RUNE SHADOW 第一話 |
作者:
ラスレイ
2007年06月15日(金) 20時55分36秒公開
ID:.ePzohpbKOU
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1000年前―― 大地は赤黒い…、今でも、魔法同士がぶつかり合う衝撃で木々は揺れ、剣同士の当たる金属音は耳に響く。 「はぁ…、はぁ…。」 戦士は疲れ、魔術師は魔力を無くすが、戦いは終らい。 全ての物事を起こした邪神が倒れていない。 「おらぁぁぁ!」 戦士は束になって、相手に飛び掛る。相手も負けずと飛び掛る。 「……、フレイム!」 魔術師は呪文を唱え、各々の持つ魔術を使い、見方のサポートや敵への攻撃をしている。 「はぁ…はぁ…。」 幾人かの戦士と魔術師は邪神の元に辿り着いた。 「ククク…、雑魚が群がらないでくださいな?」 「レディオス! 邪神メフィステレスの力で何をする!?」 「関係ないでしょう! 雑魚風情!」 レディオスと呼ばれた男は剣を抜くと、剣の切っ先が青白く光る。 「散れ!」 騎士魔法と呼ばれる武器に魔法をかけて、遠距離攻撃や近距離攻撃の威力を上げる魔法だ。 「うぁぁぁぁ!!」 何人もの戦士は青白い衝撃で吹き飛ぶ。 しかし、煙の向こうに何人かの男と女が立っている。 「レディオス! 永遠に眠るがよい! ブレイクロウ!」 「ちっ! デルデント! くそっ! くそ! この野朗…!」 レディオスは青白い光に包まれ、同時に邪神も包まれる。 その後、光が消えた後、2人の姿は消えていた…。 「もう、魔術師の血も少しだけであろう。魔術師よ、子孫を大切にな。」 この戦いは魔絶大戦と名づけられた。 それから1000年―― 「へへ! 今日もお宝頂き!」 16、7歳程の少年は洞窟の様な場所で宝石を2つ、お手玉している。 「ルビーとエメラルドか! 高く売れるぜ〜!!」 少年は2つの宝石を持ち、自分の背丈の3分の2程の大剣を腰の鞘に収め、都市へと出かけた。 少年の名前はラルド。 よく言えば盗賊、悪く言えばコソ泥。 そして、ラルドは洞窟を出て、林道を抜け、目の前にある大都市ディバウレンの宝石屋へと足を運んでいる。 「う〜〜ん…状態が良いな、1000Gでどうだ?」 「乗った!」 ラルドは薄暗い部屋の机を一叩きし、1000Gという大金を受け取る。 この世界のお金は一番下が、B(ブロンズ)Bの10倍の値がS(シルバー)その10倍の値がG(ゴールド)。 「へへっ! 酒場でも行くかな!」 宝石屋の目の前には酒場が在る。 扉を開けると、鈴の音が聞こえ、マスターが声をかける。 そして、ラルドはカウンターから少し離れた席に座る。 「おっ! ラルド! また金が入ったのか?」 「まぁな! ブドウ酒を1瓶!」 1Gの金貨を袋から取り出し、カウンターに投げると、マスターはそれを受け取って、変わりに100Sの硬貨を投げる。 そして、ラルドがそれを受け取ると、酒が運ばれてきた。 「ん? 見ない顔だな…、新入りか?」 「はい…、ルナと言います。」 綺麗な、黄色と白の混ざったような、言い表せない、色のした長い髪に、美しい顔。 ラルドは気に入ったと言わんばかりにニヤッと笑う。 「ルナはな、魔術師の血を引いてるんだ。魔法も使えるんだぜ!」 「おい! そいつは見逃せねー。」 奥に座っていた、銀色の髪の男が黒いスーツを着て、大きな剣を持ち、カウンターに寄ってくる。 「おい! 今、ルナって名前で魔術師っつったよな?」 「お客さん? おれが何か?」 「俺はルーインの幹部だ!」 「! あの組織か!?」 「マスター、あの組織って何だよ!?」 ラルドはルナの手を持って言う。 「暗殺や殺しの任務を引き受ける、紅牙カンパニーの犬だ!」 マスターはカウンターから顔を覗かせてて叫ぶ。 「犬じゃねぇ!」 男は剣を一振りする。 マスターはしゃがんでかわしたが、後ろの酒瓶は真っ二つに割れ、中身が出ている。 「おい! チビ! その女をよこせ!」 「何故だ!?」 「俺達にはその古代の魔術師デルデントの血を引き、月の一族の血を引く娘、ルナを探してんだ! つまり…、」 「この娘の事か?」 「正解だ!」 男は剣をラルドに垂直に振り下ろす。 しかし、ラルドには当たらなかった。 黒い鎧の男が剣で防いだのだ。 「おい! その娘を連れて逃げろ! 少年!」 「わ…わかった! おっさん!」 ラルドはルナを連れて、酒場を出て、都市の外に出て、林道に入り、洞窟へ向かう。 「てめぇ…その鎧、マスターロウのブレイドか!? 「ご名答! ルーインの第一幹部ルビィティ!」 「ちっ!」 ルビィティは一旦、飛び上がり、そのままジャンプ斬りを喰らわそうとする。 剣が当たる瞬間、剣でそれを弾き飛ばす。 「おい! テメェに免じて、この場はひいてやる!」 それだけ言うと、ルビィティは消え去る。 「ここまで来れば大丈夫だろう。」 丁度、酒場ではルビィティが去った後、ラルドとルナも洞窟に着いた。 「ありがとうございます。」 「こんな可愛い娘をほっとけねーかんな!」 ラルドは親指を見せる。 「なんで、ルナはアンナや奴らに追われてるんだ?」 「…、ラルドさん…アナタにはお話しておきます。私は古代の大魔導師と古代文明の月の一族のハーフです。アイツ達は邪神を復活させようと、私から方法を聞きだそうとしているのです。もちろん、話さなければ、私を使って、邪神の封印を解くでしょう。」 「へぇ…面白そうだな! 旅、すんのか?」 「はい…、各地の7人の賢者の助力を貰い、紅牙カンパニーを倒そうと思っています。」 薄暗い洞窟には深刻な声が響く。 「俺も行く…。」 「えっ…?」 「面白そうだからな! 俺も行くぜ!」 ラルドはニッコリ笑う。 「ならば、私も同行しよう。」 「ん? あん時のおっさん! どうしてココが?」 すると、ラルドの方から、妖精が飛び出した。 「私の相棒、エルフィアだ。姿を消して、相手に憑いて、私が追跡できる魔力を放ってくれる。」 「名前は? おっさん。」 「マスターロウのブレイドだ。」 ラルドの顔が青ざめる。 なんせ、ラルドの職業は怪盗(泥棒)だからだ。 「君、ラルド…、噂の宝石ハンターだね? この旅で成功をおさめれば、罪は免除してやる!」 「ホントか!?」 ブレイドは顔を上下にふる。 「皆さんに迷惑はかけられません!」 「ルナさん…、これは貴女を私達が護衛するのです。絶対について行きます。」 「…ありがとうございます!」 ルナは深々と一礼する。 「目的地は?」 「…ここから一番近い砂漠の国アルデバランに行きます。」 アルデバラン…国が砂漠化した、砂の国だ。 「なら、馬を揃えようぜ!」 ラルドは手を上げる。 「名案だな! 店に行こう。」 3人は再び、都市へと足を運ぶ事にした。 「一番、体力と足のある馬を3匹。」 馬を扱う専門店『馬々ショップ』(変な名前だ)で合計40Gで最高の馬を3匹買った。40Gなど、今のラルドには大した損害にはならないが、この場はブレイドが支払ってくれた。 馬に乗り、林道とは逆方向の門を抜け、バライサス平源に着く。 「さぁ…行こう!」 3人は馬を走らせた。 |
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