第23話 壊れはじめた世界
作者: 邪神   2012年07月07日(土) 20時12分16秒公開   ID:ruLD3r9Qyus
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怪物の傷が回復していくのだ。地下室で戦ったあの敵のように。

「ち!」

光平は再び空中に飛び、右腕の光の篭手に力を込めた。

「くらいやがれ!」

右腕を怪物の方へ向けた。篭手から光のエネルギー弾が発射され、怪物の体に次々に命中する。

「グッ!」

怪物が呻いた。どうやらかなり効いている様子だ。

「トドメだ!」

光平は最大限まで高めた光のエネルギーを両足に集中させ、超スピードで急降下した。

急行した光平は両足のキックを怪物に命中させた。

凄まじい爆発が起きると同時に、光平は地面に着地した。

「やったか!?」

光平は後ろを振り返った。爆発で巻き起こった煙が消えると、地面にはバラバラになった怪物の残骸が散らばっていた。

「やったぜ!さあ、正志達の後を追わないと……」

光平は戦士の変身を解除し、正志達が行った方向に進んだ。

散らばった怪物の破片が全て集まり、再生していることも知らずに……。



光平が怪物を倒した時とほぼ同時刻、正志達はウェスカーが電話で指定したホールのような場所にたどり着いていた。

そこはかなり広く、闘技場のような場所だった。

「着いたぞ。出てこい、ウェスカー!」

サムライエッジを構えた正志が、周囲を警戒しながら叫んだ。

「そう焦るな、オレは逃げも隠れもしないぞ」

悪意に満ちたその声を聞いた正志達は、後ろを振り返った。

180を超える鍛え上げられた長身の肉体・金髪のオールバック・漆黒のサングラスをかけたその男は、ニヤリと悪魔を彷彿とさせる笑みを浮かべた。顔には大きな目立つ傷跡が残っている。

「ようやく会えたな、西山正志」

その男…アルバートウェスカーは、赤色の目を不気味に光らせながら言った。
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