再会と出会いの逆転 1 |
作者:
オドロク
2009年02月18日(水) 23時07分33秒公開
ID:prxyj7DEYek
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再会と出会いの逆転 プロローグ 「こいつらに・・・復讐してやるんだ・・」 男は、新聞の切り抜きを見つめて、呟いた。 「俺たちの人生をめちゃくちゃにした、こいつらに・・・・」 ぐさっっ!! 切り抜きにハサミをつきたてて、男はにんまりと笑った。 「待ってろよ・・・お前らから、一番大切なものを、奪ってやるからな・・・」 第一章 ピリリリ・・・・ピリリリ・・・・ ん。みぬきちゃんから電話だ。どうしたのかな、今日は日曜日なのに。 「はい、もしもし。」 「オドロキさああああああん!!!!!!! 助けてくださあああああああああい!!」 「み、みぬきちゃん!?」 「みぬき、つかまっちゃったんですうう!! はやく留置所に来てくださああああい!!」 ピッ。 な、なんだって!?みぬきちゃんが、つかまった!? は、はやく留置所に行かなきゃ!! 留置所 「オドロキさん! 遅いですよおお・・・」 「ご、ごめん、みぬきちゃん。 ・・・それで?何で捕まっちゃったの?」 俺は、かなり沈んでいるみぬきちゃんに尋ねた。 「実は、昨日の或真敷一座のショーで、お客さんが殺害されたんです。」 「お、お客さんが・・・」 みぬきちゃんは昨日、ゲストとして或真敷一座のショーに出演したのだ。 「お客さんが殺害された時間、みぬきのアリバイはないし、しかも、凶器にみぬきの指紋がついてたらしくて・・・・」 ・・・・相変わらず、絶体絶命だな。 「とりあえず、もっと詳しく聞かせてよ。」 注意 この「再会と出会いの逆転2」、前読んだ、という方もいるかもしれません。 実は、前書いたものがなぜか消えてしまったので、もう一回書くことにしました。 文章を少し変えたので、前読んだ方もぜひ読んでくださいね。 長くなりましたが、本編はじめます。 再会と出会いの逆転 第二章 「・・・遅いなあ。」 オレはみぬきちゃんに教えてもらって、事件現場であるひのまるコロシアムに来ていた。 みぬきちゃんが、仕事仲間にオレを事件現場に案内するように頼んでくれたらしいから、コロシアムの入り口でその人物が来るのを待っていた。 仕事仲間って、魔術師なんだろうな。バランさんみたいな人が来たら、ちょっとやだな。 「それにしても、おそ 「おまたせしましたああああああっっ!!」 「ぎゃあっ!?」 オレの発声練習と同じくらい大きな声が響き渡り、オレは思わず腰を抜かしてしまった。後ろを振り向くと、そこに立っていたのは・・ 「・・・・・・・・・は?」 大声の犯人は、まだ小1ぐらいの女の子だった。人間違いかと思ったが、確かに彼女は、みぬきちゃんのような衣装をしていた。 「あなたが、みぬき嬢が言っていた、オドロキ殿だろうか?」 「う、うん・・・」 なんか、変な口調の子だな。 「やはりそうか。角を生やした赤いお兄さんと言ったら、ここにはあなたしかいないから・・」 角って・・・みぬきちゃん、ヒドイ。 「私は或真敷蘭(あるまじきらん)。魔術師で、或真敷バラン殿の弟子、みぬき嬢のビビルバーでの仕事仲間だ。みぬき嬢から、あなたを事件現場に案内するよう頼まれた。ちなみに、今回の事件の証人だ。」 一番最後のが、一番重要な気がする。 「しょ、証人って・・蘭ちゃん、みぬきちゃんのこと嫌いなの?」 そうたずねると、蘭ちゃんはキョトンとした顔で、オレを見上げてきた。 「何を言う、オドロキ殿。みぬき嬢は私の大切な先輩だ。」 「でも、証言するんでしょ?」 そうたずねると、蘭ちゃんはますますキョトンとした顔をした。 「検事殿は、証言はみぬき嬢を助けるものだといっていた。」 蘭ちゃん、それだまされてるよ・・・ そういえば、今回の検事、誰なんだろう・・ 「この事件の検事殿は、すごい殿方だそうだ。」 心を読まれた。 「これは、クスリくさい女性から聞いたのだが」 それ、アカネさんだろ。 「今回の検事殿は、しゅせきけんじで、てんさいと呼ばれているそうだ。」 「しゅしゅしゅ、主席検事いいいいいい!?」 主席検事で、しかも天才なんて、勝つ自信がぜんっぜんない!!! 「赤くてふりふり・・・いや、ひらひらの、かっこいい殿方だった。」 法廷で赤がかぶっちゃうな。どうしよう。 「オドロキ殿、こんなところで立ち話もなんだし、そろそろ事件現場に行かないだろうか?」 「う、うん、そうだね。」 ひのまるコロシアム・裏通路 「そういえば、蘭ちゃんはバランさんの弟子で、娘さんではないんだよね?」 「そうだ、私は或真敷一座との血のつながりはない。」 そういえば、蘭ちゃんは目が青いし、髪もプラチナブロンド(そんな名前だった気がする)だ。あんまり日本人の香りがしない。 「それじゃあ、どうして或真敷一座で暮らしてるの?」 オレがそう尋ねると、蘭ちゃんは悲しそうに目を伏せた。 「・・・捨てられた。」 「え。」 「2歳のとき、ここに『預けられる』という形で親に捨てられた。もう、両親の顔も覚えていない。」 そういうと、蘭ちゃんはますます悲しそうに頭をたれた。 そのすがたが、なぜか小さいころのオレに重なって見えた。 「・・・オレも」 「え?」 「オレも、小さいころ父さんが死んじゃって、そのあと母さんもどこかに行っちゃったんだ。」 そういうと、蘭ちゃんはオレの顔をまじまじと見つめた。 「・・・そんな風に見えないなあ。」 ・・・そうか。 「まあ、昔つらいことがあった人のほうが、昔を思い出さないように明るく振舞えるからな。それに、私も或真敷一座にいられて幸せだから・・・」 蘭ちゃんは、シルクハットのずれを直した。 「さあ、はやく事件現場に行こう。さもないと、日が暮れてしまう。」 「そうだね、早く行こう!」 続く |
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