逆転NOTE18 |
作者:
10join
2008年11月11日(火) 17時10分08秒公開
ID:QRqdkrt8vd2
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同日 午後2時21分 警視庁前 地獄のドライブがようやく終わって降りたら、大きな建物が見えた。その前には警視庁と書いた立て札が置いてある。 「へー。ここが警視庁なんだ」 真宵ちゃんがなんか興味深げに見ている。そういえば警察署には行ったことがあっても警視庁を見るのは初めてだな。 「けいしちょう?それは一体どういう建物なんですか?」 「うーん。何というか警察の頂点に位置する所ってとこかな」 うまく説明できないので適当に言っといたけどまあいいだろう。これでセリフゼロという事態は避けられたんだから。いや、今はそれよりも気になることがある。 「なんで警視庁に来ることになったんですか?」 茜ちゃんがぼくが感じてた疑問を代わりに言ってくれた。 「殺人犯は青影が捕まってた時は巡査だった」 「そして殺人にはデスノートが使われていた」 「「だから警視庁の中にある警察内部のデスノート使用者が集まった所にいるってわけだ」」 「まあいたって可能性もありますけどね」 無限君と零樹君と紫音ちゃんが息を合わせて言った。警察の中にいるデスノート使用者って警視庁に集まってたのか。それにしても紫音ちゃんはいたかもしれないって言ってた。一体どういう意味だろう。 「それは後ほど説明します。とにかくついてきてください」 そう言って星歌さんが歩き出してしまったので、ぼくたちは急いで後を追った。 同日 午後2時23分 特別死刑執行請負および違法キラ対策室前 星歌さんが案内したのは何かものすごく長い名前の所だった。要するにデスノートを使って死刑をしつつ、キラ法に違反したデスノート使用者を逮捕するような所というわけなんだろう。 「ふーん。ここが白夜さんたちの本拠地か。警視庁にあるのは知ってたけどどこにあるのかまでは知らなかったよ」 空悟君は面白そうに言った。そりゃ空悟君はヘルジョーカーの別人格なんだからそこまで警視庁に来る気は起きないんだろうな。 「それは外部の人には極秘ですからね。信頼できる人にしか教えてないんです」 そりゃ極秘にしておかないとダメだろうな。マスコミにかぎつけられるとキラは警察内部にいるとか、警察の自演だったとか騒ぎ立てられるに決まっている。そんなことになったら警察に対する信用がなくなってしまうだろう。 「つまりあたしたちは信用されたってことだね」 「なんかうれしいです」 真宵ちゃんと春美ちゃんはなんだか浮かれている。どこかでうっかり漏らしたりしないだろうな。 「そんなことより早く中に入りましょうよ」 茜ちゃんが急かすように言った。このままいてもどうにもならないのでとりあえず中に入ってみることにした。 同日 午後2時24分 特別死刑執行請負および違法キラ対策室 部屋に入ってみるとそこには男の人が6人、女の人が2人いた。その中の一人には見覚えがあった。 「あ、子羊宿さん。お久しぶりです」 「ああ。成歩堂君たちか。君が白夜の担当弁護士になってくれて本当によかったと思ってる。牙琉霧人なんかになってたら大変なことになってた。青ひげが勧める時点で信用できないからな」 やっぱり青ひげが星歌さんを狙ってることは知ってるみたいだな。だから青ひげが星歌さんの恋人である白夜さんを陥れるために、牙琉弁護士にわざと負けるように頼むとおもったんだろう。 「それでなんでわざわざここに来たんだ?」 子羊宿さんが不思議そうに言った。その疑問は当然だろう。 「あの、裁判の中で犯人はデスノートを使っていて、5年前は巡査だったってことがわかりました。それで警察内部のデスノート使用者の本部に手がかりがあるんじゃないかと言う話になったんです」 「てめえ。俺たちのことを疑ってんのかよ」 なんかガラの悪い男がそんなことを言ってきた。 「落ち着け鬼頭。まだこの中にいるかどうかはわからないだろう。もしかしてもうやめてるのかもしれない」 子羊宿さんが鬼頭と言うガラの悪い男を注意すると大人しくなった。意外と聞き分けがいいのかもしれない。単に子羊宿さんが怖いだけなのかもしれないけど。それよりも今なんだか気になることを言ったような気がする。 「もうやめてるってどういうことなんですか?」 「ここってやめてく人が多いんだよね。正確に言うとやめさせられると言ったほうがいいのかもしれないな」 子羊宿さんは淡々と言った。やめさせられる人が多い?白夜さんがそう簡単に人を見限るとは思えないんだけど。 「普通ならな。でもデスノートのことにはしっかりと注意を払わないといけないんだ。だからよく物を落としたり、物の管理が甘いやつはやめさせられて、デスノートを没収される」 それなら納得できる。もしデスノートを落として誰かに勝手に使われるなんてことになったら悲惨なことになるからな。 「あとは私情で使ったりするやつだ。自分の都合でデスノートの力を使われたら迷惑だからな」 そうだろうな。あんな力を自分の都合だけで使われたらひどいことになるからな。そんな人にノートを使わせておくわけにはいかないだろう。犯罪者ならまだマシかもしれないけど、一般人に使われたら目も当てられない。 「まあやめさせる前に名前を消させるんだけどな。もしそのノートを訂正できなかった場合…」 そこで意味深に言葉を切った。一体何をするつもりなんだろう。 「それは必要だと判断したら言うよ。できる限りのことは答える。ここらへんを調べたいんなら勝手にするといい」 どうせなら今言ってくれてもいいと思う。期待して損したな。まあ調べていいってお許しをもらったことだし、何か手がかりを探そうか。 つづく |
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