アナザーワールド・虚空間
作者: ZEBRA   2008年02月27日(水) 16時08分53秒公開   ID:B3lXHCgMg/Y
ゲームの世界それは子供たちの夢、この世には存在しない生物、ドラゴン、ゴブリンそして幻想的な世界観そんな空想の世界に最近の子供たちはのめりこむ、ゲームはただの娯楽という考えを持つ子供はいないだろう・・つまり現実と仮想世界の区別がつかなくなりつつあるのだその結果、招くものは現実逃避・・最近の子供たちはゲームなしでは生きていくことは無理だろう、子供の好きなものランキングの1位には必ずゲームが挙げられる・・自然と戯れる時代ではなくなったのだハイテク化が進む世界・・・自然もいつかは人口林のようなものになるだろう、ちょっと前に人気になったゲーム『ムシキング』あれを見ると悲しくなる、人々は命の尊さをわすれハイテクにたより子供たちはゲームにのめりこむ・・・これではゲームの世界と何も変わらない、世界そのものが現実逃避をしているようだ・・・・ハイテクが進化しても世界の犯罪はなくなることはない逆に増え続けるだろう・・戦争もいつかは起こるその最悪の未来を回避するため私はあるものを作った・・・・

現実逃避する子供たち、大人の世界への無関心さ、とどまることを知らないハイテク社会、一触即発状態の国々、上下関係が激しい社会・・・彼らに言葉で思いを伝えることは不可能である、そこで私は未来を担う子供たちに目を向けあるゲームを開発することにしたのだ、そのゲームの名前は、『アナザーワールド』・・ゲーム内容はモンスターを仲間と一緒に倒しレベルアップをしながら各ステージのボスを倒してクリアを目指すという単純極まりない内容のもので、お世辞にも楽しいとわいえない、昔のRPGのようなゲーム今更誰がやるというのか?・・・・しかし私はこのゲームこそ世界を救うものとなると確信している、今の大人たちには感受性というものがない、このゲームには子供たちが夢見る世界が詰まっている・・・私はこのソフトを教育として使用するものとして開発した、感受性を豊かにするソフト『アナザーワールド』・・・・人気爆発するに違いない、私はそう確信した。発売日は2012年12月31日、本体価格は1万円、対応機種は・・・・・・『人間』

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2012年 12月30日 某研究所

私は発売前日に最終チェックを研究所でしていた、どの新聞の見出しも『謎のゲーム』の文字が書かれていた、『対応機種が人間!?』問題にならないはずがない朝のニュースもこの話題が占めていたこれは私の想像どうり問題ではない、むしろありがたいと思っている最初の段階でこれだけの注目を浴びたのだその時点で研究は成功したと考えている。世間に興味を持たせる・・これが私のなかの計画の1つだった・・・最終チェックでは問題はない私の計画は・・・成功したのだ。

2012年 12月31日

『ついに発売されました謎のベールに包まれたゲームが!見てくださいこの人の山!』

このゲームの開発者は、私だが名前は挙げていない他の研究者が開発したソフトとして発売している、私は多額の金を手に入れた・・がこんなものは必要ない、私が望むのは明るい未来なのだ、それにちょっとした心配もある、このゲームが世界にも流出したことによって混乱を招くのでは?という問題である、しかしそんなものに悩んでいては『アナザーワールド』は開発することはできない無駄な概念は捨て開発に時間を費やしたのだ悔やむことはなに1つ無い、私の作品は完成したのだから・・・それに金も手に入れた・・私は今まで世界を救うため数々に功績を残していった、もういいんじゃないか?そんな思いを抱くようになっていた・・そしてある日ある出会いをきっかけに私は、最後に偉大な作品を作ろう!と考え研究者としての最後の時間を『アナザーワールド』に捧げたのである・・・
これからは世界を『救う』ものではなく、世界を見守る『傍観者』としての人生を送ろう
と思う・・・・。私は12月31日に研究所を後にした・・・。

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12月31日 夜7時 神代家

『悠輔ご飯食べなさい!』
うるせぇなぁ・・・・俺は今ゲームという勉強をしているのに・・・・・俺はこの日友達に借りたゲームをしていた、これがなかなか難しくてゲーマーの俺が1ヶ月もかけている未だにクリアできていない、パソコンを使って攻略サイトを見れば済む話なのだがあいにく俺は自己顕示欲が強い男で自分の力でクリアしなければ満足できない、時間は過ぎていくがゲームの世界は何も進まない、俺はそんな状態に苛立ちを抑えられず、コントローラーを床におもいっきり投げつける・・そして壊れる・・そんな日々を送っている、さらに俺は不登校だ学校は中学3年になってから一度も行ったことがない・・なぜか?・・答えは今の生活そのものが俺の壁となっているのだ口うるさい母親、会話をした記憶があまりない父親、ゲームに明け暮れる日々、自分から変わることは難しい、それに俺は1人っ子だ・・・『コミニュケーション』という言葉も嫌いだ、学校の先生は俺を欺くような眼で見る、成績が悪いのは俺自身のせいとわかっていても学校の教員たちの顔を見ると奴等のせいだと決め付けたくなる・・。まるで全てのものが俺を否定しているように思えてくる・・その結果、現実逃避が始まる。しかしそんな俺にも小学生の頃から仲の良い友達がいる、名前は『佐藤大我』前はもっとたくさんの友達がいたが、俺からみんなは自然と離れていった唯一残ってくれたのが佐藤大我だった、全ては自分が悪いんだ・・思いつめてしまうときが最近よくある、いじめにはなれた、大人たちの冷たい視線にもなれた、俺は社会に反抗することで自分を確立していた、しかしそれもただの悪あがきに過ぎない・・たまに死にたくなる気分の日がある・・心が罪悪感で埋め尽くされどうしようもない寂しさに襲われる・・・今日もその日だった、だけど俺は死にたくない・・心のどこかに必死に否定する自分がいた、なぜ?そんなくだらない人生終わらせた方が楽なんじゃないか!?・・・・それでも俺には死んではいけない理由がある親友の大我のため、俺は裏切ることはできない・・・・俺はゲームの電源を静かに消した・・・そして暗い部屋のなかで静かにつぶやいた・・
『こんな人生でごめんよ・・俺・・』
俺は泣いた・・久しぶりに泣いた、泣くことは負けだと思っていた俺が泣いた1人で・・孤独に耐えながら・・・・

12月31日 深夜1時

俺はあの後寝ていたようだ・・ん?ケータイが光ってる・・誰かからメールが届いてるようだ・・といっても大我のメルアドしか入ってないが・・こんな夜中になんだろうと不思議に思いながらケータイを手に取りメールを読んだ。

―悠輔!俺いいもん買ったぜ!何だと思う?・・フッフッフ読んで驚くなよ?・・・『アナザーワールド』を買ったんだ!俺ずっと列に並んでてさっきやっと買えたんだ!俺うれしくてうれしくて・・涙がでそうだぜ!俺今日はまだやらないで明日悠輔の家でやろうと思ってるんだどいいかな?―

大我買ったのか・・『アナザーワールド』俺も興味はあったけど金が無かったから買えなかったんだよな、俺は大我にメールを送った

―ああいいよ!俺も興味あったんだそれ!だって対応機種が人間だろ!?どうやってやんだろうね!明日楽しみに待ってるよ!―

元旦 朝6時

俺は今日珍しく早起きした、いつもなら自分の部屋で朝食を食うが今日は2年ぶりにリビングで母の作った料理を食べた、やっぱり母の作った料理はおいしい俺はニヤニヤしながら朝食を食べた。
『悠輔どうしたの今日は?あんたが降りてくるなんて珍しいじゃない』
そのとき俺は言葉を失った、母のあんな笑顔を見たのがはじめてだったからだ、全てを拒否して生きていた俺は自分という人間の虚しさを感じた、それと同時にうれしさも湧き上がっていた、しかし父とは話をしたかさえも覚えていないくらい関係が薄い不安がよぎる俺は自己顕示欲が強いがため自分が満足できないことは全て敵と見なしてしまう。それゆえに父の存在を邪魔者と自然とみなしてしまうしかし今までの俺とは違うことを見せ付けなくてはいけないそうでなければ、再びあの虚しい自分への拒絶が始まるからだ・・。
久しぶりの家族との会話・・これが俺の最初の壁だ、こんなことでつまづくわけにはいかない、俺は口を開き母と話すことにした。
『母さん?父さんはまだ寝てるの?』
『お父さんなら、部屋で仕事してるわよ?』
俺はその言葉を聞いたとき体が固まった・・起きているのか・・リビングに来ないでくれ!といつの間にか念じていた、しかしこれでわなにも変わらない・・・全てのものを受け入れる気持ちがなければ学校に行ってもいじめられるだけ、俺は自分を正した。ふと時計を見るともう7時、1時間もリビングにいたのか俺は・・?俺にとって1分間だけリビングにいるだけでもダウンしてしまうのに1時間・・・衝撃だ・・しかしこのとき感じた俺は確かに変わろうとしているんだと、しかしそれでも父のことを考えてしまう、もうそろそろ父は朝食を食べにリビングに来ると・・俺は緊張し始めた・・・そして、耐えかねた俺は『ごちそうさま』といって自分の部屋に逃げ込んだ、危ないもう少しで父と接触していた!・・そればかりを考えていた、そして吹っ切れるように俺は笑った、人間そんな簡単に変われるもんじゃねぇな!
しかし今日という日を忘れることは無いだろう、普通のことを俺はしていない、そんな状態からの人生再スタート・・簡単にいえば0からのスタート・・つまり俺には失うものなど無いということだ・・親友の大我以外は、そんなことを考えているうちに俺は寝てしまった・・・目が覚めると時刻はすでに9時、幸いまだ大我は来てないようだ・・・そのとき―ピンポーン!

元旦 朝9時半

親友の大我が来た・・・謎のゲーム『アナザーワールド』を手に・・・・・続く
■作者からのメッセージ
今回からは真面目に小説を書くことにしました、続きは必ずかきます!今回の作品は本当は短編にしようと思っていたんですが、伝えたい要素がまとまらず続きを書くことにしました。『アナザーワールド』の続きもぜひ読んでください!皆さんの感想をお聞かせください!

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