切り裂かれた逆転21
作者: 10join   2007年10月25日(木) 11時37分56秒公開   ID:BaKjuKOI7.w
10月18日 午前9時47分 被告人第4控え室
 いよいよ最後の法廷だ。これが最後のチャンスだ。気合いを入れて行こう。それはそうとなんで作者は平日のこんな時間に更新ができるんだ?まさか学校さぼってるんじゃないだろうな。
『なんから知らないけど休みなんだ。プリントまで配られたから間違いない。明日も3限で終わりだ。』
 だからこんな時間に更新してるのか。作者は受験生じゃないのか?
「だから早く終らせたいんじゃないの?そうすれば少し休んでもいいだろうし。」
 真宵ちゃんが言う事も最もかもしれない。まあ実際にはもうとっくの昔に終ってたんだろうけど。
「そんなことより大丈夫なんですか。今日で終わりなんでしょう。」
 防人さんが不安そうにしている。それはそうだ。もしバロンとして有罪になれば確実に死刑だろう。情状酌量だって認められそうにない。いくらだれかに恨みがあるからといっても関係ない人まで殺すのが許されるはずがない。
「まあなんとかなるだろう。」
「証拠もこれだけあるし。」
「逆に多過ぎて作者が記憶できてないっていうこともあるんじゃない?」
 無限君たちが好き勝手なことを言っている。作者そのへんは問題ないのか?
『まあ必要な証拠さえ覚えてれば問題ない。』
 かなり適当だな。それはそうと空悟君の姿が見えない。一体
「そろそろ時間です。準備して下さい。」
 いつもと同じ係官が言った。ひょっとして人手が足りないのか?

同日 午前10時 地方裁判所第2法廷
 カッ!
 いつものように裁判長の木槌の音で法廷が始まった。
「これより防人砦の裁判を始めます。」
「弁護側準備完了しています。」
「検察側、システムオールグリーンだ。」
 サーベ検事のその使い方は合っているのか?そもそもぼくには全く言葉の意味がわからない。
「サーベ検事。誰か被害者を恨んでいそうな人は見つかりましたか?」
「問題ない。今ここに来てるからいつでも呼び出せるよ。」
「ではその人に証言させて下さい。」
 大体証人の検討はついている。でもいきなりあの人が出て来るのか?
「それじゃあ今日の証人の武羅布公成に入廷してもらおうか。」
 いきなりそう来るのか。はっきり言ってこの人が一番怪しい。これはいきなり最終決戦になりそうな予感だな。まあ作者のことだから話数は結構使うだろうけど。

「証人。名前と職業をいってくれないか。」
「武羅布公成。職業はフリーターです。」
 かなり適当な設定だな。そりゃニートだったらあそこまでミステリー買えないような気は確かにするけど。
「それで証人と被害者の関係はどうなのですか?」
「全くの赤の他人です。なぜ自分が呼ばれているのかもわかりません。」
 え?なんかいきなり真っ向から否定してきたぞ。こういう時どうすればいいんだ?
「尋問すればわかるんじゃない?何もつかんでなくてイトノコ刑事が行ったりしないよ。」
 それもそうか。イトノコ刑事が独断で行ったにしてはいやに根回しが早かったからな。間違いないだろう。
「なんかものすごくひどい事を言われてる気がするッス。」
「それでは証言をして下さい。」
 イトノコ刑事の抗議を軽く無視して証言に入った。

《被害者との関係》

〈ぼくは被害者のことはよく知りません。〉
「待った!よくという事は合った事はあるんですか?」
 確かにそうとも取れる。ここは重要かもしれないぞ。
「いいえ。そういうことではないんです。」
 軽く否定された。まあこんな所ではボロは出さないだろうな。
「まあそれは次の証言を聞けばその言い分が分かるだろう。」

〈ぼくが知っているのはテレビが伝えていることだけです。〉
「待った!そこでは被害者の名前は出ていましたか?」
「はい。確か烏賊様宏でしたよ。」
 確かに間違っていない。でも本当にバロンの事件の被害者の名前がいちいち出るのか?
「今回は被害者が1人だけだったから出たらしい。他の事件ではあまりにも多いから盗まれた物だけが報道されたみたいだよ。」
 どうやら言っていることは間違いないようだ。ここは飛ばしてもいい所みたいだ。

〈ぼくには被害者とは全く関わりがありません。〉
「待った!全くないんですか?」
「ありません。本当にあまりよく知らないんです。」
 これは本当につっこみ所がないかもしれない。でもまだ証言は続くみたいだ。なにかが出て来る事を祈ろう。
「それじゃ続けてくれ。」
 サーベ検事が思いっきりスルーした。次は一体なにが出て来るんだろう。

〈今の彼とは話をしたことすらありません。〉
「待った!今なんていいました?」
 一見なんのことはない証言だったけどぼくは聞き逃さなかった。武羅布さんはなんだかわからないような顔をしている。
「え?彼とは話をしたこともないって言っただけですよ。」
「彼が聞きたいのはそんなことじゃない。キミさっき『今の彼』って言ったよね。あれって一体どういう意味?」
サーベ検事に言われてようやく気が付いたようだ。さっきまでの余裕が顔から消え失せていた。反対にサーベ検事の王冠は光輝いている。どうやら面白くなりそうだと感じたようだ。
「まるで整形する前の烏賊様さんのことは知っているような言い草ですね。」
 裁判長もようやく気付いたようだ。この言葉の意味が
「そういえば武羅布さん前も『今の彼の事は知らないんだな。』っていう質問にも普通に答えてたよね。普通今のってどういう意味なのかって聞くはずなのに。」
 真宵ちゃんに言われてぼくもようやくこのことを思い出した。
「こ、言葉のあやです。それともぼくがなにか被害者と関係があるっていう証拠でもあるんですか?」
 かなり焦っている。ここで一気に畳み込もう。

「もちろんあります。くらえ!」
 つきつけたのは英里さんの証言書だ。確証はないけどなんだかわかったような気がする。
「この証言書がどうしたんですか?結婚寸前に逃げられて連帯保証人になった人がいることしかわかりません。」
「問題なのはそこに書いてある少年のあだ名です。彼はこーせいと呼ばれていたそうです。武羅布さんの名前を他の読み方で読んでみるとどうなりますか?」
「こうせい。確かにそう読めます。」
 そう。彼がその時の少年だった可能性はある。でも何かが足りないような気がする。
「それだけじゃない。ここにこんな資料がある。」
 そう言ってサーベ検事が出した資料を見ると、そこには武羅布という名前の女の人が結婚寸前で勝手に連帯保証人にして逃げた男を探して欲しいという通報があったという記録があった。結局捜査してみたが見つからなかったらしい。その女の人にはきみなりという名前の男の子がいたという。しかも証言書に書かれた時期とほぼ同じだったんです。
「これでもまだ言い逃れできるんですか?武羅布なんて名字そうはいませんよ。」
 武羅布さんはしばらく何も言わなかった。でもどうやら立ち直ったみたいだ。
「そこまでわかってるんなら仕方ありません。確かにぼくがその少年です。でもそれがわかったからどうなんですか?」
 確かにその通りだ。まだだからどうしたという段階だろう。
「それじゃあ次の証言に移るか。」
 サーベ検事が言った。一体次はどんな証言が飛び出すんだろう。
  
                                  つづく

 
 
 
 
■作者からのメッセージ
次の話でかなりくわしいことがわかります。比較的早く更新できると思います。

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