中国へいっチャイナ!
作者: 青海   2008年09月07日(日) 22時26分27秒公開   ID:vQuykMOx.K.

中国へいっチャイナ!







〜八月九日 午前十一時 成歩堂事務所〜

「なるほどくん」
 トイレ掃除をしている僕を、真宵ちゃんが呼ぶ。
 僕はゴム手袋をはずしながら、真宵ちゃんのいる部屋の方へ顔をだす。
「何? 僕、今トイレ掃除を」
「中国いこ」
「は!? 今、トイレ掃除してるんだけど・・・・・・。しかも今からなんて無理だよ」
 僕は反論する。
 ・・・・・・ちょっとまてよ、本当なわけがないじゃないか。
 僕は安心し、真宵ちゃんについつい言ってしまった。
「いいよ、中国でもオーストラリアでも♪」
「やったぁ!」
 
 



〜同日 午後十二時三十分 飛行機内〜

「いやー、あたしさ。食べたことないんだよね、中国のラーメン」
「・・・・・・そ、そうなんだ」
 あれ? おかしいな? なんで僕、飛行機に乗ってるんだろう? 
 僕は真宵ちゃんの冗談にノって、空港まできて、チケットだして・・・・・・。
 僕の頬に冷や汗が流れる。
 冗談じゃなかったんだ・・・・・・。いや、薄々気付いてたけどさ。
 再確認のため、真宵ちゃんに質問する。
「ま、真宵ちゃん? ここ、どこ?」
「うーん、中国に向かってるから・・・・・・太平洋の上らへんだね」
「日本海だよ」
 やっぱり僕らは中国に向かっているらしい。いや、信じられないけどさ。
「なるほどくん、機内食食べないの? あ、食べれないんならあたしが」
「食べるよ」
 そう言って、機内食の蓋をあける。スパゲティーのにおいが広がり、心が落ち着く。
 ・・・・・・心が・・・・・・落ち着かない。
 さっきから気にしないようにしていたが、やっぱり・・・・・・怖い。
 今、飛行機どのくらい高いんだろう?
 窓から外を見てみると、雲で何も見えなかった。
 ・・・・・・雲。そっか、僕は今、雲の上にいるのか・・・・・・。
 僕の頬にまた、冷や汗が流れる。
 気を紛らわすため、真宵ちゃんにさっきから気になっていたことを聞く。
「えーと、僕達どうして中国に向かってるんだっけ?」
「声、震えてるけど大丈夫? ってあれ、言ってなかったけ?」
 言ってないよ・・・・・・。
「なんと、はみちゃんが!中国行きのペアチケットをあてちゃったの!福引で」
 福引、そういや僕、当ったことないよな。
「なるほどくん、聞いてる?」
「あぁ、ごめん。それで?」
「はみちゃんね、そのチケットをあたしとなるほどくんにってくれたの!」
「・・・・・・だから僕は飛行機に乗ってるのか・・・・・・。あんまり納得できないけど」
 そして、僕にふとした疑問が浮き上がる。
「僕、着替え持ってきてないぞ」
「あぁ、大丈夫!・・・・・・日帰りだから」
「あぁ、そっか。・・・・・・って日帰り!?」
 中国まで行って日帰り、ってどんなプランだよ!?
 僕の頭は、混乱しきってかえってすっきりするほどにまでなっていた。
 まだトイレ掃除、終わってなかったのになぁ。
「楽しみだね、なるほどくん!」
「・・・・・・不安、だね。どっちかっていうと」




〜同日 午後三時 中国 ラーメン屋〜

「味噌ラーメン、イー!」
「ミートゥ」
「なるほどくん、甘いね。ここは中国だよ。中国語で話さなきゃ」
「真宵ちゃんの中国語よりかは通じると思うな」
 僕達は中国に来て、ラーメン屋へ行った。いや、僕は引っ張られていった、という方が正しいかもしれない。
「シェーシェー! やったぁ、来たよ! 食べよ食べよ!」
「うん、もうここまで来たから。食べるしかないよ」
 僕はラーメンをすすりながら食べる。中国のラーメンはやっぱり美味しい。
「ね、ね。来たかいあったでしょ!」
「うん、まぁね。ちゃんと始めに話してくれればね」
 といいつつも、やっぱりラーメンは美味しい。けっこう急だったけど、これからゆっくりすればいいんだ。真宵ちゃんとはみちゃんからの贈り物だし、楽しむか。
「じゃ、いこっか!」
「ショッピングでも行くの?」
「ううん、帰るの。もうそろそろ帰りの便が・・・・・・」
「・・・・・・異議あり・・・・・・」





             



              おわり
■作者からのメッセージ
私は、本当に文章になれていなくて、今回この物語にとりかかるにあたって、たくさんのかたの作品を読ませていただきました。
本当に皆様の作品はおもしろく、はやく続きを読みたいという衝動にかられました。
私もこのような作品を書きたいと思っています。
コメントを書いてもらえると本当に嬉しいので、「しゃあない、書いたろうやないか」という人は、コメントをよろしくお願いします!
(短くてごめんなさい;)

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