Remember...
作者: 真宵   URL: http://meblo.jp/giyakuten0905/page-2.html 2   2014年01月03日(金) 15時49分50秒公開   ID:b6ZLsYN9SEY
思い出していた。
あの真剣な顔を。
思い出していた。
あの泣くことを耐えていた顔を。
思い出していた。
あの笑顔を。
だけどもう...見れないかもしれない。






【Remember...】








「千尋クン!神乃木クンが...」

そう電話をもらって約数時間。先輩、いつ起きるんですか?私、ずっと待っているのに。

「千尋クン...」

呼ばれて振り向いたらそこには、星影先 生がいた。
「ウォフォン!君は一回帰った方が良い んじゃないかね」

「嫌です!絶対に!傍に...傍にいたいんです!」

「だけどな...神乃木クンは...」

その後の言葉はあの一言だけ覗いて覚えてない。

「いつ目覚めるかは、分からない」

視界が暗くなった。そして私はただひたすら、泣くことしか出来なかった。








「..........んっ」

気が付いたら、先輩の病室のソファで寝ていた私。そして恐る恐る、先輩の眠る ベットに近づき、喋りかけた。

「.....先輩...おはようございます.....起き てくださいよ....」

その時、私は少し期待していたかもしれ ない。いつか見たあの笑顔で「おはよう 。千尋 ...」と起きるかもしれない。
だけど、今回は違った。何分たっても起きない。ゆさぶって呼んでも、先輩の身体に繋がっている機械が変わりに返事 をするだけ。 いつの間にか...神乃木荘龍という名の先輩は...深い、深い、眠りに落ちていた。







「....」

次気が付いた時は何故か屋上にいた。とりあえず、私はベンチに座った。
空は青くて....見ているだけで心が癒された。私はその時、今までの事を思い出した。

出会った日の事。
弁護士の仕事を教わった事。
告白した日の事。
一緒になった日の事。
無邪気に笑いあった日の事。

....先輩との思い出は深い。脳裏であの、 真剣な眼差し。あの笑顔が蘇った。
最後にあの法廷のの事を思い出した。 真犯人に逃げられて...あの時も散々泣い た。そしてあの言葉を言われた。













「千尋、男が泣いていいのは、すべてを 終えた時だけだぜ...」













「え?」

すぐそばで先輩の声が聞こえた。だけど 、傍には...居なかった。

「......先輩」

その言葉を思い出し、聞いて思った。

(私のやるべき事は終わっていない!泣いてる暇なんか、ありはしない!)

私は先輩の病室に戻ることにした。その 時、私の涙は止まっていた。ただ、"ふ てぶてしく"笑っていた。







病室に戻っても、先輩は深く眠りに落ち たままだった。私は先輩の傍に行き、手 を握りながらこう言った。

「先輩、私頑張ってやらなくちゃならない事済ませてきます。そして...その後、 先輩の傍で泣きます。だって、"男が泣 いていいのはすべてを終えた時だけ"ですからね!」

言った後すぐ、先輩が笑った気がした。 そして、

「先輩...また来ますね!」

私はまた歩き始めた。





END
■作者からのメッセージ
人生初のカミチヒ....終了! これ書いている時、SEKAINOOWARI「眠り姫」をずっと聞いていたんです。だか ら若干...歌詞よりな所があると思います 。だって、あの曲聞きながら考えたらカミチヒばかり思いつく私でしたもん。あ の時。もうこれは....神乃木荘龍(ゴドー )版も....だけど勉強とかやるべきことや らないと(;_;)でも書くだろうな...あ、大 人っぽい所があったけど、楽しめましたか?感想聞けたらな...と思いつつ、今回はこれで失礼します!

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