烏と梟_怪盗と刑事
作者: 鍋氏   2009年10月09日(金) 00時12分15秒公開   ID:SraEIqNgCGs
  2月22日 第三帝都銀行ビル
暗闇の中を一人の女性が駈ける。闇に溶け込みながら。早く、ただ早く、風のように。
   同日   東京美術館
「こちら、警備の問題なし!」
「こっちも警備の問題は無いっす!」
「こちらも警備の問題は無いでアリマス〜〜〜〜〜〜!」
いろいろな方面から刑事たちの無線の声が聞こえる。こんなにまる聞こえなら心配することはない。警備の場所は丸わかりだ。そう、怪盗☆鬼面マスクは思った。彼がその数時間後捕まるとは知らずに。
 同日   第三帝都銀行ビル・駐車場
「ねえ、ミクモ大丈夫かな、ルネ?」
金髪のふざけた感じの女性が隣にいる銀髪の真面目そうな女性に聞く
「分からない・・・でも私の作ったハックツールで警備システムが止まるのは後十分。」
「て、ことはそれ以上になると・・・」
「かなり・・・危険。」
    同日 第三帝都東京ビル
「困ったッスね〜先輩いきなり警備システムがダウンするなんて。」
「確かにネ。オバチャンこの会社で働いて結構長いんだけど、こんなことはなかったネ。こんなことと言えばこの前ミッチャンに花束贈ったんだけどそれが送り返されちゃって本当にもうどうなってるんだろと思ったんだけどそれがもういろいろと大変で、大変と言えばこの前ギックリ腰起こしちゃって・・・」
「大変言いにくいんスけど大場さん、うるさいっす。」
「アレ、今何か動かなかったかい?」
気付かれた。そう、ミクモは思ったがその後
「いや大場さんの見間違いッスよ。」
そう気づいた人の相棒みたいな人が言い、
「ソウカイ、おばちゃんの見間違いだったのかい?見間違いと言えばこの前おばちゃんね・・・」
そうしてまた、どこか見覚えのある二人が話し始めたため美雲はその場を離れ目的地に向かった。
   同日 東京美術館・特別展示室
「これがダライ王の王冠か。出は早速いただくとするか。」
そう怪盗鬼面マスクが思い王冠にてを伸ばしたとき、
「そこまでだ!!」
と大声が響きわたる。鬼面マスクは周囲を警戒するが、それは無意味だった。そう、その大声は王冠の下、展示台の中から響いていたのである。そして手錠を持った手が展示台の中から出て来た。それを見た鬼面マスクは言ったん逃げようと思ったが、それも無駄だった。特別展示室のあらゆる出入り口を警官隊が封鎖していた。そして後ろからはさっき展示台の中から出てきた。刑事が追ってきてこう言う。
「さあ、観念して捕まってもらえますかね。」
「そんなことするわけねーだろ。」
そう言いながら彼はスイッチを取り出す。これから仕込んであった爆弾を使いこの美術館を停電にする。そうすればこのマスクで暗闇でも動ける俺は逃げられるがそうじゃない警察は俺を捕まえることはできない。そう思い彼はそれを実行に移した。電気が消え焦る警察それをかわしながら華麗に逃げ去る怪盗、そうなるはずだった。ただ一つ違ったのはその手に手錠が着いていると言うことだった。
さっきまではついていなかった。それなのに今はついている。つまり暗闇の中で掛けた人物がいる。そう、彼はすでに捕まっていた。
一人の刑事の手によって。
  同日 第三帝都銀行ビル・社長室
「やっと着いた〜」
そう小さめに口に出しながら、ミクモは社長室にたどり着いた。そこの金庫に目的の書類があるのだ。そう思いながらそこの金庫をピッキングの要領で開けた。そうして麻薬密輸の証拠の書類を盗み取った。後はそれをバンに持って帰るだけだった。しかしそう思い部屋を出ようとした矢先に警備システムが作動してしまったのだ。
「ちょっとヤバいかも。」
そう思いミクモは逃げだした。
    同日 東京美術館・外観
「今回もお手柄だったな袋小路!」
そう捜査三課長に言われている刑事がいた。
名前は袋小路 秀一見しただけでは刑事と分からないぐらい若く童顔である。
「そんなことないですよ。僕は大したことをしていません。みなさんの協力があったからです。」
「嘘つくなよ。あいつの行動パターンの予測、展示台の中に忍び込む役目、さらに輪っぱまでオメェが掛けた。もっと胸を張れそれにそもそもオメェはアメリカ留学までしてさらに弱冠19歳っていう超天才刑事じゃねぇか。さらにオメェさんの親父さんと爺さんは二人とも三課の英雄って言われてるじゃねえか。血筋もすげえんだからもっと胸を張れよ袋小路いや梟君よ!」
彼の俗称は梟君である。ものすごく夜目が利くからこのあだ名になった。
「そうすかねぇ?ああ、そんなことより早く帰らなきゃ!」
「どうしたんだ?」
「二●二●動画の新着動画がアップされてるんですよ。さらに好きなアニメも始まっちゃうし早く家に帰らないと!とにかく失礼します。」
「お前なぁ・・・」
そう三課長が話しかけたが既にそこにはいなくて家に帰り始めたようだ。後ろ姿が見える。
「あと二次元オタクをやめられれば刑事として完璧なんだがな〜」
その後ちょっと残念”天才刑事”の後姿を眺めながら三課長は所轄に向かって言った。
  同日 第三帝都銀行ビル・駐車場
「わわわわわわわっもう十分たちゃったよ。いったいどうするのよ、ルカ?」
金髪の女性が言う
「・・・大丈夫、もうミクモも来たよジュリナ、焦らないで出発の準備をして。」
そう銀髪の女性が言うが金髪の女性は
「良かった、良かった。」
とひたすら号泣している。
「遅れてごめん。心配した?」
と、そこへミクモが入ってくる。
「最悪。」と銀髪の女性、沙座美音瑠加が言う。
「そんなことより早く逃げるよ。」と金髪の女性、澤木菜樹李亜が言う。
「そうだね。」とさっきまで忍びこんでた女性、一条 美雲が言う
「ヤタガラスは捕まっちゃいけないもんね。」
「そうそう、そんなことより全速力でかっ飛ばすわよ。きちんとシートベルト閉めてね。」そうジュリアが言う
「法定速度は・・・守って。警察に・・・バレる。」とルカが言う。
「まぁどっちでもいいんじゃない?捕まらなきゃ。」
と美雲が言う
「だよね!」とジュリア
「まぁ…うん。」とルカ
「それじゃレッツゴー。」
そう、美雲が言いバンは夜の街に向けて発進した。
    〜完〜
■作者からのメッセージ
やっと終わった〜逆転検事クリア後から始め、クーデターの合間を縫ってやっと書き終えました。読んでくれた方ありがとうございます!

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