トキファイト!
作者: 無記名のテスト   2007年10月18日(木) 21時40分10秒公開   ID:DvOG8O/vjcM

 どんな物語でも始まりがある。例えば、今や大衆の有って当たり前的な存在となったサ○エさんにさえも第一話はある。で、これで何が伝えたいかと言うと、ようするにこの物語が今から始まるという事。

 そう私、雛森時子18歳のメイドとしての笑いあり、涙あり、苦労ありの恋愛物語(?)が!
 まあ、そんな訳で第一話始まりま〜す♪

☆ ☆ ☆

 どうも、こんにちは皆さん。私、ヒロインの時子と言います。まあ、栗色のツインテール女とでも覚えておいて下さい。いきなりですが、今私はバッグを持って巨大な門の前にいます。

「ほぇ〜、何だか『ハ○テの如く!』のお嬢様の屋敷みたいだな〜」

 えっと、ここに至る訳は今から遡る事数日前。いえ、もっと言えば三年前に遡る事になります。
 私はつい最近まで物好きな祖父の経営する私立雛森奉仕学園に通っていました。あっ、今の内に言っておきますが大きくて特殊なご趣味をお持ちの読者様の中で、奉仕=口では言えない事という発想をお持ちの方、全く違いますので少し頭を冷やしてお読み下さいね。

 一応、作者は未青年ですので法律という大人の偽善でこり固められたモノで縛られているもので。
 ちなみに、この作品は全くウケなんて狙ってません。ただの暇つぶしですので、こちらもご了承下さいね!

 さて、少し話がズレてしまいましたので戻します。で、祖父が経営するその学園は特別な学校だったのです。
 何処が特別かと言えば全て。なんせ、執事やメイドさんを目指す人しか通わない学校でしたから。

 まあ、私は特にメイドになりたいと思って入った訳ではありませんでしたが、学校の成績を見て入れる場所がそこしかなかったんですよね。人生、思い通りには行かないものです。

 でも、私は入ってから頑張りました。元からのドジ癖と容量の悪さに苦しみましたがなんとか卒業。
 当然、卒業すると就職か進学に分かれる訳ですが、何とか卒業した私に進学なんて出来る頭がある訳もなく、就職の道を選んで屋敷に勤める事になった訳です。

 で、その屋敷というのがここ、光神寺邸な訳です。
 ちなみに光神寺家は石油からネットまでという手広い分野で活躍するハイパーな家柄。

  私、実はかなり緊張しています。実際、インターホンの存在にも今気付きました。自分のすぐ側にあったんですけどね……。

 と、ともかく私は荷物を置いてインターホンをゆっくりと押します。

ピンポーン ピンポーン

 待つ事数秒、インターフォンの辺りから可愛らしい女の声が聞こえてきました。

「……どなた様ですか〜?」

 彼女の声は一言で言えば好感の持てる声。耳に心地よくって、なんだか本人が優しい人なんだろうな〜って予想していると、女がさっきよりは少し不機嫌な感じで訊いて来ます。

「あの〜、どちら様ですか?」
「あっ!えっと、すいません!わ、私雛森時子と言う者で今日からそちらで働かせて頂く事になったんですが……」
「ああ、そう言えばそんな事聞いた覚えが……。それじゃあ、今から門を開けるので入って来てください」

 女の子が言うなり門は騒音にも似た音をたてて開きます。何だか入りづらくて暫くモタモタしていると、いきなり私の後ろから声がしました。

「貴方が雛森時子さんですね?」
「は、はひ!」

 私が振り返ると、そこにはヒゲを蓄えた初老と思われる男性がいた。

「光神寺家の執事、青木と申します。部屋にご案内いたしますので、こちらへどうぞ」
「は、はあ……」

 私が青木さんと名乗る執事さんについて行くと、改めて屋敷の広さが分かりました。なんせ、玄関まで行くのに十分もかかりましたから……。でも、ここで驚くのはまだ早かったのです。そう、私が本当に驚いたのは執事さんが玄関のドアを開けた時なのですから。

「う、うわ〜!」

 私はまるで夢を見ているようでした。シャンデリアが天井にあたかも有って当然のように存在していて、絨毯はレッド!オマケにコレでもかと言う位に並ぶ部屋。

 まさにお金持ちの住む家です。そんな事を私が考えて歩いていると、執事さんがいきなり一つの部屋の前で止まりました。

「これが、これから貴方が暮らす部屋427号室です。先に届いた荷物はすでに運び入れてありますので、私はこれで失礼致します」

 淡々とそれだけ言うと執事さんはさっさと行ってしまった。仕方なく、私は自分で部屋の扉を開く。
 すると、そこにはこれまた今までに見た事もないような光景が広がっていました。

 二人は寝れそうなフカフカのベッド、一目で高級と分かる家具。自分が持ってきたものなんて、この家具の前では無いに等しいくらい。一瞬放心したあと、私は思いっきりベッドにダイブしました。

バフ!ぽよ〜ん♪

ベッドは私の体をまるでトランポリンのように宙へと浮かせます。それが妙に楽しくて私が何度も繰り返していると、不意に祖父から言われた事をおもいだしました。

「そう言えば、お爺ちゃんが『部屋のスケッチしとくように』って言ってたっけ?全く、本当に変わり者よね〜。そんなのして何になるのか……。まあ、言いつけだからするけど」

 早速しようと自分のバッグを探してみると、自分が玄関に忘れてきた事に気がつきました。
 思わず、体中の力が抜けてしまいます。さっきまでの道を思うと、非情におっくう。

「ど、どうしよう……。バッグ、忘れてきちゃった。ハハッ、取りに行くしかないかな?やっぱないよね」

 一人会話をすると私は溜息をつきながら部屋を出ます。なるべく早く見つけたいと思いながら……。
 でも、現実とはそうは上手く行ってくれません。部屋を出てたった三十分、いきなり迷ってしまいました。忘れていたんです、自分がドジな事より、容量が悪い事より、方向音痴だという事を。

「う〜、まさか初日から迷うなんて……。ってか、ここ何処なんだろ?」

 まあ、こんな時には大抵何とかなるもので、爽やかそうな青年に声をかけられました。

「どうしたの?」

 これが、後々の私の人生を大きく分けるとはこの時の私は予想もしていませんでした。

■作者からのメッセージ
どうも、わけあって偽名を使っていますが無記名のテストという者です。
無礼・無作法な内容とは思いますが、評価していただけたら幸いです。
皆様、宜しくお願い致します。

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