VOACLOID(初音ミク)
作者: 紅夜桜◆X8NBuQ4l6uQ   2009年05月25日(月) 23時27分27秒公開   ID:P4s2KG9zUIE
第一話 初めての音
ピンポーン…!!
『…ーお届け物でーす!』
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ドサッ…ペリペリ…
『ふぅ…結構重いんだね』彼は呟きつつ箱を空ける。
部屋は少し汚くて狭いが、彼は一人暮らしだった。
『少しは僕の相手してくれるかな…』
彼は持て余す時間を何にも費やせず、
新型のボーカロイド“初音ミク”を購入したのだった。
『うわぁ…凄い…』と彼は漏らした。
箱の中には綺麗な容姿のとても機械とは思えぬ“初音ミク”が居た。
彼は説明書を手に取り、黙読する。
『え…何だよ、一体どういう…』
説明書にはお姫様らしくキスで目覚めさせて下さい(笑)と書かれていた。
『キスって…、というか(笑)って何だよ…』とぼやく。
内心は嬉しかったりなのだがファーストキスなのである。
彼は躊躇った。
(僕の最初のキス… 良いのか…?)自問自答する。
(いや相手は機械だ… キスには入らない…)
自分にそう言い聞かせ、そっと唇を近づける。
『…くっ、一思いにッ…』とミクに唇を重ねた。
…柔らかくて暖かい、機械とは思えぬ感情を受けた。
その瞬間ミクの目が開いた…。
『ご主人様、お名前をお伺いしても良いでしょうか?』ミクが訪ねる
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