時空を超えた逆転 2 成歩堂編‐捕らわれの検事‐ | |
作者:
太郎
2008年10月22日(水) 14時13分45秒公開
ID:JsAhK5blwlg
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「裁判長。検察側のもう1人の証人の話しを聞きましょう…。弁護側は疑問を残したくない。」 「な、成歩堂君!…わかりました。これから20分休憩をとります。新たな証人の話しを聞くのはその後としましょう。亜内検事。」 「はい、裁判長?」 「証人の召喚、お願いしますぞ。」 「承知してます。裁判長。」 「それでは、一旦休廷!」 カンっ! 裁判長の木槌を合図に休廷に入った。 同日 午前11時19分 被告人第2控室ー 「オドロキ君、ごめんね。ツライだろうけど…」 「いえっ、オレ、大丈夫です!御剣さんのタメですからっ!」 「恐らく…次の証人はカナリ手強い…。」 「…犯人なんですよね?次の証人。」 「恐らくね…」 ♪チャラチャララチャラッチャラ〜 「あっ、ぼくの携帯だ。」 ピッ 「ハイ、成歩堂です。」 『…なかなか順調じゃないですか。弁護士さん。あのジイチャン検事、もうボロボロだ…。』 「!?」 成歩堂の表情を見て、オドロキはすぐに電話の相手が分かった。 「御剣は…無事なんだろうな?!」 『あぁ。今ん所はなぁ。我々の仲間を無罪にしてくれるんだろうなぁ!?』 「ナカマ…?違うだろう。君達とオドロキ君は仲間じゃないのは明白だっ!何故そのような要求を…!?」 『なるほど。やっぱり気付いたか…。まぁ最後までやるんだ。おのずと我々の目的が見えてくるだろう…。今のペースを保てばな!』 「どういうコトだ?!」 『今に分かる…。セイゼイ頑張るんだな…。じゃ切るぜ。』 「ま、待て!御剣の無事を確認させてくれっ!」 『いいだろう…。』 そう言うと一旦保留音になった。そしてしばらくして、御剣が電話口に出た。 『…成歩堂…!』 1番最初にかかってきた時より明らかに御剣は平静を失ってた。 「御剣?!大丈夫かっ!」 『成歩堂、これは…んぐっ!?』 「御剣っ?!大丈夫かっ?!返事しろっ!」 成歩堂も平常心を失ってた。オドロキもタダ事ではないと確信した。 『ここまでだ。後は頼んだよ。ブチっ!』 「まてっ!オマエ、御剣に何をしたっ?!」 プープープープー… 「切れた…。クソっ!」 「成歩堂さんっ!落ち着いてくださいっ!彼らは目的を果たすまで、御剣さんを必ず生かしておくハズです!まだ目的は果たされてないっ!」 「…そうだね。ごめん…。」 成歩堂はやっと落ち着いた。 「もう一度犯人の言ったコトを整理しましょう!」 「でも…焦っちゃって録音するの忘れちゃったし」 「何か!不自然なコト言ってませんでしたか?!」 「……。あっそう言えば!」 成歩堂は顔をあげた。 「なんでヤツらは亜内検事を“ジイチャン検事”って言ったんだろう…?」 「“ジイチャン検事”?…その表現はさっき、証人のオバチャンだけが言った表現ですね!」 「次に入廷する脇役邦夫は、検察側の証人だから、控室にいたハズ…。」 「つまり、“ジイチャン検事”って言う表現を知ってたのは…傍聴席にいたんじゃないですか…?仲間が…!」 「うん…。そう言うコトだ。多分。」 超・重苦しい雰囲気になった時、ドアがイキオイよく開いた。 「シツレイするッス!!」 「…。」 「…。」 成歩堂もオドロキも黙っていた。 「あっ、じゃぁ、そのまた来るッス…。」 イトノコは寂しそうに、ドアから出ようとした。 「あっ、イトノコさんっ!待ってください!」 「…自分はなんでいつもこんなタイミングなんスかねぇ…。」 「どうしたんですか?イトノコさん?」 オドロキが聞いた。 「どうしたもこうしたも、検事局から処理班が来たっす!」 「本当ですか?!」 「今、裁判長の執務室にいるッス!」 「(裁判長の執務室…か。リカイできるかな?裁判長。)」 「アンタは、この後の審理で持ち出すんスよね?…その石について…。」 「はい。」 成歩堂は頷いた。 「処理班は、今日の閉廷後、法廷内の人の記憶を処理するッス。どうやるかは知らないッスが、なんか特殊な光を焚くらしいッス。アンタ達はその時、下をむくッス!光を見なければ記憶は操作されないッスから。」 「ってコトは、成歩堂さんっ!もし傍聴席に奴らの仲間がいたら、必ず記憶を捜査される前に逃げ出すハズです!」 「ぼ、傍聴席に奴らの仲間ッスか?!」 「えぇ。紛れてる可能性は極めて高いのです。今犯人から連絡がありまして…。」 成歩堂は今の電話のやりとりをイトノコに全て伝えた。 「あの御剣検事が、取り乱してた?!カナリ危険な状態ってコトになるッス!記憶処理の時が勝負ッスね…!警官配置を強化するッス!」 「お願いします。イトノコさん!」 「…でも、ぼく達も必ず処理を受けなきゃダメなんですよね?」 「それは御剣検事が救出されてからッス!7年後の管理者が我々の処理を担当するッス。とりあえず、今はこの被告の無罪を勝ち取るのと、御剣検事の救出だけ考えるッス!」 「分かりました。ありがとうございます。イトノコさん!」 「じゃ、自分は行くッス!」 「あっ、待ってください!」 オドロキがイトノコをとめた。 「御剣さんの捜査の方は今どうなってますか?」 「あぁ!御剣検事がカーナンバーを残してくれたから交通局と連携して、捜査してるッス。しかし同じ車種で赤外線フィルムを貼ったのが数台、道路カメラに映ったのが確認されてるッス。それらを一台一台追ってるッス。」 「…なるほど。ぼくらも全力で真犯人突き止めて、自白させます!必ず今日中に決着をつけます!」 「了解ッス!また何かあったら連絡するッス!じゃぁ捜査に加わってくるッス!」 イトノコはそう言うと部屋を出ていった。 「そろそろ時間ですね…。成歩堂さん。」 「あぁ!必ず今日中に決着をつける!行こう!オドロキ君!」 「はいっ!」 同日 午前11時40分 地方裁判所 第4法廷ー カンッ! 「それでは、審理を再開します。亜内検事、証人の方は…?」 「いつでも大丈夫です。裁判長!」 「それでは、証人を入廷させて下さい。」 「はい。裁判長。それでは、脇役邦夫を入廷させて下さい!」 「いよいよヤツが来る…!絶対に自白させてやるっ!」 「はいっ!もちろんです!成歩堂さんっ!」 間もなくして、脇役邦夫が入廷してきた。相変わらずモジモジしている。 「証人、名前と職業をお願いします。」 亜内検事が丁寧に尋ねた。 「あっ、名前は脇役邦夫です。えっと職業は…ファーストフード店の店員で、いわゆるフリーターです…。」 「あなたは被告が実際に犯人グループの一員であると思いますか?」 「はっ、は、は、は、ぃ…。」 脇役は震えながらかつ、噛みながら答えた。 「どうしたのですかな?証人?」 裁判長が優しく尋ねた。 「あっ、うっ、その…」 「裁判長!この証人は極度のアガリ症なのです。このような雰囲気に慣れてないので、そこん所、一つよろしくお願いします。」 亜内は脇役をかばった。 「わかりました。この証人をあまり刺激しないように心掛けます。いいですね?弁護人?」 「えっ、あっ、ハイっ!(なんでまたぼくがギワクの目で見られるんだよ…。)」 「それでは、証人。あなたが事件当日見たコトをお願いします。」 「はっ、ハイ!」 〜証言開始〜 「私があの日裁判所に来た理由は、アルバイト先で私が注文を受けたお客さんにサラダの入れ忘れがあったからなんです。」 「そのお客さんがこの裁判所に傍聴にいらしてたので、私は届けにココにきたんです…。」 「12時20分前に裁判所に車で来ました。裁判なんて、見たことも興味もなかったので、入口がどこにあるか探していたんです…。」 「数分さ迷って、やっと車をとめて、傍聴席のお客さんにサラダを届けました。」 「駐車場に戻って車に乗ろうとした時の事でした。男の人の声がしました。」 「自分から約30m先で、男の人が一人、数人の男達に銃を突き付けられてたんです。」 「全身赤いスーツの男が、誘拐された検事さんの背中に銃を突き付けてました。」 「赤いスーツの男はそちらに座ってる、被告の方に間違いないと思います。」 「検事さんの背中を押すと、彼は車の中に押し込まれたんです!」 「ふむう…先程の証人とあまり、違いのない証言ですな…。では弁護人、尋問をお願いします。」 「はい。」 〜尋問開始〜 「私があの日裁判所に来た理由は、アルバイト先で私が注文を受けたお客さんにサラダの入れ忘れがあったからなんです。」 「待った!」 「ひぃぃぃっ!」 脇役はイキナリ悲鳴をあげた。 「どうしましたかな!?証人?」 「あ、いやイキナリだったんで…怒鳴られたのかと…。スミマセン。」 「(やりにくい…)その入れ忘れがなければ、当日、ここに来る用事はなかったんですね?」 「もちろんです!」 「分かりました。次、お願いします。」 「そのお客さんがこの裁判所に傍聴にいらしてたので、私は届けにココにきたんです…。」 「待った!」 「うぉっ!」 脇役は再び、驚いた。 「(イイ加減慣れろよ…)御剣検事の法廷を見に来てたんですか?そのお客さんは?」 「分からないです。もう裁判は終わって、傍聴人休憩室でお渡ししたので…。」 「何時頃でしたか?」 「12時25分頃…だったと思います。」 「(傍聴人休憩室とロビーはトナリ…。脇役さんが30分までに駐車場に行くのは…可能…か…。)分かりました。次、お願いします。」 「12時20分前に裁判所に車で来ました。裁判なんて、見たことも興味もなかったので、入口がどこにあるか探していたんです…。」 「待った!」 「は、はい!」 「(なんか、ワザとらしい…んだよな…。)」 「もちろん、一般入口…Aブロックってコトになりますネ…。」 「この証人の車が、12時17分に駐車場に入場したのがAブロックのカメラに、Bブロックを12時19分にノロノロと出たのがカメラから確認されてます。裁判長、当日のこの時間に撮影された証人のクルマを提出します。」 「受理します。」 成歩堂は検察側から提出された写真を見た。 「なるほど…。(つまり、駐車したのはCかD…となるな…。)」 「証人、次、お願いできますかな?」 裁判長がまた優しく言った。 「数分さ迷って、やっと車をとめて、傍聴席のお客さんにサラダを届けました。」 「待った!」 「な、なんですか?」 脇役はまだキョどってる。 「駐車したのはどこのブロックですか?」 「Cです。すぐ横に上に繋がる階段がありました。」 「あなたは、裁判を見たことも興味もないと証言していますが、ナゼ、Cブロックに駐車したのですか?C、Dブロックは主に裁判関係者が使う特殊なブロックです。普通ならAかBを使うと思うんですけど…。」 「えっと…それは…。」 「異議あり!」 脇役は詰まったが、すぐに検察側から異議が飛んだ。 「そんなコトは関係ないでしょう!」 「異議あり!」 成歩堂は机を叩いた。 「重要なコトです!ナゼ、初めて裁判所に訪れた人間が、特殊なCブロックに駐車したのか!?しかも、先程、亜内検事が提出した写真を見る限り、AブロックもBブロックも空きはあります!」 「ぎゃうっ!」 亜内は叫んだ。しかし成歩堂は構わず脇役に人差し指を突き付けてた。 「さぁ、答えてくださいっ!証人っ!」 「えっ、それは…」 脇役はどもった。 「証人、答えなさい。」 裁判長が言うと、脇役はシブシブ答え始めた。 「実は…とめちゃいけない気がしたんです…。」 「はぁ…。」 「こ、高級車ばっかだったし…自分の中古の小型車なんて…。」 「私なら、そのブロックに駐車しるのを遠慮しますな!私のクルマもオンボロ国産車ですので。」 亜内が言った。 「ふむう…。この証人の性格を考えると、有り得ますな。次行ってもいいですかな、弁護人?」 「はい…。(引っ掛かるケド、またアレを出す時じゃないと思う…!)」 「成歩堂さん!今攻め時じゃないですか!?」 オドロキが言った。 「まだだよ。オドロキ君。」 「!!」 「まだ時期じゃない。タイミングが大切だ!」 「分かりました!成歩堂さん!(スゴイ…オレならもう提出してるよ…。)」 脇役は証言を続けた。 「駐車場に戻って車に乗ろうとした時の事でした。男の人の声がしました。」 「待った!」 「おっぷっ!」 「(だからワザとらしいんだって!)…アナタが駐車したのは、たしか、Cブロックで階段のトナリ…。ここの位置ですか?」 成歩堂は地下駐車場の見取り図を取り出して、御剣誘拐現場から、垂直に壁の辺りに赤丸をつけた。 「は、はいっ!ソコです。入口のトナリなんで!」 「分かりました。次、行ってください。」 「自分から約30m先で、男の人が一人、数人の男達に銃を突き付けられてたんです。」 「待った!」 「こ、今度はなんでしょう…?」 脇役が力無く聞いた。 「それは大体12時30分頃のコトですね?」 「ハイ。」 「もうすでに被告は、犯行グループの中にいましたか?」 「あっ、ハイ!いました!」 「そこを詳しく…」 「異議あり!」 亜内が異議を唱えた。 「まぁ待ちなさい。成歩堂君。証人はこれから言おうとしてるじゃないか…!」 ⇒To Be Continued... |
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