逆転のクーデター〜先入捜査編
作者: 鍋氏   2009年10月09日(金) 22時19分27秒公開   ID:SraEIqNgCGs
     〜登場人物〜
 法ヶ 掟(26)
東京地検次長検事長・特殊公安部ミナト
 鴨沢 賢(26)
警視庁捜査一課管理官・特殊公安部ミナト十刑衆衆長
 狩魔 舞(26)
東京地検副検事長事務官・CIA日本支部
特殊公安部ミナト十刑衆 
 帆酒 陣字(26)
警視庁捜査一課三係刑事・特殊公安部ミナト十刑衆
 綾里 春美(16)
都立罫線高校一年生・東京地検法廷検事・特殊公安部ミナト十刑衆
 爆刃 亮二(18)
都立罫線高校三年生・特殊公安部ミナト
 葛城 瀬龍(62)
現代武術瀬世羅義流三代目師範・特殊公安部ミナト十刑衆
 天貝 源平(68)
邪法教教祖
 滝川 雷太(41)
邪法教副教祖
 罪門 恭介(44)
警視庁捜査二課三係罪門班班長
 
    1月28日 ミナト本部
綾里春美は焦っていた。何故だかわからないが急にミナトの長官である法ヶ掟に呼び出されたからだ。遊園地の件で事情聴取をされた後だったから、ちょっと疲れていたが舞さんと猫さん(本名は猫華舞璃だが長いので猫さん)がわざわざ私のいる警察署まで来て連絡してくれたのだ。電話でよかったのにと言ったら「長官が極秘事項で外に漏れると危険だからお前ら直接伝えて来いって言うから。」
と言った返事が返ってきた。ただ実際は腹心の部下である十刑衆の一人をその上司が呼ぶのになぜ”極秘事項”なんて言葉が使われたのか分からなかったが、ねこさんが言ったもう一つの言葉ですぐに分かった。猫さんが言うには長官は今回に事件で自ら邪法教に”潜入捜査”するらしい、でその間の長官代理を、本当なら鴨さんにやってほしかったらしいのだがその鴨さんが邪法教の人たち(?)が起こしたトレインジャックに巻き込まれてしまったため私に代理をさせるからその打ち合わせがしたいということらしかった。
  同日 ミナト本部・長官室前・廊下
「あの、春美です。長官代理の件で来たんですけど。」
「ああ、そのことね。声帯認証パネルのところでテストして。まぁ、本人だと思うけど。」
そう言われたので生体認証パネルのところに行きテストをした。ミナトの中でも唯一長官室に入るには声帯認証パネルからの認証が必要で、しかもそこに登録されている声帯は十刑衆と長官自らのものしか登録されていないため、入れる人物は限定される。それほど長官こと法ヶ副検事正はセキュリティに厳しいのだ。
    同日 ミナト本部・長官室
「あ、春美さんか、ここに腰掛けてくださいよ。」
そういい法ヶ長官は椅子を差し出した。
「ええっと。君とは僕の長官代理の件だよね?まぁこれと言って指示することもないしね?質問ある?」
「え〜と、邪法教の件に関しては・・・」
「あ、あれは僕が現場から指揮を出すから。
ま、僕が潜入するんだからそんな心配はないと思うけど。質問は以上?」
「え、はい。」
「じゃあ、僕が不在の間よろしくね。」
そう言い長官は部屋の隅にあったスーツケースを持って部屋を出て行った。
  同日  神奈川県沖
「ええ、なにも問題ありません。私たちの作戦に見落としなんてありません。」
一人の男が電話越しに誰かと話している。
「さすがだな、世界一のテロリストと言われているだけある。」
そう言われその男が答える
「テロリストはよしてください。私達はただの傭兵です。」
「そんなことないだろう。わしは知っているぞ。貴様等は各国から指名手配されておる。この国でも見付かれば国連に送られて終わりだ。」
「そんなことより例の取引を覚えていますよね?これで私たちも逃げ回る必要はなくなる。」
「ああ、貴様等の身代わりを処刑したと発表し貴様等に別の顔と戸籍を用意するというものだったな。そんなことより本当に100%成功するんだろうな。」
「もちろんですよ。」
そう、特にこんな国の平和ボケした軍隊にはな。
そう思いながら男は電話を切った。
  1月29日 邪法教本部
「おはようございます、副教祖様。」
良かった。今のところ誰も気付いていないようだ。 そう法ヶ掟は思いながら副教祖室へ向かって言った。そこの金庫に邪法教の武器輸入の証拠が書かれた書類があるのだ。本当ならそれを手に国際警察と組織犯罪対策部に強制捜査に踏み込んでもらうのが一番いいんだが、邪法教内で武装蜂起の計画があるのだ。しかも武装蜂起開始の予定日は明後日。どこに邪法教の連中が準備してるか分からない。それでも強制捜査に踏み切れば余りにもリスクが多き過ぎる。どこで何が起きるか分からない。そんな状態で踏み切れば他にもいろいろと被害が出る。そんなことをするのは無理だ。そう思ったのでとりあえずそれを防衛省の友人のもとに送り警戒態勢を取ってもらう。今はそれぐらいしかできない。
    同日 寝台特急はやぶさ
「これってヤバくない、伯父さん?」
「ああ、正直言ってかなりな。あいつらはかなりやり手、というより武器が厄介だ。」
ぱっと見で奴らが持ってる武器はサブマシンガンだ。拳銃の中でも結構厄介な代物だ。対してこっちは丸腰なにも武器は持ってない。ナイフの一本も。正直言ってかなり分が悪い。
「どうするの?」
「とりあえず一人でもいいからぶん殴ってサブマシンガンをぶんどる。それで他の奴らを戦闘不能にする。」
「結構単純だね。でも単純明快なのが一番いいかな。」
だがそれも上手くいくかだ。相手が不用心に近づいて来なけりゃ不可能なことだ。それが悪条件その一。さらにそのタイミングがいつ来るか分からないことだ。それが悪条件その二。さらに悪条件その三として・・・いやあれはもしかして
「オイ、海流お前が持ってるソレ、クナイか?」
「うんもう滅多に家に帰ることもないかなと思って持ってきてたんだ。」
「よし、ソレ貸せこれさえあればあいつをやれる。」
そう言い俺はそれを車両の入り口で見張ってる犯人其の@に狙いを定めクナイを投げ付ける。そしてそれが見事に手の甲にヒットし怯む。そのすきに一気に近づき顔面にパンチを一発決める。そのパンチが決まった瞬間犯人其の@はサブマシンガンを落としその場に倒れこんだ。     
    〜続く〜

  
■作者からのメッセージ
短編完成に続きこちらも更新完了。近日中にもう一方も更新できると思います。

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