あたりまえ
作者: コシミカリ   2010年09月22日(水) 00時28分29秒公開   ID:DB3v3EfE.1E


「んだァァアアア!!!!わかんねぇ!!!!」

悪魔は言う。

「うるさいぞ悪魔。」

天使は言う。

「まぁまぁ、そう熱くなるでない。どうしたんだい?悪魔くん」

神は言う。

「神さま…あの…(あたりまえ)ってなんでしょうか?」

「(あたりまえ)?」

「はい」

「う〜む………」

悪魔は待つ。神さま悩む。天使苛立つ。

「簡単じゃないか!(愛)(友情)(平和)!これ成り立つ事が(あたりまえ)そのものだ」

「なんか違う気がする…」

「何が違うと言うのだ!!悪魔の分際で神に仕える天使に逆らうなど…」

「なんだよ!やんのかゴラァアア!!!!」

悪魔・天使、殺気だつ。

「こらこら、争いはいけませんよ?……しかし、(あたりまえ)とは、これまた難しい課題ですねぇ………」

「神さまでも分からない事あるのか!」

「貴様!神を侮辱したな!!もう許さんぞ……」

「なんだ喧嘩の続きがしたいのかワレェエエ!!!!!」

「ちょっと黙りなさい!!!二人共!!」

悪魔・天使、呆然。

「コホン………と、取り乱してしまったな…すまん。ところで本題に入るが、悪魔くん。君はどう思っているのだい?(あたりまえ)のことを…」

「オ、オレは…その…えーと………………う、うまい飯を食ったり……罪の罠に引っかかる人間を見てわらったり……意味もなく空を飛びまわったり…………後は……………………」

天使・神さま、聞き入る。

「夜眠れない時、母ちゃんが何時も悪守り唄歌ってくれる事、秘密にしてる事が何故か父ちゃんにはバレてる事…………天使と喧嘩したり、それで神さまに叱られたり…………………オレ、まだまだいっっっっぱい(あたりまえ)があるぞ?!」

「ふふ…そうですね。私たちが今までしてきた事、経験した事…それは全て(あたりまえ)です。……でも、世の中には(あたりまえ)が(あたりまえ)では無い人たちもいるのです。……それはとても悲しい事でもあります………」

「(あたりまえ)が…」

「(あたりまえ)では無い人達……」

「だからこそ、私達が感じているこの(あたりまえ)を大事にして精一杯生きなければいけません。悪魔くんと天使くんも二人で喧嘩ができる事に感謝しなければいけませんね。」

「……(チラッ)」

「……(ちらっ)」


「「あ、ありがとう……」」


「ふふ…それでいいのです。」



あたりまえ だけど あたりまえ じゃない

あたりまえは とても幸せな事だから。

もっとあたりまえを大切にしよう。
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