時空を超えた逆転 5 王泥喜編‐霊媒師の罪‐
作者: 太郎   2008年10月22日(水) 14時17分06秒公開   ID:JsAhK5blwlg
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「そんな…あんまりよっ!」
茜は両手でカオを覆った。
「やむおえないっ!ムリヤリにでも、私が出廷するっ!」
「待って!御剣検事さんっ!冷静になって!アナタは一度、裁判長に出廷をキョヒされてる!何度行ってもムダよっ!」
「し、しかし!」
「今は、狩魔検事と連絡を取るのが先よ…!」
チヒロは強いマナザシで御剣を見つめた。
「…了解した!」
御剣はその場で携帯を取り出し、かけだした。そこへ、裁判長の木槌が鳴った。

カンカンカンカンカンっ!

『静粛にぃぃぃぃぃっ!静まりなさいっ!』
「(鬼野のヤツ…!なんてコトをっ!)」
「鬼野クン、どーゆーコトだい?キミの発言は…あの男との関係を認めるようなモノだよ!」
「…あの男?なんのコトだ?」
鬼野はフテキに微笑んだ。
「な、なんだって?!」
「そんな男の存在は知らんが…私の元にある情報がきたんだ。超時石によって未来から来た検事が今日、検事席に立とうとしているってね!」
「なんだとっ?!」
牙琉は珍しく声を荒げた。
「オドロキ君!どーゆーコト?!」
「異なる時代から超時石によって、タイムスリップした検事は、その時代の検事席に立ってはいけないキマリなんだ!」
「えっ!ってコトは…牙琉検事…今まで?!」
「そう!審理を繋げるタメだけに今まで検事席に立っていたんだ…!(クソっ!どーすればいい?!)」
「が、牙琉検事…!本当なんですか?!アナタが未来から来たとゆーのはっ?!」
裁判長は目を真ん丸くして牙琉を見つめた。
「ぐっ…」
「キサマは、モチロン知っているハズだ…!“未来から来た検事はその法廷に立てない”ってな!裁判長っ!」
「な、なんでしょう?!」
「この検事を退廷させて下さいっ!…リッパな法廷侮辱罪だっ!」
「な、なんだと!?」
「そうですね。マコトに残念ながら、牙琉検事!アナタには退廷してもらいましょう!」
裁判長が合図すると、係官が2人、牙琉の元に飛んできて、抵抗する彼の両腕を封じた。
『待ってください!裁判長っ!牙琉検事は…悪くないっ!!これは全部仕組まれてるんですっ!』
オドロキは裁判長に必死で訴えた。
「彼は、真実の解明に全力を尽くした。この点はコウリョして法廷侮辱罪は適用しません。しかし…彼はやってはならないコトをしました!.このコトに関しては、ペナルティーを与えなければなりませんっ!」
『しかしっ!ココで審理を中断するワケにはいかないんですっ!裁判長っ!』
オドロキの必死のアピールも軽く流されてしまった。
「オドロキ君!このままじゃ、ガリュー検事がっ…!」
「分かってるよっ!(クソッ!どーすればいいんだ!?)」
『裁判長!お願いだっ!狩魔検事の到着まで審理を続けさせてくれっ!』
牙琉も裁判長に必死で訴えた。
「…ザンネンながら、今、狩魔検事と連絡がとれません!つまり、彼女の到着時間は未定!今日の審理は中断すべきですっ!」
鬼野が裁判長に言った。
「ふむう…。狩魔検事の到着が未定な以上、審理を続けるワケにはいきません!」
『裁判長っ!お願いですっ!審理を続けさせてくださいっ!』
『裁判長!頼むよっ!』
オドロキと牙琉が必死にアピールを続けた。
「牙琉検事…見苦しいですよ。」
鬼野は牙琉を見下すように言った。牙琉は、鬼野につっかかろうとしたが、係官にガッチリと両腕を取り押さえられてしまった。
「ぐっ!離せっ!」
「…牙琉検事!ムダな抵抗はやめるコトだ。」
「な、なんだと?!」
「キサマが抵抗をやめないのなら…今度は、私がアンタの検事のシカクを取り上げるぞ?」
「っ!!」
「…“今度は”…?どーゆーコトだ!?」
「待てっ!やめろっっ!」
「や、やめてっ!オネガイっ!」
オドロキと傍聴席にいる茜のカオ色が変わった。
「オドロキ君…?(ど、どうしたんだろ…)」
「そう…」
鬼野は牙琉のムナグラを掴んだ。
『アンタが、成歩堂龍一の弁護士バッチを取り上げたトキようにねっ!』
「えっ…」

『えぇぇぇぇぇっ?!』

法廷は今日イチバンのザワメキに包まれ、どうしようもない状態になってしまった。鬼野刑事の発言はそれだけ、バクハツ力があったのだ。
■作者からのメッセージ
長編にリニューアルです。
オドロキvsガリュー、大詰めです

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