なるほどくんの楽しい一日 第一話 |
作者:
峰
2008年03月04日(火) 19時56分54秒公開
ID:nNkpwCu1.F6
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ある日のお昼時。僕は牙流検事の所へ行くという王泥喜君とみぬきを見送った後、事務所のソファーに寝そべっていた。お腹すいたなぁ、なんて考えてたら、聞き覚えのある声が外から聞こえてきた・・・。 「なるほどくーん。あけてよ〜。」 ・・・真宵ちゃんの声だ。 「はいはい。今あけるから・・・」 そう言って僕は、ソファーからゆっくりおりて、事務所のドアを開けた。僕はてっきり、真宵ちゃんだけなのかと思っていたが、真宵ちゃんの横にははみちゃん、その後ろに狩魔検事と御剣もいた。 「今日はあたしがみんなを呼んできたんだから感謝してよね、なるほどくんっ!」 ふふん、と得意そうに真宵ちゃんが言う。 「私だって暇ではないのだぞ。」 「感謝しなさい。成歩堂龍一。」 後ろから御剣と狩魔検事が言う。 「なるほどくんに会うのは久しぶりですから、私楽しみにしていたのですよ。」 と、はみちゃん。あぁ、懐かしいなぁ。なんてのもつかの間。みんなはズカズカと事務所へ入っていった・・・。 「手品のお道具がたくさんありますね。」 はみちゃんは珍しそうに事務所を見て回る。 御剣と狩魔検事はさっきまで僕が寝ていたソファーに座っている。真宵ちゃんは、台所で食べ物や飲み物を用意している。僕はというと。いすに座ろうとしたのだけれど、それをさまたげられた。というのも、また事務所に来客がきたのだ。 (これ以上は入れないかもしれないぞ・・) そんなことを考えながらドアを開けると。そこには王泥喜君とみぬきと、牙流響也が。 「パパ、牙流検事連れてきたよ。」 「みぬきちゃんにどうしても、と頼まれたんでね。」 「あれ?誰かきてるんですか?」 王泥喜くんがそう聞いてくる。僕は、 「お客じゃないけどね。」 というと、 「じゃあ誰なんですか?」 と言って事務所に入った。事務所に入ると王泥喜君は耳に響く声で 「あっ!!!」 と言った。その声が狩魔検事を怒らせた。 「うるさいッ、耳障りだわッ!!」 ヒュン、ヒュンッ!、とどこからともなく愛用の鞭を取り出し、王泥喜君をひっぱたいた。その音を聞くのは久々で、あぁ、僕もひっぱたかれたなぁ。なんて思ってた。王泥喜君には悪いけど、懐かしくてさ。 「な、成歩堂さんっ!この人って狩魔検事じゃないですか!!あっちには御剣検事さんも!!」 王泥喜君は狩魔検事の鞭をくらいながら言った。その声もまたデカくて。 「何度言ったらわかるのっ!その大声をどーにかしなさいッ!!」 また狩魔検事のムチにひっぱたかれていた。さっきより痛そうだ。 「わー!!」 狩魔検事と王泥喜君がぎゃあぎゃあ騒いでいると、いつの間にかみぬきと牙流響也も事務所にはいってきてて。 「伝説の検事と弁護士が勢ぞろいだね。」 何ていいはじめた。みぬきはというと、台所にいるはみちゃんと真宵ちゃんの所へ行って、 「真宵さん、おやつはみぬきと牙流さんと、つでに王泥喜さんの分もお願いします!」 なんていっちゃってさ。にっこり微笑んで「うん!」 と言ってる真宵ちゃんの横ではみちゃんが、「みぬき様、私にまじっくを見せていただけませんか?」 と言って。みぬきははりきって、またぼうしくんをだしている。 牙流響也は話す相手がいないからか、はじめての割には少し慣れなれしく御剣と話している。・・・多分裁判の話だ。御剣はそんな牙流響也を少しうっとうしそうな目で見ていた。なんだかんだで皆楽しそうだし。まぁいいや。なんて思ってたら台所から真宵ちゃんがお菓子をもってきた。 「さ、みんな。食べよ食べよ。私お腹すいちゃった。」 と言いながら。おやつはクッキーでみんな小皿にきちんと分けられていた。その皿をみんな一皿ずつとっていくと、真宵ちゃんが急に 「あ〜っ!!」 と言った。それはさっきの王泥喜君の声よりデカくて。 「ど、どうしたんだよ真宵ちゃん。」 と僕は言った。すると 「あたしのクッキーが一枚なくなってるの〜っ!!!」 と言った。確かに真宵ちゃんの皿には4枚、みんなの皿には5枚のっているが、クッキー一枚でそんなに騒がなくてもなぁ・・・。 大騒ぎになる前にとめないとと思って、何とかなだめようと、「まよいちゃん」といいかけたが、その言葉はさえぎられた。 「なるほどくんが一番あやしいよッ!!今でも食い意地はってそうだしっ。さっきずっと一人でいたのはなるほどくんだしねッ!!」 と、言った。いやな予感はしてたんだけど、まさかこんなことになるなんて・・・。 「なら成歩堂龍一は被告人ということね?」 狩魔検事が言った。王泥喜君は「いたたたた・・・。」と言って頭をおさえていた。 狩魔検事の一言で、真宵ちゃんは 「決めたッ!!」 と言った。さらにいやな予感がする。 「あたしのクッキーをめぐって、みんで裁判だよッ!!天才検事と、・・・一応弁護士もいるしッ!!!」 ほら、的中だ。 「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!成歩堂さんが被告人になっちゃったら弁護人って俺一人じゃないですかッ!!!3対1でしかも相手はあの伝説の天才検事と・・・なんか最近流行りの人ですよ!!?」王泥喜君まだ頭を痛そうにおさえながら言った。 「最近流行りの人はないだろうおデコくん。」 王泥喜君の言い分もわかる。・・・牙流検事の言い分もちょっとはわかる。でも真宵ちゃんは、 「大丈夫だよオドロキくん。なるほどくんは自分で自分の弁護くらいできるし。ねっ、なるほどくんっ!!」 いつの間にやら真宵ちゃんは顔がイキイキしている。 「はい、じゃあ決定っ。さっそく裁判をはじめようっ!!」 「じゃあみぬき裁判長やりたいです〜。」 こうして真宵ちゃんは来客みんなを仕切り、裁判をはじめた。 |
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