答え
作者: 舞夜   2008年12月14日(日) 20時37分04秒公開   ID:4a1zXu1ixGI
       
身長が低い。


ただ、それだけだった。

なのに…敵に見えてしまった。
私以外の人が…

皆が私を追い詰めていこうとしている……

そう見えてしまった。

なにか私の光になるものを……
と思い、探した。探し当てた。

天野由利恵。 それが、私が辿り着いた『答え』だった。


由利恵さんは職場の先輩で、もっとも尊敬できる存在だった。

私は由利恵さんの言葉に従った。
疑問を持たず、信じてやまなかった。

世間には、「依存」と呼ばれる行為。
私はそんな状態を続けていた。

私にとって、かげがえのない存在だった、天野由利恵。



   
     その彼女が消えた。




ひどい絶望感に襲われた……
私にとって、たった一つの光だった彼女を失う事が…

後を追おうと、何度死のうと思ったか。

でも、ふと思いついた。


     そうよ。
 私にはまだ、やって無いことがあるじゃない…!


そして、自分勝手な男達への復讐が始まった。

子供じみた張り合い。
それに付き合ってまで、由利恵さんの遺書を取り戻そうとしたのに……


遺書がなかった


どうして!? あるはずだったのに……
何故無いの?

私が手を汚してまで見つけ出そうとした由利恵さんの遺書…
それは、もうなかった……

そのまま、王都楼の審理は始まった。

もちろん、目撃者の私は証人になった。
そして…告発された。 殺人罪で…

違う!私じゃない…
悪いのはアイツよ!王都楼真悟よ!

必死で訴えた。あの時は…

最悪の事態に惑わされる中、私は証言した。
自らの罪を…

その後。私は留置所いりになった。
まぁ……当たり前だけど、ね。

凄く心細かった。けど……
あらためて自分をみて、何故か安心した。
やっと自分の事が見れたな…って。

今までずっと、人の答えを信じてきた。

自分の意志を持たず、盲目的に。
留置所に入って一人になった時……初めて自分の意志を持った気がする。

成歩堂さんや他の人達の協力があってこそ、
こうしてやっと『自分自身』を持ったと思う。

自分のために、そして助けてくれた人達のために、これからもずっと

『自分自身』を持っていこうと思う。


その『答え』があっているかどうかは分からない。

けど……
自分自身を信じよう。
これからも、ずっと………




今でも、そう思える。
           




     
■作者からのメッセージ
2回目の投稿です。 舞夜です。
私自身、霧緒さんのファンなので、お話を書かせて頂きました。
逆転裁判2の最終話をプレイした時、
みっちゃんどこまで霧緒さんいじめるんだ…
と思ったものです。
霧緒さんが告発された後の王都楼の変貌ぶりを見て…
え?この事件、犯人二人いるの!?と混乱しましたww
やっぱり犯人は王都楼だったんですね。よかった。
感想・アドバイス等、よろしくおねがいします。 では。

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