風が冷たくて
作者: 俊忌   URL: http://herizousann1.blog109.fc2.com/   2010年01月18日(月) 21時34分13秒公開   ID:V77pQDaE4xk
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――――――――神様なんていない・・・超能力者も幽霊もそんな眠たいものはあってはいけないんだ・・・・
今は21世紀 何でも科学で証明できる時代・・・パソコンも携帯電話も君の腕時計も
そして人の脳も電気信号・・・だとしたら僕たちは 僕たちの想いはなんなのだろうか・・・電気信号? それとも・・・

            〜風がつめたくて 1/4の想い〜

様刻の親父が死んで6年、特に問題なし、毎日楽しく生きてるよな、俺達・・・おかしいのは俺だよな? 答えなくていい、答えないでくれ・・・
続くよね、この関係、ずっと・・大人になっても いつでも笑ってられるよね・・・ 私たち 終わるならもう少しあとにて・・・・お願いだから・・・
ごめんね、私はずっとあなたを騙している、私には信じられる資格も、愛される資格もないのにね ごめんねけど、このままでいい できることなら・・・ずっと

     「 一つ目と二つ目の想い」

学校の帰り道 遠回りをしながら家に帰った。 
べつに家に帰りたくない訳じゃないけど、ただふらり自然的に・・・最近は散歩が趣味なのかもしれない。 やる気のない堕落した、高校生 俺は、櫃内様刻(ひつうちさまとき
季節は10月 少し風が肌寒い季節。もうすっかりあたりは暗くなっている。しかし
今の道路は整備されて夜でもすこしは明るい あたり前か・・・それにまだ7時だし、
そろそろ夕飯の時間だし 帰ろうかな・・・今日の夕飯の事を考えながら家に向かた。 
多分、家には夕食の用意をしている 妹 櫃内 梨絵(ひつうち りえ)と二年前から ほぼ毎日夕飯を作ってくれている、琴原 佐恵(ことはら さえ)が居るだろう。
今日も親友の、迎槻 春彦(むかえずき はるひこ)と春彦がバイトの時間まで遊んでいた、かれど春彦のバイトの時間まで遊んでも夕食まで時間がまだあるからこうして散歩をして時間をつぶしていた。しかし遊んでいた場所から家はあまり遠くない。20分前後で家についた。 紫荘 あまり綺麗とはいえないが俺はなかなかに気にっている どこか物足りなく どこか威厳のあり どこか寂しい 理由がそれだけじゃないのはわかっている、けれどもそれは今はわからない。
共通の靴箱の上に花瓶のある玄関 右に階段 左の廊下突き当たりに管理人の絃爺さんの部屋、階段を登って 目の前のドアが俺と梨絵の部屋 中から声が聞こえる ただいまと声を出しながら扉を開けた 「あら お帰りなさい。今日は少し遅いね」ドアをあけるとエプロンをした佐恵が料理を作っていた。
「おかえり お兄ちゃん。」水道の方にいる梨絵が声をかけてきた。 「ああ ただいま、少し春彦と遊びすぎた。」そう言っておくに入っていった。後ろを向けば二人が夕飯を作っている。
いつもの光景 家に帰ると佐恵と梨絵が夕飯を作っている いつものようにテーブルの上を片付け制服を脱ぎながら「佐恵・・・ いつもありがとな。」
佐恵達に聞こえない声でお礼を言うのが俺の日課、しばらくすれば夕飯ができるのでテレビを観ながら待つことにした。観たい番組がないから 癖なのか、すぐにチャンネルを回す そういえばこの癖を佐恵がせわしないからやめろって言ってたかな。 すぐにニュースのやっている番組にまわし黙って観たていた。
結局 どんなに自分の中で大事も世間や世界の中では小さな存在なのかと今さらなことを考えていた。ニュースでは世界の科学の進化を褒めていた。 どうでもいいな。
そんなことを考えながら時間を潰していると夕飯ができたようだ。「様刻ぃ お皿出して〜」これが 夕飯完成の合図勢いよく返事をし三人分の皿を出した。
「いただきます。」いつものように夕飯を食べながら 何気ない会話をする。
他愛のない雑談 小一時間ほどで食べ終わり 一息してから
「じゃ佐恵を送ってくるよ」そう梨絵に伝え部屋を出た。
佐恵を送っている途中ではあまり会話はないが、またとつぜん「ねぇまた、どこか行かない?」最近、毎日言ってくる。背が低いため俺を見上げながら頼み込むように
「良いけどあんまり遅くならない程度の距離な」ここら辺はあまり遅くまで店はやっていない、いつものように自然公園に向かって行った。はいた息が白くなるほどに寒い夜二人で。古ぼけた休憩場 三人がけのベンチがコの字型に並んでいた。人は誰もいない 
屋根から小さな電球がぼんやり光っている 人気がないし、まわりには冬の気温で冷たくなった遊具ばかりだからか、手元もおぼつかないような明かりでも頼もしく思える、そんな場所。 自然公園のため休憩所の周りは草木が茂っていた、もう枯葉ばかり ここにくるとまるで世界が俺たちだけになったような寂しい感覚におちいる。ここにきても特に会話は弾まない、少しの沈黙を置いて
「今日が終わっちゃうね」ここにくると必ず佐恵はつぶやく。
「ああ 明日は日曜だし遊びに良くか?」俺たちは毎週のように日曜日は町に行く
何しに行く訳じゃないけど「けど冬はイマイチ遊びにくいよな。」 
「そうだね またクラレットに行こうよ。」 
 クラレット、隣の部屋の横島朔太郎さんが営んでる喫茶店 小洒落れない 飾らない 意識しない をイメージした店だって言ってたっけ イメージしている時点で意識してるということは本人には言ってない。リピーターもいて中々繁盛している 僕たちはいつもここで雑談している。
「ああ じゃあ春彦に連絡しとくよ そろそろ帰ろうか。」 手を伸ばして、佐恵を立ち上がらせる。
「んしょ・・・そうだね もう9時過ぎてるもんね。」佐恵の家まで送って、 
帰り道に春彦にメールをする「明日クラレットで集まろう」えらく簡単なメール。送信 
いつものように公園に着いたら佐恵が必ず言う「今日が終わっちゃうね。」について考えていた。佐恵はなぜ毎回言うのだろうか・・・いつものようになぞのまま家に帰った。

家に帰ると風呂上りの梨絵がテレビを見ながらくつろいでいた。
「お兄ちゃん遅いよ 最近どこ行ってるの?」少し怒ったように言ってくる
「ああ また散歩してきただけだよ。」嘘では無い。
「散歩も良いけどもっと他の趣味は無いの?」散歩が趣味って訳じゃないんだけど、
「金のかからない趣味っていったらこれだろ? 風呂入ってくるよ。」 その日は風呂に入ったらすぐに寝た。 いつもこんな感じ ちなみに俺たちは 8畳一間の部屋と共通のトイレ 絃爺さんが善意で貸してくれる風呂で生活している。最初は年頃の妹 梨絵と同じ部屋で寝るのは梨絵が嫌がるのかと思っていたがそんなことはなく いろんな人のお陰で梨絵と静かにゆっくり生活している。
 
10月21日
今日は日曜日佐恵たちとクラレットに行く予定、簡単な朝食を食べ 
昼ごろまで家でのんびり大の字で横になっていると、
「お兄ちゃん、日曜日だからって部屋で大の字で斜めに寝ないでよ 、掃除機かけられないよ!」掃除機の先端部でつついてきた。
「悪い悪い 日曜って大の字で寝たくなるんだよ」起き上がりながら答える。
「んもーそんなこと言ってないで、私が掃除機かけてる間にお兄ちゃん、布団干しきてよ。」 俺たちは週一で布団を干す
二人分の布団をもってしたの階に向かう 階段を下りながら後ろから声がした。 
「やあ 様刻くん 朝からがんばってるね。」 朔太郎さんが声をかけてきた。
布団で後ろが見えないから一階に下りてから
「おはようございます 今日夕方から朔太郎さんの所行きますんで 朔太郎さんこそがんばってきてください。」 朔太郎さんは階段をおりて
「ははは 大丈夫だよ、まだまだ若いつもりだからね あっはっはっは」 両手を腰において豪快に笑いだした。「それじゃ行ってくるよ。」半分笑い片手をあげながらそうつたえ、玄関に向かっていった。 
「はい いってらしゃい。」
サンダルを履いて中庭に入って行く 庭と言うか、たいした広さではないが 物干し竿に布団をかけて布団をたたいていく。 
天気が良いからすぐ乾くだろう サンダルを脱いで廊下を歩いていると 
「あー 様刻くん すまんがちょっと来てくれ。」 絃爺さんが扉ごしに話かけてくる。 「あ、はい 今行きます。」いつも思うが何で扉ごしで俺だとわかるんだろうか ドアを開けて絃爺さんの部屋に入る。「様刻くん悪いが電球を取り替えてくれないか 昨日の夜からつかないんだよ」 四つの電球の内一つを指して言ってきた。
「あれですか 変えの電球はドコにありますか?」
「おお 電球ならここにあるぞい。」手に持っている電球を渡してきた 「はい これでつくと思います。」
「すまんな様刻くん お礼と言っちゃ何だがお茶でも飲んでいってくれ。」そういいながら台所に向かっていった 数分で爺さんはテーブルに湯のみ二つを持ってきた。
「あ、ありがとうございます。」 良いながらうけっとった 
「様刻くん 最近どうじゃい? なにか問題はあるかい?」 絃爺さんはお茶を飲むとき必ず言う これがお年寄りなのだろうか
「はぁ 問題ていうかその手の物は何もないですね。」
「そいうかい そうかい それが一番じゃわい何か問題があったらいつでもワシのところに来てくれ。」 「はい 頼りにしてますよ」
「こんな爺さんでもやれることは少しはあるからなぁ。」 開いてるてるような閉じてるような目で絃爺さんは俺を見つめている。
「それじゃ もう戻りますね。」 湯のみを置いて立ち上がった
「春彦のことを頼むぞ」 「春彦のことで頼まれるようなことはありませんよ」
そう伝え部屋から出た 二階からはもう掃除機の音は聞こえなくなっていた。 
階段を登り、戸を開けると掃除機のフィルター換えに梨絵が奮闘している
「いつもここがわかりにくいんだよな・・・」梨絵が一人ごとを言っていた。「どれ貸してごらん」 掃除機のフィルターを観ながら適当に突っ込む。厚紙の端が折れたが気にしない
「お兄ちゃんはいつも雑だよね」困ったように笑いながら言う。
「まぁね けどこんなんで大体問題ないんだよ」話ながら時計を見る もうそろそろ良い時間だ上着を着ながら伝える。 
「そろそろ行こうか」 時間は12時を回っていた 梨絵が着替えるので 絃爺さんの部屋で新聞を読みながら梨絵を待った。
目を引いた記事はないが一番大きい記事を読み、数分で梨絵が降りて来た。
「じゃいこうか じゃ 絃爺さん行ってきます。」 絃爺さんは笑いながら手を振っていた 梨絵も挨拶をして家を出た。 今日も寒いが天気はよい

春彦の家に行きチャイムを押す 「はい どなた?」 
少しの間をおいて恵美おばさんが出てきた。
「あ 様刻です 春彦いますか?」 
「あら 様刻くん元気してた? そんなことより春彦ね はいはい 今呼んどくから。」 
そういって会話が切れた 家の中から階段を下りる音が聞こえた。 
すぐにドアが開いて春彦がでてきた、 
「オイッス! おはよう様刻 それに梨絵! んじゃさっさと行きますか。」 
次は佐恵の家に向かいながら歩きだした 佐恵の家に向かう途中で春彦が言い出した 「一日クラレットにいるのもなんだか退屈じゃないか?」 確かにいつもは繁華街でウィンドウショッピングをしている。
 あいにく貧乏学生は何かをか買っている訳で話ないがああだ、こうだと話している。 
「じゃあまずドコに行く? また 商店街でショウウィンドウみてるか?」笑いながら春彦に返した 
「ああ 俺はかまわないぜ」春彦も笑いながら言ってくるそんな中、梨絵が言い出した。
「私もそれでいいけど、とりあえず佐恵さんに聞こうよ」 俺たちの間に割り込んでいった。 
「ああ そうだな とりあえず佐恵の家に向かおうか」 その後も雑談を続けながら佐恵の家に向かった。
佐恵の家に着くと家の前で佐恵が待っていた「みんな遅いよ」そういいながら笑いながら手を振ってくる。 佐恵は寒がりせいか俺たちよりも随分着込んでいた
「全員そろったことだしいきますか ところで佐恵 今日はドコに行こうか、春彦が一日店に居るのはつまらないって言ってるんだけど」半分笑いながら佐恵にいう。 
佐恵は少し悩んでいった 「また適当に商店街をうろついてれば良いんじゃない?」
案外 佐恵も適当に考えてるんだな・・・まぁいいや。 
「っと言う訳で適当にブラブラしてるか」 春彦は伸びをしながら言い出した。 
10月の寒空の中 もう冬か大分、寒くなったよな なんて事を一人感じていた。 
四人で町中を理由もなく回っていった、時刻は、もう4時 「そろそろ 店に行くか」
春彦がアクビをしながら言い出した。 
「おいおいアクビしながら言うなよ」春彦のわき腹をつつきながらいうちなみにクラレットは駅から十分ほどで現在地からはもっと近かった。

⇒To Be Continued...

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