闇の中にて、 |
作者:
刹那
2008年07月29日(火) 21時51分44秒公開
ID:ofundlsaRuI
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※注意※ *キャラがかなり崩壊しています *違う漫画から登場するキャラが居ます。(分かる方居たら嬉しいです) *少しグロテスクな表現があります。(そうでもないと思う) *あり得ないほど短いです。 以上が駄目だと思う方はバックして下さい。 「OK!むしろ来い!」という方だけスクロールお願いします。 ちなみに、読んで気分が悪くなったとしても、責任は取りません。 後悔しようにも償う体は無い 私の所為で運命を捩じ曲げた人達に謝る口も無い 「はい、貴方地獄ね」 閻魔大王の声が響く。 「分かりました」 それは、酸素がなくなると人が死ぬ位の必然で、既に私は平然と立てるくらいは心構えをしておいた。だが、 声が震えるのは、何故。 「成仏する前も無理に留まって人を殺したねえ」 赤い目がすっと細くなって、呆れた様にため息をつかれた。 捨てて来たはずのプライドがかすかに疼く。冷静を保つ様に、あるかどうかも分からない酸素を深く吸って心を落ち着かせる。 「鬼男くん、宜しく」 「はい」 隣に居た褐色の肌の鬼の爪が伸びる。 「覚悟」 しゃんと空気を切る音がした。深く深く頬が切れる。痛みはあまり、無い。 「君の地獄の滞在時間はその傷が消えるまで」 ちなみに、と閻魔大王は付け加えた。 「ここの流れる時間はあまりにもゆっくりで、気が狂う人も居るらしいけど、君は大丈夫だよね?」 そう、私は狂う資格も無い。 「じゃあ、いってらっしゃい。良い、闇を」 閻魔大王は綺麗に笑って手を振った。 生臭い血の海は、懐かしい臭いがした。 突き刺さる、無数の針は、懐かしい痛みがあった。 闇に捕われた囚人のうめき声は、懐かしい音だった。 きっと一番痛いのは、疼き始めた頬の傷。 そう、時間はあまりにも長くて、考える事しか出来ない。 だから、あのときこうすれば良かったと後悔ばかりが浮かんでくる。 血の海に沈む。 もしもあの時、妹と一緒に葉桜院に行っていたら。 もしもあの時、あの大学に入らなかったら。 もしもあの時、あの人と出会わなかったら。 もしもあの時………。 浮く、沈む、浮く、沈む……。 もしも次の世で、私が関わったすべての人達に会ったら素直に謝れるかしら。 蜘蛛の糸なんてはじめから期待していないから。 考えられたのは初めの方だけ。 あとは闇に包まれる。 ただ、頬の傷だけが痛いのだ。 なにかを忘れるなと言う様に。 闇の中にて、 (駄目だったみたいだよ、鬼男くん) |
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