逆転NOTE20 |
作者:
10join
2009年01月12日(月) 17時25分07秒公開
ID:QRqdkrt8vd2
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同日 午後3時03分 留置所 ここまで調べて倉杉さんが怪しいということがわかった。後は白夜さんに話を聞いてみよう。 「あれから何かつかめたのかい?」 そんなことを思っているうちに白夜さんがやってきた。 「はい。この事件の容疑者が浮かび上がって来ました」 よし。これでセリフゼロなんてことはない。実際あるわけないんだけど。 「それは一体誰なんだ?」 白夜さんはものすごく余裕な顔をして聞いた。 「倉杉さんです」 「はあ。やっぱり君もそう思うか。できれば違う方がよかったんだけど」 白夜さんは深く溜息を吐いた。 「白夜さんもその結論に達してたんですか。一体いつ倉杉さんが怪しって気付いたんですか?」 真宵ちゃんが白夜さんに質問した。 「彼がお母さんの子宮の中にいる時からかな」 あんたはどこの元5番隊隊長の仮面の軍勢なんだ。 「っていうのは冗談だ。あの時期にキラ法違反を起こして追い出されてからこの事件が起きたことをつなぎ合わせたらすぐ導き出せたよ。彼には動機もあるしね」 動機?それってもしかしてあのことか? 「もしかしてそれって友人を殺されたことですか?」 春美ちゃんの言葉を聞いた白夜さんは少し考え込んだ。 「うーん。ぼくも実は捕まるまでそう思ってたんだよね。犯人がわかってるんだったら捕まえて聞き出せばいいと思ってあまり資料に目を通してなかった。だから友人の敵だって言う倉杉君の言葉を信じてたってわけだ」 白夜さんは自分が情けないっていうような顔をした。 「それなら動機は一体なんなんだよ?」 「友人が死んだってのもウソなのか?」 無限君と零樹君がそう聞くと白夜さんは頭を少しひねった。どう説明していいのかわからないとでも言いたげだった。 「確かに知り合いが巻き込まれて死んだことは確かだ。でもそれが倉杉君の友人かと言うと違うかもしれない」 「それってどういうことですか?」 紫音ちゃんはわけのわからないと言う顔をした。 「彼はその知り合いの子たちからいじめを受けてたみたいなんだ。こないだ彼が命を奪った彼らも倉杉君にいやがらせをしてたらしい」 そうだったのか。確かにあんな暗い性格だったら標的にされてもおかしくはない。でも それならどうして倉杉さんは爆弾事件の犯人を殺そうとしたんだ? 「自分の復讐を爆弾事件のせいで果たせなかったからだろう。あの事件の時彼は友人を殺そうとしてたんだ」 白夜さんはきっぱりとそう言い切った。 「どうしてそう言い切れるんですか?」 星歌さんがわからないという顔で白夜さんを見つめた。 「実は決定的な証拠があるんだ。茜ちゃん」 「はい」 白夜さんがそう言うと留置所の扉が開いて茜ちゃんが入ってきた。 「この鉄の棒から出た指紋が倉杉さんと一致しました。握り方から見て誰かを殴ろうとしていたように見えます」 茜ちゃんが言うんなら間違いないか。これは重要な手がかりになるかもしれない。 鉄の棒のデータを書き換えた。 鉄の棒 凶器。なぜかひしゃげている。古い指紋は倉杉の物と判明 これでなんとか実行犯は上げられるかもしれない。でもまだ問題がある。倉杉の記憶がないとノートに書いたのが誰か立証できない。 「実はいい解決法があるんだ。誰か倉杉のノートを持って来てるんじゃないか?」 白夜さんの言う通りあの時燃えカスに触った時に見えた死神がいた。誰か持って来てたのか? 「オレだ。なんかいるんじゃないかと思って持ってきた」 空悟君がノートを取り出した。さすが怪盗ヘルジョーカーが宿っているだけのことはある。誰も気付かなかったよ。 「それだけ私の影が薄かったってことですね」 死神がそう言っていたが全力でスルーした。 「こいつでデスノートの記憶を思い出させればいい」 「そんなことしたら危ないでしょう」 相手がぼくたちを殺そうとするかもしれない。 「そんなことはわかってる。少しそれを預けてくれないか。両刃の剣を三又の矛に作り直しすためにさ」 どうやったらそんなことができるんだろう? 「わかった。それなら預けよう」 空悟君はそれを白夜さんに渡した。 「さて。一体これからどうする?もう捜査打ち切ってもいいかな?」 ぼくの言葉を聞いて無限君と零樹君は首を振った。 「その前にクリムゾンジャック病院に行こう」 「青影に実行犯が本当に倉杉か聞いた方がいい」 それもそうだな。ぼくたちはクリムゾンジャック病院に全速力で向かった。 同日 午後3時16分 クリムゾンジャック病院 「間違いない。私を殴ったのはこの男だ」 写真を見た青影はそう即答した。 「これでもう犯人は決まったねなるほどくん」 「そうだね真宵ちゃん。証言書を書いてくれませんか?」 「わかった」 青影の証言書を法廷記録に加えた。 青影の証言書 自分を殴った男は間違いなく倉杉 これでもういいだろう。そう思ってぼくたちが帰ろうとした時 「ちょっと待ってくれ」 声と共にぼくの髪スレスレの軌道を描いて白い物が飛んでいった。 「どうしたんですか義父さん」 青影は赤坂検事を見て平然と言い放った。おそらくいつものことなんだろう。 「今回の担当検事はどう見ても豪だった。一体なんであいつが生きてるんだ?」 「デスノートのせいって言ったらわかりませんか?」 星歌さんがそう言うと赤坂検事は気付いたようだ。 「なるほどな。豪の苦しみに気付いてたのはおれだけじゃなかったってことか。白夜ってやつには脱帽するしかない」 赤坂さんがそう言うと星歌さんは胸を張った。 「そうでしょう。白夜さんは人の心がよくわかる人なんです」 「そうか。白夜におれがありがとうと言ってたと伝えてくれ」 「わかりました。うっ」 突然星歌さんが座りこんだ。 「どうしたんですか星歌さん?」 「大丈夫です。ちょっと気分が」 星歌さんはそう言って立ち上がった。まだ気分はよくないみたいだ。 「なるほど」 クリムゾンジャック先生は星歌さんを見てつぶやいた。何がどうなってるのわかったらしい。 「クリムゾンジャック先生は星歌さんがどうなってるのかわかるんですか?」 「医者だったら誰でもわかると思うよ」 「じゃあどうにかすることってできますか?」 「できないことはないけどまず白夜と相談しないといけないな」 相談?治療費のことか?クリムゾンジャック先生の態度だとすぐにどうなる物でもないだろうし大丈夫だろう。 「もう帰ろうか?まだ調べることってある?」 そう言うと全員が一斉に首を横に振った。もういいってことだろう。 「「それじゃ送っていこう」」 そう言う無限君と零樹君の車に乗って地獄のドライブに向かった。一体明日はどうなるんだろう。 つづく |
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