アナザーワールド・虚空間―零
作者: ZEBRA   2008年02月27日(水) 18時29分04秒公開   ID:B3lXHCgMg/Y
―ピンポーン
 大我が『アナザーワールド』を手にやってきた、俺は大我の姿をみて疑問を感じた、大我の手には大き目のダンボールが乗っていたこれを手に乗せたまま、ここまで来たのかコイツは?そう考えると笑ってしまった
『何笑ってんだお前?』
『うん?・・・ああっ悪りぃ』
『どうでもいいけど俺疲れたから早く家に入れてくれよ』
 そういって俺は大我を家に入れた、にしても大きい箱だ『アナザーワールド』とはどんな物なのか?俺は想像を働かせた
『おーい何ぼーっとしてんだぁ・・』
 俺の耳に大我の声は入ってこない、昔から俺はそんな性格だったひとつのものにはまると自分の世界に入ってしまうのだ、まぁ引きこもりになった原因はこれなのかもしれないが・・っと考え事をしながら階段を上がっていた俺はバランスを崩し、後ろにいる大我に覆いかぶさってしまった
『うわっ!!』
『おいっ!寝ぼけてんのか!』
『危機一髪ってやつだな』
 俺はなんとか体勢をとり直し自分の部屋に行った、そしてついに謎のベールに包まれたゲーム『アナザーワールド』の正体を目にする!大我がダンボールのガムテープをハサミで切り中身を取り出した・・・?
『大我・・もしかして』
『そう・・そのもしかしてだよ!』
 なんと大我はダンボールの中身を2つ取り出したのだ、確かにどちらの箱のも『アナザーワールド』と英語で書かれている。
『それ1万だったんだろ?』
『そうだよ、でもお前学校に来ないし暇そうだから買ってやったんだ!』
 そういう大我の顔は笑顔だった俺は、感動した・・しかし口にはださなかった・・いや・・恥ずかしいだけなんだが・・
『俺あとで金払うよ』
『その前に・・ゲームを試してからなつまらなかったら金は払わなくていいよ』
『いいのか?本当に?』
『ああ!だってつまんなかったら売ればいいだけのことさ、今なら発売したばっかだから高く売れるだろうし』
 お互いに了解したところで俺たちは早速、箱をあけた、中にはゴーグル、目薬、ケータイと説明書だけが入っていた。
 俺は自分の想像していた機械のイメージとだいぶ違ったのに驚いた、これで対応機種が人間とは・・どんなものなのか・・俺たちは説明書を読んだ。
『大我・・・これ大丈夫なのか・・?』
『俺もそれ思った・・』
 俺たちは説明書を読み一瞬戸惑ってしまった、どうやらこのゲームは自分の体がそのままゲームのキャラクターとなり異世界に入り込み戦うというもので、これは2人とも想像していたどうりだったが、問題はこれから・・アナザーワールドは1回プレイすると自分の好きなときに中断や終了できないというのだ。脱出方法は第2ステージにある『エスケープゾーン』に入る・・安全面は大丈夫なのか?
 説明書にはこう書いてある、―ダメージは食らいますが死には至らないです―

『・・・・・・・』
 俺たちはしばらくの間沈黙した。
『悠輔とりあえずやってみようぜ!安全面は商品なんだからあるに決まってるし』
『そうだな、年齢制限がないゲームは安全!これあたりまえだよな』
 そして俺たちはプレイ方法に沿って準備をした、まず目薬をする、その次にゴーグルを装着する、目に痛みが走るようだったら時間を置いてからゴーグルをかける、そしてケータイ・・これはメールなどはできないがプレイヤー同士が話すための電話機能と空間移動するためのアイテムらしい、ケータイにはあらかじめ電話番号が登録されていて友達と協力プレイをするなら、空間移動する前に相手の番号を、登録するといいらしい
 早速俺たちはお互いの番号を登録しあった、さらにアナザーワールドに入ると機能が増え『ブラックリスト』というモードが追加されるらしい・・俺たちは燃えていたさっきまでの疑いの疑惑はなくなり早くプレイしたいという気持ちが高鳴っていた。
 ほとんどの準備が終わり動きやすい服装に着替え準備運動をし説明書にあるアドバイスは一通りやった。

『よしっ準備完了!悠輔はやくやろうぜ!』
『おっし!俺も準備はできた一緒にクリアを目指そうか大我!』
 ドキドキしている心臓の音が次第に大きくなる・・俺たちはケータイを手に空間移動モードにあわせ深呼吸した・・
『同時に押そう・・』
『じゃあ大我掛け声言ってくれ』
 ついにこの瞬間がきた、今までのだめな自分とはお別れをいってやる!・・このくらいの強い気持ちを胸に・・・そして・・!

『いっせぇのぉ・・・・でっ!!!!』

 俺たちは同時にボタンを押した・・・・

―神代悠輔様、このゲームの簡単な説明をいいます、死なないでくださいこれだけです。―

 今一瞬誰かの声が・・!?意識はあったが目の前が真っ暗で何も見えない・・しかもボタンを押した瞬間変な声が聞こえたし・・―死なないでください―・・・おかしいぞ!説明書には死に至ることはないって書いてあったのに!・・さらにもうひとつのことに気づく・・大我がいない・・まさか押すボタンを間違えたのか?・・ってそんなアホなことはないよな・・・・しばらく俺は黙り込みその場に座り目を閉じた・・・・・・・

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 しばらくの間俺は、目を瞑り座り込んでいた、目を開けるとなんとそこには、暗闇ではなく景色があった、あたり一面森ジャングルだと理解し同時に俺はゲームの世界に入り込んだんだと認識した、この森には見たことも無い植物がたくさんあり、現実の世界で殻に閉じこもっていた自分には、刺激が強すぎた、だが好奇心が生まれ俺は、道無き道を歩き始めた、歩きながら俺は状況を整理した。
 ここは第1ステージで大我とは別のエリアに飛ばされた、脱出は第2ステージにある、簡単なことだ単純に生き残ればいいそれだけ。俺はクリアは簡単だと結論付けた

『にしても・・・どこだここ・・?』
 俺が歩いていると目の前に変な生き物が出てきた、弱そう・・ファーストインプレッションがこれ・・俺は自称ゲーマーなのでこれぐらいの生物が出ても何も感じない、見慣れたって感じ・・俺は生物を蹴った
『おりゃ!・・・ってこれアリクイじゃん』
 現実に存在する動物も出てくるとは、不思議なゲームだ・・俺はアリクイを無視し先を歩いた・・そこでケータイのことに気づき大我に連絡をとった・・・・
―佐藤大我様は戦闘中です―
『・・・・・!?・・戦闘中?』
 そのとき後ろに何者かが近づくのを感じ勢いよく振り返った!・・俺は持っていたケータイを驚きのあまり落としてしまった、目の前にはなんと空想のモンスター[オーク]がいたのだ、オークは近づいてき豚鼻をふごふごいわせながらながら襲ってきた!俺は目を閉じた
『うわああああ!』
 俺は抵抗する手段がなくその場で叫んだ、情けない・・俺はゲーム開始直後なのに死ぬのか・・俺は走馬灯が見えた気がした、しかし一向に攻撃を仕掛けてこない、俺は恐る恐る目を開くとオークが目の前に倒れていた、大量の血を流して。

『君の名前は?私は海原双竜という名だ』

 オークの死体に集中しすぎて目の前にいる男に気がつかなかった、俺は気を取り戻し礼をいった。
『ありがとうございます!俺の名前は神代悠輔です!』
『神代くんか!死体を見たショックで話せないかな?と思ったが・・元気があってよかった』
 俺はとりあえず海原さんについていくことにした、どうやらこの森にはオークの巣窟があって危険らしい初心者では生き残れないらしい・・そこからゲーム開始した俺はどんだけ運が悪いんだ?この森の名前は『豚珍森』というらしい・・変な名前だ・・。
『海原さんはこのゲームはいつからプレイしているんですか?』
『私は2年前からここで働いているんだよ』
 俺はあえて当たり前の質問をしたのに予想もできないような回答をされなんといおうとしたのかを忘れてしまった。
『でもこのゲーム去年の大晦日に発売されたばかりなんですよ?』
『・・知っているよ・・うーんなんといえばいいのだろう・・嘘は言いたくないしなぁ』
 なにを隠しているのだろうか?まさかこの人はゲームの世界の住人なのでは!?俺はそうだと考え、空気が悪くなるのを避けるため質問を取り消した。
『神代くん?まさか私のことをこの世界の住人だと思ってないかい?』
『・・・いえいえ!そんなこと考えてませんよ!俺の記憶がおかしかっただけですから』
 俺は苦笑いしながら話をごまかした、すると・・・海原さんが
『話そう・・疑われると仕事がしづらいからな・・私はこのゲームの開発スタッフのひとりで、2年前からここに住んでるんだが・・』
『どうしたんですか?』
『実はここには開発者でも確認できていないウイルスデータが侵入しているんだ・・そいつに攻撃されれば間違いなく死に至るだろう』
 ここで俺にの抱えていた、1つの疑問が晴れた、ゲーム開始のときに聞こえたあの声・・―死なないでください―はこういう意味だったんだ。
 そしてもう1つはクリア方法・・それと、モンスターの倒し方・・まだまだわからないことがある、俺はそれを海原さんに聞くことにした。
『海原さん!クリア方法とか教えてください!』

 俺は一歩クリアへの道を進んだ・・・続く


 
■作者からのメッセージ
続編です・・・まだ続きます、すみません(汗)、感想をお聞かせください!この次から段々楽しくなっていきますので、ご愛読よろしくお願いします!

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