影の参戦
作者: ルー   2008年12月08日(月) 15時00分06秒公開   ID:mFJ8v.7X.Yo
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[まったく誰だよ、俺にあってほしい奴って・・・」
さっきゼルダと一緒に食事の買出しに行って帰ってきたらこれだ。
「早く帰って食事を作らないとカービィたちが暴れだすかもしれないのに・・・う〜ん、よし誰もこないみたいだし帰るか」
などと呟きながら終点にあるワープ装置に乗ろうとした瞬間に、警報音が辺りに響いた。チャレンジャー出現の合図である。
「やっときたか・・・」
と後ろを見るとリンクは自分の目を疑った。
そこには、自分が倒したはずの影の姿があったからだ。
「!?何でお前がここにいる!お前は確かに俺が倒したはず!」
瞬時にマスターソードと構え、警戒態勢に入る。
「しらねえよ、白い手袋の形をしたマスターハンドという奴がここに来ればいいことがあるとか言って勝手に蘇らされてここに連れてこられたんだからよ。」
一方の影ーーーダークといえば面倒くさいといった様子で頭をかいている。
なんだって、こいつが生きてるんだ?
そんなことを考えていると戦闘開始の合図、「LEADY GO!」というナレーションが響いた。
「は?」
いまだ状況を理解していないリンクがすっとぼけた声を上げている間に、ダークが攻撃しようとしていた。
「まあいいや、ここでお前を倒せば俺はお前になれるかもしれないからな。」
そう言うとダークは黒いマスターソードを構え、リンクに向かって突っ込む。
その時に、このままではまずいと思ったのかようやくがリンクが行動を開始した。
ダークの攻撃を避け、力を溜めて回転斬りを放つ。
とっさの行動に反応できなかったのかダークは避けきれず攻撃が直撃しステージの端へ。
「ちぃ!・・・、さすがに俺のオリジナルなだけある・・・、だがこれはよけられるかな?」
そう言うとダークはリンクのマスターソードの上に乗りリンクの顔を蹴飛ばす。
「ぐ・・!」
顔を蹴飛ばされこちらもステージ端に。
そこへすかさず、ダークが突きをしかけてきた。
だが、それを避けてリンクが爆弾を投げる。
「な!?」
バランスを崩したダークに、爆弾を避けれるはずもなくダークは場外に落ちていった。
ダークが場外に落ちたと同時に、「GEME SET!」というナレーションが響いた。
ふう、とリンクが一呼吸つく。
しばらくするとワープ装置のほうから音がし後ろから声をかけられた。
「リンク!」
振り向かなくても分かるこの声は・・・ゼルダだ。
「屋敷を探してもいないから、皆さんに聞いてたんですよ?そしたら、ここにいるってクレイジーが教えてくれて・・・もしかして誰かと戦ってたんですか?」
ゼルダがたずねる。
「ああ、でももう終わったよ。そろそろもどってくるはずだけど。」
リンクが辺りを見回すとステージの中心にダークが戻ってきた。
「もしかして、ダークですか?」
「・・・ああ。」
負けて不機嫌なダークがゼルダの質問に答える。
「そろそろ屋敷へもどるか。夕食の準備をしなきゃな。」
そういうと三人一緒にワープ装置へ乗った。
屋敷へ着くと、メンバーたちが次々と押し寄せてきた。
「リンク、やっと帰ってきたか。メシ作ってくれ。」
「やけに遅かったね、ゼルダと一緒ってことはデートしてたの?まあ早くいいやごはんつくってよ〜。」
マリオやネスに言われて時計をみると時刻は、午後7時半過ぎ。
ゼルダといろいろ話していたら、こんな時間になってしまった。
「はいはい、いますぐ作りますからまってくださいよ。あ、そうだそれより彼・・・。」
リンクとゼルダ二人の後ろにいたダークを紹介しようとしたら、突然どこからか出てきたマスターハンドとクレイジーハンドがダークをみんなの前に連れてってしまった。
「みんな、彼が一緒に住むことになったダークだ。」
二人が声を合わせて言う。
「・・・・・どうも。」
ダークが少し頭を下げてお辞儀する。
するとファルコンが、ダークを見てこう言ったのだ。
「お前リンクの兄弟?」
と不思議そうに尋ねる。
「え・・、ちが・・。」
そんなダークの声は届かず、ピーチやネス、挙句の果てにヨッシーたちまでいろいろなことを言い出した。
「え〜!リンクって兄弟いたの!?」
「もしかして双生児とか?それにしてもびっくりだわ〜。」
「両方ともそっくりですね〜。どちらが先に生まれたんですか?」
もはや言いたい放題だ。
「違うんですって!しかもヨッシーさんまで・・・!彼は俺の・・・って人の話聞いてるんですか!」
みんな本気で信じているので、説明しても意味がない。
「ねえ、年はリンクと同じなの?」
と誰かが聞いたが、返事がない。
ふ、とダークを探すといなくなっている。
一番近くにいたマスターとクレイジーに話しかけても、
「うお!いなくなってる!」
「一体いつの間に!」
と言うだけだ。
「リンク、探しましょう!」
言われなくてもそのつもりだ。
「たぶん、奴は俺がみんなに説明をしているときに影になっていなくなったんだと思う。だからそんな遠くには行ってないはずだ。」
言ってる間にもダークを探すためにリンクとゼルダの二人は走り出す。
マスター、クレイジーの二人も一後に続く。
「あ!」
四人が出て行った後、突然カービィが何か思い出したように声を上げる。
「ゴハン・・・・」
その頃、ダークは神殿に来ていた。
冷えた風が走ってかいた汗を拭い去って気持ちがよかった。
しばらくすると四人がやってきて自分の名前を呼んでいた。
とっさに柱の中に隠れる。
「おかしいな、あいつここにいると思ったのに・・・しょうがない、ゼルダがここを調べてくれ。俺たちはほかのところを探すから。」
リンクが回りを調べながらゼルダに言うと一方のゼルダは自分が隠れているところを見ていた。
「分かりました。」
とゼルダが言うと三人はワープ装置に乗り、別のステージに行ってしまった。
三人が行くとゼルダがこちらに近づいてきた。
「もう出て来ても大丈夫ですよ。」
「なんだ、姫さん気づいてたのか。」
「あたり前です、あの角度だったらだれでも分かりますよ。」
ゼルダが笑いながら言う。
三人がいた場所からはダークは見えなかったが、一番後ろにいたゼルダにはダークの姿が見えていたのだった。
「それより、なんでみんなのところから逃げ出したんですか?まだあなたのことを知らない人たちだっていたのに・・・」
ゼルダが質問した後、少し間をおいて答える。
「・・・俺がいる場所じゃないから。」
「え・・・?」

一方ーーー屋敷では子供たちや野獣が空腹のあまり暴れていた。
カービィは周りにあるものやファルコを食べようとするし、ピチューは泣き出してしまったりとドンキー、クッパ、ヨッシーに至っては手当たり次第に居間にあるものを壊している。
「はあ、はやくリンク帰ってきてくれないかしら・・このままじゃ屋敷がめちゃくちゃになっっちゃうわ・・・」
そんな光景を見てサムスが頭を抱えているとロイとマルス、ガノンドロフと子供リンクがいつのまにか近くに来ていた。
「お前ら、どこにいたんだ?」
マリオが尋ねると子供リンクが答えてくれた。
「四人で剣の稽古してたんだ、それよりリンク兄ちゃんやゼルダ姉ちゃんがいないけど?みんなごはんはどうしたの?」
子供リンクの質問にはミュウツー、プリン、ルイージ、アイスクライマー、フォックスが答えてくれた。
「さっきリンクが新しい参戦者を連れてきてさ・・・」
「それでマスターとクレイジーが紹介したんだけど」
「いつのまにか逃げてしまったんでしゅよ。」
「それでリンクたちが探しに行ったというわけだ。」
「で、なぜカービィたちが暴れているのかと言うと・・・」
「リンクがいないから、誰も料理を作る人がいないのか!」
フォックスが結論を言う前にロイが答えてしまった。
「まあ、そういうことなんだけどこの中で料理作れる人いる?」
すると、ガノンドロフと子供リンクが名乗りでた。
「お、お前ら料理作れるの?初めて知った・・」
「しつれいな、簡単なものくらいなら作れるぞ。」
「僕もリンク兄ちゃんに教わったから少しは作れるよ。それより逃げた参戦者って誰?」
自分の発言が気に入らなかったのか少しふてくされながらも、子供リンクが質問をしてきたので答えようとしたら、どこにいたのかいきなりMr・ゲームウォッチがでてきてまたフォックスが言うまえに言われてしまった。
「タシカダークトイウナマエッテイッテマシタヨ。」
「なん、だと・・・?」
その言葉にガノンドロフはなぜか驚きを隠せない様子だった。
「ガノンさん大丈夫ですか?というかその人を知ってるんですか?」
マルスがガノンのことを心配したのか声をかけた。
「ああ、奴はリンクの影から作り出した魔物だからな。けれど奴はリンクに倒されたはずだが・・・」
ガノンドロフは不思議に思いながらも子供リンクとキッチンに向かった。

「俺のいる場所じゃないってどういう意味ですか?」
ゼルダが少し怒っているかのように言う。
「それは・・・」
言えなかった。あんなに自分に接してくれる奴らがいるからなんて。ずっと闇の世界で一人ぼっちだった俺に話しかけてくれる奴らがいるからなんて。
そんなことをしているとリンクたちが戻ってきた。なぜかずぶぬれの状態で。
「リンクどうしたんですか?」
さっきまでの俺に対する態度とは変わって心配そうにリンクに尋ねる。
「どうしたもこうしたもないよ、グレートベイにダークを探しにいったらさ、この二人足滑らせて頭をぶつけて場外に落っこちたから助けてやったんだよ、まったく。」
リンクは言いながら二人を前に出した。見ると二人ともびしょぬれで頭にたんこぶを作って気絶していた。
「それよりリンク、ダークいましたよ」
ぶつぶつ文句を呟いているリンクにゼルダが呼びかける。するとリンクは今、気が付いたといった顔でこちらを見ていた。
「ダークここにいたのか。それよりなんで逃げたりなんかしたんだ?」
とリンクが言ったがダークは感情を抑えるのに必死だった。
そんなダークを見て答えられないのが分かったのかゼルダが代わりに答えた。
「あそこは俺のいる場所じゃないって言うんです。理由はわかりませんけど・・・」
その言葉で今まで抑えていたダークの感情が爆発した。
「お前らに俺の何がわかる!俺は生まれてからもお前に倒されたあともずっと一人ぼっちだったんだぞ!それに・・・それに俺はお前らみたいな幸せな奴等をみるとむかつくいてくるんだよ!」
そこまで言うと目から涙が溢れ出した。とめようとしてもとまらなかった。人の前で泣くなんて初めてだった。当然だろう、ずっと一人で彼―――ダークは一人で時間を過ごしてきたのだから。
それまでただ呆然とダークの話を聞いていた二人だったがやがてリンクがこう言った。
「お前一人がそんなだと思っていたのか?いいかよく聞けよ?ここに来ている人達はみんな辛い思いや過去を持っているんだ。だからお前一人が辛い思いをしているわけじゃないんだぜ?例えばさっき赤い帽子をかぶった人見ただろ?マリオさんっていうんだけどあの人弟に身長抜かれているし、弟のルイージさんは地味だし、あとそれから・・・んぐ・・・」
それは辛い過去とかじゃないと思うんですけど、と言いながらリンクの口を手でふさぎ、代わりにゼルダがダークをおだてるように微笑みながら話を続ける。
「とにかくリンクの話で辛い思いをしているのは、あなただけじゃないって分かったでしょう?ね?みんなのところに戻りましょう?」
その言葉にまた涙が流れてきて答えることはできなかった。これが嬉しさというものなのか?などと考えていると、いつの間に起きたのかマスターとクレイジーが近くに来ていた。
「いてて・・・そうさ、おまえだけが辛い思いをしている訳じゃないんだぜ」
「まだ紹介してない奴もいるしな。さあいつまでも泣いてないで帰るぞ」
そんなこと言っている二人だが、まだぶつけたところが痛いのか未だに頭をさすっていた。
ダークはそんな四人の言葉に説得されたのか、首を縦に振り分かったと言った。
「よーし、それじゃ帰るか、やばいぞもう8時過ぎてるぞ!」
「そうえばまだ夕食食べてませんよね?早く帰らないとカービィたちに怒られちゃう・・・」
「ダークはお腹すいてないんですか?私たちなにも食べずにあなたを探しにきましたから何も食べてないんですけど・・・?ダークどうかしたんですか?」
「な、なんでもねえよ、なんだよリンクそんな顔でこっち見るなよ!」
さっきまでの態度はどこにいったのかゼルダが気づくまで顔を見ていたダークは顔を赤くしながら否定する。それに気づいたのかリンクが疑っている様子でこちらを見ている。
そんな会話をしながら、四人がワープ装置に乗ったあと神殿には誰もいなくなった。

「ただいま〜・・・ってなんかいい匂いがするんだけど・・・」
屋敷に入って最初に匂いに気づいたのはマスターだった。不思議に思いながらも居間に向かうと全員が椅子に座って喋っていた。

⇒To Be Continued...

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