的な証拠になる。だが後2つ問題がある。」

「たしか…凶器の指紋を何で拭いたか。そして動機は何か。この2つッスね。」

糸鋸刑事もある程度は分かっているようだ。

「(まずは凶器の指紋を何で拭いたか、調べてみるか。)」

このトイレは男子トイレだ。個室が2つある。…って男子トイレだと!!

「糸鋸刑事!!ここは男子トイレで間違いないな!!」

「え、そうッスけど。」

「ならばなぜ春美君が犯人になったのだ!!」

「…あああッス!!」

「春美君に話を聞く必要があるな。」

私は嫌な予感がした。まさか…春美君は…

「春美君!!」

「な、なんなのですか!!御剣さん!!私、助かりますよね!!」

「春美君!!はっきり聞こう。君は間違いなくこのトイレに来たのだな!!」

「そ、そうですけど…」

「ここは男子トイレだ。なぜ男子トイレに女の子の春美君が来たのだ!!」

「………………………………」

ジャーンガラガラガラガラガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン

「なんだと……!!」

これはサイコロ錠といって…いや正しくはサイコ・ロックだったな。この鍵は普通の人には見えない。これが見えるのは、わたしと成歩堂だけだ。そして近くに勾玉がない限り私たちにも見えない。…成歩堂…もしかして…

「糸鋸刑事、成歩堂の胸ポケットを調べてくれないだろうか。」

「はいッス!!」

「(私の考えが正しければ成歩堂は勾玉を持ってきているはずだ!!)」

「御剣検事!!こんなものが出てきたッスよ!!」

「(やっぱり勾玉だ…)糸鋸刑事、それを貸してくれないだろうか。」

「え、分かったッス。」

(証拠品・勾玉)
「倉院流霊媒道の霊力がこもった石。これで人の心の鍵を解くことができる。」

「(これさえあれば…)春美君…いくぞ…」

       くらえ!!

「春美君…聞かせてもらうぞ男子トイレに入った理由。」

「…………………………………………。」

「春美君、私は君を助けたいのだ。全て話してくれないだろうか。」

「…………………………………………。」

パリィィン

「(わたしの話術をもってすればサイコロ錠さえ解けるのか…)」

「わたくし…確かに助かりたいけど…どうしても言うわけにはいかないのです…」

「春美君…君はなぜそこまで隠したがる?下手をすれば逮捕されるのだよ。」

「………………………………………。」

「もしかして脅迫されているのか?」

「っ!!………………………。」

「君は男子トイレになどはいるつもりなどなかった。無理やり犯人に仕立て上げられたのだろう。告発したら真宵君を殺す…とかな。」

「……………………………。」

「犯人は慌てていたのだろう。男子トイレで人を殺したことをよく覚えていなかったのだろう。君が一番親しくしていた真宵君を狙った。君が迷子になったことを利用して罪を着せようとしたのだろう。犯人は慌てていた。だから、君に罪を着せたのだろう。」

「………………御剣様には何でも分かってしまうのですね…。」

パリィィンパリィィンパリィィンパリィィンパリィィン

「(解けたか…)春美君、詳しい話を聞かせてくれないだろうか。」

「はい。ここではそこの女の人に聞かれてしまうので…」

春美君はおずおずとした様子で彼女を指さした。

「は、はい。」

「そうだ、糸鋸刑事。」

私は糸鋸刑事にある場所の調査を頼んで春美君と廊下へ向かった。







「春美君、詳しい話を聞かせてくれないだろうか。」

「はい、まず私は迷子になりました。全てはここから始まってしまいます。私は受付に行きました。するとこっちに来てくださいと言われトイレの前へ連れて行かれました。そして私を犯人に仕立て上げるために凶器のナイフに指紋を付けられました。」

「しかしナイフには何の指紋も付いていなかったのだが…」

「そんなはずはありません。たぶん指紋を拭いたのだと思いますよ。」

春美君が自分の意見を言ってきた。

「一体誰が指紋を拭いたというのだ?まず犯人が指紋を拭くはずがない。」

私は一応春美君に聞いてみた。

「…誰が指紋を拭いたか…それは私にも分かりません。」

やはりそこまでは分からないらしい。

「2人とも何をしているのですか。あと25分で飛行機が出てしまいますよ。」

トイレの陰から彼女がのぞいてきた。そして言い放った。

「ム、彼女に見つかったようだ。春美君。協力に感謝する。」

「は、はい。」

(証拠品・綾里春美の証言書)
「完璧弘子に脅されていました。凶器のナイフには指紋が付いているはずです。」

「御剣検事!!一体どこに居たッスか!!」

「ム、すまない。そんなことより糸鋸刑事、トイレのごみ箱の調査、うまくいっただろうか。」

「はいッス!!もうばっちりッス!!」

(証拠品・トイレットペーパーの切れ端)
「かなり血が付いている。おそらく被害者のものだと思われる。何者かの指紋が付いている。トイレのごみ箱に捨ててあった。」

「なるほど…(情報のつながりロジック…これを追えば必ず真相は見えてくる…)」

ロジック4
[血を拭いたトイレットペーパー]
「このトイレットペーパーには血がべったりついている。何かの血を拭いたものだと思われる]

[まとめる ロジック1・ロジック4]

「糸鋸刑事、ナイフの柄の血はこれで拭いたのだろうか。」

「おそらくそうッスね。」

「糸鋸刑事!!」

「な、何ッスか!!」

「このトイレットペーパーについている指紋、直ちに調べてくれないだろうか。」

「鑑識がいないと無理ッス。」

「ム…(アルミ粉…誰か持っていないだろうか…)」

アルミ粉…その言葉で私は何か思い出しかけた。彼女、宝月茜君のことを…ここに彼女がいたらいいのだが…

「御剣さーん。」

そうそうこんな声だ…何っ!!

「茜君ではないか!!」

「お久しぶりです。御剣さん!!」

彼女は私が担当したある事件の被告人の妹であり私の尊敬すべき人の妹でもある。彼女は科学捜査官を目指しており今はアメリカに居るはずだが…

「茜君、久しぶりッスね。アメリカに居るはずの君がなんで日本に居るッスか?」

ム、先に聞かれてしまったか。

「お姉ちゃんに会いに来たんです。」

彼女の姉、宝月巴は私が担当した事件の被告人であり宝月茜の姉でもある。今は日本の刑務所で収容されているはずだが…

「私…最近勉強で忙しいのでお姉ちゃんに会えていないんです…だから、久しぶりに日本へ帰ってきたんです!!それで事件のにおいがしたからここまできたら、なんと御剣さんがいたんですよ。」

「なるほど…」

「あ、茜ちゃん!!久しぶり!!」

「なっ、真宵君!!彼女を知っているのか。」

「はい!!ナルホド君から話は聞いています!!」

「(初耳だ…)」

「真宵さん、久しぶりです!!」

「(ウム、ほほえましいな。まるで双子みたいだ…ム。)」

「茜君!!」

「きゅ、急になんですか!!」

「ウ、ウム、すまない。」

「茜ちゃん!!このトイレットペーパーの指紋を調べてほしいッス!!」

「糸鋸刑事!!人のセリフを取るのはやめていただきたい!!来月の給与査定、楽しみにしておくことだな。」

「それっていい意味ッスか?悪い意味ッスか?」

「悪い意味に決まっているだろうが!!」

「うううッス…」

「あの、指紋調べたいんですよね。」

「ウ、ウム。」

「じゃあ、証拠品、貸してください。」

(証拠品・トイレットペーパーの切れ端)を渡した。

「分かりました。アルミ粉をパパッとかけて、そーっと息を吹きかけると…」

「(茜君…目がとてつもなくきらきらしているぞ…)」

「指紋検出、できましたよ。」

「フム、誰の指紋が付いていたのだ?(私の推理が正しければこの証拠品にはあの人の指紋が付いているはずだ…)」

私は恐る恐る茜君に聞いた。

「えーっと、そこの女の人と…イトノコさんです。」

「………ッス。」

「糸鋸刑事…貴様!!」

刑事が勝手に証拠品に触っていいものなのか!!…その喉まで出かかった言葉を抑えてとりあえず我慢することにした。

「す、すまないッス!!うっかり触ってしまったす…」

「来月の給与査定、行かないほうがいいかもしれんな。」

「それって…どういう意味ッスか?」

「知らないほうがいいだろう。さて、証拠品を置き換えておくか…」

(証拠品・トイレットペーパーの切れ端)
「かなり血が付いている。おそらく被害者のものだと思われる。完璧弘子と糸鋸刑事の指紋が付いていた。トイレのごみ箱に捨ててあった。」

⇒To Be Continued...

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