赤く輝く記憶
作者: 10join   2008年03月10日(月) 16時50分38秒公開   ID:lBGY4c4qTNg
【PAGE 2/2】 [1] [2]


「きさまら余のことを忘れておらぬか?」
 そういえばなんでも破壊できる人もいましたね。そんなことを考えてるうちに防犯ガラスが砕け散っていました。布が当ててあるから音はあまりしませんでした。
「それじゃいくよ。しっかりつかまってくれ。」
 わたくしはうなずくとヘルジョーカー様につかまってハンドグライダーで夜空に飛び去って行きました。

 そして予告時間ちょうどに仮面の絵札のことを全く知らなかった強盗たちはわたくしの部屋を見てわたくしがいないことに気付いたようですが、ヘルジョーカー様が呼んだ警察に逮捕されました。
「はあ。疲れた。」
 ヘルジョーカー様が汗をぬぐったら仮面がとれてしまって素顔が出てきました。かなりかっこいいですね。
「あ。うっかりしてたみたいだな。オレの名前は日渡空悟。ヘルジョーカーの表人格だ。」
 つまりヘルジョーカー様って二面性があるってことですか。ミステリアスですね。
「この恩は忘れません空悟様。赤いラピスラズリは切札美術館に差し上げましょう。父も納得しましたし。」
 すでにこの事はお父様と電話で話していました。とっくに居場所はばれてるので携帯電話は没収されなかったんです。
「どういたしまして。あ、そうだ。番号とメルアド交換しようか。」
 うれしいことに空悟様がこう言ってくれました。わたくしたちはその場で番号とメルアドを交換しました。そうしている間にお父様の車が来る音がしました。
「さようなら。また会えるといいな。」
「そうですね。」
 そういって空悟様は仮面をつけてヘルジョーカー様になって空に飛び去って行きました。
『現在の空悟視点に戻します。』

現在
 それがオレたちの出会いだった。それからアリスは金銭面以上に、オレを精神的に支えてくれた。赤いラピスラズリは確かに呪われた宝石だ。けどこいつがなければオレとアリスは出会わなかっただろう。そのことには素直に感謝したいと思う。

                終わり
 
 
 
 
   
 
■作者からのメッセージ
やっぱりブランクがきついかもしれません。長編はもう少し後に書きたいと思います。

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集