レイトン教授×逆転裁判 暗闇の時計塔 逆転旅行 [2]
作者: たこやきDJ   URL: http://gyakutensaibansaikoudesu.rakurakuhp.net   2010年07月31日(土) 13時46分31秒公開   ID:kccVdmsyCdk
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亜内検事がここぞとばかりにセリフを入れてきた。

「な、ナルホド君!!一体どうしちゃったの!!」

真宵ちゃんも慌てふためいている。…ごめん、真宵ちゃん。

       待った!!

複雑なやり取りが進められている中誰かが声を発した。

「だ、誰ですか。今声をあげたのは!!」

裁判長があたりをきょろきょろ見回しながら言った。

「…私です。」

その声の主がいる方向へ向くとそこにはアリスさんがいた。

「みなさん…少し落ち着いて考えてみてください。私はちっとも嘘なんか付いていませんよ。」

アリスさんが胸を張って言った。

「ど、どういうことですか。説明しなさい、証人、いや被告人。」

裁判長…どっちでもいいじゃんか。

「まず殺人が起こった時刻は深夜、そして血の色は赤黒くスイカジュースの色は深緑。…暗闇の中では両方同じ色に見えるはずですよ。」

アリスさんの説明が終わったあと僕の頭の中は真っ白になっていた。

「…なるほど!!よく考えたらそうですなぁ、成歩堂君!!次からは気をつけるように!!」

「…はい。(なんでぼくが怒られなきゃいけないんだ…)」

と、心の中で突っ込んだが今回ばかりは僕の計算ミスだったのかもしれない…

「もー、ナルホド君のせいで冷や汗たっぷりかいちゃったじゃんか。」

真宵ちゃんが呆れ顔でこちらを向いてきた。

「全く、近頃の若い弁護士は…」

亜内検事も悪態をついてきた。

「次、行きますね。」

アリスさんがニコニコしながら言った。…ちょっとムカつくな…


「だから…駐車場の近くにあった水道で手を洗いました。」

       待った!!

「近くにってどのくらい近くだったんですか?」

「そうですね…2メートルぐらいだったでしょうか。」

…今度こそ見つけてしまった。この証言の矛盾を!!

       異議あり!!

    (証拠品・工事の記録)

「…裁判長、そして傍聴人席のみなさん。この証拠品を見ていただけないでしょうか?」

僕がそう言うと裁判長も傍聴人席に居る人もこちらを一斉に向いてきた。

「えーっと…10時から3時半まで断水、11時から3時半まで工事…ですか。」

「裁判長、事件が起こった時間はいつですか?」

僕は技と裁判長に問いかけた。

「…12時50分です…あ!!」

裁判長も気づいてくれたようだ。

バンッ

「アリスさん、この通り10時から3時半まで半径100メートルの場所では水は出ませんでした。そして事件が起こったのはその工事現場からせいぜい20メートルのところ、それに2メートルを足しても22メートル。」

バンッ

「手を洗えるはずがないじゃないですか!!」

僕は顔のドアップでばっちり決めた。

「きゃあうまひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ…」

…アリスさん。いくら有名なセリフだからといっても融合させるのはちょっと難しいと思いますよ…

「あ、私知ってるよ。このセリフ確かサザエさ…」

「真宵ちゃん!!それ以上言ったらこの小説消されちゃうよ!!」

僕はぎりぎりのところで真宵ちゃんを止めた。

「あ、そっか。大人の都合って奴だね〜。」

真宵ちゃんが少し得意げに言った。それに作者はまだ子供だ。

「ナルホド君、ちなみに作者は男なの?女なの?」

「黙秘するよ。」

真宵ちゃんは結局何が言いたいんだ…

「成歩堂君!!遊んでいないで、この矛盾が何を表わすのか教えてください。」

裁判長がようやく真宵ちゃんと僕のよく分からない話し合いを終わらせてくれた。裁判長もたまには役に立つもんだ…

「成歩堂君!!」

「は、はい!!この矛盾があらわす意味、それはアリスさんに証言してもらうのが一番早いでしょう。」

そう言うと僕はアリスさんに目で合図を送った。

「え、いや、あの、その…」

アリスさんは矛盾を突きつけられたと同時に僕からよく分からない目の合図を送ったから困惑している。

「アリスさん。もしかして時間稼ぎをするためにわざとうそをついて僕に矛盾を暴かせているんですか?」

僕は少しきつめに言った。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!あ、暴いたね!!親父にも暴かれたことないのに!!」

アリスさんはものすごく動揺しながら相変わらず一歩間違えれば消される可能性がある言動を放った。

「あ、これも知ってるよ。確か…機動戦士ガンダ…」

「真宵ちゃん!!お願いだからこれ以上はやめて!!」

「もー、分かってるって。私だって消されるような自殺行為はしないよ。」

…なんなんだこの虚しさは…

「…アリスさん。僕の言ったことに間違いはありませんよね?」

「ウクッ…」

アリスさんはドレスを少し噛みながら言った。

「そうなのですか!!被告人、いや証人!!」

裁判長…さっきと逆になっているよ…

「…」

ついにアリスさんは黙りこんでしまった。

「アリスさん。怖がる必要などありません。僕たちを…信じてください。」

「………………………………………………………………………………ごめんなさい。」

長い沈黙の後ついにアリスさんは口を開いた。

「本当に長かったね〜、・が90個もあったよ。」

…真宵ちゃん、僕の心の中のコメントに突っ込むのはやめてくれ…

「ごめんなさい…私、まだあなたのこと信じていませんでした…本当にごめんなさい…」

アリスさんは顔を下に下げながら本当に申し訳なさそうに言った。

「気にすることはありませんよ。初めて法廷に立つ被告人はみんな同じような気持ちです。…僕だってその席に立ったことがあるんですから。」

僕がそう言うとアリスさんが顔をあげてこちらを向いてきた。しかし、その顔はさっきと比べ物にはならないほどの明るい顔だった。

「証人、私達も頑張って有程度溺屡を探しています。あなたが時間稼ぎをする必要などありません。有程度溺屡が来るまではこの木槌は振りおろしませんから。」

裁判長は僕にとってかなりありがたいことを言ってくれた。

「ほ〜、裁判長〈証人〉に落ち着いたっぽいね。」

…真宵ちゃん。裁判長はそこよりもっと別のことを言ってほしかったんじゃないかな?

「ほ、本当ですか?」

「ええ、もちろんですとも、私は最後には正しい判決を言い渡す裁判長として有名ですから。」

裁判長…自覚してたんだ…

バンッ

そんなやり取りを続けていると法廷係員がドアを開けて入ってきた。

「なんですか。今は審議中で…」

「あ、有程度溺屡が捕まりました!!」

「な、なんですと!!今すぐ連れてきなさい!!」

「は、はいぃぃ!!」

…遂に捕まったらしい。

「証人、では…」

「はい、被告人席へ戻ります。」

アリスさんは自ら被告人席へ行ったがその顔は希望に満ちていたが同時に少し不安げな表情も含まれていた。無理もない、元恋人が真犯人の可能性があるんだから…

「ナルホド君、いよいよ大詰めだね!!」

真宵ちゃんの言うとおり、これからが本当の戦いになるだろう…アリスさんを守るため、人として、弁護士として、絶対アリスさんを無罪にして有程度溺屡を自白させてやる!!



僕の目の前に現れた男は本当にアリスさんにそっくりだった。服装さえマネすれば本人と瓜二つだ…

「では証人、名前と職業を。」

「有程度溺屡、フリーターです。」

証人はクールに言い放った。

「ム、その手の傷は何ですかな?」

証人の手の平には少し切り傷ができていた。

「これですか…ちょっと事件現場にあったガラスの破片でけがをしましてね…」

「ガラスの破片…ですか。」

裁判長が納得したようにうなずいた。

「裁判長、確かに事件現場にはガラスの破片が少しありました。それがこれです。」

(証拠品・ガラスの破片)
「粉々に砕け散ったガラスの破片。死体の近くに落ちていた。血はついていない。どこのものかは不明。」

「ほほう…粉々になっていますね…」

なるほど…新しい証拠品だ…

「で、なんでぼくがこんなところに呼ばれたわけですか?」

証人は多少いらつきの色を見せながら言った。

「え、そりゃ成歩堂君が…」

裁判長が僕にふってきた。

「そうですか…あなたが僕を殺人事件の関係者として呼んだわけですか…」

ギロッ

僕が証人に睨みつけられた瞬間そんな効果音がしたような気がした。

「へー、裁判所ってこうなっているんだですね………!!ア・リ・ス?」

証人はあたりをきょろきょろ見回したが被告人席のほうを見た瞬間に動きが止まった。

「ア、アリスじゃないですか!!なんでそんなところに座っているのです!!」

証人は怒りの色をあらわにしながら言った。

「気安くアリスなんて言わないで!!」

アリスさんも怒りの表情で言った。

「まぁまぁ、証人も被告人も落ち着いてください。」

ここで裁判長がなだめに入った。

「!!…すみません。私としたことが…で、私は何を言えばいいんですか。」

アリスさんも裁判長の一言で我に返ったのか証人がいる方向とは別の方向に目線をやっていた。

「え、まずあなたは殺害時刻に事件現場に居ましたか?」

僕はこれ以上ないシンプルな質問をした。

「ええ、いましたよ。」

「へー、いたんですか。……へ?」

帰ってきた返事は予想外のものだった。

「い、いたんですか?事件現場に…」

「ええ、落し物をしましてね。」

証人は少しにっこりしながら言った。

「で、私は何を言えばいいんんでしょうか?」

「え、その〜…成歩堂君!!」

裁判長が僕にふってきた。

「…あなた…事件を目撃したんですよね。」

「ええ、ばっちりと。」

これで彼が真犯人だったらすべてつじつまが合う…

「それでは…その時目撃したもののことについて証言してくれませんか。」

「…よろしいでしょう。」

有程度溺屡…この証言で決着をつけてやる!!

       証言開始

      目撃したもの

「私は、あのときアリスの落し物を探しに事件現場の駐車場に行きました。」
「何を落としたか?……エルシャール・レイトンのストラップです。」
「アリスが落してしまったようですからね…私もこっそり探しにいたんです。」
「そうしたら…アリスと平平さんが何か話し合っていたんです。
「そうしたら…アリスがいきなり凶器で平平さんを殴ったんです!!」
「アリス…殴った後かなりおろおろしていましたよ。」
「近くの水道で手を洗おうと思ったらしいけど…水はでなかったよ。」
「まぁ…断水していたから当然と言えば当然ですけどね…」
「そこで…アリスはどこかへ猛ダッシュで走って行きました。」
「人は殺され、アリスは逃げて、わけがわからなくなった私はストラップをまた探し始めました。」
「なんであの時ストラップを探したか…今でもよく分かりません。」
「アリスは殺していないといっているようですけど、そのはずがありません。」

この証言はとても長い、しかし長い分、証言に隙はなかった…

「なるほど…ストラップを探しい事件現場に行ったら偶然事件を目撃してしまった…ですか。」

「その通りです。ちなみにその後ストラップは見つかりました。それがこれです。」

(証拠品・レイトン教授のストラップ)
「最近流行っている英国紳士のストラップ。ガラスでできていて欠けている部分に少し血が付いている。少し欠けている。」

「これは…血…ですね。」

裁判長が興味深そうにストラップを見つめている。

「これは…一体誰の血なのでしょうか?」

それは僕も気になるな…

「……………そこまでは分かりませんね。」

…何なんだろう…あの喋る前に一瞬あった沈黙は…そして今出された二つの証拠品…何か違和感を感じる…

「とりあえず…尋問してよろしいでしょうか?」

僕は恐る恐る聞いた。

「よろしいでしょう。いいですね、証人?」

「はい。」

…アリスさんの言うことが本当ならこいつが真犯人のはずだ…気合入れていくぞ!!

       尋問開始

「私は、あのとき落し物を探しに事件現場の駐車場に行きました。」

       待った!!

「落し物をしてしまったのは…偶然ですよね?」

僕はとりあえず揺さぶった。

「…アリスに聞いたほうが早いんじゃないですか?」

証人は気持ち悪くなるほどの笑顔で言ってきた。

「ナ、ナルホド君!!今のセリフは…」

「別に有名な何かではないよ。」

僕はきっぱりと言い放った。

「さて…次の証言行きますよ…」


「何を落としたか?……エルシャール・レイトンのストラップです。」

       待った!!

「エルシャール・レイトンとはやっぱり…」

「ええ、レイトン教授のことです。アリスがファンのようですね。」

証人は少し悔しさを混ぜた声で言った。そして被告人席から「やだ…嫉妬しているの…」という声が聞こえた気がするが気のせいだろう。

「あの…さっきのストラップといいこの証言といい…一体レイトン教授とはなんなんですか?」

裁判長が話にのりたそうに言った。

       異議あり!!

「裁判長、そのようなことは今回の事件には関係ありません。それに、私はレイトン教授等に興味などありません。」

亜内検事がとっさに異議を唱えた。

       異議あり!!

⇒To Be Continued...

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