茜の1日 (前編)
作者: ソフトクリーム   2010年08月25日(水) 16時13分35秒公開   ID:GOB.9SzVoGE
「はあ〜。なんか面白いことないかな〜」
 その人は退屈していた。
 面白い事を待っていた。
  ……カリン糖をかじりながら。
     「宝月 茜」
 この人の名前だ。職業は、刑事。
  ……まあ、科学官志望だが。

 と、その時
「やあ。久しぶり。……茜ちゃん」
 そこにいたのは…
「な、成歩堂さん!どうしてここが!」
   成歩堂元弁護士だった。

 茜が驚くのも無理はない。なにしろ……
  殺人事件の捜査中だったのだから。

「また弁護の依頼ですか?今回は……」
「依頼じゃないよ。たまたま通りかかってね。……そうだ。君に、話があったんだ。仕事、抜けられるかい?」
「はっ、はい!成歩堂さんの頼みなら!」
「じゃあ、事務所に来てくれないかい?」

   ―成歩堂なんでも事務所―

「事務所も、変わりましたね……」
「まあ……色々あったからね。
 飲み物いれてくるね」
 そう言って成歩堂さんは奥に消えた。

 しばらくすると成歩堂さんがコーヒーを
 淹れてきてくれた。……しかしブラック!!
「ごめんね。今、牛乳切らしてて」

 溜め息をつきつつコーヒーを口に……
「あれ?茜ちゃん砂糖入れないの?」
 さ、砂糖…。そっちがあったか……。
 成歩堂さんが1さじ入れた後
 私も何杯か入れて、飲んでみる。
 くう〜。でもやっぱりブラックだあ〜。
 だが、出された物なので飲み干した。
 と、ここで成歩堂さん。
「ああ〜〜〜!みぬきを迎えに行かないと!
 茜ちゃんごめん!話はまた今度!」
「は、はい!私も行きますね!」

こうして、私は、事務所を出て、
「現場に行かなきゃ!」などと考えた。

 その次の瞬間
      グイッ!!
 手を引っ張られ、裏路地へ引きずり込まれ、悲鳴をあげる間もなくハンカチ越しに、口をおさえられた。
     ―何?この人!―
 顔を見る余裕はなかった。抵抗しようとしたが、30秒ほどたつと眠気に襲われ私は…。 
     
  一方、殺人事件の現場では……

「はあ〜。刑事クン、どこへ行ったんだ?」

 刑事クンこと、宝月茜の上司であり、この事件の担当検事である、牙琉響也は、茜を探していた。

 茜の姿が、数分前から見当たらないのだ。
 
   ――まさか、誘拐とか?――
 
 ……いや、そんなことはないだろう。
 理由もなく、その考えを否定した牙琉は、また、茜を探し始めた。

     ――数分後――
 
 牙琉はまだ茜を探していた。

 ――正直困っちゃうなあ。……あの娘には。――

「牙琉検事さーん!」

 あの娘は……オデコくんの助手の、みぬきクン、だったかな?

「こんにちは、みぬきクン。……おや?オデコくんがいないってことは、今日は、弁護の依頼じゃないのかい?」

「はいっ!事務所に牙琉検事さん宛の手紙が届いていたから、間違って届いたのかなって……。で、パパが『届けてきたら?』って言ったから来たんです!」

「そうか、ありがとう。で、その手紙って?」

「そうそう!これです!じゃあ、私、帰りますね。」

「ああ、ありがとう。」

 みぬきクンはそういうと、真っ白な封筒を、ボクに渡して帰っていった。

 ――なんなんだろう?この手紙。――

 封筒には、「検事・牙琉響也様」という手書きの文字。開けてみると、便箋が一枚。

「こ、これはっ!」

 牙琉は、驚愕した。その便箋には雑誌の切り抜きなどで、こう書いてあったからだ。

「君の探しているであろう、宝月茜は預かった。返してほしければ、自分だけの手で、彼女の居場所をつきとめ、救出してみろ。ただし、彼女には、食糧を与えていない。それをふまえて、彼女を探すことだ。ヒントは、君の調査中の殺人現場の半径1km以内の建物の中に私達はいる。」

   ――やるしかないか――

 牙琉は覚悟を決めた。








 

 







 


■作者からのメッセージ
すいません……。書き直したんですが時間の都合上、全ては移しきれていません……。
それに、ちょっとだけ内容をいじっています。
また、アドバイスがあったら、おねがいします。

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