逆転裁判小説集 隠された逆転 後編
作者: 東条   2010年02月22日(月) 17時16分24秒公開   ID:Uk/VlOgR0.A
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前回までのあらすじ

秋山の誘いにより英都撮影所に来た成歩堂達は殺人事件に巻き込まれる。
容疑者流沢 真衣の弁護をすることになった。
証拠、証言は共に完璧。
担当検事は狩魔 冥とピンチに追い込まれる。
ところが、江ノ川 次郎により真衣に双子の姉がいる事を暴露。
状況は一変する。



 法廷記録

人物ファイル

秋山 勝  (23) 野球場事件で知り合った、現在次期トノサマンシリーズの主役になるらしい。

オバチャン (??) 本名大場 カオル、御剣のファンで警備員。

スタッフ  (28) 本名大宮 藍子、撮影所のスタッフ。

西木場 一平(30) 人気男優、この事件の被害者。

流沢 真衣 (26) 人気女優、この事件に被告人で西木場からセクハラを受けていた。

DJ西原   (42) スタッフ、音楽と照明係、本名西原 大寿、検察側の証人。

江ノ川 次郎(27) 俳優、少し頼りなさそう、検察側の証人。

????? (??) 真衣の双子の姉。



担当検事 狩魔 冥



証拠品リスト

弁護士バッジ 僕の身分を証明するバッジ。

勾玉     これで、嘘を暴ける。

サイン色紙  スタッフさんから貰った物、秋山さん、江ノ川さんのサインが書いてある。

秋山の証言書 今日から骨付きステーキが骨なしステーキに変わりその事実を自分は知らなかった。

被害者の解剖記録 死亡推定時刻12時00分〜1時00分
         左胸をナイフに刺され失血死

白いドレス  流沢さんのドレス、事件発生時も着ていた。

髪の毛    DNA鑑定の結果間違いなく被告人のものである。
       被害者の口から発見された。

ナイフ    凶器、被告人の指紋が付着。






隠された逆転
            探偵U〜1

11月4日 午前9時00分 成歩堂法律事務所

外には坂東ホテルが見えている。
そんな中僕は真宵ちゃんと今後の事や昨日の法廷の事を話していた。

「昨日の法廷凄かったよね!まぁ、なるほどくんは活躍してなかったけど」

「そんな事言うなよ、一応僕も西原さんの証言の矛盾を暴いたんだぞ」

まぁ、確かに昨日の法廷江ノ川さんのあの言葉。
双子の姉がいると言う事が発覚しなければ、僕達は負けていたんだろうな。

「じゃあ、捜査に行こうと思うんだけど、春美ちゃんは?」

今日から彼女の姿を見ていなかったので、真宵ちゃんに質問してみた。

「修行サボるのはいけないと思うので今日はちゃんと修行に行くみたいだよ!
 でも、法廷には顔を出すみたい!」

立派だな、修行だなんて。
それに比べて最近マヨイちゃんは修行をしていないみたいだ。
一応家元さんなのにな。
後、修行、家元とは、マヨイちゃんと春美ちゃんの正体に関わっている彼女たちは霊媒士なんだ。
性格には、倉院流霊媒道霊媒士だそうだ。
信じられない話だが、しかし僕は彼女たちの不思議な力を何度も見てきた。
とにかく、僕たちは事務所を後にして撮影所に向かったんだ。

同日 10時24分 英都撮影所・門

「オバチャンいないね.....」

おい、さすがに警備員がいないのはおかしいだろ。
僕は何時もオバチャンがいる警備室の机に置いてある紙に目がついた。
僕はそれを読み上げる。

「検事局に行ってくるヨ!スタッフの大宮!警備は頼んだヨ」

「何故、検事局に行くんだろうね」

「答えは昨日の出来事にあるんじゃないか」

それより、ここにスタッフの大宮さんが来るんだよな。
確か彼女は....撮影所前で会って、秋山さんと僕たちと一緒に昼食を食べた人だ。
彼女は僕たちと秋山さんと昼ご飯を食べていた。
その時間は犯行時刻、アリバイは完璧だ。
この人に話を聞いても無駄そうだ。
僕たちはコテージへ向かった。


同日 某時刻 コテージ(第2スタジオ)

そこにはイトノコ刑事がいた。
そういえば、機能の法廷で犯人候補に上がった双子の姉については調べたのだろうか。

「イトノコ刑事、双子の姉の件はどうなったんですか」

「あんたには残念な知らせかもしれないっス、彼女には犯行不可能っス!」

なんとなく、そんな気がしてたが.....
何故だろう。
疑問をぶつけてみると。

「だって彼女は半年前に死んでるっスから.........」

「死んでる!!」

不可能かもしれないと言う事は考えていたが.....
死んでいるなんて予想もしなかった。

「これは、警察のごく一部しか知らない情報っス。
 ここから3時間ほどでいける参山と言う場所があるっス。
 そこには、大きな崖があって、下は川っス。
 その崖に彼女の遺留品が落ちていたっス。
 その後、川から女性の死体が発見されたっス。
 その事から、彼女は自殺したと考えられるっス!」

う〜ん、自殺ね。
自殺の理由は分かっているのだろうか?

「イトノコ刑事自殺のり.......」

物凄い勢いの鞭がイトノコ刑事に直撃する。
狩魔検事だった。

「相変わらず、刑事から情報を収集する汚いやり方を使っているのね!
 成歩堂 龍一!」

現場の最終確認に来たのだろう。
相変わらずの自慢気な表情で僕に話し掛けてきた。

「残念ながら自殺の理由なんて事件とは無関係よ!
 この事実が示しているのはただ一つ双子の姉には犯行が不可能だったって事よ!!
 明日の法廷棄権した方が良いかもね?」

そう言って去っていった。
双子の姉に犯行が不可能なら、犯人は彼女流沢さんしかいない事になってしまう。
DJ西原の証言では顔を見ていないが、江ノ川さんははっきり見ている。
しかし、双子の姉の自殺の理由が事件に関わっていない。
本当にそうなのだろうか?

「マヨイちゃん、行くよ!」

「どこに?」

「双子の姉の自殺の真相を調べるんだ、この撮影所の人に聞いてみよう」

すると、マヨイちゃんは少し考えてすぐに返事をした。
僕たちは、コテージから出て第1スタジオに向かった。

同日 某時刻 第1スタジオ前

近寄りがたい雰囲気で缶コーヒーを飲んでいる江ノ川さんがいる。
う〜ん、別の人に聞こうかな。

「考えていないでさっさと聞く!すいません!!」

「あ......え〜と....べ、弁護士さん達ですよね....」

「ええ、昨日の法廷はどうも、それと一つ貴方に聞きたいことがあるんです」

江ノ川さんがそこまで知っているだろうか。
分からないけど、聞いて見なきゃ始まらない。

「貴方が今日の法廷で口走った双子の姉の情報です」

急に黙り込んでしまった。
そして、江ノ川さんの周りを鎖が包み。
錠が5つ現れた。

「さ、サイコ・ロック!」

どうやら、知っているらしいな。
双子の姉の自殺の理由を。
この人にはあるていどの事を把握してから問い詰めた方が良さそうだ。
僕は別の場所へ向かった。

同日 某時刻 スタッフエリア

「昼食を食べた所だね」

今日は、何人かしか働いていなかった。
事件の後日じゃ無理もないか。
すると、DJ西原さんを見つけた。
もしかしたら.......

「こんにちは!DJ西原さん」

「YO〜!弁護士の兄ちゃん!どうしたんだい?」

相変わらずハイテンションだ。
僕は、彼に自殺の理由を知っているかと聞くと。

「う〜ん、困るNE〜!知っていること事は知ってるけど.......
 でもね〜口止めって奴をされてるから駄目だYO〜」

口止めか。
でも、今の様子だと頼み込めば....

「お願いします!そこを何とか」

「駄目、駄目、綺麗な方にお願いされるならまだしもNE〜」

う〜ん、不味いな。
僕は、マヨイちゃんから頼んでみる事を提案したが.....。
結局無視されてしまった。
どうしたらいいんだ.....。

「諦めるのはまだ早いわ、なるほどくん」

そ、その声は........。




つづく





     隠された逆転
             探偵U〜2

「千尋さん!」

でも、体は真宵ちゃんだ。
これが、真宵ちゃんと春美ちゃんが使える特殊能力霊媒だ。
体格も顔も心も今まで生きてきた記憶まで霊媒した人物になる。
信じられない話だが彼女達の特殊能力を色々な所で見てきた。

「DJ西原さんよければ、お話しませんか?」

「喜んで!」

すげ〜!。
一瞬で態度を変えたぞ。

「双子の姉の自殺の理由を聞かせてもらえないかしら」

「勿論ですとも、しかし若い子がこんな話を聞いてもつまらないと思いますよ〜」

DJ西原さんは、もはやただの西原さんになってしまったようだ。
何時ものDJ口調はもうなくなっている。

「今から半年前に殺人事件があったんですよ、この英都で!」

半年前に殺人事件だって。
初めて聞くぞ、こんな情報。

「被害者は、天月 六之助、王都楼って奴が捕まってから奴が一番英都の男優の中では人気がありました、そして容疑者がその双子の姉だったんですよ
 そして、彼女は警察に捕まりますが脱獄するんです
 まぁ、後は自殺ですよ、おそらく自分が天月を殺害した事がばれて死刑になる前に死のうって思ったんじゃないんですか
この事は撮影所の皆に伝えられ口止めされました」

なるほど、この情報どうやらかなり重要な証言みたいだな。
あの人物を追い詰めるために証言書としてまとめておこう。

「いやー、参考になりましたか、お嬢さん」

「ええ、貴重なお話ありがとうございます」

千尋さん、弁護士やらなくても生活できるんじゃないか。

「そんな事よりなるほどくん、久しぶりね」

そういえば、かなり久しぶりだな。
僕が弁護士でいられるのも、僕が今ここにいるのも千尋さんのおかげだ。
死んでからも感謝の気持ちを忘れた事はない。

「ふふ...顔が弁護士らしくなったわね、前なら法廷に来てくださいって頼んでたのに
 その必要はないみたいね」

「ええ、でももうすぐお別れですね」

「そうね、何時までも用もないのにここにいる訳にはいかないわ
 でも安心したわ、たくましくなった貴方を見て
 また会えるわ、きっとね......」

そして、彼女はマヨイちゃんに戻った。
よし、あの人物にこの事を問い詰めるんだ。
僕はもう一度第1スタジオへ向かった。

同日 某時刻 第1スタジオ

また、ベンチで缶コーヒーを飲んでいる。
この人よっぽど暇なのか。
まぁ、そんな事はどうでもいいか。
彼に聞くんだ、この事件のことを。

「くらえ!」

鎖が江ノ川さんを包み錠が現れる。
ここは、勢いで解除するしかない。

「江ノ川さん、双子の姉の自殺について知っているんでしょう」

「し...知りませんよ、第一皆知りませんし」

皆と言う言葉を使うと説得力が増すっていうけど今の場合は命取りだな。

「皆知らない、それは嘘です、DJ西原さんが知っていました
 しかも、彼はこうも言ってるんです
 詳細については撮影所の皆に伝えられたと」

パリン!
錠が一つ割れる。
すると、何時もより小さな声で。

「あ..貴方は、な..何もかも分かってるんですね」

「ええ、そして事件詳細も知っています!
 これが最後の証拠品です」

僕は西原さんの証言書を読み上げる。
すると、パリン、パリンと錠が割れていく。
そして、最後のロックが勢いよく割れた。

「分かりました、何もかも分かっているなら、あなたの知らなそうな情報を差し上げます」

何時もより威勢が良いな。

「何時もより口調がはきはきしてますね」

「あれは、単なるキャラ作りです、双子の姉正確には流沢 真紀です。
 真紀さんと天月は付き合っていました。
 容疑者は真紀さんと考えられていたようですが、最近再捜査が行われある人物が怪しくなりました」

ある人物が怪しくなった。
つまり、半年前の事件の真犯人か。

「西木場 一平、この事件の被害者です
 彼は、前の事件の目撃者同時に、真紀さんはあの半年前から西木場がやったのを目撃したと主張したんです。
 僕は真紀さんが正しいと信じてました、そして本当に真紀さんが正しかったんです
 双子の姉がいると暴露したのも、真紀さんを真衣さんが似ていたからこそ助けたくなったんでしょうね、姿は似ていても真紀さんではないのに。」

半年前の事件の事は全て分かったな。
自殺の理由も分かった。

「でも、双子の姉の真紀さんが死んでいる以上やっぱり、関係なかったんじゃ!」

真宵ちゃんはそう言っているが僕は違う気がする。
僕は門に戻ることにした。

同日 某時刻 英都撮影所・正門

「さっき関係ないっていってたけど、僕はそうは思わないよ」

「えっ、何で?」

真宵ちゃんが尋ねる。
勿論、まだ推測でしかないが。

「半年前の出来事は僕の考えが正しければ、この事件の動機そのものだ
 そして、犯人の確率が最も高い人物は........











江ノ川さんだ!」

真宵ちゃんが驚いている。
まだ、推測でしかないが、トリックも説明できる自信がある。

「まず、彼が真紀さんの事を話すとき、自分は真紀さんを信じていたとか、
 彼女を思い出し守りたくなったと言っていたけど、それは彼女に好意を持っている証拠、西木場さんが真紀さんを死に追いやった復讐という動機が成立するんだ」

すると、真宵ちゃんは。

「じゃあ、あの目撃証言は嘘なの、それとDJ西原さんの目撃証言はどうなるの」

「DJ西原さんの目撃は、ドレスの色が違ったり、後ろ姿しか見ていなかったり目撃証言として不充分だ。

⇒To Be Continued...

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