戻ってきた逆転@
作者: 弁護人   2012年10月27日(土) 22時57分28秒公開   ID:J2iEh/Go4HA
捏造弁護士として、司法の世界から、追放された成歩堂龍一に、司法試験を再び受けて弁護士に復帰して欲しいと、願った、倉院流霊媒道・家元の娘で、家元となった綾里真宵を、始めとした多数の人間を代表して、検事局でもっとも若くで、検事局長になった成歩堂龍一の親友の御剣怜侍検事いや、御剣怜侍検事局長が、成歩堂龍一と話をしている場面である。

〜6月15日 検事局・検事局長室〜
御剣が、僕に話しかけてきた。なにか、思い出話のようだ。
『成歩堂、覚えているか?君は私に言ってくれたでは、ないか。私が、『検事・御剣怜侍は死を選ぶ』と、書いたときに、私が君たちを裏切ったと。だが、今の君は、どうだ?私は、ともかく冥や、真宵くん、春美くんや、糸鋸刑事、矢張などたくさんの人を、裏切ってる。違うか?』
たしかに、そうだ。だけど、
『そうだよ。だからって、僕みたいな、捏造弁護士に戻る余地などありはしない。
たとえ、それが裏切りだと言われても、僕には、もう戻る道はない…』
正直ありのままに、言ったのに、御剣は
『成歩堂、君が司法の世界に入った理由は、なんだ?私が、証拠品の捏造や、証言の操作をしているという、記事を見て、私を元の私にするために、入ったのだろ。私は、その記事の通り、証拠品の捏造や、証言の操作をした。そして、君に会い、君が私を救ってくれた。その後、君は私を、裁判でも救ってくれた。父を殺害した犯人も暴いてくれた。私が、今検事局長として、いやあの頃も検事を続けられていたのは、君のおかげだ。君がいなければ、私は、検事を続けられていなかった…』
聞いてると、なぜか、無性に、悔しさを感じ、気づけば
『異議あり!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!僕は、僕は、もうあの頃の、僕じゃない。もう、あの頃の僕じゃあ…』
ほんとに、そう考えていた…だって、たとえ騙されても、はめられたとしても、それに気づかなかった僕は、今の僕だ。しかし、そんな僕の心のうちを見透かしたかのように、御剣は、
『どうせ、君のことだ。騙されたとしても、はめられたとしても、僕が悪いんだみたいなことでも、考えているのであろう。
しかし、はめられた人間はここにいるではないか。私は、私の師匠・狩魔豪にはめられた。DL-6号事件だ。それに、冥だってその1人ともいえる。矢張など、もっともその典型的なパターンではないか。何より、今までの君の依頼人たちもそうであろう。はめられた後、どうするかがポイントではなかろうか。君の依頼人たちは、君に弁護を頼んだ。そう、それが最善の方法だと知っているからである。
私は、今は検事局長として、勤務しているので、ある程度のことは、協力出来る。』
御剣の言葉は今の僕にとって嬉しいはずなのに喜ばしい言葉のはずなのに、なぜか目の前が、霞んできた。涙なのか?なんで、今更涙が…
『御剣、お前は、なんでそんなに強いんだ?僕が、司法試験を受けて、また弁護士になったとき、みんなは許してくれるのか?そんな訳ないよ!』
正直な、思いを、御剣にぶつけてみた…。御剣は、
『ふ…。何を、分かり切ったことを、君は言っているのだ。私は、強いのでは、ない。
みんなから、支えられているだけなのだ。君も、知っているだろう私は、尊敬していた父を失い、信頼していた師匠を失い、自ら選んだ自らの場所を失い、その結果、自らをも、失いかけた。そんな、私が今いるのは、成歩堂、君を、始めとした多数の人間が、私のことを、支えてくれたから、私は、いるのだ。勘違いするな。
そして、君がもう一度司法試験を受けて、弁護士になったとき、みんなが、許してくれるかだと…。これも、何を分かり切ったことを、言っているのだ。
君が、弁護士に戻ってほしいと、真宵くんを始めとした、多数の人間が、望んでいるのだ。あえて、望んでいないとするなら、それはこれから起きる事件で、君が弁護する者が捕まった事件の真犯人や、検事局の者くらいだ。まぁ、検事局の人間も、冥が今や主席検事をしているから、反感もないだろうがな。
だから、堂々と自信を持ちたまえ。かつての、君は、なんと呼ばれていた?』
そうだ、そう言えば僕は、昔は、
『恐怖のツッコミ男…』
と呼ばれていた。そして、気づけば、若手実力派弁護士と呼ばれていた。ただし、いつも、ギリギリの崖っぷちの弁護だったけど…。そんな、僕の思いを、これまた見透かしたかのように、御剣が、
『君は、私が知らない間に、弁護士になり、気づけば私は、君に敗訴していた。崖っぷちの弁護だった君に、負けた。でも、これまた知らぬ間に、若手実力派弁護士として、名を上げていた。そして、今君が言ったように、君のツッコミは、恐怖となり、恐怖のツッコミ男となった。だから、自信をしっかりと持ちたまえ、君は弁護士に戻るべきなのだよ。』
なんだか、聞いているうちに、起こしてはならない気持ち…そう、もう一度弁護士に戻りたいという、気持ちだ。
僕は、弁護士に戻りたいのか?
『僕は、弁護士に戻りたい…?』
ただ、それだけ…
『異議あり!なぜだ、なぜ、最後が疑問形なのだ!君は、弁護士に戻りたいのだ。君は、君自身が、それを今でも拒んでいるが、君自身は、今でもそれを望んでいるのだ。にも関わらず、疑問形にするということは、君自身が今でも自分を 拒んでいるという証ではないか。もう、自分に素直になりたまえ。かつての、君に戻りたまえ。
今日、私が君と話に来たのは、君が一日も早く元の君となる日を望んでいる真宵くんを始めとした多数の人間を代表して、来たのだ。分かるか、成歩堂。』
そんなの、分かっていた。しかし、その言葉を、信じて良いのだろうか?思い出したくない、あの日の思い出…
■作者からのメッセージ
初めての投稿です。
逆転裁判5発売記念と、なるほどくん復帰を記念して、書きました。



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