逆転の真実 プロローグ・第1話
作者: ヒライ   URL: http://oslo.axfc.net/uploader/N/l/8759328563/N_78407.wmv   2009年07月14日(火) 20時29分41秒公開   ID:W3eqTa2zrvY

地方裁判所 第2法廷―


「異議あり!」
若き日の綾里 千尋。
「被告には事件当日のアリバイがあります。その点についてはどうですか?亜内検事。」

「それは、そのー」
額の汗を拭う若き日(?)の亜内 武文。

「裁判長!」
「何かな?弁護人。」
変わりのない裁判長。

「弁護側証人の証言により、事件当日の被告のアリバイが証明されました。改めて弁護側は、被告人の無罪を主張します。

これ以上の審理は時間の無駄だと思います。」
「うむ・・」

「イぃギありぃ!」
裏返る声で叫ぶ亜内。
「裁判長。事件には、まだ不明確な点があります。今一度、捜査を・・」




結局この日は、このまま審理は終わった。
そしてその後、事件の再捜査が行われた。

しかし、新たな証拠品は発見される事なく・・
事件は、検事側の奮闘虚しく弁護側の勝訴で幕を下ろしたのだった。



そう。

5年前―

全てはこの事件から始まっていた。




『逆転裁判 〜逆転の真実〜』




第1章 花坂家の一族




3月2日 午前9時10分 成歩堂法律事務所


清々しい朝、なんとなく片付いた事務所。
僕は、この成歩堂法律事務所所長の成歩堂 龍一。
そう、カリスマ弁護士だ。・・なんて。
現在事務所の状況としては、知る人ぞ知る葉桜院の事件以来、依頼はなく。
毎日、実に平和な日々を・・。
って駄目じゃないか!

で、でも、今日こそはきっとビッグ依頼が・・


「オツカレサン!」

!?

「なんだよ!こんな朝っぱらから。」
「えっ!?なるほどくん、もしかして知らないの?」

彼女は、綾里 真宵。霊媒師で僕の師匠の妹で・・僕の助手だ。

「・・。(何だよ、オツカレサンって。)」
「あ、その顔は、「何だよ。オツカレサンって。」て顔だな。」

「ギクッ!」と思わず僕は言ってしまった。
きっと、こうかれこれ付き合いが長いと顔で僕の気持ちが分かるのだろうか。
それとも、霊能力(?)なのか。

「しょうがない。教えてあげよう!」

僕は、映画のチラシを突き付けられた。

「『〜大江戸戦士トノサマン シリーズ〜 劇場版 大江戸戦士トノサマン乙』(・・トノサマン乙?)。」
「遂にトノサマンがスクリーンデビューだよ!」
「それはいいけど。トノサマン乙って?」
「えぇー。そこから説明しなきゃいけないの?これだから、なるほどくんは。」

と言いながらも、説明したそうな真宵ちゃん。
決して僕は興味ないよ。

「トノサマン乙はね、テレビでは放送されなかったんだけど、トノサマンとトノサマン丙の間の時期にいたトノサマンっていう幻のトノサマンって設定で。今回、映画で遂にその正体が明かされる事になったんだよ。・・でね!でね!」

この後、真宵ちゃんは1人で10分くらいトノサマン乙について語った。

「・・でね!敵をやっつける時の決め台詞がね、「オツカレサン!」なんだよ!」
「あぁ、そうだったんだ・・(もっと分かりやすくまとめてくれよ!)」

僕が真宵ちゃんに説明して貰った10分とちょっとの間の内容を要約しよう。
・トノサマン(甲)→トノサマン乙→トノサマン丙
・戦う敵はイカ忍ハンジョー
・武器はバズーカで決め台詞は「オツカレサン!」
たったこれだけだ。

「来週の土曜から映画館でやるから絶対行こうね。」
「はいはい。」
「って言っても、なるほどくんいつも忘れるからチラシちゃんとポケットに入れといて!」
「う・・。(読まれてる。)」

とりあえず、僕は映画のチラシをポケットの中にしまっておいた。

「そういえば、なるほどくん。」
「何?」
「郵便受けに封筒入ってたよ。」
「封筒?(誰からだろう?)」

僕は、真宵ちゃんから封筒を受け取った。



「・・花坂 翠仙?」

見覚えのない名前だ。
とりあえず、封筒を開けて中身を見てみた。
封筒の中には手紙が一通と招待券らしきものが2枚入っていた。

「あれ?この手紙、綾里 千尋 様って書いてあるね。」
「うん。(千尋さん宛か。)」

僕は、手紙に目を通した。

送り主は陶芸家の花坂 翠仙。
翠仙氏はかつて事件の容疑をかけられ、僕の師匠である千尋さんに弁護を依頼した。
裁判は見事に勝訴。
その時の恩があり、今週末に花坂家で行われる「花坂 翠仙 陶芸家30周年式典」に招待したいと言う内容だった。

どうやら翠仙氏は、千尋さんの訃報を聞いていないようだ。
招待券には、千尋さんと弟子である僕の名前が書いてある。

「どうする?なるほどくん。行く?」
「うーん。」

僕と直接関係ない訳だし、こういう場合行ってもいいものなんだろうか?

!?

「な、なるほどくん!」
「どうしたの?真宵ちゃん。」

真宵ちゃんが口をパクパクさせている。本当に大丈夫か?

「げ、げげげ、『劇場版 大江戸戦士トノサマン乙』先行上映あり!だって!」
「あぁ、さっき言ってた映画・・」
「行くしかないよ!絶対行くしかないよ!死んでも行くしかないよ!」
「うーん。」

でもやっぱりなぁ。

「行こう!行こうよ!ねぇ、行こう!行こうよ!ねぇ、行こう!」
「分かった。分かったから。首を締めないでくれ。」
「本当!?」
「あぁー、死ぬかと思った。」

僕は、(無理やり)行く事を決心した。
真宵ちゃんは、千尋さんの妹だし。もし、いざとなったら霊媒でなんとか。

「なるほどくん、今から行こう!」
「今からはやめようよ!式典は今週末なんだから。」




(第1話 つづく)






■作者からのメッセージ
初めて投稿します、ヒライと言います。
いつか書こうと温めていたモノを今回書いていこうかなと思います。

不慣れで文章滅茶苦茶、キャラ滅茶苦茶、内容滅茶苦茶となる可能性がありますがご了承下さい。
ぜひ、ぜひ感想等頂ければ励みになりますのでよろしければお願いいたします。。

乱文失礼いたしましたw

良ければPVみたいのを自己満で作ってみましたのでDLしてみて下さい。

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