番外編 正志の秘密 | |
作者:
邪神
2012年07月06日(金) 19時53分29秒公開
ID:ruLD3r9Qyus
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詩織の言葉に樹里は一瞬固まった。 「……どういうこと?」 ぽつんと呟いた樹里の言葉に詩織は再び語り始める。 「『バイオハザード』・『サイレントヒル』・『クロックタワー』・『SIREN』・『鬼武者』・『デットライジング』・『零』……これら7つのホラーゲームの全てが本当に存在する並行世界が誕生し、崩壊の危機を迎えようとしています。そのことに気づいた私は、それを防ぐことができる資格を持つ7人の人間を試練を与えて見出しました。正志くんもその7人の中の1人です」 詩織は指をパチッと鳴らした。すると黒い上空に映像が映し出された。 地球が7つあり、それぞれの地球にはその世界を司るゲームのパッケージが写っていた。そして、その中のひとつ・『バイオハザード』の並行世界が映し出される。 「彼は今、世界の崩壊を防ぐため必死で戦っています」 詩織の言葉を聞いていた樹里は、次第に怒りがこみ上げてくるのを感じた。 「黙って聞いていればずいぶん勝手なことを……。それじゃあ、正志はどうなるの?」 樹里の質問に詩織は答えた。 「彼1人だけではこの試練を乗り越えられないでしょう。そのため、他のホラーゲームの世界でそれぞれ主人公を務めた人間達をサポートに向かわせています」 「話を逸らさないでもらえるかしら!私が聞きたいのはそういうことじゃない。正志が死ぬことだってありえるんでしょ?」 樹里の怒りの言葉に詩織は一瞬たじろいた。 「その可能性はありえます。しかし、それを防ぐため『バイオハザード』の世界の主人公達や他のホラーゲームの世界で主人公を務めた人間達をサポートに向かわせています。それに、もし彼が命を落としたとしても私が生き返らせます」 詩織はゆっくりと樹里に優しく語った。 「そうなの……。それで正志はいつ帰れるの?」 詩織は落ち着きを取り戻して尋ねた。 「先程も申し上げたように、世界の崩壊を完全に防ぐまでです。それまでは帰ることはできません」 「そう……。じゃあ、2つだけお願いしていいかしら?」 樹里は首から何かを外しながら言った。そして外した物を詩織に渡して言った。 「これを正志に渡して。それと正志が帰るまでこの世界の時間を止めておいてほしいの」 樹里の言葉に詩織は驚いた。 「どうしてですか?」 詩織の返事に樹里は苦笑しながら言った。 「私も翔も年を取りながら待ち続けるのは嫌。元のままのほうがいい。だからお願い」 樹里の真剣な表情を察した詩織は力強く首を縦に振った。 「わかりました。絶対に正志くんを死なせません。必ず生きて帰らせます」 その言葉を聞いて樹里は安堵の表情を浮かべた。 「それでは、私は行きます。何か伝えることはありますか?」 「無事に帰ってきなさいって伝えて」 詩織は再び頷いてオーロラの向こうに姿を消した。すると、元の景色に戻った。 (正志、しばらく会えなくなって寂しいけど、我慢する。頑張りなさい!それと……お願い、どうか無事でいて) 心の中でそう呟いた後、樹里の動きが止まった。それだけではない、詩織の力によって「正志の世界」の時間そのものが止まったのだ。 止まった時間が再び動き出すのは、正志が戦士としての任務を終えてからになる。 そして物語の舞台は、再び『バイオハザード』の並行世界へ移っていく……。 |
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