黒い仮面の鎮魂歌 |
作者:
10join
2008年09月19日(金) 06時49分28秒公開
ID:QRqdkrt8vd2
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おれの名前は謎賀無限。謎賀探偵団の長だ。 おれは謎賀零樹。副団長をしている。なんで2人視点でやってるとかいう質問は抜きにしてもらいたい。 そんなことはどうでもいいだろう。今回の話の主役は一応おれたちではなくヘルジョーカーだ。 いつも空悟じゃ飽きるだろうから探偵団サイドからやるらしい。 これはヘルジョーカーのテーマ曲の誕生秘話だ。 ヘルジョーカーがなんでテーマ曲なんか作らせたかがわかる。 そこにおれたち探偵団がどう関わって来るのか。 それは読んでからのお楽しみだ。 それじゃ始めるか。確かあれはあの誘拐事件からヘルジョーカーが人質を救い出したすぐ後だったかな。 誘拐事件の後 「テーマ曲を作りたい?」 「しかも予告時間に自らの手で流す?」 「「お前そんなことすると捕まるぞ。」」 だってそうだろう。自分でテーマ曲を流すなんて自分の場所を知らせてるのと同じだ。 わざわざ警察に捕まるリスクを犯してまでテーマ曲なんて作る意味があるのか? 「オレもそう思ったんだけどもう1人のオレがどうしても聞かないんだ。警察がすぐに狙われたやつの犯罪の証拠を調べられるようにするためだとか言ってるんだ。」 空悟も同じ事を思ったみたいだ。でも一応ヘルジョーカーの意見にも一理ある。 あいつが狙うのは違法な手段で手に入った美術品だけでついでに狙われたやつが隠していた犯罪の証拠もわざと見える所においていっている。 だから警察が来る前に証拠を処分されないようにテーマ曲を流したいっていうのが表向きの理由らしい。 単に目立ちたいだけかもしれないけど。 「だったら作ればいいんじゃないか。なんでわざわざここに相談しに来たのは何でだ?」 「愛しのアリスの家に音楽会社とのコネぐらいあるだろ。資金にも困らないだろうし。」 空悟の顔がなんか赤くなった。どうやら愛しのアリスという言葉に反応したらしい。 わかりやすすぎるな。ヘルジョーカーに比べると空悟はまだ子供らしい。 「確かにCDを出してくれそうな会社はある。でも歌ってくれる人がいないんだ。ヘルジョーカーのおかげで売れたって言われるのがいやだって言ってな。」 よくわかんないプライドだな。でも一応ヘルジョーカーの曲だから仮面をつけて歌えばいいような気はする。 ファンなら声を聞いたらわかるような気はするけどさ。 「なるほど。それで歌ってくれそうなやつを探してここに来たってわけか。」 「まだ声変わりしてないやつもいるからもし将来デビューしてもばれないって言いたいんだな。」 正直歌わせてくれるかは疑問だけどな。でも歌ってくれるやつがいないんだから新人でもいいと思うかもしれない。 でも一応声が出そうなやつがいいな。ここにいるやつで一応声が出そうなやつと言えば・・・ 「「ホースケ。お前やってみたらどうだ?」」 適当に声は出そうなやつを選んでみた。どうも弁護士になりたいらしくいつも発生練習をしている。 ホースケと言ってもばんそうこうの下に第3の目があるわけでもないし、古代文明の人の生き残りというわけではない。 大体ばんそうこう自体してないし、あのデコでそんなものを隠しておけるわけがない。髪もちゃんとあるし、2本の触覚みたいになっている。 なんかそれっぽい腕輪はしている。どうやら変な力が宿っているらしい。というより血に宿った力を強化するようなものか? あの力にはビックリするしかなかった。あそこまでうまく見破られるとは思ってなかったよ。 一応今は家で預かっている。探偵としては中の上ぐらいだろう。 「オレには無理ですよ。いつも発生練習で異議あり!っていう度に声がかすれてますし、カラオケでもヘタですし。」 やっぱり無理だったか。始めから期待はしていなかったけど。 声が大きいだけじゃやっぱりダメなようだ。他に誰か・・・ 「「キョーヤはどうだ?確か歌はうまかったはずだ。」」 ホースケは誰だかわからないっていう顔をしている。それも無理はない。 キョーヤはアメリカ支部を作った時に団員に引き入れたからな。 「わかった。そのキョーヤってやつの居場所を教えてくれ。」 空悟がそういうので住所を書いた紙を渡しておいた。これで居場所はわかるだろう。 もちろんキョーヤのほうにも連絡はしておいた。 『それでは視点を変えます。』 アメリカ ぼくは無限さんと零樹さんからの電話を聞いて驚いた。あのヘルジョーカーのテーマ曲をぼくが歌えるなんて夢みたいだ。ぼくはヘルジョーカーがいつになったら来るのかと何度もドアの前を確認していた。 「やあ。君がキョーヤかい?」 いつの間にか部屋の中に誰かがいた。ぼくはこの人がヘルジョーカー、いや日渡空悟さんなんだと直感した。 「そうだよ。ぼくがキョーヤだ。それでそのテーマ曲はできあがってるの?」 空悟さんはカバンから歌詞と楽譜を取り出した。見てみるとなんだかヘルジョーカーの姿をそのまま歌に現れてるように思えた。あくまで個人的感想だけど。 「どこでレコーディングするの?」 「音楽会社は日本にあるから日本に行ってもうことになるみたいだ。」 日本か。ひさしぶりにアニキに会ってみるかな。向こうはぼくのことが好きじゃないみたいだけど。ぼくは日本に行って、何事もなくレコーディングも行われた。そして完成したのがこの曲「黒い仮面の鎮魂歌 」だ。聞いてくれないと噛み殺すよ。もちろんただの名前からとったネタだけど。 黒い仮面の鎮魂歌 今宵も始めるSHOWTIME 観客はみんなWAITING FOR THE TIME カメラセットOK 準備はOK 目の前の奇跡 描かれる軌跡 目に焼き付けろ 321LET'S GO 時計の針が予告の時間を告げる時吹き荒れる黒い疾風 その瞬間目の前にあった獲物はそこから消え失せる 不適な笑みを浮かべ現れるのは地獄からやってきた道化 HELLJOKER! 黒いマントをはためかせ飛び去った後に残るのはターゲットの悪事の証拠 裁かれるのは仮面の断罪者じゃない 仮面をはがされた犯罪者 全ての散りゆく者たちの耳にむなしく響くそのメロディー それはあんたに捧げられた黒い仮面のレクイエム 本当は2題目とかもあるけど書くと長くなるので省略しておく。まあ文句なら作者に言ってくれ。ぼくたちには責任はない。こうしてこの曲は全国に売り出されることになった。 『視点を現在の謎賀ツインズに戻します。』 現在 この「黒い仮面の鎮魂歌」は大ヒットで、新聞には「ヘルジョーカーはとんでもないものを盗んで行きました。人々の心です。」とかいう中途半端にパクったような見出しが載っていた。 この曲を出した仮面を被った歌手ことキョーヤのことは一切謎に包まれていて、おれたち以外にその正体を知っている人はいないという。 その歌手の素性を調べようとしている人はまだ大勢いる。その歌手がどうしているのか知りたい人もいるだろう。 「LET'S ROCK GUYS!」 でもそいつは気付かないうちにどこかで歌っているのかもしれないな。 おわり |
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