逆転してない詐欺
作者: クルマニア   URL: http://blogs.yahoo.co.jp/kazuki_1515   2007年08月18日(土) 06時38分46秒公開   ID:q31BGL9FL2o
なんでだ!なんで前回俺が登場しなかったんだ!?
休憩中に事件起きてんじゃねーよ!!
ってか、裁判長みてーなオッサンいたけど、公務員ってバイトしていいのかよ!?
ちょっとタイホくんドリンクを失敬したらバイトクビになっちまったし、
だから今バイトを探している真っ最中だ。就職する気はねぇ。ただナタネは金が掛かるからなぁ。
ちなみにナタネというのは俺の彼女だ。まぁ、今はモンゴルへ相撲を見に行くって言って行っちゃったけど。
インターネットでバイトを探しているのだが、なかなかみつからない。やっぱり高収入でラクで寝ながら出来て1日1時間だけのバイトってのはなかなか無いモンだ。高校行けばよかった。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥あった。
高収入でラクで寝ながら出来て1日1時間だけのバイトが見つかった!やったぜ!
資格:不要 携帯電話が使える方なら誰でもOK!
これぞ、俺にふさわしいバイトだ!
早速、成歩堂から1枚貰った履歴書に書いて応募した。
結果は、採用。
早速、採用通知に書いてある場所へ向かった。

書いてある場所に到着。
ここは、
カラオケボックス『バンドー』。
街一番のBIGなカラオケボックスだ。
でも、カラオケボックスのバイトに応募した覚えねーぞ。なんでだ?
「うぉぉぉぉおおらぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!矢張政志ィィィィィィッ!!」
オンボロのスクーターに乗って俺の名前を大声で叫んでいるヤツを発見。
赤い顔をしていて、成歩堂をパクったとしか思えない髪型をしている。誰だよオマエ。
「キサマが矢張政志だなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
なんなんだ?うおりゃぁぁぁぁぁぁぁ!って。
それにしても、コイツが登場してから街の放送スピーカーから逆転裁判3をプレイしていた時に聞いたことのある曲が流れているんだが。
「ご苦労なこっちゃなぁ‥‥、ワザワザ詐欺グループに履歴書を送るとは。」
さ、詐欺グループだと!?
「ど、どういうこ‥」
「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
うわっ!怖ェ!!
俺は、とっさにカラオケのカンバンの影に隠れた。
「何しとんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
怖ェ!!
俺はとっさにカラオケのカンバンの影から出てしまった。恐怖のあまり。
「さっさと付いてこんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいぃ!」
怖ェ!!
カラオケの入り口まで引きずられた。
そして、10番の部屋に連れてかれた。
中には数名(2人だが)の人がいた。
「コイツが新しく入るヤツッスか?」
コイツ!どっかで見たことがある!!‥‥思い出せない。
「1ドリンク制だから、早く選ぶッス!」
「そんな事はどうでもいいんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「ひゃ、ひゃぁぁぁ!す、すまねぇッス!!」
この表情‥‥どっかで見た事ある!‥‥思い出せない。
「お、落ち着いて欲しいでありますからしてっ!」
なんなんだっ!?コイツ? 見るからに変なヤツだ。ダイナミックに敬礼している。
「さぁ、早速始めるカァ。矢張政志ィ。個人情報なら、ワイが経営している会社で手に入っとるからなぁ。」
個人情報、そして、詐欺‥‥もしかして
「な、なぁ‥」
「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
怖ェ!
で、でもこのままじゃあラチがあかない!!聞くしかねぇ!!!
「何をする気なんだ!!?」
「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「もう飽きたんだよ!んな叫び声!!!」
「ぐぉるぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
こ、怖ェ!
「この電話番号に電話を掛けて、《おれおれ》と言って100万円だまし取れ!」
それってムカシ流行した《オレオレ詐欺》じゃねーか!古ッ! 今何年だと思ってんだ!?2018年だろ!
こんなのが流行ったのは10年くらい前なんだよ!!
「今日中に5000万円だまし取るまで家に帰さんからな。」
な、なんだと!? カラオケの室料、大丈夫なのか!?
でも、無理だろ? 100万円ずつだまし取ったとしても‥‥計算できない。 とにかく大変だろ!!
「黙ってやらんクァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」
くぉ、怖ェ!!
とにかく、名簿に目をやる。どうやら闇金融の顧客リストのようだ。
岡 高夫
本土坊 薫
‥‥ん?
成歩堂 龍一? ご、5000万!?
あ、アイツ、闇金融に5000万円借りた事があったのか!?
しょうがない。とりあえず成歩堂のトコに電話を掛けるか。
「‥‥‥‥‥‥‥もしもし、成歩堂です。」
「オレオレ。」
「‥‥あ〜、その声は矢張だな。どうしたんだ?」
「な、何で分かるんだよ!?バレたら意味ないだろ!!」
「意味がわかんねーよ。用がないんなら切るよ。これからピアノのレッスンに行くから。」
「わー、待て待て!!」
「なんなんだよ。早くしてくれ。ピアノ教室のオバチャン、遅刻するとマシンガントーク&ビームを食らわすんだよ。」
「じゃあ、この口座にとりあえず5000万円入れてくれ。用はそれだけだ。」
「‥‥‥は?」
「だから、この口座にとりあえず5000万円入れてくれって言ってんの!」
「イキナリ何言ってるんだよ。 バイトでもクビになったのか?」
「なんで知ってるんだよ!」
「勘に決まってるだろ。金に困ってるみたいだし。」
「なんで知ってるんだよ!」
「だから勘だって!」
「とにかく‥この口座にごせんま‥」
「そんな金、あるわけないだろ。」
このままじゃ帰れなくなる‥。
あ、そういえば!採用通知に同梱されていた『三日坊主マニュアル』というのに金のだまし取り方が書いてあったハズ!
なになに‥‥よしこの@番のやり方を試してみよう!
「成歩堂。」
「なんだよ。」
「実は、事故にあってしまって‥今すぐ5000万円ないと手術が受けられないんだ。
 手術を受けないと、俺は死んでしまうんだ。」
「元気そうだけどなぁ。そんな大掛かりな手術を必要とする人間が呑気に電話なんか出来ないだろ。」
「!!‥‥うっ!」
しまった!マニュアルによると『事故を起こした時の相手の手術費用』という設定になっていた!
仕方ない、A番で!
「成歩堂。」
「なんなんだよ。」
怒り気味になっている。成功させないと!
「実は、事業に失敗してしまって‥5000万円の借金を作ってしまったんだ!」
「手術の話しはドコ行ったんだよ‥」
「そんな事はもうどーでもいい!! 5000万円借してくれ!!」
「だから、そんな金ない。そもそもオマエバイトクビになったって自分で言ってたじゃないか!」
「!!‥‥うっうっ!」
仕方ない、B番をやってみよう。
「成歩堂。」
「だからなんなんだよ。」
「実は、痴漢してしまって‥‥。警察に捕まっちゃったんだ。」
「事業に失敗したという話しはどうなったんだよ。」
「過去の事はどーでもいい! とにかく、示談するのに5000万円いるんだ。」
「だぁかぁらぁ、んな金ないっつーの。そもそも示談金5000万円もするワケねーだろ。」
「!!‥‥俺が痴漢するワケねーだろ!!何信じてんだ!!」
「オマエが言ったんだろーーーーーーーーー!!」
うぅ‥つい逆上してしまった‥‥。
よし、Cだ!
「成歩堂。」
「だぁかぁらぁ、なんなんだよ!! もう遅刻寸前なんだよ!!!」
マジ切れしてる。早く5000万円貰わないと!!
「実は、事故っちまって。」
「またかよ。」
「!!‥‥俺がいつ事故ったっていうんだよ!!!」
「さっき言ってたじゃねぇか。手術の話しで。」
「そんなもん、WAWAWA忘れたよ!」
やばい、また逆上してしまった。
これが、最後かよ!Dで成功させてやる!!
「成歩堂。」
「なんなんだよ!! いーかげんにしろよニート!!!」
「俺は、もうニートなんかじゃねぇ!警察なんだよ!!」
「‥ハァ?」
よし、本に書かれている台本を出来るだけ正確に再現するぞ。
「あ、私、所轄署の矢張と申しますが、なる‥龍一さんのご家族の方ですか?」
「本人だよ。」
「実はあの、龍一さんがですね、事故を起こされましてご連絡したんですが…」
「僕は、今日はずっと家にいたんだけど。」
「えーと今日龍一さんが運転される車が接触事故を起こされました。交差点で追越車線を直進で走っていた車に、龍一さんが運転される車が車線変更しようとして接触した模様です。」
「僕、免許持ってないんだけど。」
「なんで免許持ってないんだよ!台本通りに話しが進まないだろ!」
「は?台本って何だよ?」
「もういい!オマエなんか知るか!!!」
と言って電話を切った。って!これじゃあ帰れねぇ!!!仕方がない。この本土坊ってヤツに電話を掛けてみるか。
「‥‥‥‥‥ボンジュゥル!吐麗美庵に何の御用かしら?」
「吐麗美庵って何だよ!本土坊じゃねぇのかよ!!」
「あぁら、アナタ声だけで負け犬っぽいオーラが漂ってるわねぇ。
 そんな時は、このアロマオイルを一滴二滴‥‥と、ビビビビビビッ!ブシュ! プープープー‥」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥切れた。あのオッサン何やったんだよ。電話機に垂らしたのか?
「イトノコッスーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
イキナリ、初めから座っていた男が騒ぎ出した。
「オマエ達二人を詐欺未遂で逮捕するッスーーーーーーーーーーッ!」
「逮捕するでありますからしてっ!」
「なんで、俺もなんだよ! 俺、何もしてねぇだろ!!」
「問答無用ッス。」
「ってかオマエ達もやってたじゃねぇか!」
「自分は、潜入捜査をして逮捕する機会を伺ってたッス。」
「ワタシもイノコリ刑事と同じでありますからしてぇぇぇっ!」
「イノコリじゃないッス‥イトノコッス。あ、でも正式には糸鋸ッス。」
そんなこんなで、俺は詐欺未遂で逮捕されてしまった。
仕方ないので、成歩堂に弁護を頼んだ。
「オマエ、確か痴漢で捕まったとか言ってたな。痴漢は証拠が残らないから弁護するのは大変なんだよ。」
「だから、俺は痴漢してねぇ!詐欺未遂で捕まったんだ!」
「いつ、そんな事したんだよ。」
「成歩堂に電話したのが、それだよ。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥あれが詐欺だったのか。ってかそれじゃあ僕は被害者じゃないか!」
「まぁ、細かい事は気にするな。」
「細かくネェ!さんざん無駄話しに付き合わせやがって!おかげでピアノ教室のオバチャンのマシンガントーク30分聞かされたんだ!」
「兎に角、弁護頼む。」
「頼まれるか!御剣にでも頼んどけ!!」
「それじゃ、ユーザイになるじゃねーかっ!」
そんなこんなで成歩堂は怒って帰ってしまった。
こうなったら、俺だって叫んでやるぜ!
「異議ぁ‥」
でも成歩堂から金をとろうとしたのはジジツだしな。悪気はないけど。
よし、じゃあ、
「なんでだよ!」

END.

主演:やっぱりヤハリ
特別出演:シバクゾー
刑事α:イトノコ
刑事β:ハラバイ
被害者:ナルホド
電話機壊した人:ホンドボー
名簿に載ってた人:岡高夫
■作者からのメッセージ
逆転してないシリーズ、第3段です。
一応、時系列的には3終了の直後となってます。
いや〜、逆転してないシリーズにしては長篇となりました。
皆さんもオレオレ詐欺等には気を付けましょうw
相手がヤハリみたいなのだったら大丈夫かもしれませんけどw

ご意見・ご感想、お待ちしております!

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