戻ってきた逆転H
作者: 弁護人   2012年11月21日(水) 08時13分04秒公開   ID:GHTt6CUotKw
【PAGE 1/2】 [1] [2]


〜同日 某時刻 留置場〜
やっぱり、ここに来るのは、良い気分じゃない。『なるほどくん、よく考えたら、私もなるほどくんも、御剣検事も2回は、留置場に入ってるんだよね…。』
『誰かが、聞いたら、誤解するぞ。あ、御剣…。』
『成歩堂、早速で、申し訳ないのだが、こんな私だが…弁護をしてくれるだろうか?』
こいつ、素直になったな…。あの時は、最後の最後まで、弁護を依頼しなかったのに…。
『分かった。嬉しいよ、御剣。まぁ、とにかく事件のことは、糸鋸刑事から、聞いた。御剣、聞きたいことがあるんだ。』
『あぁ、良いとも。何でも聞きたまえ。』
『御剣、凶器に何で、お前の指紋がついているんだ?』
正直、よく分からなかった。御剣の指紋が付いている理由が…
『うむ、それなんだが、亜内検事の遺体を、見つけた時、急いで何とかしようと思って、抜こうとしたんだ。その時に、付いたのだろう。そして、その時に糸鋸刑事や須々木マコくんに、見られてしまったのだ。』
って、待てよ…
『なぁ、御剣、糸鋸刑事は、刺すところを、見たと言っているぞ。』
『そのことなのだが、あやめさんの時と、一緒なのだよ。』
あ、なるほど。
『ところで、御剣お前、結婚したんだって?』『う、うむ…。冥とは、7年前から、付き合ってはいた。そして、2ヶ月前、そう君が司法研修所にまだいるころに、結婚した。それが、まさか世間でいう、できちゃった婚になるとは、想像していなかったがな…。冥との間に、子どもが、出来たのに、その冥が、担当検事とはな…。冥のお腹には、6ヶ月の子どもが、いるのだ。ストレスなどが、心配だ。』
御剣もいろいろあるんだな
『御剣、凶器のナイフについて、何か知ってることが、あるか?』
ただ、それだけの質問なのに、まさか…
ーガラガラガラガッシャーンー
…サイコロックが、1個…
『成歩堂、さいころ錠が、見えているのだろう。だが、凶器については、私の口からは、言えない。』
私の口からは?
『分かったよ。一応、お前に聞いておかないと、いけないのは、これくらいだな。最後に、一つ、お前は亜内検事を、殺していないよな?』
『あぁ、勿論だ。』
『よし、それじゃあ、また調査に出かけるから、またしばらくしたら、来るから。』
〜同日 某時刻 検事局正面玄関〜
ふぅ、レンタカーだから、まだマシだけど、歩いて調査に出ていたら、どれだけしんどいだろう。『何たって、なるほどくん、もう三十路だからね。』
『それ、言われると、結構傷つくよ…。真宵ちゃんだって、あと3年したら、三十路だよ。』『あ、マコちゃんだ!マーコーちゃーん!』
ほんとだ、マコちゃんだ。
『お久しぶりッス、成歩堂さん、真宵さん!と言っても、成歩堂さんは、前に検事局に電話をかけてくれた時に、声は聞いたッスね。』
『マコちゃん、話を聞かせてくれないか?』『良いッスよ。須々木、また成歩堂さんのお役に立てるなんて、光栄ッス。』
この子は、須々木マコちゃん。元・警察官で、元・ウエイトレスさん。現在は、検事局の警備をしているようだ。9年前と、8年前この子は殺人の疑いで、裁判にかけられた。まぁ、僕が弁護して、無罪になったんだよ。
『じゃあ、マコちゃん早速だけど、目撃したことを、聞かせてくれないかな?』
『分かったッス。えーと…』パシッ!!!この威圧感のある、鞭のような音は…まさか、
『成歩堂龍一、久しぶりね!』『そういう君は…狩』パシッ!!!
『遅いし、間違っている!』
イテテ…。
『そうだったな、確か御剣とできちゃった婚だったとか…』
パシッ、パシッ、パシッ、パシッ!!!
『この、成歩堂龍一のくせに!』
『痛いな…。御剣冥、話を聞きたいんだが、御剣の、有罪を立証するのか?』
『…レイジが、あんなことする訳がないし、レイジとの子どもも、ここにいる。だから、無罪だと思うわ…。でも、私は検事よ…。それに、今や主席検事…。周りからは、黒い噂とともに、あがってきた女と思われているみたいだけど…。って、何を言わせるの、成歩堂龍一ごときが!!!!!!!!』
パシッ、パシッ、パシッ、パシッ、パシッ、パシッ、パシッ、パシッ、パシッ、パシッ、パシッ!!!『ギャー!!!!!!!!』
こりゃ、死んだな、僕も…
『勝手に、死なないで、なるほどくん!』
死ねる訳がないだろ、真宵ちゃんを、残して…『大丈夫だよ。』
『とにかく、成歩堂龍一、明日は覚悟することね!そうそう、一つだけ情報を、あげるわ!』えっ…あの元狩魔冥が、情報を?
『あの凶器のナイフは、レイジが、事件の前日、買ってきた物よ。これが、その証拠のレシートよ。ただ、レイジは検事局に置き忘れたみたいだけどね。』
『御剣冥、君も変わったんだね…。ありがとう。』
よし、これで、御剣のサイコ・ロックを開錠出来るぞ。

ー証拠品追加ー
レシート・凶器のナイフは、御剣が、事件の前日に買ってきたものだ。御剣冥のために、買ってきたものだ。

〜同日 某時刻 留置場面会室〜
『くらえ!』
ーガラガラガラガッシャーンー
『御剣、お前、この凶器のナイフ知ってるよな?』
『一体、何のことだ?私には、身に覚えがないぞ。』
『くらえ!このレシート…。御剣冥が、くれたよ。お前、事件の前日にこの凶器のナイフを、買ってるよな?』
『くっ…!しかし、成歩堂、私はこのナイフを、買ってきただけだ。それ以外に何もないでは、ないか!』
『くらえ!御剣…御剣冥が、教えてくれたよ。 これは、お前が、御剣冥のために、買ってきたものなんだろ。』
ーパリーンー
『…やはり、君はこの8年間という時間の間も、変わらなかったのだな…。』
ー解除成功ー
『やっぱり、お前は、凶器について、知ってたんだな…』
『あぁ、知っていた。というより、私が買った物だからな。』
こいつは、なんでこんな物を、そもそも買ったんだろう?
『なぁ、御剣、お前は、なんでこのナイフを買ったんだ?』
『それはだな…、冥が、いつも肉を切りにくいと、言っていたから、まぁ、買ってあげたというわけだ。』
今、こいつ、とても寒いこと言ったぞ…。真宵ちゃんが、
『まるで、トミーさんだね!アヒゃアヒゃアヒゃ…』
真宵ちゃん、それはかなり言ったらマズイ領域だぞ…。
『む…そんな寒いこと言った覚えは、ないぞ…。』
『とにかく、御剣、お前を、必ず無罪にする。約束するよ。』
明日は、負けられない。




・法廷記録・
成歩堂龍一(34)言わずとしれた僕僕だ。2ヶ月前、8年ぶりに、弁護士に復活した。

綾里真宵(27)かつて、僕の助手だった。倉院流霊媒道の家元だったが、僕の助手として、再び戻ってきた。

御剣怜侍(34)僕の幼馴染だ。検事局の検事局長だったが、検事に戻った。今回の事件の容疑者。

亜内武文(70)今回の事件の被害者
検事で、僕の初法廷の相手だ。

御剣冥(27)今回の担当検事だ。御剣の妻で、現在妊娠8ヶ月。

糸鋸圭介(39)初動捜査担当の刑事だ。通称・イトノコ刑事。係長に昇任したみたいだ。

証拠品ファイル
弁護士バッジ・新しい弁護士バッジだ。これを、身につけると、引き締まった気持ちになる。

勾玉・真宵ちゃんから、もらった物だ。人の心の秘密を、知ることが、出来る。

ナイフ・凶器だ。御剣の指紋が、逆手の状態で、付着している。
御剣が、冥のために、買ってきた。

亜内検事の解剖記録
・午前5時から午前7時までの間に刃物のような物で、1回刺されて死亡。即死の可能性もあるが、死後数分間、生きていた可能性も、認める。

現場写真@
・亜内検事の遺体写真だ。襟首を掴んで、死んでいた。

レシート・凶器のナイフが、御剣が、事件の前日に買ってきたものであることを、証明する。御剣冥のために、買ってきたものだ。


〜10月16日 午前8時50分 地方裁判所 第2被告人控室〜

うーん、この部屋に来るのも、久しぶりだな…。ここのソファで、寝て、大変なめに遭ったっけ…。
『成歩堂、今日は頼むぞ。私自身だけなら、良いのだが、冥やこれから生まれてくる子どものためにも、私は有罪になるわけには、いかないのだ。それに、君にとっても、久しぶりの法廷だ。負ける訳にはいかないだろ。』
そうだ、こいつには、愛する妻と、その人との間の子どもがいるんだな…。

〜同日 午前10時 地方裁判所 第2法廷〜

ガヤガヤ…
『それでは、ただいまより、御剣怜侍の亜内検事殺害の罪に関する法廷を、開廷します。』
『弁護側、準備完了しています。』
ふー、久しぶりだな…。
『検察側、もとより準備完了しているわ!』『成歩堂くん、実に8年ぶりとなる、法廷ですが、大丈夫ですかな?また、狩…失礼、御剣主席検事、今回は、大変だと思いますが…』
『心配には、及ばないわ!私の仕事は、被告人を有罪にするだけ。それが、たとえ…大切な人であっても…!』
御剣冥、かなり辛そうだな…。
『それでは、御剣検事まず、事件の説明をお願いします。』
まずは、これを聞かないとな…。
『事件は、10月15日の午前5時から、午前7時の間に、発生。検事局・上席検事執務室1202号室において、検事の亜内武文の遺体が、発見されたわ。死因は、刃物による、刺殺よ。裁判長、被害者の、解剖記録を提出するわ。』
うん、これは、貰ったな。
『分かりました。亜内検事、惜しい人を亡くしましたな…。とにかく、証拠品として、受理します。』
『まず、初動捜査を担当した、糸鋸刑事を、証人として、入廷させるわ。』
〜糸鋸、現れる〜
『証人、名前は?』
『はっ、自分は、所轄署の殺人事件の初動捜査担当の刑事、糸鋸圭介ッス。』
『刑事、まず、被告人を逮捕した理由について、証言しなさい。』
『はっ、了解したッス。』
イトノコ刑事、辛そうだな…。

ー証言開始 被告人を逮捕した理由についてー

『自分は、事件当日、御剣検事に、書類を届ける最中だったッス。その書類を、届けるために、検事の部屋の、扉を開けた瞬間、御剣検事が、ナイフで亜内検事を、刺していたので、現行犯逮捕したッス』

『うーん、なるほど、分かりました。では、弁護人、尋問をお願いします。』
『分かりました。』
よし、頑張るぞ!

ー尋問開始 被告人を逮捕した理由についてー

『自分は、事件当日、御剣検事に、書類を届ける最中だったッス。』
『待った!それは、何の書類でしたか?』
パシッ!
『異議あり!それは、事件とは、関係のないことよ。裁判長、質問を、却下しなさい。』
『うーん、たしかに、事件とは、無関係のようですね。』
くそっ…
『次に、いっても良いッスか?その書類を、届けるために、検事の部屋の、扉を開けた瞬間、御剣検事が、ナイフで亜内検事を、刺していたので、現行犯逮捕したッス』
『待った!それは、本当に、被告人がナイフを刺すところでしたか?』
『そうッス!自分が、間違える訳がないッス!』うーん、どうだろう、今の証言は?さらに、突っ込もうか?
『糸鋸刑事、あなたはなぜ、被告人が、刺したと思ったのですか?』
『それはッスねぇ…、被告人の逆手の指紋が付着していたからッス!』
うーん、どうだろう?
『異議あり!被告人の指紋が逆手の状態だからといって、刺したとは、限りません。』
『異議あり!では、なぜナイフには被告人の指紋が逆手の状態で付着していたというの?それを、立証しない限り、弁護人の発言に根拠はないわ!』
『たしかに。弁護人、具体的に一体、どのようなケースだとそのような指紋が付着するのですか?』
おい、裁判長、あんた去年の僕の事件を、もう忘れたのか?さすがに、あやめさんの事件は、覚えていないだろうけど…。
『簡単なことです。逆手にナイフを、持つのは何も刺すときだけとは、限りません。例えば、そう抜く時とかね。』
『あっ…。あー!!!!!!!!!!!!!!!』
パシッ
『弁護人のいうことは、推測にすぎないわ!』
『異議あり!しかし、もし被告人がナイフで、刺したのなら、明らかにおかしいことが、あります。』
『なんです⁈成歩堂くん、それは、事実なのですか?それでは、それを教えていただきましょう。ただし、』
『間違えたら、相当のペナルティね』
そっかあ、そういえば、ペナルティがあるんだった…。
『良いでしょう。くらえ!』(ナイフ)
『これは、凶器ですな。これのどこが、おかしいのですかな?』
『たしかに、これだけでは、分かりません。しかし、これも合わせて、くらえ!』
(レシート)
『こっ、こっ、これは、レシート…』
さすが、御剣冥だな。一発で分かったな。
『何なのですかな?私には、分かりません。』
仕方ないな、分かっていない裁判長に説明するか。
『裁判長、そもそもこのナイフが、なぜ被告人の執務室にあるのでしょう。それは、被告人が、妻である御剣冥検事のために、買ってきたナイフで、仕事の休み時間に、事件の前日に、買ってきたものなのです。そんなナイフで、被告人が、被害者を刺すでしょうか?』

⇒To Be Continued...

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集