| 時空を超えた逆転 6 王泥喜編‐霊媒師の罪‐ | |
| 作者：
太郎
2008年11月22日(土) 11時22分08秒公開
ID：NSaAlxEcU.A
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「これで分かったでしょ？王泥喜法介。アナタが示したのは、証拠もないタダのスイソクだってコトが。」 「そ、そんな…！！（でも、あの刑事が自殺なんて…考えられないっ！）」 「つまり、犯人は…被告人…そう。綾里真宵しかいないって事なのよっ！王泥喜法介っ！」 冥はムチで、ツクエを叩き、闘争心ムキダシの、あのポーズをした。 『異議ありっ！』 オドロキは激しくツクエを叩いた。あまりにも早いオドロキの異議に冥は、一瞬ひるんだ。 「それは違いますよ。狩魔検事…！」 「な、どうしてよ？！」 冥はオドロキの余裕のある表情に過剰に反応した。 「オドロキ君…！（きっとオドロキ君、ナニか分かったんだ！）」 真宵は笑顔でオドロキを見た。 「オドロキ君…。メイを相手に、早いハンゲキだな。」 「きっと、彼にナニか考えがあるんじゃないか…！？」 傍聴席の成歩堂と御剣がかなりキタイを込めながら言った。 「おもしろくなってきたねぇ。おデコ君…！」 「やるじゃない、アイツ…。サクサクサクサクサクサク…。」 牙琉も茜もほっとしてる様子だ。 「いや〜、言うッスねぇ！！あの狩魔検事相手に…！でも、カリントウ、欲しいッス…！！」 「ダメです。」 「むぎゅう。」 「おどろきくん、かっこいいですっ！」 イトノコはジャッカン、興奮し、春美は、オドロキをポーっと、尊敬のマナザシで見つめてる。 「何が言いたいの！？王泥喜法介っ！」 冥は二の腕を激しく掴んだ。 「弁護人、セツメイして下さい！」 「か…カンタンなコトですっ！（…カッとなって異議唱えちゃったケド…ココはもう…ひきかえせないっ！）」 「何ですって？！」 『被告人は…断じて、そんなコト、するよーな人では、ありませんっっ！！』 オドロキはチカラいっぱい、人差し指を冥に突き付けた。そのシュンカン、傍聴席の成歩堂達と、被告席の真宵は、ガクっとなった。 バシッ！！ 『ぎゃーっ！』 「バカなオトコのバカなスイリを聞いてる自分がバカに思えてきたわっ！王泥喜法介っ！」 ビシッ！ 冥はまたツクエをムチで叩いた。 『成歩堂龍一ですら、そんなバカげた弁護はしないわよっ！王泥喜法介っ！』 「うぅ…（ヤケクソすぎたか…！）」 「マッタク…なんのタメにボクが、法律をやぶってまで、検事席に立ったと思ってるんだよ…。おデコ君…。」 牙琉が頭をおさえながら嘆いた。 「…マッタクだ。」 「サクサクサクサク…集中が切れたのかしら。あのコ。サクサクサクサク…」 茜は相変わらず、カリントウを頬張っている。 「（狩魔冥を相手に、集中なんか出来るかな…オドロキ君…。）」 「おどろきくん…！かるま検事さん…！！お願い…！」 春美は勾玉をぎゅっとにぎりしめた。 「…弁護人。アナタの今の発言に、決定的な証拠はあるのですか？」 「え、ショーコですか？ショーコは…ありません。ゴメンナサイ…」 オドロキは照れ笑いしながら、前髪をなでた。 バシッ！ 「いてぇっ！」 「軽はずみなバカな弁護人のバカな発言に、制裁をっ！」 「うぅ…。スミマセン。（だから、イキオイで言っちまったんだよ…）」 「弁護人。王泥喜君！根拠のない発言は控えるようにっ！次は、ペナルティを与えますぞ！」 「ハイ…。ゴメンナサイ。（キョウタクの前で怒られる小学生の気分だ…）」 オドロキはムチで叩かれた、額をさすった。 「…分かったなら、よろしい。それでは、弁護人。この証人に尋問をお願いします！」 「はい、分かりました。」 「くれぐれも、バカな尋問をしないで欲しいわ、王泥喜法介。時間のムダだから。」 冥は、ツクエにヒジをつき、人差し指を左右に振りながら、得意げな表情で言った。 「…わ、分かりました。」 「それでは、弁護人！お願いします！」〜尋問開始〜 「私があのタバコを吸っていたのには理由がある。」 「待った！」 「何かな…？弁護士クン。」 「その理由とは…なんですかっ？！」 「異議あり！」 バシッ！ 「いてっ！」 「バカな質問をしないでと言ったでしょう？！今、証人はこれから言おうとしているの。黙って聞いくコトもできないのかしらっ！？」 「うぅ…。（なんだか、オレ、すごく見下されてる…）」 「弁護人、黙って聞きましょうよ。」 「ハイ…。スミマセン。次、お願いします。」 「オドロキ君っ！しっかり！」 「あ、あぁ…。大丈夫っ！」 「（…オドロキ君、本当に大丈夫なのかな…？カンゼンにメイちゃんにビビってるケド…）」 「実は…最近、色々とあり、自殺を計ろうとしていた。」 「待ったっ！」 「ん？」 「ナゼ、自殺を考えていたのですか？アナタは、精神状態も安定してるように見えますが…？」 「フッ。考えが若いな。弁護士クン。」 「えっ？」 「人をミカケじゃないのわ！王泥喜法介っ！この証人は、最近、立て続けに不幸なコトが起きたそうよ。それによって、精神的に不安定なったと言っても過言ではないわ！」 「そう。私は最近、立て続けに不幸にみまわれたのだ。まず、1つ目は、スランプに陥ったコトだ。」 「スランプ…ですか？」 「そうだ。最近、刑事として、うまくシゴトがこなせないのだ。何をやってもうまくいかず、先も見えない。この事件も、志半ばで、おろされた。最近の私は、長いキャリアをぶち壊しそうで怖いのだ。」 「異議あり！」 オドロキはツクエを叩いた。 「それは、アナタが違法捜査を行うからですよっ！鬼野刑事っ！」 「異議あり！」 冥も異議を唱えた。 「このような強引な捜査は、証人の持ちアジだったのよ！それを、ある日、それが否定されたら、誰でもザセツを味わうわ！私だって、このムチを取り上げられたら、もう法廷にはたてないもの。」 「…（アンタのムチは、今すぐにでも取り上げたい…。）」 「黙っちゃったようね、王泥喜法介！…証人、気にするコトはないわ！次の証言をお願いできるかしら？」 「了解です。」 「（クソ！うまく逃げられちまった！…でも、必ず捕まえてやる！）」 「いつでも死ねるように、あのタバコにアトロキニーネを仕込んでおいた。」 「待った！」 「何かな…？」 「なぜ、アトロキニーネなのですか？！あの毒は、遅効性です！もし、自殺するなら、もっと即効性のあるものを選ぶはずですっ！」 「ふむう…確かにそうですな…。どうなのですか、証人？」 「アトロキニーネを使用した理由はシンプルだ。サンプルが手元にあったから…ただそれだけだ。」 「でも、あなたは刑事です！他の毒薬もカンタンに手に入ったはず…！」 「異議あり！」 「刑事だからと言って、毒薬がカンタンに手に入るものではないわ！証人は、サンプルをたまたま持っていただけと言ってるじゃない！」 「そんな、ツゴウのいいハナシが…！……じゃぁ、どーしてアナタは、アトロキニーネのサンプルを持っていたんですかっ？！」 「そうですね。証人、弁護側のシツモンに答えてください。」 「この手の毒を使用した殺人事件をがあってな。だから、サンプルとして持っていたのだ。」 「…。（そんなの、ツゴウが良すぎる…！でも、ウデワの反応は、ないっ…！）」 「どう？ナットクしたかしら？王泥喜法介っ！」 「…ハイ。（反応がないってコトは…ウソついてないってコトだもんな…。タブン。）」 「フフ。マヌケなカオね。証人、次をお願いするわ！」 「はい。」 「（クソっ！必ずムジュンを暴いてやるっ！）」 「あのタバコは、先日亡くなった私の妻が好んで吸ってた銘柄なんだ。だから、私はあのタバコを買ったのだ。」 「待った！」 「何か…？」 「シツレイですが、奥さんが亡くなったのはいつ頃、ですか？」 「確かにシツレイな質問だな。」 「す、スミマセン…。（目が…怖ぇ…！）」 「…妻が亡くなったのは、去年の暮れだ。」 「そうなんですか…。それは、ご愁傷様です…。（以外と最近のハナシだな…。）」 「それで？王泥喜法介。アナタの今の質問には、どんな意味があるのかしら？」 「え？」 「フッ、そのカオ。特に意味のあるシツモンじゃないようね。時間のムダだわ！」 「す、スミマセン…。（確かにこの事実はあんまカンケーないよな…。）」 「弁護人、ムダなシツモンをしないように。」 「ハイ…。」 「それじゃ、証人。次をお願いするわ！」 「それが、先程の証人…綾里昭子とタマタマ銘柄がカブッただけだ。…彼女にはもうしワケないコトをした。」 …ドクンっ！… 「（なんだ？！オレのウデワ…が反応してるっ…！）」 「オドロキ君…？」 「しかし、アナタは過失ではありますが、殺人未遂罪を刑事であらながら、コクハクしているのですぞ！」 「重々承知していますよ、裁判長。私は刑事でありながら、許されない行為をしました。昭子さんには、心から詫びる。そして、このツグナイは、何年かかっても必ずするつもりです。」 鬼野はゆっくりと、威厳を込めて言った。 「ヒジョーに残念だけど、この証人が犯した罪は消えるコトはないわ。しかし！彼は故意がなかった。よって、綾里真宵の事件とは断じて無関係よ！…以上。」 冥は不敵なエミを浮かべながら、一礼した。「…。（“故意”はなかった、か。どうやら、ここがキーだな。）」 「どうやら、弁護側に、シツモンはないみたいねっ…！男は引き際カンジン。それがやっとリカイできたようね。王泥喜法介！」 冥は余裕のエミを浮かべた。 「いや、シツモンなら、まだありますよ。鬼野刑事。」 オドロキは成歩堂・直伝のふてぶてしい笑みを浮かべながら言った。 「今さら、何をシツモンするのかしら？王泥喜法介。シツモンの内容によっては、このムチが黙ってないわよ。」 「…。」 冥はオドロキに敵意を剥き出しにしたが、鬼野は鋭く彼を睨んでいた。 「鬼野刑事、アナタは先程、タバコの銘柄についてこう証言しましたね？“綾里昭子とタマタマ銘柄がカブッただけ”、と！」 「…そうだ。タマタマだ。」 その時、鬼野のマユが不自然に動いた。 『そこだっ！』 「！！」 オドロキは人差し指を力強く鬼野に突き付けた。 「な、ナニよ！イキナリっ！大声ださないでよっ！」 「見てくださいっ！おどろきくんが！“みぬく”をやってます！」 傍聴席の春美が嬉しそうに言った。 「そうだね。おデコ君、やっと集中したみたいだ。」 牙琉は、ほっと肩を下ろした。 「そうみたいだね。やっと…！（しかし、いつ見ても、すごいメツキきだな…。オドロキ君…。）」 「彼が、“見抜いた”と言うコトは、この証言に“ウソ”があった、ってコトだな。」 御剣はミケンにシワを寄せながら言った。 「すごいッス！なんだか分からないけど、すごいッスぅぅっ！」 「サクサクサクサク…。あのムカツク刑事…アカラサマに反応してるわね。サクサク…いい気味。」 「弁護人、どうかしましたか？」 裁判長が冷静にたずねてきた。 「裁判長、今、オレにはハッキリ見えました！彼の“心のウゴキ”が！！」 「な、ナニをイキナリっ！いいかげんにしなさいよっ！」 「では。ハッキリ言いましょう。」 オドロキはツクエを叩いた。 『この証人はウソをついています！！』 「な、なんですとぉぉぉぉっ？！」 裁判長は目を見開き、叫んだ。 「一体、どーゆコトなの？！王泥喜法介っ！成歩堂龍一ゆずりのデタラメやハッタリは、この私には通用しないわよっ！」 冥はコブシでツクエをドンドンと叩いてる。 「モチロン、分かっていますよ、狩魔検事！オレは、カクシンがあるから言ってるんです！」 「なんですって？！」 「…。」 怒り狂う冥とウラハラに鬼野は下をむいて、黙りこくっていた。 「人はカクシンを突かれると、必要以上に動揺し、その“シグナル”として、人シグサの中にそれが現れます。狩魔検事、オレにはその心のウゴキによる“シグサ”が見えるんです。」 「し、“シグサ”ですって…？！」 「そう。…鬼野刑事、アナタは、“綾里昭子とタマタマ銘柄がカブッただけ”と証言する時、マユにチカラが入り、不自然なウゴキをしてるコトに気付いていますか？」 「な、なにを言うっ！バカバカしいっ！」 鬼野はオドロキのコトバにアカラサマに反応した。 「バカバカしいかどうか…？そんなの、アナタの反応を見れば、コタエはいっそアカラサマです。」 「オドロキ君っ…！」 真宵は、オドロキをじっと見つめた。 『そう！“タマタマ”と言うコトバに反応しているのです！あなたと綾里昭子さんとタバコの銘柄が“タマタマ”一緒だったのではなく、最初から、彼女が愛用してるタバコの銘柄を知っていたんじゃないんですか？！』 「ぐっ…ぐぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！」 鬼野はバクハツしたように叫んだ。彼の様子に法廷内はいっきに固まった。 「しょ、証人…！アナタ、もしかして…？！」 「な、ナニよこんなの！？こんなやり方、認められないわっ！！イホーよっ！イホーっ！」 「（アンタのムチの方が、よっぽど違法だよ…。）」 初めて、オドロキの“みぬく”を見せ付けられた冥は、激しく動揺し、オドロキに怒りをぶつけた。 ⇒To Be Continued... |
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