逆転NOTE21 |
作者:
10join
2009年02月16日(月) 12時19分36秒公開
ID:yI0DTBIFyLM
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3月10日 午前9時42分 被告人第2控え室 いよいよ今日が最終日だ。この法廷で白夜さんの運命が決まる。 「なんだか緊張してくるねなるほどくん」 「そ、そうですね」 真宵ちゃんと春美ちゃんが不安そうな顔で言った。どうなるか不安なのはぼくだって同じだ。 「まあなんとかなるだろう。もう犯人が誰なのかわかってるしね」 白夜さんが平然と言った。この裁判の被告人あなたですよね? 「それはそうですけどやっぱり心配です」 「大丈夫だよ星歌。ぼくは必ず君のもとに戻ってくるから」 「白夜さん…」 白夜さんと星歌さんは相変わらずのろけてるみたいだな。どうでもいいけど戦いかなんかだったら死亡フラグか敗北フラグがたってるような気がするのはぼくだけなのか? 「あると思います」 「「どこの詩吟ネタをする芸人だ!」」 空悟君に対してぼくと真宵ちゃんは同時につっこみを入れた。なんだか恥ずかしくて顔が熱くなる。真宵ちゃんの方を見ると少し赤くなっていた。 「「なんでそこまで被るのか正直疑問だ」」 「無限君と零樹君が言っても説得力全くないよ」 紫音ちゃんの的確につっこんだ。確かに二人が言った所で説得力なんて全然ないな。 「そろそろ開廷の時間です」 いつもと同じ係官が声をかけてきた。もう入廷しておいた方がいいな。 「ちょっと待ってくれ成歩堂君」 白夜さんは懐から黒いノートを取り出した。 「これってもしかしてあれですか?」 「そうだよ。倉杉のノートだ。多分何かの役に立つと思う」 やっぱりそうか。よく周りを見渡すとあのかなり影が薄…じゃなかった気配を消すのが 言葉に言い表せないほどうまい死神がいるのが見えた。 「今明らかに影が薄いって思いましたね。いいですよ気を使わなくたって。どうせ私なんか死神仲間にも『お前の場合ノートに触っても見えないんじゃないの?』とか『あ、いたんだ。気付かなかった』とか言われてるんですから」 その死神はかなり落ち込んでいた。 「気にするな。影が薄かったら幻の6人目とかになれるかもしれないだろ」 空悟君。それは全然フォローになってないぞ。というより死神に通じるのか? 「私バスケしないんですけど」 普通に通じたみたいだ。特別死刑執行請負および違法キラ対策室に、海賊の旗がシンボルの週刊マンガ雑誌を持ってきてる人がいるみたいだ。あれ、ちょっと待てよ。それって一体何年前のやつなんだ? 「そんなの気にしてたら負けなんじゃないの?早く行こうよ。もう法廷始まるよ」 「そうです。急いで下さいなるほどくん」 真宵ちゃんと春美ちゃんが急かしてくる。確かにもう入った方がいいな。その前にこのノートを法廷記録に加えておこう。 倉杉のノートを法廷記録に加えた。 倉杉のノート 倉杉影薄が使っていた物。姿をくらませるのが得意な死神がついている 「私姿くらませてないんですけど」 死神が何か言ってるけど聞いている余裕はない。これが本当に最後だ。絶対に白夜さんを救うと決めてぼくは法廷に入った。 同日 午前10時1分 地方裁判所第4法廷 カッ! 「これより白夜の最後の審理を始めます」 「弁護側準備完了しています」 「検察側もとより」 相変わらず余裕があるなカール・ムアッグウォー。 「それではカール・ムアッグウォー検事。最初の証人を」 「最初?その言葉は不適切だぞ裁判長」 カール・ムアッグウォーは不敵な笑みを浮かべて指をチッチッチッとでも言うように動かした。 「そ、それは一体どういう意味なんですかカール・ムアッグウォー検事?」 「知れたことよ。この証人の証言でこの法廷は終わるということだ」 カール・ムアッグウォーは高らかにそう宣言した。 「な、なんですとーーーーーー!?」 裁判長驚きすぎだ。 「そんなことよりこの展開まずくないと思わないなるほどくん。まさかカール・ムアッグウォー検事はあたしたちが知らない証人を連れてきたりしてないよね?」 真宵ちゃんの懸念も最もだ。もしそうだとするとかなりまずい。 「そ、そこまで決定的な証人なんですか。ではその証人を入廷させてください」 やっと落ち着きを取り戻した裁判長がそう言った。 「それでは決定的な証人に来てもらおうか」 カール・ムアッグウォーは余裕な態度でそう言った。 「証人。名前と職業を」 「倉杉影薄。刑事です」 その証人を見てぼくと真宵ちゃんは不覚にもズッコケてしまった。 「ど、どうしたんですか弁護人」 「いえ、あまりにももったいぶっているからてっきりこちらを追い詰める決定的な証人が来ると思っていただけです」 「ワガハイは終わりだとは言ったがこっちが勝つなどとは一言も言っていない。キサマがその証人のくだらないウソに惑わされて真実に気付かないなら話は別だが」 検事が自分の証人に対してそんなこと言っていいのか?おそらくカール・ムアッグウォーも倉杉さんが犯人だと思っているようだ。 「あ、あなたは私の証言を信じていないんですか?」 「証言させるからと言って証言を信頼してるかは限らんだろう。たとえウソをついていることがわかりきっていたとしても裁判で証言をさせないことにはどうにもならん」 カール・ムアッグウォーは冷めた目で倉杉さんを見た。 「私が言うことがウソかどうかを判断するのはあなたではなく法廷でしょう」 「確かにそうだな。キサマのたわごとがこの場でどれほど通用するか見てみるとしよう」 検事と証人。普通なら弁護士と被告人を追い詰めるために存在する者たちの間に不穏な空気が流れていた。 つづく |
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