弁護士の資格〜成歩堂龍一2
作者: 被疑者A   2008年10月10日(金) 20時58分37秒公開   ID:APtRIx2EV8k
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 9月29日 副検事局長室
俺は春美ちゃんの淹れてくれたコーヒーを飲みながら話した。
「ねえ、オドロキさんそういえば今回の被害者ってどなたなんでしょうか?」
「実は、俺もまだ知らないんですよ。まだ解剖記録読んでないし。」
「じゃあいっしょにみましょうか折角ですし。」
「そうしましょうか。」
と言い俺は解剖記録を封筒から出す。解剖記録にはこう書かれていた。

  被害者 大野 菌次(25)
死因 首を焼き切られたため即死
凶器 電子工作用の溶接機
現場 公明大学理工学部第2研究室

「ふ〜んこんな手の込んだ殺し方をするくらいだから、よっぽど被害者を憎んでいたんだね〜。」
と後ろから男の人の声がした。振り返るとそこには汚い白衣を着た法ヶ掟副検事局長がいた。法ヶ検事は身長が高く、190cmくらいありそうだった。それに彼は緑色のスーツの上からちょっと汚れた白衣を着ていた。そして顔に不敵な笑みを浮かべていた。
「君がオドロキ君だね。牙琉の奴から話は聞いているよ。」
「きょ、恐縮です。」
「いいよ、いいよ、そんなに固くならなくて。」
思ったより優しい人だった。話しやすく色と話を聞けた。事件について解っていることを聞くと。俺は事務所に帰ることにした。

    王泥喜 法介の調査結果
 
 被害者 大野菌次(28)
 法ヶ検事のくれた情報
大野は細菌学者でいろいろな研究をしていた。優秀な研究者だったが人付き合いが悪く
あまり友達もいない。

 同日 公明大学・理工学部第2研究室
「うわぁ、これはずいぶん派手に殺されてますね〜。」
「そうっすね、死体のほうも損傷が酷く、とても見れたもんじゃなかったッス。」
「刑事からたたき上げられたイトノコさんにも直視できるようなものじゃなかったってことですか?」
「そうッス、死体は首を焼き切られナイフで滅多刺しにされたあと死体は首を焼き切られたッス。この二つが致命傷だったッス。」
結構むごい殺しかたされてるな、でもイトノコさんの報告は続くでもなんで僕にこんなに情報を教えてくれるんだろう?
「ちなみに凶器には二つとも綾里真宵の指紋がべったりくっ付いてたッス。」
またいつものパターンか相変わらずとてつもなくピンチだな。その時だ、とてつもなく怪しい男が現れたのは、その男は現場を見ると「ふん。こんなとこで死ぬとはあいつらしいな。」と皮肉るとその場を後にした。僕はその人が誰かイトノコさんに聞いた
「あの人は一体誰ですか?」
するとイトノコさんは
「彼は後川裕三(うしろかわゆうぞう)この事件の目撃者で明日の証人ッス。」
うわ〜目撃者までいるのか最悪だな。
と悩んで下を見ると紙があった。
なんだこれ?と思い拾い上げるとそこには、
、俺のデスクの3番目の棚、と書いてあった。たぶん被害者のデスクだろうなと思い僕は被害者の自室に向かう。

    同日 大野菌次のオフィス
その部屋は結構整っていた。デスクもかたずいていたため探しやすかった。三番目の棚にはポリ袋に入った粉とDVDが入っていた。なんだこれと思ったがいちおう証拠としてファイルしておこう、さて現場に戻るか

     同日 第二研究室
 う〜ん、たいして変わったとこはないな、あ、ちょっと待てあれは何だ?それはロボットアームだった。なんでこんな所にロボットアームが?と思いながら一応記録しとく。さてどうしようかとりあえず指紋検出薬でもつかってみるか?すると意外な物から指紋が見つかった それはロボットアームだったあまりにも意外なものから出たので、とりあえず指紋のデータをイトノコさんからもらう、そこで指紋が合ったのはなんと後川裕三だった。さらに溶接機からロボットアームの跡のようなものが見つかったまさかこれで殺したのか?などと思いながら拘置所に向かった。

    同日 拘置所・面会室
「なるほどくんやっと来たね。」
「ああ、マヨイちゃんやっと証拠が揃ったんだ。で、マヨイちゃんに一個だけ聞きたいんだけど、いいかな?」
そう聞くとマヨイちゃんはちょっとうつむいた後に、こう答えた
「うん、いいよなんでも答える。あたしのためにも、なるほどくんのためにも、そして凛ちゃんのためにも。」
凛ちゃんと聞くと僕はすかさず
「待った、凛ちゃんっていったい誰だい?」
「あれ、知らなかったっけ、あたしの娘だよ、7歳の。」
「え、娘ってマヨイちゃん結婚してたの?」
「ううん、あたし、まだ独身だよ。」
「じゃ、じゃあ誰の子なの?」
「それはもちろんなるほどくんの子だよ。」
僕は一瞬とてつもなくびっくりした、だがすぐ聞き間違いだと思いマヨイちゃんにもう一度尋ねる
「ねぇマヨイちゃん今僕の聞き間違いじゃなければ、僕の子って行ったよね?あれ嘘だよね?」
「ううん、嘘じゃないよ本当になるほどくんの子だよ。」
僕は一瞬何がどうなっているのか分からなかった。
「えぇぇぇぇぇぇぇ。ほ、ほんとだったので、でも今までどうやって生活しいてたの?」
と聞くとマヨイちゃんは
「最初の四年ぐらいは倉院の里にいたけどそのあと街に出てきたの、それで星影さんの所にお世話になってたんだ、弁護士として。」
「でも最初の四年はどうしてたの?」
と聞くとマヨイちゃんは
「あたし大学に通ってたの、公明大学の法学部。」
どうりでマヨイちゃんが現場にいたかわかった。あの日は大学でお世話になった先生方にお礼を言ってたらしい。そこで男の人の悲鳴を聞き研究室に駆けつけたら後ろから殴られ気絶し、気づいたら逮捕されてたらしい。
その話を聞くと僕はいったん事務所に戻り大野菌次の机で見つかった、DVDをチェックすることにした。

  同日   成歩堂なんでも事務所
僕はそのDVDを見た、最初は何となく見ていたが、見進めると驚愕の事実に気づいたなんとこのDVDは後川裕三の覚醒剤の取引を録画したものだった。この映像で僕は後川裕三が真犯人だと確信した。

9月29日 地方裁判所・第三被告人控室
「成歩堂さん大丈夫ですか?」
オドロキ君が聞いてきた。僕はすかさず
「ああ。大丈夫だよ。」
と答える。するとオドロキ君が
「俺、応援してますから。それによく考えたら、俺、成歩堂さんの法廷初めて見るんです。いっぱい勉強させてもらいますから。」
と言う、だが正直僕は僕の法廷がためになるとは思えない、なぜなら彼の法廷は僕の法廷とそっくりだからだ。オドロキ君が僕に絶望しないように祈りながら、僕は久々の法廷に向かう。
 
       法廷記録
 人物ファイル
 
王泥喜法介(22)
僕の部下の弁護士。通称オドロキ君。
王泥喜みぬき(15)
オドロキ君の妹。自称、大魔術師。
綾里真宵(26)
僕の元助手。一児の母。
綾里春美(16)
マヨイちゃんのいとこ。現在は検事。
御剣怜侍(33)
僕の親友。首席検事。
御剣(旧姓・狩魔)冥(26)
御剣の妻。検事。法廷でよく鞭を振るう。
糸鋸圭介(39)
捜査一課の警部。通称イトノコ警部
宝月茜(25)
刑事。現在牙琉検事と交際中。
牙笠饗也(24)
検事。現在茜ちゃんと交際中。
大野菌次(28)
今回の被害者。大学の研究者。
後川裕三(26)
今回の証人。かなり性格が悪い。
法ヶ掟(25)
今回の担当検事。副検事局長 
綾里凛(7)
マヨイちゃんの娘。僕の娘でもあるらしいが       証拠品ファイル
弁護士バッジ 僕の身分を証明してくれるバッジ。新品で真新しい。
解剖記録 死因は首に刺さった溶接機。ほぼ即死だった。
溶接機 マヨイちゃんの指紋とロボットアームの跡が付着。
ロボットアーム 後川裕三の指紋が付着。
DVD 後川裕三の麻薬取引の現場を撮影
白い粉 大野菌次のデスクで発見。後川裕三の指紋が付着。   
   同日 地方裁判所・第三法廷
「これより、綾里真宵の法廷を、おっ成歩堂君まさか弁護士に戻っていたとは、驚きです。」
と裁判長が言う、すかさず僕は
「いえいえそんなたいしてびっくりしてもらわなくても。」
と、答えた。すると法ヶ検事が
「早く始めてもらえませんかね〜?僕も早くこの裁判終わらせて局長に押し付けられた仕事をかたずけたいんですけど」
結構辛口な人なんだな、いやずいぶんイライラしてるのかな?と僕が思っていると早速法ヶ検事が法廷を仕切り始めた。
「早速、証人を呼びますよ、事件の初動捜査を担当した、糸鋸警部を入廷させてくれ。」
イトノコさんが入ってくる。
「自分は糸鋸ッス。職業は、」
「うるさいです、黙ってください。君の職業などどうでもいいですから。さっさと証言してもらいますよ。」
笑顔で言われさらに口調は丁寧だからちょっと僕もビビッてしまった。
「は、はいすぐ証言させてもらうッス。」
      
      〜証言開始〜
「「通報を聞いて駆けつけたのは10時20分だったッス。」」
「「現場には綾里真宵と大野菌次が倒れてったッス。」」
「「そして凶器から綾里真宵の指紋が見つかり、逮捕したッス。」」

       〜尋問開始〜
「「通報を聞いて駆けつけたのは10時20分だったッス。」」
「待った。誰から通報されたんですか?」
「後川裕三からッス。」
「「現場には綾里真宵と大野菌次が倒れてったッス。」」
「待った、他に誰かいなかったんですか?」
「誰もいなかったッス。」
「「そして凶器から綾里真宵の指紋が見つかり、逮捕したッス。」」
「待った、それだけですか?」
「まあ決定的だったからッスね〜」

こんな感じか?いや一つ矛盾があったはずだ。

       〜尋問開始〜
「「通報を聞いて駆けつけたのは10時20分だったッス。」」
「待った、誰から通報を受けたんですか?」
「後川裕三からッス。」
「異議あり。あなた方が現場に着いた時には誰もいなかった。彼は何処から通報したんですか?」
「あ、ええとそれは。」
「分からないんですか?」
「は、はいそうッス。」
「それではなぜ彼が今日証言するんですか?」
「そ、それは・・・」
「もういいですよ糸鋸警部。じゃあそれでは次の証人に移りましょうか。いいですか?裁判長、成歩堂さん。」
「はい、いいですよ。」
僕と裁判長は言う。
「では、30分間の休廷の後審理を再開しましょう。」

  同日 地方裁判所・第三被告人控室
「成歩堂さん、凄いですね。」
とオドロキ君が言ってきた。そうやって談笑していると、急にドアが開き、茜ちゃんが入ってきた。彼女が
「成歩堂さん、私に協力できることはないですか?」
僕はなにかあるかな?と考えた。そしてある物の成分の分析を頼んだ。

  同日 地方裁判所・第三法廷
「休廷も終わりましたし早速証人に入廷してもらいましょうか。」
と法ヶ検事が言い終わると、昨日、第三研究室で見た、後川裕三が出てきた。
「後川裕三だ。職業は公明大学数学科の講師だ。」
と言った。言い終わるとすぐに法ヶ検事が
「早速、証言をしてもらいましょうか。」

      〜証言開始〜
「「私は大野の叫び声を聞き研究室に入った。」」
「「そこで倒れている大野と被告席にいる女性を見つけた。」」
「「そこで彼女は大野の喉元めがけてナイフを振りかぶっていた。」」
「「次の瞬間彼女はナイフを振りかざした。」」
「「そしてそれと同時に彼女も気を失い倒れこんだんだ。」」
「「そして私は警察と病院に通報しそこを立ち去った」」

「ふむ、筋は通っているようですな。」
でも一つ引っかかることがあるな。

      〜尋問開始〜      
「「私は大野の叫び声を聞き研究室に入った。」」
「「そこで倒れている大野と被告席にいる女性を見つけた。」」
「「そこで彼女は大野の喉元めがけてナイフを振りかぶっていた。」」
「「次の瞬間彼女はナイフを振りかざした。」」
「「そしてそれと同時に彼女も気を失い倒れこんだんだ。」」
「「そして私は警察と病院に通報しそこを立ち去った」」
「待った、なぜあなたは現場から、立ち去ったのですか?」
「それはちょっとな。なぜならそこで意識を正常に保っていたのは私だけだったからな。下手したら今頃私が被告席に立っていたよ。」
う〜ん確かに筋が通っているな。さすがにここから崩すのは無理か。じゃあ次の所だ。

   
      〜尋問開始〜
「「私は大野の叫び声を聞き研究室に入った。」」
「「そこで倒れている大野と被告席にいる女性を見つけた。」」
「「そこで彼女は大野の喉元めがけてナイフを振りかぶっていた。」」
「「次の瞬間彼女はナイフを振りかざした。」」
「異議あり、今回の事件の凶器は溶接機です。なんであなたはナイフと証言したんですか?」
「そ、それはですね〜み、見間違えたんですよほら似てましたし。」
「いいえ、ナイフと溶接機の形は全く違うものでした。」
「異議あり、成歩堂弁護士、彼は殺人事件を見て気が動転していたんですよ?多少の見間違いは気にしないで上げましょうよ。」

⇒To Be Continued...

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